自転車ロード競技の日本チャンピオンを決める全日本選手権が新型コロナウイルス禍により2020年は中止となった。2020年大会は当初、6月末に開催される計画だったが、感染拡大により延期。8月20日から広島県で開催を予定していたが、日本自転車競技連盟は6月22日にこれを中止とし、再延期はしないことを決定した。
全日本選手権が中止になったのは、1998年に第1回大会が開催されてから初めて。その前身となる全日本アマチュア自転車競技選手権を含めると、プロとアマチュアの団体の分裂期となった1955年に大会が非開催となったとき以来、65年ぶりのこととなる。
中止となったのは第89回全日本自転車競技選手権大会ロードレース、第24回全日本選手権個人タイムトライアル・ロードレース大会、2020日本パラサイクリング選手権ロード大会。
各国のナショナルチャンピオンを決定する選手権は毎年、ツール・ド・フランス開催1週間前に行われ、近年は日本も主要国と日程を合わせて開催してきた。ツール・ド・フランスが8月29日開幕に延期されたことで、ナショナル選手権も多くの国がその1週間前にスライドしたが、新型コロナウイルス感染症はいまだに根絶には至らず、感染防止に向けた活動が引き続き必要となっているため、日本自転車競技連盟が中止を決めた。
「スポーツの持つさまざまな意義がありますが、その中でも健康増進、感動を与える、QOLの向上、競技力向上、地域交流といった点に対して、現在の環境下では、大会に参加する選手や指導者、観客、そして大会役員をふくめた関係者全員の健康リスクを最小限に抑えて、大会を開催することは難しいという結論に至りました」と日本自転車競技連盟。
「大会に向けてトレーニングしてきた選手・指導者、観戦を楽しみにしていたファンの皆様、開催に向けてご尽力いただいた地元関係者の方々には無念のことと思いますが、なにとぞ理解くださるようにお願いいたします。連盟では1日も早い収束を願い、2021年の開催に向けて準備に取りかかります」