サガン通算2勝目、ベルナル首位堅持…ジロ・デ・イタリア第10S

第104回ジロ・デ・イタリアは5月17日、ラクイラ〜フォリーニョ間の139kmで第10ステージが行われ、ボーラ・ハンスグローエのペテル・サガン(スロバキア)がゴール勝負を制して優勝。2020年に続く大会通算2勝目を挙げた。ポイント賞でもトップに立った。

サガンが2020年に続いてステージ優勝 ©LaPresse

「この前のジロ・デ・イタリアは1カ月前の気がする」サガン

サガンはグランツール通算18勝目。これまでグランツールに15大会出場して、2014年のツール・ド・フランスでステージ優勝できなかったものの、それ以外は1勝以上している。

「非常に幸せだし、チーム全体に感謝したい。彼らは最後の2つの峠で素晴らしい仕事をした。彼らはレースを支配下に置いた。マチェイ・ボドナルとダニエル・オスは、勝利のためにスプリントできるように、最後のコーナーでリードしてくれた」とサガン。

「ステージ勝利したことで、マリアチクラミーノを獲得したが、それを維持するのは簡単ではない。まだジロ・デ・イタリアは半分しかやっていないし、最も難しい半分が待っている。いずれにせよ、再びジロ・デ・イタリアで走れてうれしい。最後のジロは1カ月前の気がする。イタリアでのレースが好きだな」

マリアローザを着用してスタート地点に登場したベルナル ©LaPresse

ベルナルと総合2位エベネプールとの差が1秒縮まる

総合成績では、前日に首位に立ったイネオス・グレナディアスのエガン・ベルナル(コロンビア)が首位を守った。

この日の中間スプリントポイントでは、15秒遅れの総合2位につけるドゥークニンク・クイックステップのレムコ・エベネプール(ベルギー)とボーナスタイムの獲得を巡って激突。エベネプールが2秒、ベルナルが1秒を獲得し、この日終わってその差は14秒となった。

マリアローザのベルナルを援護するイネオス・グレナディアス勢 ©Fabio Ferrari/LaPresse

「マリアローザを着用することは特別な気持ちだった。最終日のミラノでこのジャージがほしいが、まだ長い道のりだし、レース中は秒単位で集中し続ける必要がある」とベルナル。

「中間スプリントの前に、スポーツディレクターがジャンニ・モスコンとジョナタン・ナルバエスに行くように頼むのを聞いた。ピッポ(フィリッポ・ガンナ)の車輪にピッタリとつけていたのでフロントにいるのは簡単だった。ボーナスタイムを1秒取ったが、ジロ・デ・イタリアは1秒で勝つか負けるかが決まるものじゃない。上りでもっとタイムが開くからだ。レムコとマッチレースになるとは思わない。総合成績で1分以内にいるすべてのライダーが総合優勝を目指しているからね」

ステージ優勝とともにポイント賞でもトップに躍り出たサガン ©Massimo Paolone/LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアス)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
マリアアッズーラ(山岳賞)ジョフリー・ブシャール(フランス、AG2Rシトロエン)
□マリアビアンカ(新人賞) エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアス)

マリアローザを守ったベルナル ©LaPresse

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ベルナルがジロ・デ・イタリア第9Sを制して首位に

第104回ジロ・デ・イタリアは5月16日、カステル・ディ・サングロ〜カンポフェリーチェ間の158kmで第9ステージが行われ、エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアス)が優勝。総合成績でも首位に立った。

ベルナルが未舗装区間でアタック ©Fabio Ferrari/LaPresse

ベルナルのグランツール区間勝利は初めて

ベルナルは2019ツール・ド・フランスで総合優勝している実力者だが、グランツールでステージ優勝を遂げたのはこれが初めて。ジロ・デ・イタリアではコロンビア勢として30回目のステージ勝利となった。コロンビア勢のマリアローザは、リゴベルト・ウラン、ナイロ・キンタナ、フェルナンド・ガビリア、エステバン・チャベスに続いて5人目。

2021ジロ・デ・イタリア第9ステージ ©LaPresse

「精神的にも肉体的にも、困難な2年間だった。改めて勝つことはボクにとってもチームにとっても重要なことだった。じつはまだ先に選手がいると思った。それだけ完全に集中していた。自分の世界にいた」とベルナル。

「勝ったと言われたとき非常に感情的になった。砂利道の最後の1.5kmは、他選手を見ることなく、ひたすら苦しい4分だった。まだ背中の痛みに疑問を持っている。ステージの前後にフィジオ治療を受けている。今はただこの勝利とマリアローザを楽しみたい」

