究極の三次元モータースポーツRed Bull Air Race World Championship(レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ)2018年シーズン第5戦の決勝が8月26日(日)にロシアのカザンで開催された。12万8000人の観客が見守る中、マーティン・ションカ(チェコ)が2連勝。室屋義秀は第2戦カンヌ以来のファイナル4進出かと思われたが、ラウンド・オブ8での飛行中にエンジン回転数の上限超過したことで失格となり、8位に終わった。
予選を53秒351とまずまずのタイムで5位通過した室屋は、ラウンド・オブ14で52秒774とさらにタイムを縮めてニコラス・イワノフ(フランス)を退け、ラウンド・オブ8に進出。続く対戦ではカービー・チャンブリス(米国)より先に飛び、フライト直後に無線で聞こえてきたレース・ディレクターの声は「室屋、51秒643、ノーペナルティ」。それを聞いた瞬間、久しぶりに機上でガッツポーズを決めた室屋だったが、エアポートに戻ってファイナル4の準備をしている最中に、先ほどのフライトでエンジン回転数がルール7.1.8.4で規定されている上限値の2,950rpmを超過していて、失格となったことを知らされ、カザンでのレースが終わった。
レース後に室屋は「フライトはすごくよくてトラックレコードとなるタイムを出していたのですが、ミーティングの後にRPM(エンジン回転数)がオーバーしたことを知りました。今まで一度も経験したことがないことなので、チームで究明したいと思います」とコメント。
2度目となるカザンでのレッドブル・エアレースを制したのは、前節から調子を上げているマルティン・ションカだった。カザン入りしてからフライトラインを見つけるのに苦労していたションカは、土曜日の予選は54秒356で12位と出遅れたが、決勝日1回戦のラウンド・オブ14で最速の52秒246を記録。ラウンド・オブ8ではトラックレコードとなる52秒009を叩き出してファイナル4に進出した。
そのファイナル4では先行のマイケル・グーリアンが52秒238の好タイムを出てプレッシャーをかけてきた。最初のセクターこそグーリアンが上回ったが、ションカはバーティカルターンを完璧に攻略。最終的に0.115秒上回る52秒123でゴールし、グーリアンを退けて2連勝を果たした。総合ランキングは今大会2位のグーリアンが12をポイント獲得して再び首位に返り咲いたが、前節まで首位のマット・ホール(オーストラリア)が今大会7位に終わったことで、ションカが総合3位から2位に上がった。
室屋は8位で3ポイントを獲得し、5位に踏みとどまった。
次戦は9月15日(土)、16日(日)のウィーナー・ノイシュタット大会(オーストリア)。最終戦は11月17日(土)、18日(日)に米国テキサス州フォートワースのテキサスモータースピードウェイでの開催が決定した。
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