みんなで応援オリ×パラ! 東京2020の見どころを配信

東京都は東京2020オリンピック・パラリンピック大会期間中、特設サイト「みんなの東京2020応援チャンネル」を開設。その特別企画として8月24日18:15~19:30に「オリンピックメダリストセレブレーション×パラリンピック応援特別企画」を配信する。

特設サイトは大会や選手への応援、ライブサイトなどステージで実施予定だったパフォーマンスの収録映像、東京の魅力などを紹介し、多くの人が気軽に楽しめるもの。“応援でつながる” をキーワードにオリンピック・パラリンピックをテーマにしたスペシャル番組をオンライン配信している。MCの石橋貴明がオリンピック・パラリンピック出場経験者をはじめとした豪華ゲストとともにコアな目線で大会を掘り下げ、熱く語る。

番組はこれまで3回配信を行い、合計視聴回数が25万回を超える。8月24日予定の第4回は、東京2020オリンピックメダリスト8選手をゲストに迎え、メダル獲得を祝うとともに大会や競技についてトーク。またオリンピアンから見たパラ競技のみどころ、注目競技「ボッチャ」の紹介など、番組ならではの視点でパラリンピックを応援する。

みんなで応援 オリ×パラ! 東京 2020 みどころ配信局 ~メダリストセレブレーション~
8 月 24 日(火曜日)18:15~19:30(予定)
テーマ=「オリンピックメダリストセレブレーション×パラリンピック応援特別企画」
MC=石橋貴明(タレント)
東京2020オリンピックメダリスト 髙藤直寿(柔道) 大野将平(柔道) 永瀬貴規(柔道) 野口啓代(スポーツクライミング) 水谷隼(卓球) 並木月海(ボクシング) 文田健一郎(レスリング) 乙黒拓斗(レスリング) ゲストアスリート 根木慎志(パラリンピアン/車いすバスケットボール)

・史上最多のメダルを獲得した「柔道」をフォーカス!
・メダリストによるスペシャルトーク!
・開幕直前!東京 2020 パラリンピックのみどころ紹介!
・注目競技「ボッチャ」をフォーカス!
・選手に応援を届けたい!視聴者からのコメント・メッセージ紹介

みんなで応援オリ×パラ! 東京2020みどころ配信局のホームページ

リチャル・カラパス…東京五輪の金メダリストのストーリー

エクアドルのリチャル・カラパス(28)が2021年7月24日に開催された東京五輪男子ロードで2位に1分07秒差をつけた独走を決めて金メダルを獲得した。隣国コロンビアは自転車強豪国として定着したが、エクアドル勢は今回のレースでもわずか出場2人の新興国。カラパスの大躍進が母国の自転車シーンに強烈なセンセーションを巻き起こしている。

自転車をするために家族とともに隣国コロンビアに移住

カラパスが生まれたエクアドルはコロンビアの南西にあり、南米大陸で人口第7位の国。コロンビアと同様にスペインの旧植民地で、言語はスペイン語。そしてどちらにもアンデス山脈があり、標高3000mを越える山岳地帯にも人々の営みがある。有酸素運動の高い能力を備えた逸材を輩出する環境がある。

カラパスがエクアドル選手として初優勝。2018ジロ・デ・イタリア第8ステージ © Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

南米大陸で最初に自転車レースが盛んになったのはコロンビアだ。1983年、ツール・ド・フランスが例外的にコロンビアのアマチュア選手で構成されたナショナルチームを出場させた。翌年には国営企業のカフェ・ド・コロンビアをスポンサーにして、針金のように細い四肢のルッチョ・エレラが最難関のラルプデュエズでステージ優勝し、1985年と1987年には山岳王になった。多くの国民が熱狂し、子どもたちが自転車レースを始めたのは言うまでもない。

カラパスが2019ジロ・デ・イタリア第4ステージで優勝 ©Fabio Ferrari/LaPresse

一方、エクアドル選手のツール・ド・フランス初出場は2020年のカラパスまで待たなければならなかった。高地で生まれたカラパスの周囲には自転車文化がなかった。2015年に自転車競技の盛んなコロンビアに家族とともに移住した。U25ブエルタ・ア・コロンビアで総合優勝したことが欧州チームの目にとまり、2016年のシーズン途中からスペインのモビスターに研修生として加入。2018年のジロ・デ・イタリア第8ステージで、カラパスが残り1kmからメイン集団を抜け出して初優勝して脚光を浴びた。

