中根英登が夢先生…夢を持つことの素晴らしさ、努力することの大切さ

中根英登が夢先生として豊田市立東広瀬小学校の5年生を対象に「夢」をキーワードに授業を7月上旬に行った。JFA(日本サッカー協会)が開催しているJFAこころのプロジェクト「夢の教室」活動の一環。

夢を叶るために頑張る子供たちへの特別授業

「夢の教室」では、過去にはサッカー元日本代表の澤穂希さんや、現サッカー日本代表監督の森保一さん、元メジャーリーガーで現在は広島東洋カープでプレーする秋山翔吾さん、元F1ドライバーの中嶋一貴さんらさまざまな種目で実績を残す現役・OG/OBのアスリートらが夢先生として、小学5年生や中学2年生を対象に「夢を持つことの素晴らしさ、それに向かって努力することの大切さ」などを、自身の経験をもとに子どもたちに伝えている。

当日は、前半ではレクリエーションを通じて「協力すること」「思いやりの心」「全力で取り組むこと」「ルールを守ること」などの大切さを伝え、後半では中根本人がサッカーから自転車競技への転向した際の経験やヨーロッパへの挑戦時の経験を交えながら、その時々で抱いていた「夢」や「夢を叶えるために取った手段」「困難が立ちはだかった時にどう対処したのか」といった内容で、これから夢を叶えていくであろう子供たちへ授業を行った。

「自分が子供の頃に憧れていたのは海外で活躍するサッカー選手。当時の中村俊輔氏や中田英寿氏に強烈な憧れを持っていました」と中根。

「あるキッカケで自転車ロードレースへ競技転向をし、大学卒業時に将来についていくつか考えていた選択肢の中で選んだのが自転車ロード選手でした。自転車ロードレースに挑戦したことでたくさんの国へ行き、世界のトップレベルで走ることができ、海外に住んだりと、挑戦し頑張り続けることで新たな夢が生まれ、次の道へ進んで行くことができました。

夢はいくつあってもいいし、途中で夢が変わってもいいし、もし今は夢がみえないなら無理に描かなくてもよくて、好きな事が自然と将来の夢になるかもしれない。

自分も最初の夢とは違うことに挑戦することで人生も夢も変化していったこと、より極めたい・強くなりたいという一心で日本を飛び出してからも諦めることなく頑張り続けられたこと、家族の支えや応援してくれる人たちがいてくれたことも大きな原動力となったこと、そんなことを思い出しながら子供たちとコミュニケーションを取りながら貴重な時間を共有できました。子供たちの純粋な言葉や授業中に聞いた将来の夢の内容にいつのまにか自分が心を奪われていました。

今回の授業で夢について考えるほかに自転車ロードレースを知ってもらうキッカケとなってくれればうれしいですし、今回授業を行った小学校は地元・愛三工業レーシングチームのトレーニングコース近くにあるので、トレーニングをする選手たちと遭遇した時には応援してもらえるようになればうれしいです」

「JFAこころのプロジェクト」とは

「JFAこころのプロジェクト」は、子どもの心身の健全な成長に寄与することを目的に取り組んでいる活動で、Jリーガーやなでしこジャパン、日本代表として活躍している新旧選手が「夢先生」として小学校の教壇に立ち、「フェアプレー精神」や「夢を持つことの素晴らしさ」、「それに向かって努力することの大切さ」、「失敗や挫折に負けない心の強さ」を子どもたちに伝えている。

このプロジェクトがスタートして、これまで数多くの子どもたちが夢先生とともに「夢」について考え、スポーツの素晴らしさや夢を持つことの素晴らしさ、それに向かって努力することの大切さを学んできた。“夢先生”もサッカーの枠を超え、野球、バレーボール、陸上、水泳、モータースポーツなど、多くのアスリートがこのプロジェクトに参加している。

また、企業、自治体、団体からも支援をいただき、プロジェクトは海外を含め、全国47の自治体で開催する。

「Dream~夢があるから強くなる」。私たちはこの言葉を多く子どもたちと共有し、このプロジェクトを通じて子どもたちの健全な成長を後押ししていきたいという。

「夢の教室」の概要

JFAこころのプロジェクトは、さまざまな競技の現役選手/OB/OGなどを「夢先生」として学校へ派遣し、「夢を持つことや、その夢に向かって努力することの大切さ」「仲間と協力することの大切さ」などを「夢の教室」で伝えている。

