ツール・ド・フランス厳戒開催へ…選手・関係者をバブル内隔離

新型コロナウイルス感染拡大により当初予定から2カ月遅れとなる8月29日〜9月20日の開催となった第107回ツール・ド・フランス。異例ずくめの大会運営体制の一部が明らかになったが、過去に例がないほどの特殊なレースになりそうだ。

2019ツール・ド・フランス第17ステージ ©ASO Thomas MAHEUX

7月23日、大会主催者のASOから報道関係者に取材受け付けの案内がメール送信されてきた。

通常なら開幕の3カ月前に送信されるものだが、2020年は開幕まで1カ月余でようやく送られてきた。それだけ主催者が健康面での安全対策に苦心し、試行錯誤していたことが推測できる。

案内文は、現在の健康危機において必要とされる取材方法を説明している。これらの規定は7月に定められたとしていて、今後の数週間におけるフランスでの感染状況によっては、大きく修正される可能性があると警告している。

従来の「ファミリー」から「バブル」という枠組みに変更

ツール・ド・フランスはこれまで、主役である選手を中心に、チーム関係者、主催スタッフ、取材陣、スポンサーを「ファミリー」という言葉でひとくくりにし、円滑な運営を続けてきた。例えば交通規制に関してなら、一般の人たちが制限されるところにも「ファミリー」は入ることを許され、大会特別規定の道路通行ルールが適用された。

今回、「ファミリー」に替わって明記された言葉が「レースバブル」。英語ではRace bubble、フランス語ではBulle Course。

2019ツール・ド・フランス第8ステージ ©ASO Pauline BALLET

レースに関わる主要な人々の周りに「バブル」を実装する。その範囲となるのは選手、チームスタッフ、オフィシャル、レース運営者。取材陣とスポンサーは外されている。大会期間中はバブル内にいる人に対して厳格な健康管理と衛生対策が行われれ、バルブ内にウイルスを持ち込まない態勢づくりを構築した。さらにバブル外の人たちとの接触を可能な限り制限する。

ツール・ド・フランスに帯同する取材者、メディア、各地域の大会協力者はバブルの外となるが、大会に数日間関わる場合は、レース前の健康テストから期間中の健康観察、レースバブルとの接触制限、会場でのソーシャルディスタンス順守が厳命される。

無観客レースにはならない…大事なことは遠回しに表記

ファンの動きにも言及されている。常にソーシャルディスタンスを確保すること、レースコース沿道ではスマホアプリをインストールして、感染者が出たときに接触があったかを確認できるようにすること。これらの感染予防策を取り入れれば主催者は「一般の人たちも招待する」という表現をしているので、無観客レースとはならないようだ。

まとめると…
ツール・ド・フランス関係者の健康を守るためにバブルが設定される
レースバブル=選手・チーム関係者・大会運営スタッフ
第2バブル=それ以外のツール・ド・フランスファミリー
第3バブル=一般の人たち

2019ツール・ド・フランス第11ステージ ©ASO Pauline BALLET

ツール・ド・フランスに帯同するすべての人は現地到着の5日前以降にPCR検査を受けて陰性となった各国保険機関の証明書が必要。Stop Covid”アプリケーションをダウンロードする必要がある。マスク着用。

主催者側はさらに連日にわたって消毒を徹底的に行い、12〜19人ほどの専任医療関係者と看護士を帯同させる。また開幕時とパリのゴールでは選手の家族が訪問するのが恒例だが、2020年はこれも禁止された。

🇫🇷ツール・ド・フランス2020特集サイト
🇫🇷ツール・ド・フランス公式サイト

王家ゆかりのランスに2泊すればシャンパーニュ1本贈呈

フランス北東部のグランテスト地方にあり、フランス歴代王が戴冠した古都として、またシャンパーニュの産地として有名なランス(Reims)の観光局は、この夏観光でランスに滞在した人先着3000人にシャンパーニュを贈呈するキャンペーン「ロイヤル・サマー:シャンパーニュ!(UN ÉTÉ ROYAL : CHAMPAGNE !)」を2020年7月15日より開始。

ランス大聖堂前のテラスカフェで © Cyrille Beudot – Office de Tourisme du Grand Reims

シャンパーニュ巡りの拠点として人気の都市ランスでは、シャンパーニュの高貴なイメージと、フランス王が戴冠した場所という歴史をロワイヤル(royal)の一語をかけ、この夏だけの特別キャンペーンを実施している。

