自転車競技の発展と進行を目的に国内に拠点を置くUCIコンチネンタルチームが一堂に会した「トラックフェスティバル’18」が8月24日、栃木県の宇都宮競輪場で開催された。日本のロードシーンのトップレーサーが集まったイベントにキナンサイクリングも参戦。ロードレースとはひと味違った勝負の魅力をトラックで表現し、会場に集まったファンと1つになって初開催のイベントを成功させた。
今回参加したのはキナンのほか、宇都宮ブリッツェン、那須ブラーゼン、ブリヂストンサイクリング、マトリックスパワータグ、愛三工業の6チーム。キナンからは山本元喜、中西健児、雨乞竜己、中島康晴、新城雄大の5選手に、強力な援軍として、元ロードレース選手であり、現在は競輪で活躍する福田真平が合流。6人でエントリーした。
イベントの華を飾るレースはオリジナル種目の「ファイブポイントゲーム」。2チームの対戦形式で、1チームあたり5名出走の計10選手がスタートラインへ。1周回ローリングののちリアルスタートとなり、各周回の先頭通過選手の所属チームに1ポイントが付与される。最終的に5ポイント先取したチームが勝利となる。
イベントの企画立案を行ったキナンの加藤康則チームゼネラルマネージャーによる開会宣言の後、競技開始。東西に分けられた予選ポッド内での抽選の結果、西リーグに属するキナンは、初戦をマトリックスパワータグ、第2戦を愛三工業と対戦することが決定。東西のそれぞれの予選リーグを1位通過したチーム同士が決勝を戦うことになる。
ナイター照明に照らされる中での初戦。山本、中西、雨乞、中島、新城で臨んだキナンは、序盤こそポイントを獲得したものの、中盤以降にマトリックスパワータグに主導権を奪われ、5ポイントを先取されて敗戦。
しばらく時間をおいて臨んだ第2戦は、新城と福田を入れ替え。スタート直後から愛三工業の攻勢にあいながらも、中西が3ポイント連取するなど、好展開に持ち込んでそのまま勝利。最後は日本チャンピオンジャージを着用する山本がポイントを獲得してレースを締めた。
1勝1敗で予選リーグを終えたキナンは惜しくも決勝進出こそならなかったものの、各選手がそれぞれに持ち味を発揮。ロードで培った走りをファイブポイントゲームに応用させ、選手間で連携をとりながら2レースを戦った。なお、決勝は東西の首位チームの頂上決戦として行われ、マトリックスパワータグを破ったホームチームの宇都宮ブリッツェンが優勝している。
会場は、トラックの内側に有料のVIP席を用意。レースを間近で見られるだけでなく、敢闘門からトラックへと入る選手との交流も楽しむ要素となった。また、無料のスタンド席もほぼ満席。多くのファンが注目する中で、イベントを成功裏に終えている。キナンはレース以外にもブース出展をしてチームグッズの販売も実施。閉幕後には、選手が会場に訪れた大勢のファンをお見送り。選手とファンとが一体となったイベントを象徴するシーンとなった。
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