ツアー・オブ・ジャパンのオープニング「堺国際クリテリウム」で中島康晴が3位

日本国内最大級のステージレース、ツアー・オブ・ジャパンが5月20日に開幕。日本列島を西から東へとめぐる8日間の戦いがスタートした。初日は大阪府堺市で2.6kmの個人タイムトライアルが行われ、キナンサイクリングは中島康晴がチーム最上位の31位で終えた。また、本戦に先立ちエキシビジョンレースとして堺国際クリテリウムが行われ、序盤から攻めた中島が3位に入賞。チームとして今大会を上々の形でスタートさせた。

堺国際クリテリウムで中島康晴が3位 ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

全8ステージ・総走行距離764kmで争われる大会。堺市を出発し、27日に東京でフィナーレを迎える。2018年は9カ国から16チームが参戦。UCI(国際自転車競技連合)のチーム登録において最上位カテゴリーのUCIワールドチームから1チーム、第2カテゴリーのUCIプロコンチネンタルチームから2チームが参戦。ワールドクラスのレースが日本で展開される。

この大会に4年連続出場となるキナンは、マルコス・ガルシア、山本大喜、サルバドール・グアルディオラ、トマ・ルバ、中島、新城雄大の6選手をメンバーに選出。2年前に個人総合2位となったガルシア、過去2度の個人総合4位を経験するルバ、山岳を得意とするグアルディオラ、5月上旬のスリランカTカップ個人総合優勝の中島、2018年のアジア選手権ロード2冠の山本、そして春以降絶好調の新城と、まさに現状でのベストメンバーで挑む。そして、個人総合優勝をチーム最大目標として戦う。

大会初日は堺市・大仙公園を囲む周回コースが舞台。選手たちは2.7kmを10周回するエキシビジョンレース「堺国際クリテリウム」に出走。ツアー・オブ・ジャパン出場選手全員が顔見せの意味合いでコースに繰り出し、スピード感あふれるレースを展開。キナン勢は中島が序盤に形成された8人の逃げグループに合流。有力チームの選手たちが加わったこともあり、これを見送ったメイン集団はペースダウン。やがて集団をコントロールするチームが現れるものの、中島らの逃げグループとのタイム差は広がる一方となった。

中島ら8人は安定したペースで先頭交代のローテーションを繰り返す。そのまま優勝争いへと転じ、タイトルを懸けたスプリント勝負となった。フィニッシュへ向けて好位置から加速した中島。スピードに勝る選手に優勝こそ譲ったものの、3位となり表彰台の一角を確保。好調をアピールする快走を披露。また、他の選手たちもトラブルなくレースを終えた。

チームプレゼンテーションを経て、いよいよ戦いは本番へ。例年同様、第1ステージは個人タイムトライアルが設定されたが、2018年からコースレイアウトが変更。2017年まで公園北側を発着としていたが、今回から南側からスタートし、西側の直線でフィニッシュする2.6kmとなった。おおむね平坦ながら、コーナーはいずれもテクニカル。落車やバイクトラブルに注意を払いながら、いかにスピードに乗せて走り切るかがポイントとなる。

キナン勢はルバ、グアルディオラ、中島、新城、山本、ガルシアの順で出走。まずは大きな遅れを喫することなく、体調や脚の具合を確かめながらのレースに。順位のうえでは中島の31位がチーム最上位だったが、各選手ともに仕上がりのよさを実感。いずれの選手もトップから13秒以内の差にとどめ、まずは快調なスタートを切った。

21日は京都での第2ステージ。京田辺市の普賢寺ふれあいの駅からセレモニアルライドがスタートしたのち、パレード区間を経て1周16.8kmのサーキットコースを6周回。合計105km(パレード区間含む)で争われる。サーキットコースは、前半に約3km続く上りが2カ所あるほか、テクニカルなダウンヒルも持ち受ける難コース。途中、3周回目と5周回目に山岳ポイントが設けられており、山岳賞を含めた各賞ジャージをかけた争いも激しさを増すことになる。

ツアー・オブ・ジャパン第1ステージ結果(2.6km個人タイムトライアル)
1 イアン・ビビー(イギリス、JLT・コンドール) 3分12秒00
2 マルコ・カノラ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +1秒05
3 オリバー・ウッド(イギリス、JLT・コンドール) +1秒24
4 ミッヘル・ライム(エストニア、イスラエルサイクリングアカデミー) +1秒73
5 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) +1秒80
6 キャメロン・パイパー(アメリカ、チームイルミネイト) +2秒14
31 中島康晴(KINAN Cycling Team) +7秒60
46 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +9秒78
52 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +11秒40
64 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) +12秒99
65 新城雄大(KINAN Cycling Team) +13秒67
67 山本大喜(KINAN Cycling Team) +13秒77

個人総合時間
1 イアン・ビビー(イギリス、JLT・コンドール) 3分12秒
2 マルコ・カノラ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +1秒
3 オリバー・ウッド(イギリス、JLT・コンドール) +1秒
4 ミッヘル・ライム(エストニア、イスラエルサイクリングアカデミー) +1秒
5 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) +1秒
6 キャメロン・パイパー(アメリカ、チームイルミネイト) +2秒
31 中島康晴(KINAN Cycling Team) +7秒
46 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +9秒
52 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +11秒
64 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) +12秒
65 新城雄大(KINAN Cycling Team) +13秒
67 山本大喜(KINAN Cycling Team) +13秒

ポイント賞
1 イアン・ビビー(イギリス、JLT・コンドール) 10pts

チーム総合
1 JLTコンドール 9分40秒
11 KINAN Cycling Team +23秒

堺国際クリテリウム結果(27km)
1 原田裕成(チームブリヂストンサイクリング)
2 ロイ・ゴールドスタイン(イスラエル、イスラエルサイクリングアカデミー)
3 中島康晴(KINAN Cycling Team)

中島康晴

中島康晴のコメント
たくさんの応援の中で走ることができ、幸せな1日になった。個人タイムトライアルについては、第2ステージ以降の戦いを視野に入れながら全力で走った。向かい風で失速してしまったが、個人的な目標であった3分10秒台ではフィニッシュできたので、調子のよさを実感できるものとなった。
オープニングのクリテリウムで3位に入ることができたが、この先のステージで2位、そして1位と、チームを上昇させていくきっかけになるのではないか。メンバー全員で優勝を目指して走りたい。平坦ステージでしっかり仕事をして、先々に控える山岳ステージにつなげていきたい。山に強いメンバーへよい形でバトンをつなぐという意味で、素晴らしい大会初日とすることができた。

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