【ツール・ド・フランス現場雑感】全日程を完走して共有できることがある

ビンゲゴーがポガチャルに圧勝して2年連続の総合優勝

第110回ツール・ド・フランスは最終日となる7月23日、サンカンタン・アン・イブリーヌ〜パリ・シャンゼリゼ間の115.5kmで第21ステージが行われ、ユンボ・ビスマのヨナス・ビンゲゴー(デンマーク)が2年連続で総合優勝した。

2023ツール・ド・フランス総合優勝のビンゲゴー ©A.S.O. Pauline Ballet
サンカンタン・アン・イブリーヌのベロドロームナシオナルが最終ステージのスタート地点。2024年、ツール・ド・フランスの5日後に開幕するパリ五輪の自転車トラック競技会場だ ©A.S.O. Pauline Ballet
2023ツール・ド・フランスの主役はタデイ・ポガチャルだったかもしれない ©A.S.O. Pauline Ballet
シャンパングラスを持って撮影に応じるビンゲゴー ©A.S.O. Pauline Ballet
2023ツール・ド・フランスの4賞ジャージ ©A.S.O. Pauline Ballet
2023ツール・ド・フランス総合優勝のビンゲゴーを中央に、左が2位ポガチャル、右が3位アダム・イェーツ ©A.S.O. Pauline Ballet

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)ヨナス・ビンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ビスマ)
マイヨベール(ポイント賞)ヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック)
□マイヨブラン(新人賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)

2023ツール・ド・フランスの4賞ジャージ ©A.S.O. Pauline Ballet

34歳で始めた一人旅。まさか60歳まで続けているとは

最終日はパリまで377kmの距離を残してブズールという町に当宿。朝に体温が上昇する程度のランニングに出かけると、ホテル周辺は総合病院などが林立するエリアでした。丘の上に尖塔がありましたが、そこまで上ると体力を消耗してしまいそうなので断念。パリへの最後の移動、そして日本への長時間移動など、この後のことを考えると、どのくらい疲れていて、どのくらい体力が残っているのかわからないので。

コンコルド広場に到着しました

パリ行きの道は順調でした、およそ80kmほどのどかなN国道をノンビリと走り、スピードに慣れたあたりでA5高速へ。序盤はとても空いていて、時速130kmを出してもドキドキすることなく、堅実に距離を稼いでいきました。

パリまで377kmほどの田舎町のホテルで最後の朝ごはん

前日に、今回のフランス取材で初めて進行方向に「パリ」の標識を発見。この日はパリまでの残り距離をにらみながらの運転。数字が小さくなっていくと、「ツール・ド・フランスもあとこの距離で終わってしまうんだな」と感慨深くなりました。

パリ・シャンゼリゼは暑さもなくさわやかな天候だった ©A.S.O. Pauline Ballet

そしていつものようにエッフェル塔が見えてくるとパリ。環状線がかなり渋滞していましたが、南から右回りに半周してツール・ド・フランスの推奨コースに沿ってパリの北からコンコルド広場にアクセス。ツール・ド・フランスを追いかける旅が終わりました。

フランスのイメージはこれかなと思う

プレスセンターで知り合いにあいさつしてお別れ。毎年、「それじゃあ来年」と声をかけあっていましたが、今年はちょっと説明が増えました。もちろん来年もこの夏祭りの現場に戻ってきたいという気持は強いです。

購入したフランス車の納車場所まで、あらかじめアポイントした時間よりも1時間半も遅れて到着。さらに後部トランクの荷物の整理をしていなかったので、その場で2つのバッグに収納。各地でいただいた瓶詰めのお土産は申し訳なかったですが捨てました。

日本のみなさんが選手の健闘と大会の成功を祈って作った千羽鶴とともにパリに凱旋

原稿を書き上げ、あとは画像のアップを待って、メール添付して送るだけ。明日の朝は早いですが、今夜はホテルのレストランに繰り出しますかね。

初めて全日程を単独で駆け巡ったのは34歳のときでし。正直なところ、60歳になっても駆け巡っているとは思いませんでした。選手とともにパリに到着するのは、コロナ禍で現地取材を断念した2年を差し引いて25回目となりました。

新車で購入したシトロエンC3エアクロスは3997km走った

雑誌編集部時代の10年は会社員だったのでスポット参戦でした。機会があってフリーになってからは全日程を選手とともにフランスを一周することを最低限のこととして駆け巡っています。23日間という長い日程の果てに、パリ・シャンゼリゼに到着した選手の感慨を共有したいという思いがあったからです。