夢の教室は、【ゲームの時間】、【トークの時間】と、夢先生と子どもたちがメッセージのやり取りをする【夢シート】で構成されている。

対象=小学校5年生、中学校2年生
将来について考えるきっかけとなればという考え方から小学校5年生。また、より具体的に将来をイメージする機会にしてもらいたいという考え方から中学2年生を対象としている。

ゲームの時間(35分)
体育館で、夢先生と子どもたちが、協力してさまざまなゲームを行う時間。
みんなで体を動かすことにより緊張をほぐしながら、クラス全体に「協力すること」、「思いやりの心」、「全力で取り組むこと」「ルールを守ること」などの大切さを伝える。

トークの時間(55分)
教室で、夢先生が「夢曲線」を黒板に描きながら、自身が困難を乗り越えて夢に挑戦した体験を話し「夢を持つことの素晴らしさ、それに向かって努力することの大切さ」などを子どもたちに伝える。

夢シート
トークの時間では、夢先生の話を聞くだけでなく「夢シート」を使って、子どもたちの「いま好きなことや得意なこと」、「将来の夢(〇〇になって、〇〇したい)」や、「そのためにできること、やってみようと思うこと」を記入し発表する時間を設けている。

自分の「将来の夢」を文字で書くこと、言葉にすることで夢に向かう子どもたちを後押しする。

夢の教室終了後には、夢先生が一人ひとりへ思いを込めて夢シートに返事を書く。メッセージを受け取った子どもたちは、改めて夢について考える時間を持つことができる。

中根英登プロフィール

2012年より大学在学中にTeam Nippoでヨーロッパでの活動を開始。大学を卒業した2013年より同チームや愛三工業レーシングチームに所属し、アジアやヨーロッパのUCIレースを中心に活動。2017年からはUCIプロコンチネンタルチーム(現UCIプロチーム)に所属、2021年にはEFエデュケーション・NIPPO(現EFエデュケーション・イージーポスト)に移籍し、日本人選手として6人目となるUCIワールドチーム所属選手となる。また、日本代表としてアジア大会や世界選手権に出場し、特にアジア大会ではチームメイトの銀メダル獲得をアシストしながら自身も5位入賞を果たす。2022年末に選手を引退し、現在は愛三工業レーシングチームで上級アドバイザーを務めながら、ライドイベントやレース解説活動、また地元愛知で若手選手へのトレーニングサポートや競技普及活動に取り組む。

●JFAこころのプロジェクトのホームページ

日本学生自転車競技連盟主催のロードバイクセーフティライド研修会

日本学生自転車競技連盟主催のロードバイクセーフティライド研修会が4月29日に長野県飯山市で開催され、中根英登と小松定俊、岸崇仁が講師を担当した。(テキスト:三井至)

©学連学生スタッフ(中京大学・新潟食糧農業大学)

2022年から日本学生自転車競技連盟では大会参加にあたり、落車事故などを減らし安全に競技に参加してもらいたいことから講習会への参加を選手に義務付けている。

新年度に入り、各大学に新入生が入部してきたこともあり日本学生自転車競技連盟からの依頼を受けて、中根らが講師として日本学生自転車競技連盟に加盟する大学の選手へ実技指導を行った。

全日本学生ロードレースカップ・シリーズ戦・第16回菜の花飯山ラウンドの初日(タイムトライアルレース)と併催され、午前に駐車場内で基礎バイクコントロール研修、午後に集団走行研修を行った。

中根英登 ©学連学生スタッフ(中京大学・新潟食糧農業大学)

元WT所属プロロードレーサーとして国内外のレースを経験してきた中根や愛三工業レーシングチーム・小松監督が集団の中に入り、レースにおける集団での走り方を実践的に学生たちへ指導・再確認。

午前の部は駐車場内で基本的なスラローム走行、ボトルキャッチ練習、3本ローラーを至近距離に設置して擬似集団走行練習の3つのゾーンに分けて基本的なバイクコントロール練習を実施。

各パートに中根、小松、岸が指導に入り、各大学の選手らも大学の垣根を超えてコミュニケーションを取りながら取り組んだ。

学生シリーズ戦のタイムトライアルレースを挟み、午後の部は交通規制がされているレースコースを使って3人以上の並列走を組み込んだ集団走行の実技指導を実施。

集団走行における注意点等の意識付けを中根、小松、岸が学生と一緒に走りながら指導・再確認を行った。

©学連学生スタッフ(中京大学・新潟食糧農業大学)

