KINAN Cycling Teamがポッドキャストページを開設

KINAN Cycling Teamがインターネット上で音声を公開する「ポッドキャスト」で選手やスタッフの声を配信していく企画を開始した。

現在は毎週金曜日にチームサプライヤーである、いなべエフエム(86.1MHz)夕方の情報番組「イブニングいなBee」で選手・スタッフが週替わりでレギュラー出演をしている。当初はスタジオ出演から始まったが、新型コロナウイルスの感染拡大が急速に進行してからはスタジオとチームとオンラインでつなぎ、リアルタイムのやり取りをラジオ電波に乗せつつ、後日その様子をチームのYouTubeチャンネルでアーカイブ配信をしてきた。

今後は、2021年のレースシーズン開幕が間近に迫っていることや、開幕以降は各地でのレース、さらにはイベント活動の本格化も見込み、同番組のレギュラー出演を当面は電話でつなぐ形をとり、放送終了数日後に出演部分をポッドキャストで配信していくことになった。

それにともない、オーディオストリーミングプラットフォーム「Sportify」にKINAN Cycling Teamのポッドキャストページを開設。好きな時に、好きなだけ選手・スタッフの声を聴くことができるようになった。

いなべエフエム出演分については、選手・スタッフの近況やリスナーからの質問に答える様子を聴くことができるが、今後は独自の音声配信も積極的に展開し、チームとしての発信機会を増やしていきたいという。

●KINAN Cycling Teamのホームページ

2種類の乗車姿勢が禁止…コロナ禍でシーズンはどう変わる?

コロナ禍中で始まった2021ロードシーズン。主要大会は例年通りの開催を目指し、ツール・ド・フランス直後に東京五輪が行われる予定。依然として感染者数が高止まりする欧州各国で、大会主催者は対策を強化してスタートにこぎ着けたい考えだ。UCI(国際自転車競技連合)がライディングポジション禁止を明確化したことも含め、どんなシーズンになるのか?

ハンドル上部に前腕を乗せて走るDHスタイルは禁止される

UCIが走行時の安全性を確保するために2種類の乗車姿勢を4月1日から禁止する。下り坂でお尻をサドルから前にずらし、フレームに腰を下ろすように身体をかがめる姿勢。ハンドル上部に前腕を乗せて前かがみになる姿勢(写真)だ。どちらも空気抵抗を低減させるためにプロ選手が考案したものだが、不安定になるため禁止された。

コロナ禍でどうなるかはだれにもわからない

2020年はコロナ禍で大混乱した自転車ロードレース。観客席のあるスポーツとは異なり、沿道に立てばだれでも無料で観戦できるだけに、感染防止対策は試行錯誤の連続だった。ツール・ド・フランスの主催社が作った「バブル」というやり方は、非感染が証明された選手と大会関係者を風船のような密閉空間に置き、外部との接触を遮断するという新対策。これが他スポーツにも適用されていった。

3月6日にイタリアで開催されたストラーデビアンケのゴール。一般の人の姿は見あたらない ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

その効果があったのか、ツール・ド・フランスは奇跡ともいうべき「感染選手なし」で、最終日のパリまで全ステージが行われた。ただし沿道の密まで制御できたとは言えず、フランスはその後第二波に襲われ、1日平均2万人の新規感染者と医療体制のひっ迫状況が今日まで続いている。

今季もすでに中止を発表した大会はいくつかある。UCIもそれを見越して、グランツールと呼ばれる三大大会(ジロ・デ・イタリア、ツール・ド・フランス、ブエルタ・ア・エスパーニャ)の参加チームを1増の23とした。欧州の伝統であり、多くの庶民が楽しみにしている主要大会だけは華々しくやりたいという意思の表れだ。

パリ〜ニース第2ステージ ©A.S.O. Fabien Boukla

トップチームに所属する日本勢3人のメジャー大会出場にも期待

グランツールに出場できる可能性がある日本勢は3選手だ。バーレーンビクトリアスの新城幸也は東京五輪代表。「日本にいて五輪のために調整するのがいいと思うが、チームの打診があれば直前のツール・ド・フランスも走る」と決意を語る。米国のEFエデュケーションNIPPOは日本企業がサブスポンサーとなり、別府史之と中根英登を獲得した。名古屋市出身の中根は東京五輪選考に僅差でもれ、今季はメジャーレース参戦を目指して厳しいトレーニングを重ねている。

