NIPPOをメインスポンサーに加えた2020シーズンのUCIプロチーム(旧UCIプロコンチネンタルチーム)、NIPPOデルコ・ワンプロヴァンスの体制が12月19日に発表された。2019シーズンのチーム名称はデルコ・マルセイユプロヴァンス。
ゼネラルマネージャーのフレデリック・ロスタンのもと、2020シーズンは10カ国、23選手が所属する多国籍チームとなる。日本人選手はすでに発表されているとおり、別府史之、中根英登、岡篤志、石上優大の4名が所属する。またアシスタントマネージャー兼監督として大門宏、監督として水谷壮宏、その他日本人スタッフも加入する。
チームは12月10日から、チーム拠点の南仏マルセイユにて第一次トレーニングキャンプを実施中。来季の所属選手やスタッフが顔を揃え、バイクフィッティング、写真・ビデオ撮影、監督とのミーティングなどのミッションをこなし、1月末のシーズンインに向けて準備を進めている。1月9日には正式なチームのお披露目となるチームプレゼンテーションをマルセイユで開催し、続けて第二次トレーニングキャンプをスペインで実施する予定。
チームジャージはフランス最大の港湾都市であるマルセイユのイメージで、またチームが拠点をおくオバーニュ(Aubagne)出身のマルセル・パニョルが執筆、映画製作した「マリウス」に登場するキャラクターが着用する紺色のマリンボーダーを全面に使用した新しいデザインを採用し、チームイメージを一新。
チームバイクはLOOK「795ブレードRS」をメインに「785ヒュエズRS」「785ヒュエズRSディスク」も使用。日本のKABUTO(ヘルメット)、R×L(レーシンッグソックス)、BTB輪行箱(バイク運搬用ケース)、アスレチカ(高機能ステッカー)もパートナーとしてチームを支える。
大門宏マネージャーのコメント
NIPPOにとって自転車競技を支援して9度目(1988年ソウル五輪〜2020年東京五輪)のオリンピックイヤーを迎える。僕自身が選手、監督として関わったのは1992年バルセロナ五輪の前年度からだが、チームの拠点をフランスに置くのはクレルモンフェランでシーズンを過ごした1999年以来、じつに20年振り。
今年まで7年間に渡り、スポンサーパートナーだったヴィーニファンティーニ(ファルネーゼヴィーニ社)とファイザネ社もプロチームのスポンサードを継続することは、スポンサー離れに歯止めが効かないイタリアの自転車競技界にとってはとても喜ばしいニュースであったと思う。これまでお世話になったスポンサーの活動も見守っていきたい。
スタッフを含めた来季の最終的なチームメンバーは今回のトレーニングキャンプで全容を知ることができた。地元のデルコ社はじめ、プロヴァンス=アルプ=コートダジュール地域の自治体も強力にバックアップするチームだけに、選手、スタッフ共に地元プロヴァンス(南フランス)の出身者が多いのも特徴だ。これまでと比べても選手だけで総勢23名の大世帯だが、日本人メンバー含めてベテランから若手まで多国籍を感じないほどバランスの取れたメンバー構成に満足している。
来季のチーム登録申請が終わった10月にフミ(別府史之)から、突然電話で相談された時はさすがに驚いたが、改めて彼のチャレンジ&アドベンチャースピリットに敬意を表したい。彼の持つ膨大な経験は、日本のロードレース界にとっても永遠に語り継がれるであろう「一生の財産」だが、チーム全体で積極的に共有していきたい。まだまだ若々しいので、新天地での完全燃焼、熱い走りを楽しみにしている。
岡はここ数年、国内をメインに活動していた選手だが、タイムトライアルのクオリティを含め、日本を代表するライダーとしても相応しい並外れたポテンシャルの持ち主。国内から海外へ環境のギャップに順応する努力も大切だが、まずは初戦から実力を発揮することも大事。シーズン初っ端から自ら成績を挙げたり、アシストとして存在感を示すことによって得られる自信が彼にとってシーズン全体を占う意味でも重要な鍵を握っていると思っている。
