トンネルの出口が見えた…フルームがさいたまでレース復帰へ

ツール・ド・フランスで4度の総合優勝を誇るイネオスのクリストファー・フルーム(英国)が6月の大腿骨などの骨折からカムバックし、10月27日に開催されるツール・ド・フランスさいたまクリテリウムで実戦復帰することが確実になった。

クリストファー・フルーム。2017ツール・ド・フランス

フルームは6月12日、フランスで開催されたクリテリウム・デュ・ドーフィネ第4ステージのための試走時に落車して大腿骨などを骨折。大会最多タイの5勝目に挑むはずだったツール・ド・フランスへの欠場を余儀なくされた。

9月30日には自身のツイッターに、「トンネルの終わりの明かりが見えた」と書き込んだ。2020年のツール・ド・フランス参戦に意欲を示し、すでに出場表明しているツール・ド・フランスさいたまクリテリウムでの実戦復帰を目指してトレーニングを再開した。

フルームが繰り上がり総合優勝…2011ブエルタ・ア・エスパーニャ

2011ブエルタ・ア・エスパーニャで13秒遅れの総合2位だった英国のクリストファー・フルーム(当時スカイ、現イネオス)が同大会の総合優勝者となった。総合1位だったフアンホセ・コボ(スペイン)が不正薬物使用の嫌疑に関して意義申し立てをしなかったことで失格が決定となり、フルームが繰り上がって優勝者となった。

2011ブエルタ・ア・エスパーニャ最終日の表彰台。中央がコボ、右がフルーム、左がウィギンス ©Unipublic

これによりフルームは、2012年に総合優勝したブラッドリー・ウィギンスに代わってブエルタ・ア・エスパーニャを初めて制した英国選手となった。

2011ブエルタ・ア・エスパーニャでフルームがアタック ©Unipublic

フルームのグランツール優勝はブエルタ・ア・エスパーニャ(2011、2017)、ジロ・デ・イタリア(2018)、ツール・ド・フランス(2013、2015、2016、2017)の合計7勝となった。

2011ブエルタ・ア・エスパーニャのフルームとコボ ©Unipublic
リーダージャージのコボをフルームがマークする ©Unipublic
2011ブエルタ・ア・エスパーニャでステージ優勝したフルーム ©Unipublic

●ブエルタ・ア・エスパーニャのホームページ

フルームが大腿骨骨折でツール・ド・フランス欠場へ

ツール・ド・フランスで4度の総合優勝を誇るイネオスのクリストファー・フルーム(英国)は6月12日、フランスで開催されているクリテリウム・デュ・ドーフィネ第4ステージのための試走で大腿骨を骨折。7月6日に開幕するツール・ド・フランスを欠場することになる。

クリテリウム・デュ・ドーフィネを走るクリストファー・フルーム ©ASO/Alex Broadway

ツール・ド・フランス史上最多タイの5勝目に挑むため、フルームはその前哨戦と言われるクリテリウム・デュ・ドーフィネに参戦。ベストコンディションの形成を進めていた。第4ステージはロアンヌで個人タイムトライアルが行われ、バイクでの試走時に下りで落車して側壁に激突した。

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フルームとトーマスがツール・ド・フランス参戦…ベルナルはジロ・デ・イタリア

英国のスカイが2019シーズンの参戦計画を表明し、クリストファー・フルームとゲラント・トーマス(ともに英国)が7月のツール・ド・フランスに出場することになった。若手期待のエガン・ベルナル(コロンビア)はツール・ド・フランスを欠場し、2人にかわって5月のジロ・デ・イタリアで優勝を目指す。

チームスカイ。左からゲラント・トーマス、クリストファー・フルーム、エガン・ベルナル

トーマスはツール・ド・フランスのディフェンディングチャンピオンとなるが、大会最多優勝の5勝にあとひとつと迫っているフルームもツール・ド・フランスに出場。2019年はツートップ態勢で総合優勝を目指す。ツール・ド・フランス初参加でアシストに徹しながらも総合15位になったベルナルは、ツール・ド・フランスを欠場し、ジロ・デ・イタリアにエースとして参加する。

フルームは年、2018ジロ・デ・イタリアで総合優勝したものの、その後のツール・ド・フランスで調子を落としたため、2019年はツール・ド・フランスに照準を合わせて5勝目に挑むという。

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スカイの2019ジャージはマリンブルー&ブラック…海洋生物救済活動を継続

クリストファー・フルームやゲラント・トーマスらを擁する英国のスカイが2018年11月30日にチームのSNSで2019年に着用するチームジャージを発表した。白が基調だった2018シーズンからイメージが一変し、海をイメージする深みのある青とこれまでも使用していた黒のグラデーション。

チームスカイの2019ジャージ。左からゲラント・トーマス、クリストファー・フルーム、エガン・ベルナル

活動10年目となる2019年は、始動時のブラックカラーを復活。プラスチック包装容器の使用を削減し、世界中の海に流出するマイクロプラスチックをなくして海洋生物を守ろうという「オーシャンレスキュー」がチームをバックアップすることからマリンブルーが初めてイメージカラーとして採用された。

製作はイタリアのカステリ。チームの公式オンラインストアで受注開始。


●スカイの公式オンラインストア

貴景勝は高校時代、ツール・ド・フランス王者に稽古をつけていた

大相撲九州場所で初優勝した貴景勝は埼玉栄高在学時代の2013年、世界最高峰の自転車レース「ツール・ド・フランス」で総合優勝したクリストファー・フルーム(英国)に相撲の稽古をつけていた。

2013年にツール・ド・フランス総合優勝のフルームらが相撲に挑戦したとき、右端の顧問のとなりでほほえましく見つめるのが現貴景勝 © Yuzuru SUNADA

佐藤貴信さん(本名=当時17歳)が所属していた埼玉栄高相撲部に、その年に日本で初開催されたツール・ド・フランスさいたまクリテリウムのために来日した選手が同部に体験入門するという催しがあった。自転車用のレーシングパンツの上からまわしをしめたフルームや、当時の世界チャンピオン、ルイ・コスタ(ポルトガル)、ペテル・サガン(スロバキア)らを相撲部員が迎え、稽古をつけたのだ。

埼玉栄高の相撲部にツール・ド・フランスのトップ選手が入門。2013年

2013年に「ツール・ド・フランスの名を冠した世界初のイベント」として初開催された第1回ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム。これに出場する海外32選手や関係者らが、大会前日となる10月25日に埼玉栄中学・高等学校相撲部を訪問。日本の伝統文化にふれあうという趣向で、その破天荒な企画が参加者や関係者から好評で、それ以降この大会の名物企画となっている。

https://twitter.com/PRESSPORTS/status/930962104986640384

ツール・ド・フランスで4度の総合優勝を果たし、いまや自転車界のスーパースターとなったフルームは、2017年に行われたインタビューで、「さいたま大会で特に印象的だったのは地元中学・高校の相撲部に行って日本の伝統を体験したことです。相撲は自転車とは全く違うスポーツですが、稽古や規律の厳しさを知り、素晴らしいと思いました」とその思い出を語っている。