2021シーズンは五輪開催がキーとなる

2020年はコロナ禍により中止と延期が相次いだ主要大会だが、2021年は例年通りの開催計画に戻った。23日間の日程で行われるツール・ド・フランスは7月の第1土曜に開幕するのが慣例だが、2021年は東京五輪が7月23日(金)に開幕。24日(土)には男子ロードが最初の決勝競技として行われる。そのためツール・ド・フランスが東京に譲歩し、開催期間を1週間前倒し。6月26日から7月18日までの日程とした。また、当初はデンマークのコペンハーゲン市で開幕する予定だったが、1年延期になったサッカー欧州選手権と日程重複することになり、同市が断念。開幕地はフランス国内に変更された。

マチュー・ファンデルプールがストラーデビアンケ優勝 ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

●2021年の主要レース
3月7〜14日 パリ〜ニース(フランス)
3月20日 ミラノ〜サンレモ(イタリア)
4月4日 ツール・デ・フランドル(ベルギー)
4月11日 パリ〜ルーベ(フランス)
5月8〜30日 ジロ・デ・イタリア
6月26日〜7月18日 ツール・ド・フランス
7月24日 東京五輪男子ロード(日本)
8月14日〜9月5日 ブエルタ・ア・エスパーニャ(スペイン)
9月26日 世界選手権エリート男子ロード(ベルギー)

ボル優勝、首位はマシューズ…パリ〜ニース第2ステージ

「ルート・オ・ソレイユ=太陽への道」という愛称を持つ8日間のステージレース、パリ〜ニースは3月8日に第2ステージが行われ、DSMのケース・ボル(オランダ)がゴール勝負を制して優勝した。

ケース・ボルがパリ〜ニース第2ステージ優勝 ©A.S.O. Fabien Boukla

総合成績ではステージ3位に入ったバイクエクスチェンジのマイケル・マシューズ(オーストラリア)が、この日ボーナスタイムを合計9秒獲得。ドゥークニンク・クイックステップのサム・ベネット(アイルランド)を逆転して総合成績で首位に立った。

2021年3月に創業100年を迎えたシマノ。最新デュラエース発表の期待がかかる ©A.S.O. Fabien Boukla
パリ〜ニース第2ステージ ©A.S.O. Fabien Boukla
パリ〜ニース第2ステージ ©A.S.O. Fabien Boukla
ドリース・デボントとサンデル・アルメ ©A.S.O. Fabien Boukla

パリ〜ニース関連ニュース
パリ〜ニース開幕…ベネットがスプリントVで首位に(2021年3月8日)
●パリ〜ニースのホームページ

黒潮の隠れ家八丈島でヒーリングサイクリングする

八丈スローツーリズム推進協議会が離島における独自性の一つである「癒し効果」を活用し、 太平洋に浮かぶ八丈島を舞台に、コロナ禍に疲れた心と体を整える上質な体験型観光プログラムを構築。サイクリングも積極的に展開していくという。

この体験型観光プログラムはサイクリングなどのウェルネスなアクティビティをベースに、地域の独自性のある歴史、文化、離島の食をテーマに組み込んで提供するもの。ネット上で即座に予約が可能な体制を取り、今後の地域経済効果拡大に大きく資するものとして育成していく予定。

スローツーリズム推進協議会が軸となり、地域が一丸となってさまざまな関連するサービスを巻き込むとともに、サイクリングのインストラクターを地域に養成することにより地域が自走できる体制を目指していく。

