キナンの雨乞竜己が2019年シーズンを最後に引退

KINAN Cycling Teamの雨乞竜己(27)が2019年シーズンを最後に選手としてのキャリアに終止符を打つことになった。

キナンの雨乞竜己

雨乞は2017年にKINAN Cycling Teamに加入。同年3月の宇都宮クリテリウムで2位とセンセーショナルなチームデビューを飾って以降、持ち前のスピードと勝負勘でエーススプリンターとして確たる地位を築いた。また、同年10月のジャパンカップクリテリウムでは、並みいる世界の強豪との激闘の末に4位入賞。日本のみならず、世界にもその走りをアピールした。

平地系レースでのスプリントにとどまらず、山岳系のレースではアシストとしても機能。2017年のツール・ド・北海道やツール・ド・おきなわ、2018年のシャールジャ・ツアーなどでは、チームの上位進出に大きく貢献し、オールラウンドに実力を発揮してきた。

2018-2019シーズンからは、シクロクロスにも本格参戦。愛知・岐阜両県をメインに転戦する東海シクロクロスシリーズでは、ホストライダーの1人としてレースを盛り上げてきた。

2019年シーズンは終盤に差しかかっているが、10月20日開催のジャパンカップサイクルロードレースが雨乞にとって最後のUCI公認の国際ロードレース出場予定。その後、年内は各種イベント出席など、これまで通りチーム活動に従事するとともに、シクロクロスにも数戦出場する予定となっている。

雨乞竜己

雨乞竜己の引退のあいさつ
KINAN cycling teamに所属し、早3年の月日が流れました。
この度、本年度をもちましてプロとしてのキャリアを終えることとなりました。
自転車に出会い、約10年。駆け足で進んできました。
どれもかけがえのない日々でしたが、特にヨーロッパでの3年、KINANでの3年、この6年間は非日常な日常で、仲間とともに多くの喜怒哀楽を味わいました。
スプリントに掛けた走りで、昨年は多くのアジアツアーに参戦させていただき、一流スプリンターらとの戦いの中で初めて満足いく形でスプリントに挑むことができました。自分の中でさまざまな精神的な葛藤があったので、何かを成し遂げた訳ではないのにフッと張り詰めていたものが解かれ妙な感覚を覚えました。同時に恐怖心も芽生え、そこが分岐点だったのかもしれません。
思ったことをカタチにできると信じることで、イマの自分が創り上げられました。信じ突き進んでいくことで、偶然か必然か、自分の元へヒトまでをも導いてくれることを競技生活を通して、私は学びました。
なので、引退しても自分のライフワークから自転車がなくなることはありません!
これからもLOVE CYCLEです。最後に、今まで関わってくださった多くの方々、チームメイト、スタッフ、ファンのみなさまに感謝申し上げます。

●キナンサイクリングのホームページ

イルロンバルディアのレース翌日に一般参加イベント開催

シーズン最終戦「イルロンバルディア」のレース翌日となる10月13日、同じコースに一般参加の2500人が挑戦する「グランフォンド・イルロンバルディア」が開催された。半数はイタリアからの参加者だが、ベナン、中国、キプロス、エストニア、フランス領ポリネシア、ギリシャ、ハンガリー、イスラエル、日本、ルクセンブルク、モナコからの挑戦者もいた。

距離111.2kmの難関に2500人が挑んだ ©LaPresse – Marco Alpozzi

イベント主催者はイルロンバルディアやジロ・デ・イタリアを運営するRCSスポルト。競技距離はプロ選手らが走ったコースのおよそ半分の111.2km。それでもマドンナデルギザロ教会をピークとする峠があり、走りごたえは十分。

サイクリストを祀るマドンナデルギザロ教会を通過 ©LaPresse – Marco Alpozzi
カントゥを出陣 LaPresse – Fabio Ferrari
グランフォンドの欧州チャンピオン、イタリアのダビデ・ブッシュイートが優勝 ©LaPresse