中根英登のコメント
「初めに今回の研修会を実施するにあたり力を貸していたいた愛三工業レーシングチーム小松監督、岸氏、学連競技役員の皆様にお礼申し上げます。

西日本で実施した研修会とは打って変わり170名以上の選手の参加となりましたが、皆様のお力添えにより実行できました。

すでにレースを走っている選手にとっては安全講習・基本的なバイクコントロール練習は「できて当然」かもしれませんが、落車事故を未然に防ぐためにも「できて当然」のことを改めて意識して取り組むことは重要です。

また公道では並列走行ができないため、レース以外で前後左右に選手がいる状況で走る練習ができるいい機会となったのではないでしょうか。

また『公道』ならではの路面状況の変化がある中で、ただ走るだけでなく目的意識を持って集団走行練習ができたことで今後のレースに活かしていただきたいですし、学生以外でも自転車ロードレースに参加する方にはこのような研修に参加できるしくみが必要かもしれません。落車や落車を誘発するような走りを極力減らすことで全体的な競技力向上に繋がればと思います。」

小松監督のコメント
「今回は午前の講習に加えて午後からは実際にレースで使用するコースを閉鎖された状況で集団走行をすることができました。

こういった集団走行のテクニックは普段から身につけていかなければならないことでしたが、レースではなく講習という多少余裕のある状況でそのトレーニングをできたということは学連選手のテクニック向上につながると思います。

またより多くこのような活動が行えれば、落車も減り日本の競技力の向上にも繋がると思いました。」

©学連学生スタッフ(中京大学・新潟食糧農業大学)

中根英登特別留学奨学金制度が活用できる

また今回も西日本学連で行われた研修会と同様に、イー・エフ・エデュケーション・ファースト・ジャパンからセーフティライド研修会に参加した学生及びスタッフ・マネージャーを対象に、留学希望者には中根英登特別留学奨学金制度が活用できることになっている。(ワールドチームであるEFエデュケーション・イージーポストとは無関係の活動)

現役生活の半分以上を海外籍のチームでプロ選手活動をしてきた中根が実際に苦労してきた思いと、イー・エフ ジャパン内で最もロードレースが好きな畑山氏が協力して立ち上げた制度。

©学連学生スタッフ(中京大学・新潟食糧農業大学)

中根「競技力向上に伴い、海外挑戦する事が出てくるかと思います。私はプロ選手活動をする上での海外生活で、滞在許可証の取得や現地の役所でのやりとりで苦労した経験があります。

学生である今のうちに語学力向上もさせておく事で、選手生活を送るにしても選手以外の方向に進むにしても、また学生スタッフさんやマネージャーさんにとっても語学習得は人生の幅が広がるので是非活用していただけたらと思います」

畑山氏「イー・エフ・エデュケーション・ファースト・ジャパンから今回の研修会のサポートに入らせていただきました。私もアマチュアレースやライドイベントに出たりなど自転車と様々な関わり方をしてきた中で、ロードレースというのは非常に人間味のあるスポーツだと感じたことが多々あります。自分の得意な分野で誰かをサポートしたり、逆に苦手分野で誰かにサポートされたり、想いを託し託され、チームの戦略を緻密に計算したり、時には勇気を出して一人でアタックしたりなど、これほどまでに気持ちとか想いが交錯し、それを伝える言語・語学力が必要になってくるスポーツは稀だと思います。

選手の皆様が世界で走るチャンスをもらった際に、言葉の壁をも超えて100%以上の結果を出せるよう、私たちEFはいつでも皆様のサポートをいたします。

EFという会社は主に、留学を販売している会社です。世界20カ国、50都市に直営校があり、英語をはじめとした様々な言語を学ぶことができます。さらにこの度、中根英登特別留学奨学金制度という、研修会に参加した方を対象とした奨学金制度もご用意させていただきました!

