2023ラグビーW杯でリヨンを訪れたらこれを食べたい!

フランスは2023年のラグビーワールドカップ開催国。2020年12月14日には世界中が注目するプール組み分け抽選会がパリのブロンニャール宮で行われる。試合が行われる都市は9つで、現地に足を運んだら訪れてみたい場所を順次紹介。1903年の第1回ツール・ド・フランスのステージ順に紹介するので、第1回はリヨン。

リヨン旧市街 ©S.Delyons

フランス第2の都市リヨンは、フランス流アール・ド・ヴィーヴル(暮らしの美学)を体現する街。2000年の歴史をたどる秀逸な観光コースを備え、美しさと魅力にあふれるヨーロッパ屈指の観光都市となっています。「美食の都」、「巨匠ポール・ボキューズの街」としても名高く、さまざまな生産地から質の高い産物が集まるそのロケーションと、さらには才能と創造性に長けたシェフたちの卓越した腕により、驚くほど豊かで多彩な食を提案しています。

そんな数々の魅力を抱えながらも、リヨンは人のぬくもりを感じさせる街で、責任ある開発に心を砕きつつ、訪れた人に特別な体験を用意しています。加えて、ボジョレー地区に点在する「黄金の石の村」からコート・ロティの険しい斜面に広がるブドウ畑まで、リヨン近郊は1日エクスカーションにうってつけ。歴史、美しい風景、ワインを愛する人たちを喜ばせること請け合いです。

必見の場所

旧市街 Vieux-Lyonとトラブール(抜け道)
リヨンの旧市街にはルネサンス期の建造物が集まっており、その面積はヨーロッパ最大級。1964年にこの地区の24ヘクタールがマルロー法によって保全されることになり、以来、この歩行者専用の観光地区に残る15~16世紀の建造物が行政当局によって修復されてきました。旧市街には石畳の小道が走り、店やレストランのほか、さまざまなアクティビティで賑わっています。またリヨン名物のトラブールを歩けば、通りから通りへ、建物の中庭や回廊を突っ切って移動できます。

フルヴィエールの丘と古代ローマ劇場跡 ©S.Delyons

フルヴィエールFourvièreの丘と大聖堂および古代ローマ劇場
この「祈りの丘」に紀元前43年、古代ローマの植民都市「ルグドゥヌム」が建設されました。丘には現在、大規模な古代遺跡が残っています。丘の頂上にそびえ立つフルヴィエール大聖堂Basilique de Fourvièreはリヨンのランドマークのひとつで、街を見晴らす格好の展望スポットになっています。

リヨン市場 ©Jack Leone

ポール・ボキューズ市場
Les Halles Paul Bocuse
リヨンっ子や星を持つ偉大なシェフが、地元の質の高い食材を求めて訪れる有名な屋根付き市場。色とりどりの食材が並び、あちこちから美味しそうな匂いが漂ってくる場内は、フレンドリーで活気に満ちた独特の雰囲気に包まれています。ハムやソーセージを扱うシビリアSibilia、クネル専門店ジローデGiraudet、チーズ「サン・マルスラン」のラ・メール・リシャールla Mère Richard、タルト・ア・ラ・プラリーヌで有名なセーヴSèveなど50店が入っています。

リヨン旧市街の屋根を見下ろす ©Jean-Charles Garrivet


ぜひ試したい食

カワカマスのクネル、ナンチュアソースがけ
La quenelle de brochet sauce Nantua
クネルとは、魚のすり身に牛乳、卵、小麦粉、バターを加えて焼いたスフレの一種。ナンチュアソース(ザリガニ風味のベシャメルソース)とともにいただきます。

カマスのクネル、ナンチュアソース ©Julien Bouvier

タルト・ア・ラ・プラリーヌ
La tarte à la praline
砂糖をコーティングしたアーモンドを使ったリヨンの名物菓子。パティシエの数だけレシピがありますが、特にセーヴSèveとジョクトゥールJocteurのタルトが有名です。

プラリネのタルト ©Stéphanie Iguna

リヨン新情報 

フード・トラブール
Food Traboule
全面的に改修された元4つ星ホテル内に設けられた新ジャンルのフードコート。660m2のこのユニークなスペースは、フレンドリーな雰囲気のもとでグルメを楽しんでもらうことを目指しています。フードコートは3フロアーに分かれ、12人のシェフがカウンターの向こうですばやく調理。新鮮な地元の食材を使った料理やスイーツを振る舞います。