原稿をと切らせないという最低限のルーティーンをこなして、終盤はちょっとバテてしまいましたがあなんとか完走しました。つたなく殴り書きの現地日記にお付き合いいただき、ありがとうございました。

2023ツール・ド・フランス第21ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet

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【ツール・ド・フランス現場雑感】ごほうびは美しい村々を最後に目撃できたこと

最後に魅せたポガチャルの意地、そしてビンゲゴーが連覇に王手

第110回ツール・ド・フランスは7月22日、ベルフォール〜ル・マクルスタイン・フェレルリン間の133.5kmで第20ステージが行われ、UAEエミレーツのタデイ・ポガチャル(スロベニア)がユンボ・ビスマのヨナス・ビンゲゴー(デンマーク)らをゴール勝負で制して優勝。

新人賞のポガチャル ©A.S.O. Charly Lopez

区間3位のビンゲゴーは2年連続の総合優勝をほぼ確実にした。

最後のツール・ド・フランスとなるピノの応援がすさまじかった ©A.S.O. Charly Lopez
ベルフォールを出発 ©A.S.O. Pauline Ballet
ジャイ・ヒンドレー ©A.S.O. Charly Lopez
2023ツール・ド・フランスはボージュ山系へ ©A.S.O. Charly Lopez
最後にステージ優勝を狙いにいったピノ ©A.S.O. Charly Lopez

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)ヨナス・ビンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ビスマ)
マイヨベール(ポイント賞)ヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック)
□マイヨブラン(新人賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)

マイヨジョーヌのビンゲゴー ©A.S.O. Charly Lopez

絵葉書のような景色を楽しみ、翌日はいざパリ!

23日間の長丁場で争われるツール・ド・フランスもいよいよ22日目。最終日はパリの凱旋パレードという位置づけがすべての選手にあって、この最終日前日で事実上の総合成績の行方が決着します。ゴール後のプレスセンターで総合1位の選手が各国同時通訳者を横に配置しながら、コメントするのが恒例でもあるからです。

最終日前日のスタート前、選手全員と監督らが記念写真をせがむ

最後の勝負どころはボージュ山系。最近はプランシュデベルフィーユのゴールがよく設定されているエリアです。ドイツ国境にも近く、牧歌的な美しい村々が点在しています。プランシュデベルフィーユにゴールしたあとは、近くの大都市ブザンソンまで田舎道をつないで目指すのですが、どこを切り取っても絵葉書のような景観が楽しめます。

この日は前日のステージとちょっと離れたところにあるので、スタートまでが200kmの大移動。序盤は真っ直ぐなN国道を高速で飛ばしていけましたが、ブザンソンから北は村々をつなぐ細い道路の連続で、かなり苦労しました。それでも絵葉書のような景色を楽しめたのは幸いです。

2023ツール・ド・フランス ©A.S.O. Charly Lopez

最終日のパリまではA5高速をひた走ることになるので、のんびりと景色を楽しむのもこれが最後です。

スタートを見届けてから一路パリ方向へ。終盤に来てやはり疲れがたまってきたのを自覚していること、すこし風邪気味なことがあってここはいったんホテルでおとなしくしていたほうがいいかなと。最終日前夜はワイワイやりたかったんですが、クスリを服用することにしたので、ホテからすぐのマクドナルドでテイクアウトのみ。

最後にこののどかな道を走れたのはごほうびかな

ホテルは勝手知ったるイビスです。ホテル予約サイトの10泊で1泊無料のリワードで予約しました。ちなみにこの旅で3回リワードがたまったので、最後のシャルル・ド・ゴール空港のイビスもリワードで予約してから、従来の予約をキャンセル。イビスのフロントに為替相場が表示されていて、日本円は167円と出ていたのは心がざわつくので見なかったことにしました。

町の真ん中には必ず教会がある

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【ツール・ド・フランス現場雑感】アルプスで至福の時を過ごす

ビンゲゴーが驚異的トップタイムでポガチャルとの差を1分48秒に

第110回ツール・ド・フランスは7月18日、パシ〜コンブルー間の22.4kmで第16ステージとして個人タイムトライアルが行われ、首位のヨナス・ビンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ビスマ)がトップタイム。10秒遅れの総合2位タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)は1分38秒遅れの区間2位だった。この結果、ビンゲゴーはライバルとの差を一気に1分48秒に広げ、連覇に一歩前進した。