ぜひこのチャンスを逃さずに、語学を学んで、世界に羽ばたいて伝説を創り上げてきてください。もし目標を成し遂げた暁には、サドルの上で色々お話をできれば嬉しいです!」

日本学生競技連盟が集団走行講習会…学連OB中根英登が講師

日本学生自転車競技連盟が主催するセーフティライド研修会「ロードバイク集団走行安全講習会」が3月24日に大阪府堺市で開催され、中根英登と渡邉歩が講師を担当した。

2023年から日本学生自転車競技連盟では大会参加にあたり、落車事故などを減らし安全に競技に参加してもらいたいことから講習会への参加を選手に義務づけている。

関東圏ではすでに何度か開催されているが、西日本地域での開催は今回が初めて。学連OBの中根も日本学生自転車競技連盟からの依頼を受け、講師として日本学生自転車競技連盟に加盟する大学の選手へ講習と実技指導を行った。

翌25日に全日本学生自転車競技新人戦(トラック)、JBCF主催レース(袋井)が開催されたことから参加者は少数だったが、一人ひとりとしっかりコミュニケーションを取ることができてとても有意義な講習会となったという。

講習会では2列並走から7つのステップに段階を分けて指導し、最終的には4列並走やレースを想定したローテーション走行の方法まで実施。

元プロロードレーサーとして国内外のレースに参戦してきた中根・渡邉も集団の中に入り、レースにおける集団での走り方を実践的に学生たちへ指導・再確認させた。

レースを想定した集団走行を学べる場は日本ではあまりない

「私も中京大学時代に学連のレースを走っておりましたが、実際に集団走行をする、特にレースでの集団走行やローテーションなどはぶっつけ本番でした」と中根。

「それでも私は恵まれていた方で、チームユーラシアの橋川健さんから学ぶ機会やチームNIPPOの学生選手としてヨーロッパのプロレースを走らせてもらえていたお陰でそれらを実践を通して学べたものの、まれな事例です。

昨今パワーメーターを使ったトレーニング方法を教えることができる専門コーチが日本でも増えてきており誰もが気軽に取り入れられるようになってきておりますが、そのような質の良いトレーニングをしてきたことを発揮するレースの場で、レースを想定した集団走行を学べる場面はシクリズムジャポン・浅田顕さんが実施されていた以外にはあまり行われていないように感じていました。

そんな中、日本学生自転車競技連盟から西日本の学生向けの集団走行に関する講習会の講師依頼をいただき、レースに参加する学生選手らがより安全に競技を行えるようになればという思いで引き受けさせていただきました。

また東日本で行われている講習会とズレてはならないので浅田さんから資料提供をしていただき参考にさせていただきました。

国内外問わず集団走行に慣れているプロ選手でもトレーニング中・レース中に落車が起きてしまうことがありますが、密集度が物凄く高くアベレージスピードも速い集団で年間に何十とレースを走るプロ選手は頻繁に落車を起こしません。

最低限の体力レベルを備えていることを条件として、プロ・アマ問わず欧州では普段のトレーニングから並列集団走行を経験していることで隣にいる選手・前後斜めに位置する選手との距離感や接触した時の対処方法、コースライン取りを心得ていることは大きな差。日常的にたくさん開催されているレースに参戦することで得られる集団走行経験や様々な路面状況での走行に慣れていることもあるかと思います。

一方で日本では学生をはじめとする多くの一般ライダーにおいてレースが毎週のようにある訳ではなく、また国内で並走等の集団走行経験が得られる場が限られているため、集団の密度が高い中で走る・集団内でバイクコントロールをする経験をレース以外でも学ぶ・確認できる環境は必要であると感じております。

例え危険なコースレイアウトや悪天候によるさまざまなネガティブ要素があったとしても、集団での走り方・バイクコントロール技術が備わっていれば大きな事故に繋がってしまうような落車を減らすことは可能です。

普段から多少の接触に慣れておくこと、自分の周りにいる選手らの動きを感じ取ること、集団密度が高くなっても自分の走行ラインを守ることを心がけることがレースを走る上でとても大切です。

レース以外で2列以上の集団走行を経験できる場というのは日本ではほとんどありません。今回のような講習会が全国で定期的に開催され、学生だけでなくレースを走るすべての選手たちが集団内での走り方を学べる・確認できる機会を増やして一つでも落車の数が減ってくれればと思います」

EFエデュケーションジャパンの中根英登特別留学奨学金制度

また今回のセーフティライド研修会においてEFエデュケーションジャパンから中根英登特別留学奨学金制度の立ち上げが発表された。

これは研修会に参加した大学の部内関係者を対象に、留学を希望する学生が活用できる奨学金制度となる。

「学生のうちにさまざまな国の文化・語学・スポーツなど実際に自分の目で見て肌で感じて価値観・世界観を広げてほしいという思いをイー・エフ・エデュケーション・ファースト・ジャパンと相談する中で、今回の奨学金制度の企画が立ち上がりましました。

