第74回ブエルタ・ア・エスパーニャは8月28日(水)、レリアナ〜ハバランブレ天文台間の170.7kmで第5ステージが行われ、山岳賞ジャージを着用するブルゴスBHのアンヘル・マドラゾ(スペイン)がチームメートを含む3選手の逃げを成功させ、残り700mから独走してメジャー初優勝を飾った。
大会2日目に山岳賞1位に立ったマドラゾは主催者推薦で出場を決めたプロコンチネンタルチームに所属する31歳の無名選手。ここまで積極的な走りを見せ、この日を含めて3度目のアタックを成功させている。集団から飛び出した累積距離は今大会これまで1位だ。
チームメートのイェツ・ボル(オランダ)、コフィディスのヘスス・エラダ(スペイン)とともに第1集団を形成したマドラゾだが、途中2度にわたって2人から遅れを取ることも。それを見てすかさずボルが抑え役となり、マドラゾが追いつくのを助けた。
ゴール手前でもマドラゾが遅れたが、残り700mで2選手に追いつくと、そのまま先行して独走で初優勝を飾った。
「チームは翌日の山岳ポイントのために体力を温存しろと命じたが、ノー、ノー。明日のために今日できることをしないなんて考えられないと返答した。区間優勝は自転車選手としての夢だった」とマドラゾ。
「残り50kmでエラダがアタックしたとき、ボクはついていけなかった。ボルが助けてくれたのさ。この山岳賞ジャージもパワーになった。グランツールでは平たんにしろ山岳にしろ、テレビ画面に登場するボクたちのようなチームも必要なんだ」
有力選手の闘いは、先行選手が総合成績で大きく遅れていたため、その逃げを容認。それでも終盤にその差を詰めていき、世界チャンピオンのアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)のアタックをきっかけに本格化。首位のニコラス・ロッシュ(アイルランド、サンウェブ)がここで脱落した。
アスタナのミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア)は集団内の数が減ったのを見て、バルベルデとプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)をふるい落とすためにアタック。2選手を12秒突き放して区間4位でゴールし、4日ぶりに首位を奪還した。
「最後の山岳はかなりペースが速いなと思ったが、ボクは好調を感じていた。メイン集団の中でライバルたちがアシストを失うまで待っていた。バルベルデとログリッチェだけになったのでアタックしたんだ。うまく足が回ったのでゴールまで楽しむことができた」とロペス。
「数秒を稼ぐことができた。ここまで周到にレースを進められていると思う。もちろん先は長いし、明日は明日で過酷な闘いになるだろう。ブエルタ・ア・エスパーニャはとにかく厳しいからね」
●4賞ジャージ
■マイヨロホ(個人総合成績)ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)
■マイヨベルデ(ポイント賞)サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)
●マイヨルナレス(山岳賞)アンヘル・マドラゾ(スペイン、ブルゴスBH)
□マイヨブランコ(新人賞)ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)
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