フード・トラブールは老舗ホテル「トゥール・ローズ」跡にできたフードコート ©Alexandra Battut

ミーホテル・トゥール・ローズ
MiHotel Tour Rose
長いあいだ眠りについていたトゥール・ローズが、ミーホテルグループのおかげで目覚めました。シックでコンテンポラリーなデザインでまとめられた14室のスイートとイベントラウンジ、テラス、プライベートガーデンで宿泊客をもてなしています。

スイートルーム「パラッツォ」 ©Sabine Serrad
スイートルーム「ビアンカ」 ©Sabine Serrad


周辺の見どころ

ボジョレー Beaujolais地区の「黄金の石の村」
テルナンTernand、シャティヨン・ダゼルグChâtillon d’Azergues、シャルネCharnayといった個性的な村々では、「黄金の石の村」の呼び名が示すように、金色味を帯びた石材が景観に独特の色合いを授けています。「フランスの最も美しい村」に認定されているワンOingtもおすすめ。

ボジョレーワインの生産地ワン村 ©JB Laissard

ペルージュ
Pérouges
秀逸な建築遺産を抱える中世の城塞都市で、「フランスの最も美しい村」に認定されています。

ペルージュの老舗ホテル「オステルリー・デュ・ヴュ―・ペルージュ」。建物は歴史建造物に指定 ©Ketty Tranchina


地元の有名クラブ

ル・ルー・ラグビー
le LOU Rugby (Lyon Olympique Universitaire rugby)
男子チームの創設は1896年。1932年と33年の2回、フランス選手権で優勝しました。2010年代初頭までトップ14とプロD2のあいだを何度か行き来したあと、2016-17シーズンよりトップ14でプレーしています。2008年には女子のチームも発足し、2019年以降、一部リーグのエリート1でプレーしています。

ラグビー好きにおススメ

RWC2023スタジアム
Groupama Stadium グルパマ・スタジアム
5万9186席

ブラッスリー・デュ・ルー Brasserie du LOU
マットミュット・スタジタム・ド・ジェルラン Matmut Stadium de Gerland
スタジアムの複合施設内にあるフレンドリーで居心地のよいブラッスリー。ランチスペース、バースペース、リラックススペースに分かれ、それぞれ異なる雰囲気を味わえます。選手、サポーター、パートナー、一般客が混じり合い、日常的に交流できるのも魅力。

ベルクール広場 Place Bellecour
リヨンの中心部にある広場で、巨大スクリーンを設置したファンゾーンはサポーターの集結場所。このファンゾーンによって、広場は試合前、試合後の控室と化しています。最高潮の熱気を体験できること間違いなし!


パリからのアクセス
鉄道:パリからリヨン・パールデュー駅またはペラーシュ駅まで2時間、リヨン・サン=テグジュペリ駅まで1時間52分 
車:高速A6号線を利用して4時間50分
飛行機:リヨン・サン=テグジュペリ国際空港まで1時間10分
●リヨン市のホームページ

2023ラグビーワールドカップの開催都市
クリックすると各都市のおすすめポイント紹介ページに飛びます。
●Bordeaux ボルドー
●Lille リール
●Lyon リヨン
●Marseille マルセイユ
●Nantes ナント
●Nice ニース
●Paris パリ
●Saint-Etienne サンテティエンヌ
●Toulouse トゥールーズ

【特集ページ】ラグビーワールドカップ2023

王家ゆかりのランスに2泊すればシャンパーニュ1本贈呈

フランス北東部のグランテスト地方にあり、フランス歴代王が戴冠した古都として、またシャンパーニュの産地として有名なランス(Reims)の観光局は、この夏観光でランスに滞在した人先着3000人にシャンパーニュを贈呈するキャンペーン「ロイヤル・サマー:シャンパーニュ!(UN ÉTÉ ROYAL : CHAMPAGNE !)」を2020年7月15日より開始。

ランス大聖堂前のテラスカフェで © Cyrille Beudot – Office de Tourisme du Grand Reims

シャンパーニュ巡りの拠点として人気の都市ランスでは、シャンパーニュの高貴なイメージと、フランス王が戴冠した場所という歴史をロワイヤル(royal)の一語をかけ、この夏だけの特別キャンペーンを実施している。