今回はモニタツアーを実施し、コロナ禍に疲れた心と体を整える上質な体験型観光プログラムを参加者に体感してもらったという。 

八丈島のサイクリングプログラムは2タイプ

「プロのサイクリングガイドが案内するサイクリングプログラム」と「リーフレットの地図を見ながらセルフガイドで楽しむプログラム」がある。

スピードや距離を競うレース的なアスリート系ではなく、あくまでも八丈島の亜熱帯の空気感を自転車を活用することで五感を使ってより濃厚に感じることが目的。プロのサイクリングガイドが案内するサイクリングとセルフガイドで楽しむプログラムの2種類での検証を実施した。

参加者のコメント
「ステイホームで運動不足だったので、とてもいい気分になれた」
「森のセラピーがこんなに癒されるものとは知らなかった」
「溶岩海岸のアーシング(裸足で大地のエネルギーを感じる)の凄さに気づけた」
「eバイクのサイクリングがとても楽しかった。eバイクがとても欲しくなった」
「新しいサイクリングスタイルスタイル(競争ではない観光を楽しむスタイル)がとても気に入った」
「サイクリングで出かける花の農園、オーガニック農家、レモン農園、ジャージー牧場、ピザ屋さん、蕎麦屋さん、巣箱、サンダルのワークショップへの立ち寄りがとても楽しい」

●八丈スローツーリズム推進協議会のホームページ

マリアローザ90歳の誕生日…オンライン博物館公開

ジロ・デ・イタリアを主催するRCSスポルトがマリアローザ90周年を記念して、マドンナ・デル・ギザッロ教会にあるサイクリング博物館とAcdB博物館と共同してバーチャル博物館を開催。インターネットでだれでも自由に訪問することができる。

1968年にエディ・メルクスが着用したマリアローザ

マリアローザは同大会で個人総合1位の選手が着用するピンク色のリーダージャージ。これまで254選手が着用している。

すでに2021年の第104大会のコースが発表されているが、バーチャル展覧会は5月8日の開幕までまでの9週間オンラインで開催される。

画像、未公開のビデオや記事だけでなく、過去数十年にわたってマリアローザ獲得者のエキサイティングな物語をあますことなく伝えるデジタルプロジェクトだ。ジロ・デ・イタリアのすべてのソーシャルメディアで楽しむことができるという。

また、世界中のファンが「最も好きなマリアローザ選手」を決める選挙区投票できるという企画も同時に行われる。

1951年のマリアローザ

ジロ・デ・イタリアは1909年に始まったが、主催紙ラ・ガゼッタデッロスポルトのスポーツジャーナリスト、アルマンド・コウネットが1931年に首位選手が着るリーダージャージとして企画した。ピンク色は新聞紙の色にちなんだものだ。

初めてマリアローザを着用したのはその年に世界チャンピオンとなるイタリアのリアルコ・グエッラで、1934年にはジロ・デ・イタリアで総合優勝した。

●ジロ・デ・イタリア90周年のバーチャル博物館

スポーツバイク販売店員対象のeラーニングが二次募集

一般社団法人自転車協会がeラーニングによるSBAA PLUS新規資格取得講習の第2次エントリーを2021年3月21日(日)まで受け付ける。受講は2021年3月30日(火)~4月6日(火)、試験は2021年4月7日 (水)~2021年4月15日(木)に開催する。

同協会では、安全安心なスポーツ用自転車の供給販売をとおしてスポーツ用自転車市場の健全な発展を目的としたスポーツBAAマーク制度を2007年よりスタート。2021年2月1日現在、SBAA PLUS資格者は749人となり、210社が特別賛助会員となっている。

この制度は、スポーツ用自転車を取り扱う販売事業者で一定の資格要件を満たし、かつ協会主催の講習会修了後試験に合格し、特別賛助会員に入会した場合にSBAA PLUSの資格(SBAA PLUSマークを貼付できる)が取得できる制度。スポーツ用自転車の安全で安心な利用を消費者に正しく理解してもらい、その楽しみを伝える担い手となる人材にとっては必要な資格だ。

今回は新規資格取得のための講習・試験を、インターネットを活用した学習形態であるeラーニング化を採用し、全国どこからでも受講できるようになった。

今回の申し込みはホームページからのみ。また過去に合格した人は今回の受講の対象外となる。

●SBAAのホームページ