シャンパーニュ地方の集落はどことなく美しく落ち着いている © Cyrille Beudot

キャンペーンの仕組みはシンプルで、ランスに2泊以上観光で滞在した人先着3000人が、滞在の最後にランス観光局の窓口でシャンパーニュ1本をもらえるというもの。もらえるシャンパーニュは、ブドウ栽培者による醸造の「シャンパーニュ・ド・ヴィニュロン」。

ぶどうの収穫 © Cyrille Beudot

キャンペーン参加方法は

次の3種類の観光消費をランス都市圏(グランランス)で行い、それを証明する書類をキャンペーン特設サイトからアップロードする。

l  認可された宿泊施設(家具付きの部屋貸しは除く)で、2泊以上続けて予約し支払いをする

l  レストランで食事をする(少なくともメイン一品に加え、前菜、デザートまたは飲み物のどれかを取ること。ファストフード店は除く)

l  レジャー分野の有料アクティビティを行う(観光または文化アクティビティ)

シャンパーニュで乾杯しなくちゃ © Cyrille Beudot

上記の観光消費はすべて、ランス都市圏(グランランス)で行われること。ランス都市圏外であればランス観光局のパートナー団体のサービスであることが条件となる。

キャンペーン参加者は特設サイト(www.un-été-royal.fr)からフォームに必要事項を記入し、観光消費を証明する書類をアップロードする。滞在の終わりに、大聖堂近くにあるランス観光局にてシャンパーニュが受け取れる。

秋の朝もやに立つシャンパーニュのシャトー © Cyrille Beudot

このキャンペーンでは、コロナ禍の後、ランスで旅行者の受入れを再開できることを祝い、通常とは異なる特別なPRを行うことを目的としている。また、新たな顧客層にアプローチし、ランス観光局のパートナー団体であり現在厳しい状況下に置かれるブドウ栽培家によるシャンパーニュ醸造メーカーの支援にもつなげたいという。

●ロイヤル・サマーシャンパーニュ!の詳細ページ(フランス語)
●ランス観光局のホームページ

2020年7月13日現在、一般の人が日本からフランスへ観光目的で渡航するのは現実的ではないものの、フランス国内で実施される観光復興キャンペーンの事例を紹介しました。

シャンパーニュ地方のぶどう畑 © Cyrille Beudot

2020ツール・ド・フランスが通常開催できない3つの理由

新型コロナウイルス感染拡大により、2020年の第107回ツール・ド・フランスは大会日程を当初の「6月27日〜7月19日」から、「8月29日〜9月20日」に延期。この異例の措置によって、真夏のバカンス時期に開催されるお祭りという希有な価値が保てるのか? 6月29日時点での状況を分析してみた。

7月14日はフランス革命記念日 ©ASO

フランスは国内および欧州での衛生状況が改善していることから、欧州委員会の提言に従って6月15日より欧州域内の国境制限(陸路、空路、海路)をすべて解除した(スペインとの国境制限は6月22日より解除)。

欧州域内の国からの渡航者は、新型コロナウイルス対策に関連して設けられた国境での移動制限を一切課されず、フランス本土へ入境できる。ただし英国からの渡航者だけは相互主義(レシプロシティ)により、フランス到着後に14日間の隔離措置が続けられる。

●欧州外からフランスへ入境する場合に求められる2週間の自主隔離措置

現時点で日本人は、配偶者がフランス人であることや新型コロナウイルスにかかる医療関係者などの特例をのぞいて、フランスへの渡航ができない状況。日本外務省のホームページに2国間の渡航についての制限(出国・入国)について毎日情報のアップデートがある

7月1日から日本人はフランス入りができるという情報も

フランスは慎重ながらも前進する意志を見せている。7月1日以降、シェンゲン協定域外の第三国との国境を、各国との衛生状況を鑑みながら、段階的に個別に再開していく予定だ。シェンゲン協定の加盟国内にいったん入ると、域内は原則パスポートの検査なしで行き来できる。

2国間の相互主義(レシプロシティ)というのは「互恵性、返報性」の意味。言い方は悪いが、一方が入国禁止措置を執るなら他方も同じやりかたをぶつけるというもの。日本がフランス人の受け入れを拒んでいたら、フランスも同様のやりかたをする。14日間の隔離措置を求めるなら、これも同様だ。