マイヨジョーヌのビンゲゴーがトップタイム ©A.S.O. Charly Lopez
タデイ・ポガチャルがゴール後に落胆の表情を見せる ©A.S.O. Pauline Ballet
区間3位のワウト・ファンアールト ©A.S.O. Pauline Ballet
ローラン・ピション ©A.S.O. Charly Lopez
クインテン・ヘルマンス ©A.S.O. Charly Lopez
バランタン・フェロン ©A.S.O. Charly Lopez
タデイ・ポガチャル ©A.S.O. Pauline Ballet

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)ヨナス・ビンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ビスマ)
マイヨベール(ポイント賞)ヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック)
□マイヨブラン(新人賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)

マイヨジョーヌのヨナス・ビンゲゴー ©A.S.O. Pauline Ballet

大自然の中にたたずんでいるとすべてが報われる気がした

23日間の大会に国際規定として義務づけられた2回の休息日。最初のクレルモンフェランもそうでしたが、2回目のここサンジェルベ・モンブランも4日間のお祭りとなりました。どちらも日曜日に当地にゴール。翌日が休息日。火曜が近隣でレース。そして水曜にその町をスタートしていきます。主催者が今回初めて取り入れた興行施策ですね。

ホテルの部屋着は作務衣。現在午後10時

今回はモンブラン直下の山小屋に2連泊したのですが、よく考えてみるともう1泊してもよかったですね。序盤に宿泊した「ポツンと一軒宿」と同様にオーナーは英国人。チェックイン時に、「それでは明日の朝ごはんで」と突き放され、そうはいってもわが家のようにキッチンの冷蔵庫を使ったり、芝生の真ん中にある板張りのテラスでチェアに座って山々をながめていたり。

朝のラン練習で見つけた景観

朝食は午前8時くらいにボクが先陣を切ってダイニングに座り、フレークを含めた朝ごはんが始まるといったスタイルでした。卵料理は必ず目玉焼きで、それでもおいしかったです。

3日連続のプレスセンターとなったサンジェルベ・レバンからの景観

前日の夕方はチェアに座って、乾いた風を感じながらアルプスをながめるだけ。これまでの苦労をつくづく思い返していました。大変なこともありましたが、こうして気持ちいい空気に包まれながら大自然の中にたたずんでいるとすべてが報われる気がしました。

標高は高いが直射日光は厳しく、大型テント内は暑い

さて第16ステージのホテルは一転して、36年前の苦労が蘇るようなところ。まず、案内された部屋がクリーニングされていなくて、あわてて別の部屋をあてがわれました。小さなシングルからダブルベッドに昇格したのはいいんですが、テレビが壊れている。ブラインドが壊れている。そしてエアコンが無いので扇風機。コンセントが1カ所だけなので扇風機をつけているときは充電できず。

アルベールビルからアヌシーまで走りに行けるのだ

まあ、シャワーのお湯も出るし、36年前にモンテリマールの街道筋にあるさびれた宿に泊まったときよりもマシでした。とにかく今は大抵のホテルはWiFiがしっかり接続できるので、SNSで日本のみなさんの励ましも読むことができるのです。

アルベールビルに走りやすそうなサイクリングルートがあった
マチュー・ビュルゴドー ©A.S.O. Charly Lopez

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【ツール・ド・フランス現場雑感】10人用の山小屋に6745円で泊まる

ポガチャルがアタックしてステージ10勝目…遅れたビンゲゴーはマイヨジョーヌ

第110回ツール・ド・フランスは7月6日、タルブ〜コトレ・カンバスク間の145kmで第6ステージが行われ、UAEエミレーツのタデイ・ポガチャル(スロベニア)がユンボ・ビスマのヨナス・ビンゲゴー(デンマーク)に24秒差をつけて今大会初優勝。大会通算10勝目。総合成績ではビンゲゴーが首位に立ち、これを25秒差で総合2位ポガチャルが追う展開となった。

ポガチャルがアタック。ビンゲゴーがこれを追えない ©A.S.O. Charly Lopez

荷物をまとめて帰ろうとしたが脚が回った(ポガチャル)

最後の上りで一騎打ちとなったビンゲゴーとポガチャル。残り2.8kmでポガチャルが勝負に出た。上りとは思えないスピードで一気に差をつけ、さらにじわじわと引き離す。2年ぶり3度目の総合優勝を目指す王者の走りだった。

2023ツール・ド・フランス第6ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet

「上り坂でユンボ・ビスマ勢の速い走りに圧倒されたので、昨日のように調子が悪かったら荷物をまとめて帰ろうと思った。でも脚が回った。25秒遅れは絶好のタイム差だ。最終ステージまでし烈な戦いになるだろう」とポガチャル。

2023ツール・ド・フランス第6ステージ ©A.S.O. Charly Lopez

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)
マイヨベール(ポイント賞)ヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ニールソン・ポーレス(米国、EFエデュケーション・イージーポスト)
□マイヨブラン(新人賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)