エクアドル選手がグランツールと呼ばれる三大大会で区間勝利したのは初めての快挙だった。

マリアローザのカラパスとアシスト役のランダ。2019ジロ・デ・イタリア第20ステージ ©Fabio Ferrari / LaPresse

「ボクはジロ・デ・イタリアに初出場したエクアドル選手だけど、子どものころはこんなハイレベルのレースでこの位置で走れるなんて考えられなかった」とカラパス。

「母国に自転車文化がないのはちょっとさみしい。この勝利がきっかけとなって、エクアドルの子どもたちが自転車に興味を持ってくれるとうれしい」

2019ジロ・デ・イタリア総合優勝のカラパス ©Fabio Ferrari / LaPresse

そして2019ジロ・デ・イタリア第14ステージ。カラパスが独走を決めて、第4ステージに続いて2勝目、大会通算3勝目を挙げた。総合成績でもここで一気に首位へ。

「今日はエース選手の調子がよくなくて、ボクが首位をねらってアタックすることになった。自転車を始めた15歳の時からマリアローザは夢だった」

カラパスは最終的にエクアドル選手として初めて総合優勝した。中盤で首位に立った伏兵が最後まで逃げ切ったのは予想外だったが、「子どものころに抱いた夢は絶対に忘れちゃいけないんだ。決意をもって努力すれば現実になる」と語った。

2020ブエルタ・ア・エスパーニャで、ログリッチを振り切ろうとするカルパス ©PHOTOGOMEZSPORT2020

エクアドルの自転車競技界は選手層が厚いわけではなく、カラパスが唯一の存在。しかし母国では多くの人が快進撃に熱狂し、自転車レースへの関心が一気に高まったという。

イネオス・グレナディアーズに移籍した2020年はツール・ド・フランス初参加。2021年はチームエースとして走り総合3位。パリにゴールした6日後の東京で金メダルをゲット。身長170cmの小兵ながら、まったく疲れを知らない選手だ。

2020ツール・ド・フランス。ゴール後に健闘をたたえ合うポガチャル(左)とカラパス ©A.S.O. Charly Lopez

2024パリ五輪は参加可能な大会…マラソンと自転車に一般クラス

第33回オリンピック競技大会はフランスのパリで2024年7月26日(金)から8月11日(日)まで開催される。パリで夏季五輪が開催されるのは3回目、前回から100年ぶりの大会となるが、マラソンと自転車ロードレースでは五輪史上で初めて一般参加が可能となる。

マラソン、競歩、トライアスロン、マラソンスイミング、自転車ロードレースの会場となるイエナ橋 ©Paris 2024

新型コロナウイルス感染拡大というな困難な状況で、前代未聞の1年延期を余儀なくされた2020東京大会。ほとんどの試合が無観客開催を余儀なくされたが、2021年8月8日の閉会式でその大役を終え、五輪旗が次の開催地であるパリに引き継がれた。

サンドニにあるスタッドフランス改め「スタッドオランピック」が開閉会式、陸上競技、ラグビー会場となる ©Paris 2024

パリ大会では若い世代の熱意にふさわしい新たな五輪モデルを具現化するダイナミックなスポーツとして、ブレイクダンスの競技形態であるブレイキンが新たに加わり、正式競技数は32に。BMXフリースタイルは継続され、スポーツクライミングは種目数が増える。

2024パリ五輪のピクトグラム
2024パリ五輪の競技会場
2024パリ・パラリンピックの競技会場

地域社会とのつながりを取り戻し、より多くの人たちと大会を共有するという精神のもと、マラソンと自転車ロードレースに一般参加が導入される。一般ランナーやサイクリストがメダルレースと同じ日、同じコース上でオリンピアンが激闘するコースを体験できるというもの。

2020東京五輪の閉会式に合わせてトロカデロ広場にバトンタッチで涌くパリ市民が集まった ©Flora Meteyer
2024パリ五輪招致活動時のロゴ ©Philippe Millereau / KMSP / DPPI

競技の舞台は従来のスポーツ会場だけでなく、エッフェル塔の下でのビーチバレー、廃兵院として作られたアンバリッドで行われるアーチェリー、ルイ16世やマリー・アントワネットが断頭台の露と消えたコンコルド広場のBMXフリースタイル、グランパレでのフェンシングとテコンドー、ベルサイユ宮殿の馬術などスポーツと文化遺産を融合させる。

自転車ロードのメイン会場はエッフェル塔横、セーヌ川にかかるイエナ橋。ツール・ド・フランスと同様にパリの象徴であるシャンゼリゼ通りを走る。このパリ五輪開催にともなって、ツール・ド・フランスは通常の開催日程から1週間前倒しするスケジュールになることが想定される。

1904年から1966年までツール・ド・フランスの最終ゴール地点だったパルクデプランス自転車競技場はサッカースタジアムとなり、五輪でもサッカー競技が行われる ©Paris 2024
サンカンタン・アン・イブリーヌのベロドロームナシオナル ©Paris 2024
ベルサイユ宮殿では馬術と近代五種の馬術種目が行われる ©Paris 2024
アンバリッド旧廃兵院はアーチェリー会場 ©Paris 2024

近代五輪の歴史の中でフランスが重要な位置を占めているのは、国際オリンピック委員会(IOC)を設立したフランスの教育者・歴史家のピエール・ド・クーベルタン(1863〜1937)の存在が大きい。1894年にパリのソルボンヌ大学で開催した会議で、4年に1度、古代スポーツでなく現代スポーツのプログラムで五輪を開催することが決定された。

