ジルベールが6年ぶりV6…ブエルタ・ア・エスパーニャ12S

第74回ブエルタ・ア・エスパーニャは9月5日(木)、シルクイトデナバラ〜ビルバオ間の171.4kmで第12ステージが行われ、ドゥークニンク・クイックステップのフィリップ・ジルベール(ベルギー)が残り9kmから単独アタックを決め、6年ぶり6度目の区間勝利を果たした。

グランツール10勝目を祝して10本の指を示してゴール ©Photogómez Sport

この日はスタート直後から激しいアタック合戦が繰り広げられたが、60km過ぎにようやく19選手の第1集団が形成された。ジルベールはチームメートのティム・デクレルク(ベルギー)とともにこれに加わっていた。

元世界チャンピオンのジルベールは急しゅんな上りで一気にスパートして逃げ切るのが得意で、この日も最後の坂で抜け出し、2位に3秒差をつけてゴールした。

ジルベールはジロ・デ・イタリア区間3勝、ツール・ド・フランス区間1勝と合わせて、これでグランツール10勝目。

メイン集団をけん引するユンボ・ビスマ ©Photogómez Sport
ジルベール(右)とアシストとして第1集団に加わったティム・デクレルク(左) ©Photogómez Sport

「上りに強いスペイン勢を相手に20回はアタックした。最後はベルギーにある激坂に似ていたので、ボクには向いていた。最後の山岳の雰囲気はクレージーで、たくさんの観客がいろいろな国旗を振っていて、大きなモチベーションになった。アルデンヌ地方のクラシックに似ていた。バスク地方もアルデンヌも自転車好きが多いからね。これで三大ステージレースで10勝を挙げることができた。10という区切りの数字はとてもいいね」

ジルベールが単独でゴールを目指す ©Photogómez Sport

総合成績の上位選手は先行した集団の中に総合成績を脅かす存在がいなかったため、ユンボ・ビスマは積極的に追走せず。終盤に総合3位のミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)が逃げを試みたが、首位のプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア)らがそれを許さず、同一集団でゴール。ログリッチェがその座を守った。

マイヨロホを守ったログリッチェ ©Photogómez Sport

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)
マイヨベルデ(ポイント賞)プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)
マイヨルナレス(山岳賞)アンヘル・マドラゾ(スペイン、ブルゴスBH)
□マイヨブランコ(新人賞)ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)

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イトゥリアが地元バスクで初優勝…ブエルタ・ア・エスパーニャ11S

第74回ブエルタ・ア・エスパーニャは9月4日(水)、フランスのサンパレからスペインのウルダクスダンチャリネア間の180kmで第11ステージが行われ、エウスカディバスクカントリー・ムリアスのミケル・イトゥリア(スペイン)が14人の第1集団から終盤に単独で抜け出し、プロ初勝利を挙げた。

ミケル・イトゥリアが取材陣に囲まれる ©Photogómez Sport

この日はスペイン北部のバスク地方にゴールしたが、バスクを拠点とするチームに所属するバスク出身選手が勝利を飾った。スタート後9km地点から先行集団が形成され、14選手の逃げが決まった。この中にイトゥリア、そして山岳賞ジャージを着るブルゴスBHのアンヘル・マドラゾ(スペイン)が加わった。マドラゾはさらに山岳ポイントを獲得し、白地に青い水玉の山岳賞ジャージを守った。

この第1集団から残り23kmでアタックしたのがイトゥリア。早めの仕掛けに、ゴール手前では追走選手に詰め寄られたが、なんとか独走でゴールまで逃げ切った。

「自分の家の近くで、そして家族が見ている場所で勝てるなんて夢が現実になった」とイトゥリア。
「出場メンバーに選ばれたとき、どのステージで勝ちに行きたいかと聞かれ、即座にこの日を選んだくらいだからね。もちろんボクは勝利になれた選手ではないけど、初優勝が地元もブエルタ・ア・エスパーニャなんて誇らしい気分だ」

2019ブエルタ・ア・エスパーニャ第11ステージ ©Photogómez Sport
メイン集団をコントロールするユンボ・ビスマ ©Photogómez Sport
ミケル・イトゥリアがステージ優勝 ©Photogómez Sport

第1集団に加わった選手はすべて総合成績で大きく遅れていたため、首位のプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア)を擁するユンボ・ビスマは積極的に追走せず。有力選手は18分35秒遅れの第2集団でゴールし、総合成績の上位は変わらなかった。

