ロット・スーダルの韓国系オーストラリア選手、カレブ・ユアンがゴール勝負を制し、第11ステージに続く今大会2勝目を飾った。首位のマイヨジョーヌを着るドゥークニンク・クイックステップのジュリアン・アラフィリップ(フランス)ら有力選手はタイム差なしの同一集団でゴール。アラフィリップと総合2位ゲラント・トーマス(英国、イネオス)との差は1分35秒で変わらず。
猛暑のステージでユアンが2勝目。アラフィリップ首位死守
フランスはこの日からの3日間、記録的な熱波に襲われると予想されている。この日は南仏ニームを発着とするステージで、気温40度近くの暑さの中、各チームは給水を何度も行い、過酷なレースに耐えた。そんなハードなステージだったが、スタート後1kmで5選手がメイン集団から抜け出し、逃げ切りを図ってゴールを目指した。
しかしこのニームは近年、常にゴールスプリント勝負で区間優勝者が決まっている。多少の起伏はあるが逃げが決まりにくい大平原が広がる。前回ニームがゴールとなったのは2014年だが、2選手が区間距離222kmのうち220kmを逃げ続けて勝利を目指したが、ゴールラインのわずか50m手前で大集団に飲み込まれている。
そしてこの日も案の定、先行する5選手とのタイム差を把握しながら後続のメイン集団が徐々にその差を詰めていった。ゴールまで長い距離を残して吸収してしまうと、そこから新たなアタックが発生することがあるため、メイン集団は最後まで捕まえないことが常套手段でもある。
そしてメイン集団は残り2.5kmで逃げていた選手たちを吸収し、最後はスプリンターたちの力比べ。小柄なユアンがロケットのように飛び出して勝利を飾った。
「暑さのために調子は悪かった。ゴール勝負のポジションもよくなかった。でも妻と娘に勝利をプレゼントしたかった。1勝でもスゴいのにこれで2勝。もう信じられないよ」とユアン。
一方、総合優勝を争う有力選手たちはこの日体力を温存したかったが、高温のため過酷な戦いを余儀なくされた。連覇をねらうトーマスは走行中に不注意から転倒。幸い擦過傷で済み、すぐにチームのアシスト陣がトーマスをメイン集団に復帰させたが、思わぬ痛手となった。
大会はいよいよ大詰め。25日からはアルプスでの3連続山岳ステージが待ち構える。
●4賞ジャージ
■マイヨジョーヌ(個人総合成績)ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥークニンク・クイックステップ)
■マイヨベール(ポイント賞)ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
●マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)
□マイヨブラン(新人賞)エガン・ベルナル(イネオス、コロンビア)
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