世界有数の観光大国でありながら、コロナ禍により海外からの集客を積極的に発言できないジレンマ。2024パリ五輪はコロナに勝利するための絶対的な理念が求められる。

五輪を生んだ国が成熟期を迎え、また新たな改革を世界最大のスポーツイベントにもたらすことは時の流れでもある。

イエナ橋の夜景。エッフェル塔に隣接するシャンドマルスには柔道とレスリングの会場がある ©Paris 2024

●2024パリ五輪の公式ホームページ

パリ郊外のル・ゴルフ・ナショナルで伝統の対抗戦…2024パリ五輪でも会場に

NHKの2020東京五輪自転車競技の見逃し配信

東京五輪の自転車競技の模様は民放テレビ局によるインターネットでのオリンピック公式競技動画配信サイト「gorin.jp」で配信されたが、NHKの東京2020オリンピック特設サイトで「見逃し配信」として視聴できる。

榊原爽と畠山紗英…大親友でライバルが東京五輪BMXで再会

SAYAとSAEは1999年生まれの同級生。毎年開催されるBMX世界選手権では日本代表として、年齢別クラスで2人のどちらかが世界チャンピオンになってきた。ライバルだけど仲良し。SAYAこと榊原爽(さや)はその後、オーストラリア国籍を取得。SAEこと畠山紗英(さえ)は日本の第一人者に。2人は2020東京五輪BMXレーシングでそれぞれの国の代表選手として再会した。

榊原爽(左) © Jarno Schurgers / Red Bull Content Pool 畠山紗英(右) © Kunihisa Kobayashi / Red Bull Content Pool

2人のどちらかが世界タイトルを獲得してきた幼少期

BMX世界選手権には16歳までの年齢別にカテゴリーが設定される。17歳からジュニア、そして19歳になる年からエリートというチャンピオンシップカテゴリーになるが、日本勢は年齢別カテゴリーでは常に世界の頂点を争っている強豪国だ。2008年に日本代表として参戦した榊原が世界選手権初優勝。畠山が2009、2011、2012年と同タイトルを獲得。榊原は2010年に2勝目、さらに2013年から2015年まで3連覇。つまりこの年代の女子クラスでは日本勢がタイトルをほぼ獲得してきた。その黄金世代が21〜22歳となって東京五輪を迎えたのである。

ショートフィルム撮影のためドレス姿で走る榊原 © Andy Green / Red Bull Content Pool

榊原は父が英国人で母が日本人。生まれたのはオーストラリアのゴールドコーストだが、2歳の時から6年ほど東京都府中市に住んでいた。兄の魁(かい)がBMXをしていて、それを追いかけるように楽しみ始めた。

 17歳になる前に国籍を決める必要がありました。兄は国を挙げてスポーツ選手を支援するオーストラリアを選んでいて、私もオーストラリアに決めました」

スタートダッシュで攻める畠山(右) © Jarno Schurgers / Red Bull Content Pool

万全のサポートを受けられるハイパフォーマンスチームはBMX選手として男女各2人という狭き門にもかかわらず、兄妹はともに選抜された。残念ながら魁がレース中に重傷を負い現在もリハビリを続けているが、榊原は兄のためにも頑張ると五輪代表の座を射止めた。2018年にはワールドカップ初優勝。東京五輪での金メダル候補と言われるまで実力を伸ばしてきた。

「BMXを始めたのは日本なので、その場所に戻って五輪選手として走れるのってすごいストーリー。畠山ちゃんは5歳からずっと友達でありライバルなので、東京五輪で対決するのが楽しみです」

榊原爽と兄の魁(右) © Brett Hemmings / Red Bull Content Pool

2019年10月に五輪会場となる有明アーバンスポーツパークで開催されたテスト大会を制したのは榊原だ。しかし畠山も負けていない。2020年はシーズン開幕直前に手の骨折。国際大会に参戦できず、その後コロナ禍となった。地元の神奈川県寒川町に建設されたスタートゲートで、在学する日本体育大と日本自転車競技連盟が連携して動作解析。新しい練習方法も取り入れた。コロナの状況に応じて拠点をスイス、フランス、スペインと移しながら、練習に打ち込んだ。5月のワールドカップシリーズでは日本人初となる3位に。

「あまりライバルと言う意識を持ったことはないですが、あげるとすれば同世代で戦ってきたメンバーを意識する」とSAE。

榊原と畠山が出場するBMXレーシングは有明アーバンスポーツパークで7月29日に予選、30日に決勝レースが行われた。畠山は予選の最初のレースで落車負傷し、翌日の準決勝に進出できず。榊原は準決勝で敗れ、9位という成績。それぞれの五輪初出場が終了し、また新たな目標に向かって仕切り直しすることになる。

オーストラリア代表の榊原爽 © Jarno Schurgers / Red Bull Content Pool

 ◆榊原爽(さかきばらさや) 1999年8月23日、オーストラリア・ゴールドコースト生まれ。身長17cm。五輪初出場

畠山紗英 © Kunihisa Kobayashi / Red Bull Content Pool

 ◆畠山紗英(はたけやまさえ) 1999年6月7日、神奈川県生まれ。身長162cm。日本女子選手として五輪初出場