シャンパーニュ地方の集落はどことなく美しく落ち着いている © Cyrille Beudot

キャンペーンの仕組みはシンプルで、ランスに2泊以上観光で滞在した人先着3000人が、滞在の最後にランス観光局の窓口でシャンパーニュ1本をもらえるというもの。もらえるシャンパーニュは、ブドウ栽培者による醸造の「シャンパーニュ・ド・ヴィニュロン」。

ぶどうの収穫 © Cyrille Beudot

キャンペーン参加方法は

次の3種類の観光消費をランス都市圏(グランランス)で行い、それを証明する書類をキャンペーン特設サイトからアップロードする。

l  認可された宿泊施設(家具付きの部屋貸しは除く)で、2泊以上続けて予約し支払いをする

l  レストランで食事をする(少なくともメイン一品に加え、前菜、デザートまたは飲み物のどれかを取ること。ファストフード店は除く)

l  レジャー分野の有料アクティビティを行う(観光または文化アクティビティ)

シャンパーニュで乾杯しなくちゃ © Cyrille Beudot

上記の観光消費はすべて、ランス都市圏(グランランス)で行われること。ランス都市圏外であればランス観光局のパートナー団体のサービスであることが条件となる。

キャンペーン参加者は特設サイト(www.un-été-royal.fr)からフォームに必要事項を記入し、観光消費を証明する書類をアップロードする。滞在の終わりに、大聖堂近くにあるランス観光局にてシャンパーニュが受け取れる。

秋の朝もやに立つシャンパーニュのシャトー © Cyrille Beudot

このキャンペーンでは、コロナ禍の後、ランスで旅行者の受入れを再開できることを祝い、通常とは異なる特別なPRを行うことを目的としている。また、新たな顧客層にアプローチし、ランス観光局のパートナー団体であり現在厳しい状況下に置かれるブドウ栽培家によるシャンパーニュ醸造メーカーの支援にもつなげたいという。

●ロイヤル・サマーシャンパーニュ!の詳細ページ(フランス語)
●ランス観光局のホームページ

2020年7月13日現在、一般の人が日本からフランスへ観光目的で渡航するのは現実的ではないものの、フランス国内で実施される観光復興キャンペーンの事例を紹介しました。

シャンパーニュ地方のぶどう畑 © Cyrille Beudot

欧州選手権一転開催へ…フランスのプルエーが受け入れ

ヨーロッパ自転車競技連合は7月6日、新型コロナウイルス感染拡大により2020年の開催を翌年にスライドするとしていた欧州ロード選手権をフランス・ブルターニュ地方のプルエーで8月24日から28日まで開催すると発表した。

2019 UEC欧州選手権エリート男子ロード ©Dario Belingheri/BettiniPhoto©2019

8月29日にはツール・ド・フランスが開幕するため、エリート男子タイムトライアルは競技初日の24日、同ロードは競技2日目の26日に行われる。25日はUCIワールドツアーの「ブルターニュクラシック・ウェストフランス」が同じプルエーで開催される。

2020年大会は当初、9月9日から13日までイタリアのトレンティーノで開催される予定だったが、世界全体に影響を与える困難な状況のため、ヨーロッパ自転車競技連合は5月、いったんは2021年に延期すると発表していた。

今回の変更に折り合いがつけられたのはフランス自転車競技連盟と自転車競技開催に熱心なプルエーの地元運営団体が協力要請に応じたため。またフランスにおける新型コロナウイルスは他国に比べると感染者数が減るなど見通しが明るいことなどがある。

●ヨーロッパ自転車競技連合のホームページ

ツール・ド・フランスは2カ月延期でも開催できるのか?

フランス政府は新型コロナウィルス感染症対策として、6月2日より制限解除第2段階に移行する。レストラン・カフェが営業再開し、美術館も再開する。ツール・ド・フランスは当初予定から2カ月遅れ、8月29日(土)から9月20日(日)までに大会日程を変更したが、果たして無事に開催されるのか?

