フランスでは新型コロナウイルス感染拡大を抑えるために厳しい外出禁止令が敷かれ、すべての自転車選手が屋外でのトレーニングを禁止されているが、MTBとエクステラの世界チャンピオンであるクリストフ・ベタールは合法的な方法で現在もロードトレーニングしている。
フランス在住のスポーツ選手は現在、極めて困難な状況に置かれている。他国の大半と同様だが、体調を維持するために自宅でフィットネスやストレッチ、筋トレを行うしかない。多くの選手がウエブでこれまでに蓄積してきたコンディショニングのノウハウを共有し、閉じ込められた一般愛好家へのアドバイスをしている。新型コロナウイルスとの戦いを一丸となって勝ち取ろうという意思の表れだ。
フランス北東部のボージュを拠点とするベタールは独自のやり方で新型コロナウイルスに立ち向かっている。MTBではアマチュアカテゴリーで世界チャンピオンに。MTBを使ったトライアスロン競技のエクステラでも2015年に世界を制した。ロード選手としてもフランスの海外県マルチニックでナショナル選手権のタイムトライアルチャンピオンという肩書きもある。
ベタールは合法的に、援助を求めている人のためにロードトレーニングを続けている。山間部の自宅で孤立している住民に、薬局から依頼された薬と命をつなぐための食糧を背負って自転車で無料配達しているのである。起伏がちなボージュの山道を走るベタールの活動は口コミとSNSですぐに広まった。
自宅から出られない住民の需要を満たすために、マウンテンバイカーのグループ全体がベタールに加わった。
「私たちは運動能力があり、健康であり、困っている人々を助けたいと思っている」とベタール。孤立した人々を助けることに加えて、ベタールと彼のチームは住民の健康状態を医療関係に連絡するという重要な任務もこなしている。