グランフォンドとは出場選手数が多いサイクリング大会で、1着フィニッシュを狙う実力派から、前年の自己記録更新や完走を目指す一般サイクリストまでが参加する。2020年3月にはイタリアのトスカーナ地方で「グランフォンド・ストラーデビアンケ」の開催が予定されている。

ゴール後はパスタパーティー ©LaPresse – Fabio Ferrari

●グランフォンド・イルロンバルディアのfacebook

東京五輪まで10カ月…ジャンジャンがBMX欧州覇者

2020東京五輪に採用された新種目、BMXフリースタイルパークは10月13日にスイスのカデナツォで第1回欧州選手権を開催し、男子はフランスのアントニー・ジャンジャンが、女子は英国のシャーロット・ワーシントンが初代欧州チャンピオンになった。

フランスのアントニー・ジャンジャン ©Roberto Bettini Bettini/BettiniPhoto©2019

五輪予選を兼ねた同大会には欧州から13カ国48選手が参戦。採点形式で順位が決定した。

男子はジャンジャンが93点、マリン・ランテス(クロアチア)が91.20点、デクラン・ブルックス(英国)が91点。

英国のシャーロット・ワーシントン ©Roberto Bettini Bettini/BettiniPhoto©2019

女子はワーシントンが91.60点、ローラ・レスマン(ドイツ)が84.60点、エリザベータ・ポサドスキンフ(ロシア)が82.80点。

UEC BMXフリースタイル欧州選手権 ©Roberto Bettini Bettini/BettiniPhoto©2019
UEC BMXフリースタイル欧州選手権

「BMXフリースタイル競技は新たなトレンドで、その人気と注目度は爆発的に高まっているので、欧州チャンピオンシップを開催することにつながった」と欧州自転車競技連合のロッコ・カッタネオ会長。

「競技者のテクニック、観衆の増加、ライブストリーミングの精度を高めることにより、今後さらに人気となっていくだろう。欧州連合としてもこれからの主催カレンダーにBMXフリースタイルを追加することはとても重要だと考えている」

フランスのアントニー・ジャンジャンがBMXフリースタイルの欧州チャンピオンに ©Roberto Bettini Bettini/BettiniPhoto©2019
英国のシャーロット・ワーシントンがBMXフリースタイルの欧州チャンピオンに ©Roberto Bettini Bettini/BettiniPhoto©2019

●欧州自転車競技連合のホームページ

バウケ・モレマがイルロンバルディアで独走勝利

トレック・セガフレードのバウケ・モレマ(オランダ)が10月12日にイタリアのベルガモ〜コモ間で行われたイルロンバルディアで、残り18.5kmのチビーリョ峠から単独で抜け出して優勝した。「モニュメント」と呼ばれる伝統レースで32歳になるモレマが優勝したのは初めて。

バイケ・モレマが渾身のアタック ©LaPresse – Fabio Ferrari

16秒遅れの2位はモビスターのアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)、3位はイネオスのエガン・ベルナル(コロンビア)、4位はアスタナのヤコブ・フルサング(デンマーク)。モレマは10月20日のジャパンカップに、バルベルデ、ベルナル、フルサングは同27日のツール・ド・フランスさいたまに参戦する。

オランダ選手の優勝は4人目。モレマは優勝選手として9番目の高年齢。最高年齢は36歳のターノ・ベッローニ。また39歳のバルベルデは、表彰台に登壇した最高齢の37歳を塗り替えた。22歳のベルナルの登壇は、21歳で登壇したリゴベルト・ウラン(コロンビア)に続く最年少記録。

「20秒差がまたたく間についたので驚いた。後続選手がお互いをけん制していたからだ。絶好のチャンスだと思った。下り坂はよく知っていたので、ゴールまではタイムトライアルのように独走で飛ばした」とモレマ。

スペインチャンピオンのバルベルデが揺さぶりをかける ©LaPresse – Fabio Ferrari
サイクリストを祀るマドンナデルギザロ教会の前を通過 ©LaPresse

「後続を振り返ったとき、優勝候補のプリモシュ・ログリッチェがかなり後ろに見えたので、これは行けると思った。残り2kmから1kmで勝利を確信した。シーズンをモニュメント優勝で締めくくるのは最高に幸せだ。両親もゴールに来ていたのでなおさらだ」