マイヨロホを守ったプリモシュ・ログリッチェ ©Photogómez Sport

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)
マイヨベルデ(ポイント賞)プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)
マイヨルナレス(山岳賞)アンヘル・マドラゾ(スペイン、ブルゴスBH)
□マイヨブランコ(新人賞)ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)

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ログリッチェが得意のTTで圧勝し初めての首位に

第74回ブエルタ・ア・エスパーニャは9月3日(火)、フランスのジュランソン〜ポー間の36.2kmで個人タイムトライアルとして第10ステージが行われ、この種目を得意とするユンボ・ビスマのプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア)が圧勝。総合2位から首位に浮上した。

初めてマイヨロホを着用したログリッチェ ©Photogómez Sport
ログリッチェは総合成績の上位選手に1分半以上の差をつけた ©Photogómez Sport

休息日明けのステージは闘いの舞台をフランスに移し、大会唯一の個人タイムトライアルが行われた。総合1位とポイント賞1位のナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)がマイヨロホを着用したため、この日の優勝候補ログリッチェはポイント賞のマイヨベルデに身を包んでスタート。ゴールまでは2分前にスタートしていた総合3位、新人賞1位のミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)を抜き去るほどのスピードでゴールした。

新城幸也は5分44秒遅れの87位、連戦の疲れも見せずに健闘 ©Photogómez Sport

「個人タイムトライアルでは持てる力のすべてを出して走り抜く。きょうもそれができた。最終日のマドリードがどんなことになるのかを想像することができるようになった」とログリッチェ。

「上りが得意なコロンビアやスペイン勢のことを考えると、たとえ10分リードしていても十分ではない。それでもリーダージャージーを着るのは気持ちいい。初日に落車した痛みは残るが、調子は悪くないので、最終日のマドリードまでこの深紅のジャージーを死守したい」

ミゲルアンヘル・ロペスは2分遅れの14位 ©Photogómez Sport

ログリッチェは大会初優勝。2018ツール・ド・フランス総合4位、2019ジロ・デ・イタリア総合3位の実力者。今大会は初出場ながら優勝候補の一角。ログリッチェは総合2位に1分52秒差をつけ、後半戦の厳しい山岳ステージで逃げ切りを図る。

バルベルデは1分38秒遅れの13位 ©Photogómez Sport
マイヨロホのキンタナは3分06秒遅れの27位 ©Photogómez Sport

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)
マイヨベルデ(ポイント賞)プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)
マイヨルナレス(山岳賞)アンヘル・マドラゾ(スペイン、ブルゴスBH)
□マイヨブランコ(新人賞)ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)

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キンタナが首位、区間Vはポガチャル…ブエルタ・ア・エスパーニャ第9S

第74回ブエルタ・ア・エスパーニャは9月1日(日)、アンドラのラベリャ〜コルタルスデンカンプス間の94.4kmで第9ステージが行われ、UAEエミレーツのタデイ・ポガチャル(スロベニア)が有力選手の集団から抜け出して初優勝。同選手は今大会最年少の20歳で三大ステージレース初優勝。

マイヨロホを獲得したナイロ・キンタナ ©Photogómez Sport

ピレネー山中の小国アンドラで開催されたレースは雷雨に見舞われる厳しい闘いとなったが、「天気予報で雨が降ると聞いてこのステージをねらっていた。自分にとってはそれがチャンスで、計画通りに勝利をつかむことができてうれしい」とポガチャルはゴール後に明かした。

ポガチャルがステージ初優勝 ©Photogómez Sport
23秒遅れの区間2位でゴールするキンタナ ©Photogómez Sport

総合成績争いでは首位のミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)がライバル選手を置き去りにする走りを見せたが、未舗装区間で落車。最終的に1分01秒も遅れを取り、首位を陥落。23秒遅れの区間2位に入ったモビスターのナイロ・キンタナ(コロンビア)が首位に立った。

翌日は最初の休息日で、第10ステージはフランスからスタートする。

トップから48秒遅れでゴールするログリッチェとバルベルデ ©Photogómez Sport

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
マイヨベルデ(ポイント賞)ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
マイヨルナレス(山岳賞)アンヘル・マドラゾ(スペイン、ブルゴスBH)
□マイヨブランコ(新人賞)ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)

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アルント初V、首位はエデ…ブエルタ・ア・エスパーニャ第8S

第74回ブエルタ・ア・エスパーニャは8月31日(土)、バルス〜イガラダ間の166.9kmで第8ステージが行われ、雨中の平たん区間は21選手が先行し、少人数のゴール勝負をサンウェブのニキアス・アルント(ドイツ)が制して初優勝した。

