和歌山県と三重県にまたがる熊野地域を拠点とするUCI(国際自転車競技連合)コンチネンタルチーム、KINAN Cycling Teamは発足6年目となる2020年シーズンに向け、チームビルディングキャンプを実施。和歌山県新宮市を拠点に来季の所属選手・スタッフが集まり、レース活動を視野に入れて準備に取り組んだ。
2019年体制をおおむね維持して翌シーズンを戦うチームは、12月17日から21日までの日程でキャンプ地に集結。同15日に正式発表された2020年所属の10選手のうち、山本元喜、椿大志、マルコス・ガルシア、山本大喜、サルバドール・グアルディオラ、トマ・ルバ、中島康晴、新城雄大の8人が参加(トラック兼任の福田真平、荒井佑太は欠席)。スタッフも含め、チーム全体がすでに馴染みのメンバーで構成されているものの、改めて積極的なコミュニケーションを図って結束力を強めていくとともに、レースプログラムの確認、来季使用のバイクやウエアのフィッティング、シーズン用イメージ写真の撮影など、その目的は多岐にわたった。
なかでも、重要な位置づけとなったのが19日に行った「アンチ・ドーピング研修会」。選手・スタッフ全チームメンバーを対象に、日本アンチドーピング機構(JADA)ドーピング検査員による講義に臨み、プロアスリートとしての社会的責任を確認する機会に。
研修会では、アンチ・ドーピング規則や「アスリートの権利」、個々の意識づけでいかにして禁止薬物の服用を防ぐか、といったテーマを中心に進行。メインスポンサー「株式会社キナン」社員であり、サッカー・Jリーグやラグビー・トップリーグなどの国内メジャースポーツのアンチ・ドーピング活動に従事するJADAドーピング検査員・堺繁樹氏によるレクチャーのもと、アンチ・ドーピングの役割と責務を再認識。
また、同日夜にはチームミーティングも行われ、加藤康則ゼネラルマネージャーがプロサイクリストとしての心構えやシーズンインへ向けた意識づけを行ったほか、キャンプ期間中盤には株式会社キナン・角口賀敏会長が主催した夕食会が開かれるなど、チームはより一層モチベーションを高めて次なるシーズンを迎える態勢に入った。
そして、肝心のトレーニングも順調に消化。20日には8選手がそろってのロングトレーニングを行い、ツール・ド・熊野(UCIアジアツアー2.2)第1ステージ(赤木川清流)と第2ステージ(熊野山岳)のルートを走行。各選手とも上々の仕上がり具合を見せている。2020年1月15~19日のニュージーランドサイクルクラシック(UCIオセアニアツアー2.2)でシーズン初戦を迎えることも決まっており、心身ともに“レースモード”へとシフトしている。
キャンプを行った新宮市は、株式会社キナンのお膝元。同社スタッフや街の人たちからの期待のまなざしを感じながら、約1週間を過ごした。これをもって、チームの2019年活動は打ち上げ。年明けにはホームタウン活動として小学校での自転車安全教室が予定されているなど、これまで同様にレースにとどまらない幅のあるチーム活動を行っていく。
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