ツール・ド・フランスは1カ月遅れのプランB開催が有力に

2020年のツール・ド・フランスが1カ月遅れの日程で開催される方向で調整に入ったことが複数のメディアで伝えられ始めた。新型コロナウイルス感染拡大を受けて、当初の予定であった6月27日から7月19日という日程を返上し、7月25日から8月16日までとなる可能性がある。

2019ツール・ド・フランス第14ステージ ©ASO Alex BROADWAY

フランスの日刊紙「ル・パリジャン」は、主催者ASOが各ステージをホストする自治体の首長に7月25日開幕のスケジュールで打診を始めたと伝えている。同紙はASOのメディアグループに属しているだけに、その信憑性は極めて高い。パリにゴールするのは8月16日だと報じている。

本来なら1カ月遅れの開催となると、スポーツのビッグイベントである2020東京五輪と日程重複するが、すでに東京五輪が1年後の開催となることが決まっていて、国際的にも無難な解決策となる。ニースで開幕し、その後のコースも変更はないとされる。

フランスでの新型コロナウイルス死者数は1万人を超えていて、3月のパリ〜ニース最終日前日以来、レースは開催されていないという状況が続く。ツール・ド・フランスの前哨戦といわれるクリテリウム・デュ・ドーフィネも延期。同じく前哨戦と位置づけられる隣国スイスのツール・ド・スイスは室内トレーナーを使ったVRレースで開催すると決定した。

2019ツール・ド・フランス第21ステージ ©ASO Alex BROADWAY

5月15日までに結論を出す方向に

フランスの威信にかけてツール・ド・フランス開催は譲れないものがあったのだ。議論の中では日程の短縮、無観客レース、さらにはジロ・デ・イタリアとブエルタ・ア・エスパーニャとの合併開催という案もあったようだ。

しかしレースディレクターのクリスティアン・プリュドムは、「観光と経済的利益は替えがたいものがあるとして無観客レースでの実施を真っ向から否定した。

コース上の地方自治体も1カ月遅れの開催案を支持し、「それまでにフランス全土が健全な状態に戻れば問題はない」とした。観客なしで開催するよりも掛け値なしにいいとする意見が占めた。

現在は参加チームへの打診が行われていると推測されている。また、ASOが運営するブエルタ・ア・エスパーニャとの日程調整も課題となる。ただし1カ月遅れで本当に開催するのか、それとも別の決断を迫られるのか。レース主催者ASOからの最終決定は、5月15日までに行われるようだ。

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