2021ジロ・デ・イタリア第9ステージ ©LaPresse
2021ジロ・デ・イタリア第9ステージ ©LaPresse
ジロ・デ・イタリア第9ステージでアタックしたベルナル ©Fabio Ferrari/LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアス)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)ティム・メルリール(ベルギー、アルペシン・フェニックス)
マリアアッズーラ(山岳賞)ジョフリー・ブシャール(フランス、AG2Rシトロエン)
□マリアビアンカ(新人賞) エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアス)

ベルナルがマリアローザ ©LaPresse

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ラフェ独走勝利、バルテル首位死守…ジロ・デ・イタリア第8S

第104回ジロ・デ・イタリアは5月15日、フォッジャ〜グアルディアサンフラモンディ間の170kmで第8ステージが行われ、9人の先頭集団に加わったコフィディスのビクトル・ラフェ(フランス)が残り4kmの上り坂から独走を決めて優勝した。プロ初勝利。

ビクトル・ラフェ(フランス)が優勝 ©LaPresse

個人総合成績では、第6ステージで首位に立ったグルパマFDJのアッティラ・バルテルがその座を守った。

2021ジロ・デ・イタリア第8ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse
マリアローザのバルテルを援護するグルパマ勢 ©Fabio Ferrari/LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)アッティラ・バルテル(ハンガリー、グルパマFDJ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)ティム・メルリール(ベルギー、アルペシン・フェニックス)
■マリアアッズーラ(山岳賞)ジーノ・マーダー(スイス、バーレーンビクトリアス)
□マリアビアンカ(新人賞) アッティラ・バルテル(ハンガリー、グルパマFDJ)

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ユアンがジロ・デ・イタリア通算5勝目をゲット

第104回ジロ・デ・イタリアは5月14日、ノタレスコ〜テルモリ間の181kmで第7ステージが行われ、ロット・スーダルのカレブ・ユアン(オーストラリア)がゴール勝負を制して、第5ステージに続く今大会2勝目、大会通算5勝目を挙げた。

カレブ・ユアンが2021ジロ・デ・イタリア2勝目 ©LaPresse

個人総合成績では、前日に首位に立ったグルパマFDJのアッティラ・バルテルがその座を守った。

2021ジロ・デ・イタリア第7ステージ ©LaPresse
2021ジロ・デ・イタリア第7ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse
エーススプリンターの勝利に、それをお膳立てしたアシスト陣がガッツポーズでゴール ©Massimo Paolone/LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)アッティラ・バルテル(ハンガリー、グルパマFDJ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)
マリアアッズーラ(山岳賞)ジーノ・マーダー(スイス、バーレーンビクトリアス)
□マリアビアンカ(新人賞) アッティラ・バルテル(ハンガリー、グルパマFDJ)

カレブ・ユアンはマリアチクラミーノも獲得した ©LaPresse

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マーダーV、バルテルがハンガリー選手として初のマリアローザ

第104回ジロ・デ・イタリアは5月13日、グロッテ・ディ・フラザッシ〜アスコリピチェーノ間の160kmで第6ステージが行われ、バーレーンビクトリアスのジーノ・マーダー(スイス)が優勝。グルパマFDJのアッティラ・バルテルが首位に立ち、ハンガリー選手として初のマリアローザを着用した。

バーレーンビクトリアスのジーノ・マーダー ©LaPresse

バルタリに続く2人目の「ジーノ」の勝利

マーダーは前日にチームエースであるミケル・ランダ(スペイン)を落車骨折で失い、この日は自らの勝利のために走った。6人の第1集団から残り15kmの最後の山岳で単独となり、そのままゴールまで逃げ切った。

「昨日はクラッシュでミケルを失うという悲しい日だった。今日は別のゴールがあった。ミケルを守る必要はもうなく、積極的にレースをして逃げようと思った。マテイ・モホリッチが信じられないほどの仕事をしてくれた」とマーダー。

「彼は私を信じていて、昨日、私が勝つためのステージになると言ってくれた。こんな勝利をつかむことができてうれしい」

ジーノという名前はイタリアの英雄ジーノ・バルタリと同じで、それ以来となるステージ優勝にイタリア各紙は着目した。

「じつはジーノ・バルタリをよく知らない。両親はサイクリストで、同じ名前を持つことを光栄には思うが、バルタリが活躍した時代から遠く離れているし、私はおそらく彼のレベルに達することはできないと思う。私にとってジロ・デ・イタリアは常に世界で最も美しいレース。いつも参加することを夢見ていたレースだった。そんな夢舞台でステージ勝者になることはさらにいいことだ」