厳しい外出制限令によってフランスの感染者数は確実に減少している

エドアール・フィリップ首相は5月28日の会見で、6月2日から始まる新型コロナウィルス感染症対策の制限解除第2段階について発表。さらに6月22日以降を第3段階とする。

フランスの衛生状態は大きく改善したものとし、会見内で公表された衛生状態を示す地図では、ほぼ全域が状況が良好の「緑」ゾーンに分類された。パリを含むイル・ド・フランス地方、海外領土のマイヨット、ギアナは注意を要する「オレンジ」ゾーンとし、他の地域より慎重に解除が進められる。

5月上旬はフランス北東部全域に蔓延していたが、5月末には海外領土のマイヨットとパリの北にあるバルドワーズ県をのぞき収束に向かっている

移動制限の解除

居住地より100kmを超える移動の制限は6月2日をもって廃止する。これまで必要だった例外的な移動理由を示す証明書なしでフランス全土(海外領土を含む)を移動できるようになる。フランス本土と海外領土の間の移動については2週間の隔離措置が続けられる。

国境封鎖の解除

首相は、EU域内、シェンゲン協定域内および英国とのフランス国境について、衛生状態が良好であれば隔離措置なしで6月15日以降に封鎖解除することに賛成の意を表した。隔離措置、または国境封鎖を継続する国があれば、フランスはその国に対し同様の措置をとる用意があるという。

医療現場のひっ迫した状況も現在は脱している

EU外への国境封鎖の解除はEU加盟国との協議を経てから決定する。少なくとも6月15日までは封鎖が続けられる。

レストラン、カフェ、バーの営業再開

「緑」ゾーンでは、バー、カフェ、レストランの営業再開が、衛生上の配慮を満たすという条件付きで6月2日からの営業再開が可能になる。テーブルの間隔を1m以上開ける、テーブルあたりの着席人数を10人までとする、従業員も客も移動の際にマスクを着用するなどの配慮が求められる。「オレンジ」ゾーンではテラス席でのみ営業が許可される。

文化施設、モニュメント、レジャー施設など

緩和の第1段階では小規模な美術館・博物館とモニュメントの営業再開が認められていたが、6月2日以降はすべての美術館・博物館とモニュメントの再開がフランス全土で可能になる。

レジャーパークや自然公園の再オープンは5000人を超えない範囲で「緑」ゾーンで6月2日から、「オレンジ」ゾーンで6月22日から可能。劇場やスペクタクル会場の再オープンも上に同じ条件で「緑」ゾーンは6月2日から、「オレンジ」ゾーンは6月22日から可能。映画館はフランス全土で6月22日から営業再開が可能。ディスコとカジノは少なくとも6月21日までは営業禁止。

キャンプ場、バカンス村、集団宿舎については、宿泊者の受け入れに必要な措置を講じた上で、「緑」ゾーンでは6月2日から、「オレンジ」ゾーンで6月22日から再オープンが可能。ホテルについては今後新しい衛生規定が設けられ、宿泊客が安心できる受け入れ条件を提供する。

公園と庭園はフランス全土で5月30日から開けられる。6月2日以降はビーチ、湖、水上スポーツエリアがフランス全土で再開する。

フランス本土ではパリのあるイルドフランスがオレンジゾーンだ

その他続けられる制限、行動様式

人の集まりは10人までとする規則は少なくとも6月21日まで続けられる。スポーツイベントは少なくとも6月21日までは禁止される。5000人を超えるフェスティバルや見本市は新たな令が出るまで禁止される。

リモートワークの推奨が続けられる。

アプリ導入

感染者とその恐れがある人を追跡するアプリ「STOP Covid」が導入される。アプリは無料で提供され、登録は自由意志に任せられる。

2020ツール・ド・フランスに関するこれまでの流れ

ツール・ド・フランスは無観客を想定して日程通りの開催か(2020年3月26日)
東京五輪の1年延期でツール・ド・フランスと日程重複する問題が(2020年4月2日)
ツール・ド・フランスは1カ月遅れのプランB開催が有力に(2020年4月8日)
ツール・ド・フランスは8月29日〜9月20日開催案が浮上か(2020年4月15日)
2020ツール・ド・フランスが大会延期。8月29日開幕(2020年4月15日)
「今年最大のスポーツイベントに」ツール・ド・フランス延期開催に期待(2020年4月16日)

ツール・ド・フランス開催可否は第3段階の内容により方向性が決まる?