選手の場合は留学先に欧州を選択することで、特に長期留学として欧州へ留学すれば長期滞在VISA取得のハードルも幾分か下げることができ、EFが持つ現地学校に通いながら欧州の自転車ロードレースにも長期間で参戦できる環境を整えることができます。

学校で学びながらレース経験と力を付けるという、海外(欧州)チャレンジの選択肢の一つとして今回の奨学金制度をぜひ活用していただけたらと思います。」

※ワールドチームのEFエデュケーション・イージーポストと今回の制度は無関係。

中根英登が2022シーズンを最後に11年間の現役活動に終止符

EFエデュケーション・イージーポストの中根英登が2022シーズンを最後に現役を引退することを発表した。突然決めたわけではなく時間をかけながら考え、今回の決断に至ったという。

NIPPOヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニの中根英登

18歳から本格的に取り組み始めた自転車競技

家族をはじめ本当に多くの方々からご支援・ご声援をいただけたお陰で、全てのカテゴリーを一つずつ経験しながら、時間をかけながらも世界トップカテゴリーのチームに辿り着くことができました。

その世界で極限まで追い込みチャレンジし続けられたこと、自転車を通じて世界中に仲間ができたことは私にとってかげがえのない財産となりました。

3年振りに開催されたジャパンカップが現役最後のレースとなり、母国でたくさんの応援の中走れたことはとても幸せでした。

今年はさまざまな状況が重なりましたが、その中でもプロフェッショナルとして最後まで全力で自分の走りを全うできました。

大学に通いながらTeam NIPPOの研修生として走られせてもらえたころからを含めると11年間の選手生活の中で、UCIプロチームおよびワールドチームには2017年から6年間の在籍となりました。

NIPPO時代の中根。東京五輪日本代表にはわずかに届かなかった

競技を始めて間もない時にチームユーラシアおよびTeam NIPPO racing projectで欧州のレベルを経験できたことで、常に世界を見すえて走ることができました。

異国の地での生活となっても常に支え続けてくれた家族には幾度となく助けられてきました。

ライバルとして仲間として苦楽を共にしながら切磋琢磨してきた先輩方や後輩たちのお陰で、自分の力を伸ばし続けることができました。

お世話になってきたチームやスポンサー企業様、サプライヤー企業様のお陰で、選手として何不自由なく競技に専念することができました。

そしてファンの皆様の応援のお陰で、苦しい場面でも諦めずに走り続けることができました。

次のステージでも高い志を持ってチャレンジして参ります。

日本代表としてエリート男子ロードを走る中根英登 © 2018 JCF

またいつかどこかで、みんなで楽しく自転車に乗りたいと勝手に思っておりますので、その時はよろしくお願いいたします。

11年間応援していただき、本当にありがとうございました。

中根英登が中学1・2年生を対象に講演会…アジア大会候補地の新城で

EFエデュケーション・イージーポストの中根英登が11月2日、愛知県新城市にある新城市立八名中学校の1年生および2年生を対象に特別講師として講演を行った。

中根英登が新城市立八名中の1・2年生を対象に講演 ©三井至

愛知県新城市は2026アジア競技大会の自転車ロード開催有力地

2026年に愛知県で開催されるアジア競技大会における自転車ロードレース競技の開催有力候補地が愛知県新城市だ。中根が愛知県出身のプロ自転車ロード選手であり、2018年にインドネシアで開催されたアジア競技大会に出場し、日本代表チームの銀メダル獲得に貢献したこと、現在も世界トップカテゴリーのチームで各国で開催されている国際レースに参戦していることから、新城市からの依頼で特別講師として講演した。

また今回の特別授業のテーマに興味を持つグローバル企業であるEF Education first japan も参加した。

特別授業のテーマに興味を持つグローバル企業EF Education first japanも参加 ©三井至

「私が中学・高校の時にやっていたスポーツはサッカーで、苦手な教科は英語。当時の私からはプロ自転車ロード選手である今の自分は全く想像していませんでしたが、自転車ロードレースの漫画が私の興味を誘い、新しいスポーツにチャレンジするきっかけとなりました」と中根。

「チャレンジを通じて成長し、新しいコミュニティや仲間ができ、それが大きな財産に」と中根 ©三井至

失敗もたくさん。卒業後はプロロード選手の道を歩む

「大学に入学してから自転車競技を本格的に始め、学生の時には競技だけでなく就職活動や教員採用試験を受けたりと多くのことにチャレンジしながら、その中で失敗もたくさんしながら、卒業後に進んだ道はプロ自転車ロード選手でした。