2021ジロ・デ・イタリア第6ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

22歳のアシスト要員が初のマリアローザ

総合優勝を争う有力選手は、イネオス・グレナディアスのエガン・ベルナル(コロンビア)がアタック。ドゥークニンク・クイックステップのレムコ・エベネプール(ベルギー)がこれに反応。バルテルもこれに食らいつき、総合成績で初めて首位に躍り出た。22歳のバルテルはティボー・ピノ(フランス)のアシスト役として起用されたが、ピノが背中の痛みで欠場し、チャンスを得た。

エガン・ベルナルら有力選手が積極的な動きを見せた ©Fabio Ferrari/LaPresse

「レムコとベルナルから首位の座を奪ってしまい申し訳ないとは思うが、彼らはチャンスを持つことになった。今日はなんとか彼らに固執した。フィニッシュに近づくほど、マリアローザを着ると信じていた。このジャージのために人生と戦ってきた。それが現実のものとなって幸せだ」とバルテル。

「最近はよく走れている。マリアローザを獲得したことに満足しているけど、もっとスゴいことができたとしても驚かないだろう。できるかぎり首位を守ることで今後の自信になってくれる。いつかは最終日にマリアローザを獲得するためにこのレースに戻ってきたい。コロナ禍で母国のブダペストでジロ・デ・イタリアが開幕する計画はなくなってしまったけど、いつかは実現することを望んでいる」

ジーノ・マーダーが初優勝 ©Gian Mattia D’Alberto/LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)アッティラ・バルテル(ハンガリー、グルパマFDJ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、ケベカアソス)
マリアアッズーラ(山岳賞)ジーノ・マーダー(スイス、バーレーンビクトリアス)
□マリアビアンカ(新人賞) アッティラ・バルテル(ハンガリー、グルパマFDJ)

アッティラ・バルテルがハンガリー選手として初めてのマリアローザ ©Gian Mattia D’Alberto/LaPresse

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トラックネイションズカップ香港で男子チームスプリント優勝

2021シーズン初戦となるUCIトラックネイションズカップ香港大会が5月13日から16日までの4日間にわたり、中国・香港で開催。大会初日となる13日に、日本勢は小原佑太中野慎詞深谷知広の男子チームスプリントで1位、男子チームパーシュートで3位となった。

UCIトラックネイションズカップ香港大会の男子チームスプリントで優勝したドリームシーカー ©日本自転車競技連盟

日本勢は男子チームパーシュート、男子チームスプリントに出場。男子チームスプリント決勝はスペインと対戦。2周完了時点で日本はスペインに0.191秒の差をつけられていたが、3走の深谷知広が逆転し、優勝を飾った。

●男子チームパーシュート
1位  ドイツ 3:52.429
2位  デンマーク 3:56.800
3位  日本(橋本英也、今村駿介、兒島直樹、窪木一茂) 4:04.303

●男子チームスプリント
1位  ドリームシーカーレーシング/日本(小原佑太、中野慎詞、深谷知広) 44.617
2位  スペイン45.1773
位  ウクライナ 45.816

男子チームスプリント選手コメント
小原佑太(ドリームシーカー/JPCU青森)
「今大会は優勝できると思っていたが、新メンバーとしていいタイムを出すのが目標でした。世界選手権を考えると自身の走りに納得はできないところもあり、うれしさ半分であった。次に活かせるよう調整したい」
次は15日のケイリンに出走予定

中野慎詞(ドリームシーカー/早稲田大/日本競輪選手養成所)
「初めてのネイションズカップで自身の持てる力を出し切れたが、足を引っ張っている。今後は危機感を持って強化・修正に取り組みたい。また、今回は緊張して興奮したのが走りにも出ており、気持ちのコントロールが重要だと感じた。新型コロナウイルス感染対策が厳重だが、今後海外で戦う際は制約の中で力を発揮しなければならないのでいい経験となった」
次は15日のケイリンに出走予定

深谷知広(ドリームシーカー/JPCU静岡)
「タイムはよくないが、新メンバーとしての第一歩としては悪くなかった。スケジュールがタイトだったが比較的落ち着いて走れた。新型コロナウイルス感染対策で不便はあるものの、安心して参加できている」
次は16日のスプリントに出走予定

●UCIトラックネイションズカップ香港大会のホームページ