アンダー23を卒業し、プロ生活一年目を迎える石上にとっては、色々な意味でレベルも格段にアップした世界中の過酷なレースに身を投じていくシーズンになる。ひたすら耐える日々が続くことも、真正面から挑む覚悟ができてることはじつに頼もしいが、昨年まで過ごしてきたプロヴァンスでの生活環境を崩さず続行できることと、このチームのフランス国内のレーススケジュールが豊富なことも彼にとってプラス要因に違いない。
UCIプロチーム(プロコンチネンタルチーム)4シーズン目に挑む中根は、色々な意味でこのカテゴリーで戦う厳しさと怖さを散々体験した選手。彼は今年のジャパンカップでも激アツな走りを披露したが、ハイレベルでの起伏の激しい山岳コースでは間違いなく日本を代表する1人。別府同様、日本人所属メンバーの中では、未知の世界に飛び込む気負いも感じられず、落ち着いているのでまずは2月3月に参戦予定のプロシリーズに向けて準備させたいと思っている。
チーム名にも名前を連ねる「One Provence」とは、今年マルセイユ市で誕生した南フランス全体の市町村を束ねた経済産業、観光のブランド戦略のスローガン。ブランドイメージの普及活動を通し「世界のトップ20都市」の仲間入りを目標に掲げている。世界中のレースを舞台とした我々の活動が、日本人選手の成長やロードレースの普及だけでなく、グローバル化を目指す南フランス地域全体の活性化に貢献できることを願っている。
NIPPOデルコ・ワンプロヴァンス所属選手
ピエール・バルビエ(BARBIER Pierre)** フランス 1997年9月25日 別府 史之(BEPPU Fumiyuki)* 日本 1983年4月10日 ロマン・コンボー(COMBAUD Romain) フランス 1991年4月1日 ルカ・ドゥロシ(DE ROSSI Lucas) フランス 1995年8月16日 ホセマヌエル・ディアス(DIAZ José Manuel)* スペイン 1995年1月18日 ジュリアン・エルファレス(EL FARES Julien) フランス 1985年6月1日 アレッサンドロ・フェデーリ(FEDELI Alessandro) イタリア 1996年3月2日 デリオ・フェルナンデス(FERNANDEZ Delio) スペイン 1986年2月17日 マウロ・フィネット(FINETTO Mauro) イタリア 1985年5月10日 ビニヤム・ギルマイ(GIRMAY Biniyam)** エリトリア 2000年4月2日 ジョゼ・ゴンサルヴェス(GONÇALVES José)* ポルトガル 1989年2月13日 エドゥアルド・グロス(GROSU Eduard) ルーマニア 1992年9月4日 ムルー・ハイルミカエル(HAILEMICHAEL Mulu)**エチオピア 1999年1月12日 石上 優大(ISHIGAMI Masahiro)** 日本 1997年10月20日 ジュル・ジュスタン(JUSTIN Jules)* フランス 1986年9月20日 リッカルド・ミナーリ(MINALI Riccardo)* イタリア 1995年4月19日 中根 英登(NAKANE Hideto)* 日本 1990年5月2日 ラムナス・ナヴァルダウスカス(NAVARDAUSKAS Ramunas) リトアニア 1988年1月30日 岡 篤志(OKA Atsushi)** 日本 1995年9月3日 ドゥシャン・ラヨビッチ(RAJOVIC Dusan)** セルビア 1997年11月19日 レミ・ロシャス(ROCHAS Rémy) フランス 1996年5月18日 エヴァルダス・シシュケヴィチュス(SISKEVICIUS Evaldas) リトアニア 1988年12月30日 ジュリアン・トラリウー(TRARIEUX Julien) フランス 1992年8月19日 ※8月から正規所属 / サイモン・カー(CARR Simon)** イギリス 1998年8月29日 *新規加入 **新規ネオプロ(プロ1年目)契約
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