第2段階で多くの制限が解除され、マスク着用やソーシャルディスタンスの励行を条件としながらも多くの市民が日常生活を取り戻しつつある。ただし5000人を超えるイベントは開催不可。少なくとも6月21日までスポーツイベントは禁止される。

現在は母国でトレーニングする選手たちが、果たしてフランス入りできるかという問題もある。フランス側は第2段階で、衛生状態が良好であれば隔離措置なしで6月15日以降に国境の封鎖も解除するという。ただし、フランスとの出入国禁止や14日間などの隔離措置を行う国に対しては、フランスも同様の措置を断行するという。

フランス政府は措置緩和の第3段階に移行する6月22日より前に、次のフェーズにおける措置を判断するというので、その直前の感染状況がツール・ド・フランス開催に大きく関わってくることは間違いない。


制限解除第2段階の発表を受け、フランス観光開発機構カロリーヌ・ルブシェ総裁は次のようにコメントした。
「フランスの観光業は6月15日のEU域内における国境封鎖の解除を心待ちにしています。観光従事者は政府とともに衛生対策を進め、最善の方法をもって旅行者と従業員双方の安全を守る努力を重ねております。ビーチ、内陸、山岳など散策やアウトドアスポーツに適したエリアや、レジャーパーク、文化施設や史跡、レストラン、宿泊施設は皆、日本からのお客様の来訪をお待ちしています。皆様がフランス流ライフスタイルに触れられる日が一日も早く戻りますように。カフェのテラスでコーヒーやクロワッサンの朝食をとったり、ご友人やご家族とフランス料理を囲みながら再会を喜び、美味なる食事とワインを心ゆくまで楽しまれることを願っております」

●フランス観光開発機構のホームページ

「あつ森」でここまでできる!アンジェ自然科学博物館バーチャルツアー

Nintendo Switchのゲームソフト『あつまれ どうぶつの森』は、メトロポリタン美術館が所蔵作品をゲームの世界の中で飾れるよう提供したり、マーク・ジェイコブス、ヴァレンティノなど世界的なファッションブランドが自社デザインを提供したりするなど、幅広いコラボレーションが話題となっている。

©Muséum d’Angers / Nintendo

フランスの観光業でもこのゲームを利用したユニークなガイドツアーが行われた。 西フランス、ロワール渓谷にある古都アンジェの自然科学博物館だ。

博物館のガイドがゲーム内に作られた架空の島内で、島を訪問したゲストに博物館の館内で行うような解説をしてくれるというもの。 1801年に開館したこの博物館は自然史を扱い、 化石、昆虫、貝類、鳥類、植物標本など53万点を所蔵している。

博物館が感染症対策のため一時休館となったことから、ガイドのレオ・テシエLéo Tessierがゲーム内での特別ガイドを始めたところ、フランス国内メディアで取り上げられ話題になった。

©Office du Tourisme d’Angers

1時間の見学の中で、ガイドから生物の多様性について説明を受けたり、昆虫、化石、魚について質問を投げかけることができる。ガイドと参加者の会話はゲームと同時にSkypeをつなぐことで可能になっている。

ゲーム上ではひとつの島に同時に8人までしか接続できないため、ツアー参加者の上限は学芸員を除いた7人とされた(画面の向こうに複数の人がいるのはOK)。

4月8日に始められたツアーは5月27日の回をもってひとまず終了となる。これまで実施された16回のツアーには、親と一緒に参加した子供、大学生、一般の大人と、幅広い層の参加があった。フランスはもとよりベルギーやスイスからの参加もあり、ガイドを務めたレオ・テシエは「ツアーを通してさまざまな環境の人に博物館を知ってもらえて大きな手ごたえを感じた」と語っている。

©Muséum d’Angers / Nintendo

5月の実施回
5/18(月) 17時~
5/21(木) 14時~
5/24(日) 17時~
5/27(水) 17時~ (最終回)

参加に必要なもの:
* あつまれどうぶつの森(ニンテンドーSwitch)
* Nintendo Switch Onlineへの加入
* Skypeへの接続(音声のみ使用)

●Jeuxvideos.com による4月24日のバーチャルツアー実況

©Office du Tourisme d’Angers

アンジェとは
ロワール渓谷最大の要塞形の城であるアンジェ城を有する都市。アンジェ城で展示される14世紀の「黙示録のタペストリー」は必見。周囲はフランス第3のワイン産地であるロワールワインのブドウ畑が広がり、ワイナリー巡りも楽しい。オレンジのリキュール、コアントローの生産地で蒸留場の見学が可能。地元の銘菓は紫色のチョコレート、ケルノン・ダルドワーズ

アンジェのケルノン・ダルドワーズ ©Les Conteurs Destination Angers

アンジェ自然科学博物館(仏語)
アンジェ観光局(英語、仏語)

