7月15日 第10ステージ サンフルール〜アルビ

ユンボ・ビスマのワウト・ファンアールト(ベルギー)が写真判定のゴール勝負を制して初優勝。同チームはチームタイムトライアルを含めて今大会4勝目。首位ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥークニンク・クイックステップ)はタイム差なしでゴールしてマイヨジョーヌを守ったが、総合3位につけていたフランス期待のティボー・ピノ(グルパマFDJ)は1分40秒遅れとなり、総合優勝争いから後退した。

2019ツール・ド・フランス第10ステージ ©ASO

横風で集団が分断しピノが1分40秒遅れ…優勝争うから後退

いつものツール・ド・フランスは7月第1週の土曜日に開幕し、翌週の日曜日まで9ステージを走って休息日となる。ところが今回は異例の10連続ステージ。アルビが休息日を含む3日間のホスト都市を務めるためだが、選手にとっては身体を休めるタイミングが先送りになった。たった1日の違いだが、罠にはまったのがピノだ。

2019ツール・ド・フランス第10ステージでエッフェルが設計した鉄橋の近くを走る ©ASO

コースは起伏がちな中央山塊。加えて強い横風が吹くという状況だった。自転車競技において集団が分断する条件がこの日はそろっていた。

レース終盤になって、数を減らしてゴール勝負に持ち込みたいユンボ・ビスマ勢がペースアップ。そして総合優勝をねらうイネオス、アラフィリップを擁するドゥークニンク・クイックステップが先頭に立ってそのハイペースを維持する。

2019ツール・ド・フランス第10ステージ ©ASO
マイヨジョーヌを着用して第10ステージを走るアラフィリップ ©ASO

案の定、残り30kmで集団は3つに分かれ、ピノ、総合2位のジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)らが第2集団に取り残された。それを察知してイネオスがさらにペースを上げた。ピノはチームメート1人と必死で第1集団を追うが、これまでの疲れでキレがなく大きな遅れを取ることになった。ピノは結果的に2分33秒遅れの総合11位に陥落した。

「分断させる意図はなかったよ。ピノはチームメートと一緒にいたはずだし、横風のリスクも知っていた。できればタイムロスしてほしくなかったが、彼が遅れていることを知ったのは残り数kmになってからだ」とアラフィリップは弁明。

2019ツール・ド・フランス第10ステージ ©ASO
ワウト・ファンアールトが2019ツール・ド・フランス第10ステージ優勝 ©ASO

結果的に前半戦最後のステージで総合成績の上位が大きく動くことになった。イネオス勢は、連覇をねらうゲラント・トーマス(英国)が総合2位に、ダブルエースのエガン・ベルナル(コロンビア)が同3位に。マイヨジョーヌを射程距離に置いて大会を折り返すことに成功した。

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥークニンク・クイックステップ)
マイヨベール(ポイント賞)ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)
□マイヨブラン(新人賞)エガン・ベルナル(イネオス、コロンビア)

2019ツール・ド・フランス第10ステージのコースマップ(クリックすると拡大します)
サンフルールは小高い丘の上に旧市街がある ©H. Vidal
サンフルール、ギュスターヴ・エッフェルが設計したガバリ鉄橋 ©H. Vidal
丘の上に立つサンフルールの町並みを上空から眺める ©Pierre Soissons
アルビ、空から観たサンサルヴィ教会 ©Ville d’Albi
アルビ、川に映る旧橋と大聖堂 ©Ville d’Albi
アルビのパイプオルガン ©Ville d’Albi

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