ただし世界有数の観光大国であるフランスは、自国経済の立て直しのためにできることなら外国人旅行者を呼び戻したい。そのために新型コロナウイルス感染を抑え込んでいる国は例外的に入国緩和と隔離措置廃止を検討している。例外となる国のリストとその内容は7月1日に発表されるようで、日本もリスト入りしていると一部で報じられている。

2019ツール・ド・フランス第14ステージ ©ASO Alex BROADWAY

これに先立つ6月22日、フランス政府は新型コロナウイルス感染がいまだ予断を許さない海外領土のマイヨットとギアナを除いて、フランス全土に施行される「夏季に向けた新たな制限解除の内容」について発表した。

理由その1 観光大国が普段の姿を取り戻すには時間がかかる

フランス全土で映画館、カジノ、ゲームセンターの営業再開が可能になること。再開には衛生上の配慮をとることが求められること。また、コロニードバカンス(長期休暇期間に児童が過ごす林間・海浜学校)では児童の受け入れが可能になることなどが発表された。フランス本土では確実にいつもの夏休みに戻りつつあるのだ。

7月11日以降(フランス本土における衛生上の緊急事態宣言の終了後)には、河川クルーズの運行が再び認められる。欧州の複数国の港に寄港する海洋クルーズは、省令で定められた定員以内の船舶であれば、関係国との調整において今後の運行再開が決められるという。

スポーツに関してはどうか。スタジアムおよび競馬場は5000人以内の規模であれば観客を入れられるようになる。劇場など1500人を超える集まりは届け出の対象となり、必要な配慮がとられることを保証しなければならない。

大規模イベント、スタジアム、劇場における集客の人数制限を5000人とすることは原則として9月1日まで続けられる。8月29日に開幕するツール・ド・フランスは当然のようにこの「大規模イベント」となるので、5000人の人数制限が適用される。それがフランスの象徴的スポーツイベントであるとしても、だ。

理由その2 5000人超のイベントは現時点では開催不可

順調に推移しても、いまの状況ではツール・ド・フランスは5000人以下での開催。つまり想定されるのは無観客レースだ。これではどうしても盛り上がりに欠けてしまう。わずかな望みは、フランス国内での新たな疫学調査が7月中旬に実施され、8月下旬に制限緩和が可能となるかが決定されるということ。

9月1日以降、新たに出される疫学状況の評価次第で、たとえば秋の新年度スタート時に以下のような緩和が行われる。

フェア、展示会、見本市会場の再開
5000人を超える規模のイベントの認可
疫学状況の評価次第で、ディスコ、国際海洋クルーズの再開

日本選手やファンはツール・ド・フランスに行けるのかという問題

6月29日時点でのフランスの累計患者数は16万2936人、死者は2万9778人。入院患者数は8886人で、前日より255人減少。新規感染者は87人で前日比マイナス37人。4月7日に流行のピークを迎えてからは減少傾向が続き、第2波到来の予兆は今のところない。

2020ツール・ド・フランスに出場できる可能性がある日本選手は、バーレーン・マクラーレンの新城幸也とNTTプロの入部正太朗。入部は落車による鎖骨骨折で現在復帰に向けてのリハビリ中。新城は感染拡大直前に合宿地のタイに入国し、いよいよ欧州復帰を準備中。一般の渡航条件とは別にプロ選手としてのビザ取得という課題があるが、フランスに自宅があるためフランス入りそのものは問題ない。

©A.S.O. / Thomas-MAHEUX

理由その3 出場選手がフランス入りできるか、さだかではない

問題なのは感染拡大が続く南米・北米からのフランス入りが許可されるか。コロンビアには2019年の総合優勝者エガン・ベルナル(イネオス)がいる。欧州の中では感染者の多い英国もさだかではなく、ツール・ド・フランス最多タイの5勝目を目指すクリストファー・フルーム(イネオス)がいる。

日本のファンが2カ月延期されたツール・ド・フランスの現地に行けるかは、まずは7月1日にフランス政府が発表される決定事項による。ただ、日本でも東京都などの新規感染者は高止まりし、ウイルスそのものは常に存在しているので、あらゆるリスクを考慮して慎重に判断したい。

2020ツール・ド・フランス開幕まであと2カ月。取材申請は「2019年」のままで、各国メディアも戸惑うばかりだろう。主催者ASOは1年近くにわたる準備態勢を1から再構築することに相当の労力を支払っている渦中であることが想像でき、実行力のある彼らのことだから結果的には2020ツール・ド・フランス開催を実現することを切に期待したい。ただしそのレースは異例の雰囲気となりそうだ。