フランスに行ったら食べたい! ローカルなスウィーツ

美食の国フランスはお菓子もおいしいものばかり。今回はパリを離れて地方都市へ。その産地のおいしいものを使ったスウィーツを紹介。

Aix-en-ProvenceのCalisson d’Aix

エクス・アン・プロヴァンスのカリソン ©Calisson du Roy Rene

カリソンは、メロンの砂糖漬けと細かく砕いたアーモンドを混ぜてペースト状にしたものに、粉砂糖と卵白を混ぜた糖衣をかけた繊細なお菓子。舟形のこの菓子は15世紀から続くエクス・アン・プロヴァンスの伝統菓子です。ルネ・ダンジュー(善王ルネ)が二度目の結婚でジャンヌ・ド・ラヴァルと結婚式を挙げた時、愛想のないジャンヌを喜ばせるため王が特別に作らせたお菓子だったそう。
●レ・カリソンのホームページ

エクス・アン・プロヴァンスのカリソン ©Calisson du Roy Rene

AngersのQUERNON D’ARDOISE

アンジェのケルノン・ダルドワーズ ©Les Conteurs Destination Angers

アンジェに来てケルノン・ダルドワーズを味わわずして帰るのはじつにもったいないこと。四角形のアーモンドが入った薄い砂糖菓子の外に青色のチョコがコーティングされています。アルドワーズとは地元の屋根瓦に使われるスレート石(粘板岩)のことで、その形状を模したお菓子なのです。
●ケルノン・ダルドワーズのホームページ


Avignon

アヴィニョンのチョコレート

このチョコレート菓子は1960年にヴォークリューズ県の菓子職人らが生み出したものでアヴィニョン銘菓になっています。菓子の名前に「パパ」とあるように、14世紀のアヴィニョン教皇庁時代を思い起こさせるものです。赤色のアザミの形状をしたお菓子は二種のチョコレートがけがされ、ヴァントゥー山の斜面で採れる約60の薬草を漬けたリキュール「オリガン・デュ・コンタ」が浸み込ませてあります。


BordeauxのCanelé

ボルドーのカヌレ ©Pierre Planchenault

日本でも目にする機会が増えた「カヌレ」はボルドーのお菓子。波型の形状はボルドーの街の優雅さそのもの。ラムとバニラの風味が漂うカラメル状の小さなお菓子は、どんな時にも簡単につまめるので、旅先のお菓子屋さんで見つけたらいろいろ食べ比べたい。
●ボルドーの関連ホームページ

ボルドーのカヌレ ©David Remazeilles

Grenoble

グルノーブルのクルミタルト ©Céline Mennetrier

グルノーブルは、イゼール県ドーフィノワ地区で獲れる「グルノーブル・クルミ」が1938年より原産地保護呼称AOPに指定されるほど有名なクルミの産地。銘菓はもちろん、それをふんだんに使ったタルト。サブレ生地の中にクルミ、生クリーム、バター、砂糖と蜂蜜を混ぜた中身がぎっしり詰まっています。じつは地元のブルー・デュ・ヴェルコール、サン・マルセランなどのチーズと一緒に焼いた食事用バージョンのクルミタルトもあり。
●グルノーブルの関連ホームページ


La RochelleのGalette charentaise

ラ・ロシェルのガレット・シャランテーズ ©Cécile COLLOT

ラ・ロシェルの銘菓は小麦粉、卵、バター、アンゼリカの砂糖漬けから作られる「ガレット・シャランテーズ」は1848年から続く伝統菓子。柔らかい口当たりのサブレは世代を越えて愛され、今や様々なフルーツや塩キャラメル味なども出回っています。
●ラ・ロシェルの関連ホームページ


LilleのGaufres

リールにあるメールが作るゴーフル

フランスで最も古い菓子店(創業1761年)のメールが作るゴーフルは、ドゴール将軍、ウィンストン・チャーチル、ジャッキー・ケネディ、歌手のアラン・スッション、作家のアメリ―・ノートンまで幅広い人を魅了してきました。定番は平たい形でマダガスカル産バニラクリームが挟まれていますが、今やそのバリエーションは多く、スペキュロス、ピスタチオ、ラムレーズン、ライスパフのプラリネ味などがあります。
●リールの関連ホームページ


Navette de Marseille

マルセイユのビスケット

マルセイユの伝統菓子は、200年前から伝わる船の形をした硬いビスケット。オレンジフワラーがほのかに香り、長持ちします。2月2日の聖マリアお潔めの祝日に食べるお菓子ですが、好きな人は年中食べてもよいのです。

マルセイユのビスケット