ファンアールトがビンゲゴーを牽引。ポガチャルもついていく ©A.S.O. Charly Lopez
2023ツール・ド・フランス第6ステージ ©A.S.O. Charly Lopez
ポガチャル対ビンゲゴーの一騎打ち ©A.S.O. Charly Lopez

これまでの経験値が多少なりとも生かされている

ピレネーの山岳ステージ初日はゴールのラランスから関係車両は憲兵隊の誘導で宿泊地のポーまで35kmを隊列で北上していきます。観客も帰路を急ぐため混乱は必至で、そのためボクは北のポーへは向かわず、さらに奥深くのオービスク峠に向かうキャンプ場を予約しました。

ダイニングルームの階段を登っていくとベッドルームが2部屋。さらに別のベッドルームやシャワー4つ、トイレ3つがある

そのため渋滞にもあうことなく、ものの30分ほどで管理棟に到着。午後7時を過ぎても鍵のありかにたどり着けるように暗証番号をメールでもらっていましたが、やっぱり対人のほうが安心ですよね。そして案内されたのが、谷の一番奥にある大きなシャレ(山小屋)。そこまでは未舗装路の徒歩。キャスター付きのバッグが全く役に立たず、とりわけ翌朝の上りは途中で2回休んだほどです。

テーブル席にコンセントがなく、結局パソコン仕事はここでした

管理棟の前にはプールがありましたが、見ているだけで寒くなるほど周囲はしっとりとして心地よい程度の寒さに。ディナーも朝食も別料金でオーダーできましたが、いいお値段で、しかもキッチンもあるというので手持ちの食材で部屋飲みに。

レセプションから歩いて一番谷底にある山小屋をあてがわれ、荷物を運ぶのに息が切れた

二棟構造がひとつになった大きな山小屋です。ベッドルーム3部屋はすべて2階にあって、合計10人が宿泊できるようです。トイレは3カ所ほど、シャワーも3連繋がりのものとちょっと立派な別のものが1つ。フェイク暖炉もありました。

キッチンもあるのでレストランにはいかず、手持ちの食材でくつろぎながら部屋飲み

ホテルドットコムで決済した宿泊費は6745円。真冬の格好でテラスに出て、カウベルの音が風に流れて聞こえる中で歯ブラシ。フランスが地上の楽園と感じる瞬間です。ずっと滞在していたいですが、あと1時間で出ないと。

翌日のゴール後はオービスク峠を越えればすぐ。ヒツジにブロックされなければ大丈夫。できるだけ岩盤側を走って谷底を意識しないで運転することを心がけ、いちはやく到着。

プールはあるけど寒くて入れない
オービスク峠の東麓側は断崖絶壁
1kmごとに頂上までの距離・勾配値が表示されている
ツール・ド・フランスが初採用した4つの峠の一つ、オービスク

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🇫🇷ツール・ド・フランス2023特集サイト

ビンゲゴーがドーフィネで圧勝…次は連覇をかけたツール・ド・フランス

全8ステージで争われた第75回クリテリウム・デュ・ドーフィネは最終日となる6月11日に第8ステージを行い、ヨナス・ビンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ビスマ)が初の総合優勝を達成した。

クリテリウム・デュ・ドーフィネ総合優勝のビンゲゴー、総合2位アダム・イェーツ、総合3位ベン・オコーナー ©A.S.O Billy Ceusters

第8ステージで独走勝利したジュリオ・ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)に続き、ビンゲゴーは総合優勝争いをしていたライバルたちをふるい落とし、区間2位でゴールした。

ポイント賞のクリストフ・ラポルト ©A.S.O Billy Ceusters

ツール・ド・フランスのために準備することはそれほど多くない(ビンゲゴー)

「世界で最も重要なレースの一つであるこのレースに勝つことはとても大きなことだ。もちろんとてもうれしい」とビンゲゴー。

「UAEエミレーツのマイカがグループの先頭を走っていて、アダム・イェーツが最後の上りでアタックしようとしているのが予測できた。いい感じだったので、また何かやってみた。今週はとても満足できる。調子もよく、チーム全体も​​素晴らしかった。総合成績でこれほどの差が広がったことに少し驚いている。これからは数日間休みを取って、ツール・ド・フランスの準備を続けたい。まだやるべきことは少し残っているが、それほど多くはない」

