サウジアラビアを走る5日間のステージレース、サウジツアーは1月31日に第2ステージが行われ、片山右京が率いるJCL TEAM UKYO(チーム右京)の石橋学が2選手の逃げに加わるなど積極的な走りを見せた。
前日の武山晃輔に続いて石橋学がアタック
第2ステージのコースは広大な砂漠の中をコの字に大きく回る184kmで行われた。前半はやや右後ろからの追い風が予想され、中盤の横風と後半の向かい風で展開が大きく動くことが予想されるレース。JCL TEAM UKYOは第1ステージでトップとタイム差なしで総合31位につけている山本大喜に18.9km地点のボーナスポイントを獲得させ総合成績の順位を上げることをターゲットに、展開次第でスプリントステージになればレイモンド・クレダーのスプリントにも視野に入れレースはスタートした。
午前10時、スタート地点のウインターパークに到着するとすでに風が吹きはじめていた。風向きでドラフティングのフォーメーションが変化するため、プロトン(集団)内でのポジショニングが結果に大きく影響することを念頭にスタートラインに並んだ。11時45分にレースはスタート。
序盤の登りを利用して石橋を含む4名のアタックが決まる。しかし、ボーナスタイムの懸かるスプリントポイントが近いこともあり、一気にリードを広げるハイスピードな展開に2名が遅れてしまう。結果、エウスカルテル・エウスカディのアスパレンと石橋の2名がこのポイントを通過したことでプロトンは逃げを容認、タイムギャップは一気に4分と広がった。風速8mを超える横風に苦しむも、2名は協調しながら時速60km近いスピードを保ち走り続けた。
8km地点からルートが左へ曲がると風向きが変わり、車体が大きく傾くほどの強い横風に変貌、ここでプロトンが一気にペースを上げたことで6分近く稼いだギャップが一気に2分縮まる。プロトンは5つに細分化され、強い横風の影響で選手たちは斜めの隊列で進行。こうして石橋を一気に飲み込もうとする激しい展開により、JCL TEAM UKYOはクレダーと岡篤志が第3グループ、他は第5グループに振り落とされる厳しい状況を迎える。
ところが89km地点で進路が左折したにより突風が向かい風に変わると、それまで非常に高いペースを保っていた先頭グループは踏み止めてスローダウン。分裂したグループも再びひとつにまとまる。JCL TEAM UKYOにとってはピンチを脱した展開となり、最終展開に向け脚を回復させる。
ラスト20km先のゴールへ突き進むプロトンは横風の強い中ペースが不安定になり落車が発 生。武山晃輔が避けきれずクラッシュ、ヘルメットやバイクを破損するほどのダメージを受けリタイアに追い込まれる。
一方、プロトンはワールドツアーチームのトレインが展開するハイペースで40名ほどに絞られた。彼らのトップスピードに食らいついたレイモンドがスプリントで22位でゴールになだれ込んだ。後続では、山本が約2分遅れて65位でゴール。武山を失ったがその他メンバーもゴールして第2ステージを終えた。
「エウスカディの選手の踏みが強く、早々に4人のメンバーが分解してしまいましたが、なんとか食らいついたことで80kmほどのエスケープを展開できました」と石橋。
「強い横風区間まで5分のリードを保てたことが自分にとってもプラスに働きましたし、昨日の武山選手に続きロングエスケープ にトライしたことでチームのアピールにもなったと思います 」