マイヨロホを着るゴメスを援護するアスタナチーム ©Photogómez Sport

この第1集団が首位のミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)らの第2集団に9分24秒差をつけたことで、前日まで6分24秒遅れの総合16位につけていたコフィディスのニコラ・エデ(フランス)が一気に首位に立った。

平たん区間は21選手が先行 ©Photogómez Sport
ブエルタ・ア・エスパーニャ第8ステージ ©Photogómez Sport
少人数のゴール勝負をサンウェブのニキアス・アルントが制した ©Photogómez Sport

ゴールのイガラダは1978年に同じフランスのベルナール・イノーがリーダージャージを獲得した町。イノーはそのまま初の総合優勝を決めている。

「プロ選手はときに家族を犠牲にして走り続ける。娘はツール・ド・フランス総合1位選手がもらうライオンのぬいぐるみを欲しがっていた。この大会は赤い牛だけど娘に持っていきたい」とエデ。

首位に立ったニコラ・エデ ©Photogómez Sport

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)ニコラ・エデ(フランス、コフィディス)
マイヨベルデ(ポイント賞)ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
マイヨルナレス(山岳賞)アンヘル・マドラゾ(スペイン、ブルゴスBH)
□マイヨブランコ(新人賞)ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)

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バルベルデ12勝目、ロペス首位奪還…ブエルタ・ア・エスパーニャ第7S

第74回ブエルタ・ア・エスパーニャは8月30日(金)、オンダ〜マスデラコスタ間の183.2kmで第7ステージが行われ、世界チャンピオンのアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)がユンボ・ビスマのプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア)を制して今大会初、大会通算12回目の区間勝利を飾った。

バルベルデがログリッチェを抑えて第7ステージ優勝 ©Photogómez Sport

総合成績では6秒遅れの区間3位になったアスタナのミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア)が、2日ぶり3度目となる首位に立った。

後半に厳しい山岳が待ち構えるこの日、序盤から激しい闘いが展開し、ドゥクーニンク・クイックステップのフィリップ・ジルベール(ベルギー)、UAEエミレーツのセルジオ・エナオ(コロンビア)ら8選手が第1集団を形成。前日に首位に立ったディラン・トゥーンス(ベルギー)を擁するバーレーン・メリダ勢がメイン集団をコントロール。さらにモビスターが追走を始めた。

先頭集団は最後の山岳でジルベールとエナオだけになり、残り4kmでついに捕らえられる。メイン集団はモビスターのナイロ・キンタナ(コロンビア)とバルベルデ、ログリッチェ、ロペスの4人に絞り込まれた。

ここからキンタナが何度もアタックし、ログリッチェとロペスの体力を奪っていく。それでも2選手は必死に食らいついた。最後の300mでバルベルデがアタックするとロペスが脱落。ログリッチェだけが抵抗したが、バルベルデには勝てなかった。

「チームメートのキンタナが素晴らしいアシストをしてくれた。ログリッチェとロペスに差をつけたかったが、彼らも強かった。現時点で強いのはこの4人だね。ハードな闘いはまだ続くだろう」とバルベルデ。

マイヨロホを着用するトゥーンス ©Photogómez Sport
第7ステージで3位に入ったロペスが首位に返り咲いた ©Photogómez Sport

日本から唯一出場するバーレーン・メリダの新城幸也は、トゥーンスのアシスト役として意欲的な走りを見せた。しかしトゥーンスは終盤にハイペースとなるとたまらず脱落。トゥーンスは1日でリーダージャージーを失った。

積極的な走りを見せたナイロ・キンタナ ©Photogómez Sport
アルカンシエルを着用するアレハンドロ・バルベルデ ©Photogómez Sport

「最後の上りはとても急でパワーが求められたのでボクに向いているとは思えなかった。でもベストを尽くして走り、いい走りができてハッピーだ」とロペス。
「スタート直後からハイペースで、勝負どころの上りの入口に着いたころにはみんな疲れていた。チームはいい働きをしてくれ、ボクはベストなポジションで最後の闘いに向かうことができた。最後に4人になって、みんななにかを仕掛けようとしたけど、タイム差をつけるには坂がキツすぎた。今日のステージはベルデルデ向きだった。
それでもとにかくマイヨロホを取り戻すことができた。日曜日はもっとツラい闘いになるだろうけど、アンドラはボクに向いている。1日1日とブエルタ・ア・エスパーニャを戦っていきたい」

マイヨロホを奪還したロペス ©Photogómez Sport

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)
マイヨベルデ(ポイント賞)ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
マイヨルナレス(山岳賞)アンヘル・マドラゾ(スペイン、ブルゴスBH)
□マイヨブランコ(新人賞)ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)

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