フランス観光開発機構カロリーヌ・ルブーシェ総裁のメッセージ

「6月15日以降、フランスは再び欧州からの旅行者を受け入れます。これはすべての旅行業従事者にとってこのうえない喜びです。さらに7月1日以降は欧州以遠のいくつかの国からも、フランス国内のホテル、キャンピング場、レストラン、美術館や博物館、観光地でお客様をお迎えできるようになります(国境再開はその国の衛生状況によって決まるのですが)。必要な対策が講じられたことでフランスの衛生状況は好ましい形で改善しており、旅行業関係者は政府が認可した衛生マニュアルを遵守しながらお客様の安全に必要なあらゆる措置をとっております。とはいえバカンスの雰囲気とフランス流ライフスタイルを忘れぬこともしっかり心がけておりますのでご安心ください」

🇫🇷ツール・ド・フランス2020特集サイト
🇫🇷ツール・ド・フランス公式サイト

フランスに行ったら食べたい! ローカルなスウィーツ

美食の国フランスはお菓子もおいしいものばかり。今回はパリを離れて地方都市へ。その産地のおいしいものを使ったスウィーツを紹介。

Aix-en-ProvenceのCalisson d’Aix

エクス・アン・プロヴァンスのカリソン ©Calisson du Roy Rene

カリソンは、メロンの砂糖漬けと細かく砕いたアーモンドを混ぜてペースト状にしたものに、粉砂糖と卵白を混ぜた糖衣をかけた繊細なお菓子。舟形のこの菓子は15世紀から続くエクス・アン・プロヴァンスの伝統菓子です。ルネ・ダンジュー(善王ルネ)が二度目の結婚でジャンヌ・ド・ラヴァルと結婚式を挙げた時、愛想のないジャンヌを喜ばせるため王が特別に作らせたお菓子だったそう。
●レ・カリソンのホームページ

エクス・アン・プロヴァンスのカリソン ©Calisson du Roy Rene

AngersのQUERNON D’ARDOISE

アンジェのケルノン・ダルドワーズ ©Les Conteurs Destination Angers

アンジェに来てケルノン・ダルドワーズを味わわずして帰るのはじつにもったいないこと。四角形のアーモンドが入った薄い砂糖菓子の外に青色のチョコがコーティングされています。アルドワーズとは地元の屋根瓦に使われるスレート石(粘板岩)のことで、その形状を模したお菓子なのです。
●ケルノン・ダルドワーズのホームページ


Avignon

アヴィニョンのチョコレート

このチョコレート菓子は1960年にヴォークリューズ県の菓子職人らが生み出したものでアヴィニョン銘菓になっています。菓子の名前に「パパ」とあるように、14世紀のアヴィニョン教皇庁時代を思い起こさせるものです。赤色のアザミの形状をしたお菓子は二種のチョコレートがけがされ、ヴァントゥー山の斜面で採れる約60の薬草を漬けたリキュール「オリガン・デュ・コンタ」が浸み込ませてあります。


BordeauxのCanelé

ボルドーのカヌレ ©Pierre Planchenault

日本でも目にする機会が増えた「カヌレ」はボルドーのお菓子。波型の形状はボルドーの街の優雅さそのもの。ラムとバニラの風味が漂うカラメル状の小さなお菓子は、どんな時にも簡単につまめるので、旅先のお菓子屋さんで見つけたらいろいろ食べ比べたい。
●ボルドーの関連ホームページ

ボルドーのカヌレ ©David Remazeilles

Grenoble

グルノーブルのクルミタルト ©Céline Mennetrier

グルノーブルは、イゼール県ドーフィノワ地区で獲れる「グルノーブル・クルミ」が1938年より原産地保護呼称AOPに指定されるほど有名なクルミの産地。銘菓はもちろん、それをふんだんに使ったタルト。サブレ生地の中にクルミ、生クリーム、バター、砂糖と蜂蜜を混ぜた中身がぎっしり詰まっています。じつは地元のブルー・デュ・ヴェルコール、サン・マルセランなどのチーズと一緒に焼いた食事用バージョンのクルミタルトもあり。
●グルノーブルの関連ホームページ


La RochelleのGalette charentaise

ラ・ロシェルのガレット・シャランテーズ ©Cécile COLLOT

ラ・ロシェルの銘菓は小麦粉、卵、バター、アンゼリカの砂糖漬けから作られる「ガレット・シャランテーズ」は1848年から続く伝統菓子。柔らかい口当たりのサブレは世代を越えて愛され、今や様々なフルーツや塩キャラメル味なども出回っています。
●ラ・ロシェルの関連ホームページ