山岳賞のビクトル・カンペナールツ(ベルギー、ロット・デスティニー)と新人賞のマックス・プール(英国、DSM) ©A.S.O Billy Ceusters
クリテリウム・デュ・ドーフィネ第8ステージ優勝 ©A.S.O Billy Ceusters
アダム・イェーツを徹底マークするビンゲゴー ©A.S.O Billy Ceusters

クリテリウム・デュ・ドーフィネ総合成績
1 ヨナス・ビンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ビスマ)29時間28分39秒
2 アダム・イェーツ(英国、UAEエミレーツ)2分23秒遅れ
3 ベン・オコーナー(オーストラリア、AG2Rシトロエン)2分56秒遅れ

ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)が第8ステージ優勝 ©A.S.O Billy Ceusters

●4賞ジャージ
ヨナス・ビンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ビスマ)
ポイント賞=クリストフ・ラポルト(フランス、ユンボ・ビスマ)
山岳賞=ビクトル・カンペナールツ(ベルギー、ロット・デスティニー)
□新人賞=マックス・プール(英国、DSM)

●クリテリウム・デュ・ドーフィネのホームページ

鉄の十字架を制したビンゲゴーがドーフィネ総合優勝に王手

第75回クリテリウム・デュ・ドーフィネが6月10日に第7ステージを行い、ヨナス・ビンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ビスマ)が第5ステージに続いて独走勝利。総合成績でも首位を守り、優勝に王手をかけた。

ビンゲゴーがクリテリウム・デュ・ドーフィネ第7ステージ優勝 ©A.S.O Billy Ceusters

クリテリウム・デュ・ドーフィネ第7ステージは、名だたるクライマーが標高2067mの大会史上最も高いゴールラインに挑戦することになった。ゴールはフランス語で「鉄の十字架」という意味のクロワドフェール峠に設定されていた。

ステージの前半にマドレーヌ峠、そしてモラール峠があり、単独で先行したビクトル・カンペナールツ(ベルギー、ロット・デスティニー)が山岳ポイントを量産。この日だけで山岳賞首位になり、青字に白い豆がちりばめられたリーダージャージを確保した。

クリテリウム・デュ・ドーフィネ第7ステージ ©A.S.O Billy Ceusters

ゴールまで5.5kmのところで、黄色と青い線が入ったリーダージャージを着るビンゲゴーが決定的な加速を見せたが、誰も反応できなかった。クリテリウム・デュ・ドーフィネの第5ステージと同様に、ビンゲゴーは最終ステージ前に総合成績でのアドバンテージを増やした。

ベン・オコナー(オーストラリア、AG2Rシトロエン)をふるい落としたアダム・イェーツ(英国、UAEエミレーツ)が2分11秒遅れの総合2位に浮上し、オコナーは2分24秒遅れとなって3位に後退した。

クリテリウム・デュ・ドーフィネ第7ステージ ©A.S.O Billy Ceusters

「とても調子がよかったので、ステージ優勝の表彰台に立ちたかった。それは私たちがこの日の目標としていた計画だった。それがうまくいったことをとてもうれしく思う。素晴らしい仕事をしてくれたチームメイト全員に改めて感謝しなければならない」とビンゲゴー。

「ゴールまでの6kmは急坂だったので、ティシュ・ベノートとアッティラ・バルテルでテンポを上げてアタックの準備をすることにした。ソロで行くことができてよかった。最終日は自分の気持ちがどうなるか分かるだろうが、全く違うステージだ。いずれにせよ、今年最大のレースの一つなので、明日勝てればとても光栄だ。自分が最高の状態にあるとは思っていない。今からツール・ド・フランスまでにやるべきことはまだたくさんある」

クリテリウム・デュ・ドーフィネ第7ステージ ©A.S.O Billy Ceusters
ビンゲゴーがクリテリウム・デュ・ドーフィネ第7ステージでもアタック ©A.S.O Billy Ceusters

クリテリウム・デュ・ドーフィネ第7ステージを終えての総合成績
1 ヨナス・ビンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ビスマ)25時間22分18秒
2 アダム・イェーツ(英国、UAEエミレーツ)2分11秒遅れ
3 ベン・オコーナー(オーストラリア、AG2Rシトロエン)2分24秒遅れ

●4賞ジャージ
ヨナス・ビンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ビスマ)
ポイント賞=クリストフ・ラポルト(フランス、ユンボ・ビスマ)
山岳賞=ビクトル・カンペナールツ(ベルギー、ロット・デスティニー)
□新人賞=マックス・プール(英国、DSM)

カンペナールツがクリテリウム・デュ・ドーフィネ第7ステージで山岳賞1位に ©A.S.O Billy Ceusters

●クリテリウム・デュ・ドーフィネのホームページ