国内にとどまることなくより高いレベルで自分の知らない世界を求めて海外籍のチームへ移籍。さらに強くなるために追求し続けた結果、世界トップカテゴリーのチームの選手にまでなることができました。

私にとっては自転車競技という新しいことへ勇気を出してチャレンジしたことをきっかけに、そのチャレンジの中で学生のころからプロの自転車ロードレースチームで走らせてもらえた経験が私の人生を大きく変えることになりました。

公演後はサイン会 ©三井至

なにかに興味が出てきたら、躊躇することはあってもチャレンジしよう

自転車競技のお陰でいろんな世界に行くことができて、さまざまな国の人とコミュニケーションが取れるようになったことで、それまで日本と日本語しか知らなかった自分の視野や価値観が一気に広がりました。

勉学でもスポーツでも芸術でもなんでもいいので、なにかに興味を持ちやってみたいかもと思うことが出てきたら、躊躇することはあってもチャレンジしてみてほしいと思います。

中根英登(中央)が中学校1・2年生を対象に講演会を実施 ©三井至

そういったチャレンジを通じて成長し、新しいコミュニティや仲間ができて、それが大きな財産になっていくでしょう。実際に私が学生時代にチャレンジしてみたことによって多くの仲間とつながることができて、今の私があります」

中根英登とPOC/FULLMARKSが保育園にヘルメットを寄贈

EFエデュケーション・イージーポストの中根英登が10月27日、愛知県東浦町の保育園年長クラスの子どもたちに、2021年同様にヘルメットの寄贈を行った。

ヘルメットは正しくかぶることが大事 ©三井至

子どもたちがヘルメットをかぶれば親世代もかぶるはず

これから自転車の乗り方を覚えていく子どもたちに、欧米で定着している自転車用ヘルメットを着用してもらい、それを通じて親世代もヘルメットをかぶって自転車に乗ることがより身近になればという思いで、今回の活動に至った。

中根英登が東浦町の神谷明彦町長に目録を手渡す ©三井至

ヘルメット寄贈にあたっては、EFエデュケーション・イージーポストのスポンサーPOC社の日本代理店である有限会社フルマークスが協力。HATCH、なごや在宅クリニック、株式会社新晃製作所、トライスケイプ株式会社も協賛した。

POC社のカラフルなキッズヘルメット ©三井至

東浦町庁舎で神谷明彦町長に目録を渡した後、東浦町立森岡保育園の年長クラスの園児たち17名全員に子供用自転車ヘルメット『POCito Omne SPIN』を一つずつ渡して正しい装着方法を説明した。

ヘルメットを子どもたちに手渡しする中根 ©三井至

「年齢問わず自転車に乗る際のヘルメット着用への普及と子どもたちの安全につながればと思い、POCを取り扱うフルマークス社の協力もあって昨年と同様の活動をする運びとなりました」と中根。

ストラップの脱着方法を教える ©三井至

「自転車はスポーツバイクやママチャリ問わず、子供たちであっても車と同じくらいのスピードが出ることがあります。ペダルレスのキックバイクでも、大人が走っても追いつけないほどのスピードが出てしまう状況があります。自転車に乗っている時、転んでしまったり交通事故に遭ってしまった時に頭部を守ってくれる唯一のアイテムはヘルメットです。速度に関わらず転倒してしまった時や事故に遭ってしまった時でも、ヘルメットが頭部をしっかり守ってくれることで大切な命を守れる確率が格段に上がります。

通常の自転車を使った移動と比べると、より速い速度域で走る自転車ロードレースではプロ・アマ問わずヘルメット着用が完全に義務付けられています。

「にあうかなあ」 ©三井至

子どもたちの安全を守るのは大人の責務だと考えています。また子供たちがヘルメットを着用することで親世代も着用するようになればという思いと、子どもたちがより安全な形で自転車を楽しんでもらいたいということで、今回も森岡保育園の年長クラスの園児たちにヘルメットを手渡しさせていただきました。

「なかねせんせい、ありがとうございます!」 ©三井至

今回も寄贈という形での活動ですが、今後は実際にヘルメットを着用して自転車を使った安全講習や乗り方、競技(レース)に参加する際の最低限身につけておかなければならない技術などのスクールも関係者と協力して増やしていけたらと考えています」