東京2020組織委員会は2020年の東京五輪開幕まで残り500日となった3月12日、東京2020オリンピックスポーツピクトグラムを発表した。全33競技50種類のオリンピックスポーツピクトグラムを制作。
スポーツピクトグラムは、それぞれの競技を正確に表すと同時に、コミュニケーションツールとして情報を伝える大切な役割がある。また、開催期間のみならず、後年にわたって人々の記憶の中に東京2020オリンピックを印象づけるものだ。
東京2020オリンピックスポーツピクトグラムは、1964年の東京オリンピックで生まれたスポーツピクトグラムの考え方を継承するだけでなく、さらに発展させ、躍動するアスリートの動きを魅力的に引き出すデザインとなっている。グラフィックデザイナーである廣村正彰らで編成される開発チームが、全33競技50種類のオリンピックスポーツピクトグラムを制作した。
東京 2020 オリンピックスポーツピクトグラムのコンセプト
東京1964オリンピック競技大会のスポーツピクトグラムは、世界中の人々が言語を問わず誰でも理解ができるように、「情報伝達」という点を重視して作られた。東京2020オリンピックのピクトグラムは、その情報伝達という考え方を継承するだけでなく、さらに発展させ、躍動するアスリー トの動きを魅力的に引き出す設計で開発された。これにより、大会競技を彩る装飾としての機能もかなえるピクトグラムが誕生した。
“Innovation from Harmony”という東京2020のブランドプロミスに基づき、1964年のピクトグラムを先人へのリスペクトともに継承・進化させ、新しい時代の革新的なピクトグラムとなっている。
東京2020オリンピックスポーツピクトグラムの展開
東京2020オリンピックピクトグラムは2種類で展開される。一つは、ピクトグラム単体で表現される「フリータイプ」。もう一つは東京2020エンブレムをイメージする“円型”の中におさめられた「フレームタイプ」。フリータイプは、主にポスター、チケット、ライセンス商品などに用いられる。また、フレームタイプは地図表記、サイン類、ガイドブック、Webサイトなどで競技に関する情報伝達のために用いられる。
また、東京2020スポーツピクトグラムは、大会ブランドの一貫性を大切にするため、エンブレムブルーを基本カラーとしている。加えて、東京2020大会の大会ルックに用いられる、紅(くれな い)、藍(あい)、桜(さくら)、藤(ふじ)、松葉(まつば)のコアグラフィックスカラーをサブカラ ーとして設定している。
東京2020公式ライセンス商品の発売
東京2020オリンピックスポーツピクトグラムの展開例の一つとして、公式ライセンス商品が挙げられる。3月12日より東京2020オフィシャルショップ各店舗と東京2020オフィシャルオンラインショップなどでスポーツピクトグラムを活用した第一弾の商品を発売。Tシャツは3500円(税別)。
グラフィックデザイナーの廣村正彰が制作
廣村正彰(ひろむら まさあき)
1988年に田中一光デザイン室を経て、廣村デザイン 事務所設立。グラフィックデザインを中心に、美術館 や商業、教育施設などの CI(コーポレートアイデン ティティ)、VI(ビジュアルアイデンティディ)計画、 サインデザインを手がけている。多摩美術大学客員教授、一般社団法人ジャパンクリエイティブ代表理事。近著『デザインからデザインまで』(ADP)他。
■ 代表的な仕事(受賞歴含む)
日本科学未来館 横須賀美術館 9hナインアワーズ、すみだ水族館、東京ステーシ ョンギャラリー そごう・西武、ロフトのアートディレクションなど。主な受賞歴:N.Y.ADC 9th International Annual Exhibition 銀賞、KU/KAN 賞、毎日デザイン賞受賞、グッドデザイン賞金賞、SDAサインデザイン大賞など
廣村正彰のコメント
東京2020オリンピックスポーツピクトグラム開発チームデザイナー
「今回、東京2020スポーツピクトグラムのデザインに携われることになり大変光栄です。1964年の東京大会で日本のデザイン界の先駆者たちが生み出してくれたレガシーを出発点に、躍動するアスリートの美しさを各競技のスポーツピクトグラムに表現させていただきました。その完成には実に2年近い年月がかけられており、多くの関係者の思いが込められています。この東京2020スポーツピクトグラムが、大会前から各競技への期待を膨らませ、東京2020大会本番を彩ってくれることを願っております。
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