ツール・ド・フランス総合優勝のベルナル(右)も積極的に動く ©LaPresse
優勝のモレマを中央に左が2位バルベルデ、右が3位ベルナル ©LaPresse – Fabio Ferrari

●イルロンバルディアのホームページ

オフィシャルサポーターズヴィレッジ…ツール・ド・フランスさいたまを楽しむ特設エリア

「J:COM presents 2019ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」(10月27日、さいたま新都心駅周辺で開催)は、大会当日にさいたまスーパーアリーナ内に設置する「オフィシャルサポーターズヴィレッジ」の詳細を発表した。

20種類のマイヨジョーヌ ©ASO/Pauline Ballet

「オフィシャルサポーターズヴィレッジ」は、ツール・ド・フランス本大会で各ステージのスタートエリアに設置される、入場者へのホスピタリティとファンサービスをメインの目的とする「Village(ヴィラージュ)」に由来し、「オフィシャルサポーターズ」会員とゲスト招待関係者のみが入場できる限定エリア。

サポーターズヴィレッジは、「ツール・ド・フランスエリア」、「展示・体験エリア」、「スポンサーエリア」、「さいたまエリア」、「セレモニー エリア」の5つのエリアから構成され、各エリアのコンセプトに応じたサービスを楽しむことができる。

ツール・ド・フランスエリアには、 総合優勝者が着用するマイヨジョーヌの誕生100周年を記念して制作されたツール・ド・フランス2019全20種類のマイヨジョーヌを展示。

ステージ前に陣取れば全選手が確実に見られる ©Saitama city

オフィシャルサポーターズヴィレッジに入場できるオフィシャルサポーターズの申し込みは10月16日(水)正午まで。

オフィシャルサポーターズヴィレッジ応募(大会公式サイト)

オフィシャルサポーターズヴィレッジ会場マップ

会場コンセプト

ツール・ド・フランスエリア
ツール・ド・フランス公式フレグランス、さいたまクリテリウムオフィシャルグッズの販売、ツール・ド・フランス2019のマイヨジョーヌ全20種類の展示

展示・体験エリア
ARアプリを活用した合成写真撮影コーナー、オリジナルフェイスペイントの体験、ロードバイク・パラサイクリング車両の展示

スポンサーエリア
スポンサー企業の商品、サービスの提供

さいたまエリア
地元さいたまの文化の紹介、地元グルメの販売

セレモニーエリア
選手ピットエリア、各種セレモニー、表彰式の観覧、大型ビジョンでのレース放映

出展ブース

ステージイベント

さいたまクリテリウムの開幕を告げるオープニングセレモニーを実施。レース後には、特設コースでしのぎを削った世界トップレベルの選手たちの表彰式や記念撮影が行われる。また、当日のレースの模様もステージに隣接した大型LEDビジョンで放映し、ヴィレッジ内で観覧できる。

オープニングセレモニー
(11:55〜12:40)

表彰式
(16:30〜17:00)

クビアトコウスキーがツール・ド・フランスさいたま参戦

イネオスのミハウ・クビアトコウスキー(ポーランド)が10月27日、さいたま新都心駅周辺で開催されるツール・ド・フランスさいたまクリテリウムに出場する。コロンビアのイバン・ソーサに代わっての出場と、10月11日に主催者が発表した。

ティレーノ〜アドリアティコ総合優勝のミハウ・クビアトコウスキー © LaPresse/Spada

同選手は2014年の世界チャンピオン。2016年から現チームの前身スカイに加入し、2020年も現チームで走る。2015アムステルゴールドレース、2017ミラノ〜サンレモとメジャーレースで優勝するとともに、2018ティレーノ〜アドリアティコ、同ツール・ド・ポーランドなど中規模のステージレースで総合優勝。

ツール・ド・フランスでクリストファー・フルームやゲラント・トーマスの頼もしいアシスト役として活躍し、信頼されている。さいたま大会は2017年以来2年ぶり2回目の出場となる。

●ツール・ド・フランスさいたまクリテリウムのホームページ