LilleのGaufres

リールにあるメールが作るゴーフル

フランスで最も古い菓子店(創業1761年)のメールが作るゴーフルは、ドゴール将軍、ウィンストン・チャーチル、ジャッキー・ケネディ、歌手のアラン・スッション、作家のアメリ―・ノートンまで幅広い人を魅了してきました。定番は平たい形でマダガスカル産バニラクリームが挟まれていますが、今やそのバリエーションは多く、スペキュロス、ピスタチオ、ラムレーズン、ライスパフのプラリネ味などがあります。
●リールの関連ホームページ


Navette de Marseille

マルセイユのビスケット

マルセイユの伝統菓子は、200年前から伝わる船の形をした硬いビスケット。オレンジフワラーがほのかに香り、長持ちします。2月2日の聖マリアお潔めの祝日に食べるお菓子ですが、好きな人は年中食べてもよいのです。

マルセイユのビスケット

ツール・ド・フランス、ル・マン、全仏など延期日程確定

新型コロナウイルス感染拡大でフランスの大型スポーツイベントを中心に国を挙げての大きな行事が延期を余儀なくされているが、収束に向けてわずかな兆しが見えてきたことから続々と再調整された日程が発表されている。 2020年4月24日時点。

© ASO
  • エヴィアン選手権(女子ゴルフ)
    8月6~9日に延期(当初予定は7月23~26日)
    www.evianchampionship.com/
  • ツール・ド・フランス
    8月29日~9月30日に延期(当初予定は6月27日~7月19日)
    www.letour.fr
  • ル・マン24時間耐久レース
    9月19日~20日に延期(当初予定は6月13日~14日)
    www.lemans.org
  • ローラン・ガロス全仏オープン(テニス)
    9月20日~10月4日に延期 (当初予定は5月18日~6月7日)
    www.rolandgarros.com
  • パリ・マラソン
    10月18日(当初予定は4月5日) www.parismarathon.com
  • マルセイユマラソン
    11月22日に延期(当初予定は4月12日)
    www.runinmarseille.com
パリにあるローラン・ガロス競技場 ©Atout France/Nathalie Baetens

文化イベント

  • カンヌ映画祭
    2020年はマーケット部門に絞り6月22~26日開催(当初予定は5月12~23日)
    www.festival-cannes.com

フランスのトップ選手がロードトレーニングする意外な手段

フランスでは新型コロナウイルス感染拡大を抑えるために厳しい外出禁止令が敷かれ、すべての自転車選手が屋外でのトレーニングを禁止されているが、MTBとエクステラの世界チャンピオンであるクリストフ・ベタールは合法的な方法で現在もロードトレーニングしている。

薬局から託された薬を配達するクリストフ・ベタール(左) ©Pharmacie des Vosges / Facebook

フランス在住のスポーツ選手は現在、極めて困難な状況に置かれている。他国の大半と同様だが、体調を維持するために自宅でフィットネスやストレッチ、筋トレを行うしかない。多くの選手がウエブでこれまでに蓄積してきたコンディショニングのノウハウを共有し、閉じ込められた一般愛好家へのアドバイスをしている。新型コロナウイルスとの戦いを一丸となって勝ち取ろうという意思の表れだ。

フランス北東部のボージュを拠点とするベタールは独自のやり方で新型コロナウイルスに立ち向かっている。MTBではアマチュアカテゴリーで世界チャンピオンに。MTBを使ったトライアスロン競技のエクステラでも2015年に世界を制した。ロード選手としてもフランスの海外県マルチニックでナショナル選手権のタイムトライアルチャンピオンという肩書きもある。

ベタールは合法的に、援助を求めている人のためにロードトレーニングを続けている。山間部の自宅で孤立している住民に、薬局から依頼された薬と命をつなぐための食糧を背負って自転車で無料配達しているのである。起伏がちなボージュの山道を走るベタールの活動は口コミとSNSですぐに広まった。

自宅から出られない住民の需要を満たすために、マウンテンバイカーのグループ全体がベタールに加わった。

「私たちは運動能力があり、健康であり、困っている人々を助けたいと思っている」とベタール。孤立した人々を助けることに加えて、ベタールと彼のチームは住民の健康状態を医療関係に連絡するという重要な任務もこなしている。

●AIPSのニュースページ