日本政府は道路交通法の施行令改正を2020年6月9日に閣議決定。6月30日に施行される。同月2日に成立した自動車のいわゆる「あおり運転」を厳罰化した道交法改正に関連して、自転車についても従来の危険行為14項目に「妨害運転」を加えた。
自動車のあおり運転は違反点数25点、即免許取り消しで欠格期間は2年。高速道路上で相手を停車させるなど「著しい危険」を生じさせた場合は35点、欠格期間3年とされているが、これらの行政処分に加えて今回の改正で、道交法の刑事罰に3年以下の懲役または50万円以下の罰金、著しい危険は5年以下の懲役または100万円以下の罰金と定められた。
自転車については道交法本則ではなく施行令に、自動車やバイク、他の自転車の通行を妨げる目的で、逆走して進路をふさぐ、幅寄せ、進路変更、不必要な急ブレーキ、ベルをしつこく鳴らす、車間距離の不保持、追い越し違反などの行為を想定した「妨害運転」を危険行為として取り締まることにしている。
これらを含む15項目の違反を3年以内に2回犯すと14歳以上に安全講習を義務化した。
この背景には、コロナ禍で急増した出前自転車の迷惑運転が目立つことや、昨年、埼玉県で摘発された「桶川のひょっこりはん事件(自転車に乗った状態で走行中の自動車に突っ込むふりをし、走行を故意に邪魔する)」などがあると思われる。
「ちょっと残念なのは、クルマのあおり運転厳罰化より面白いと思ったのか、自転車あおり運転報道がより大きなニュースになっていることです」とNPO自転車活用推進研究会。
「本筋はクルマ、それに幅寄せや割り込みなど自転車に対するあおり行為こそ問題だと思います。とはいえ、自転車も顰蹙を買う運転が散見されます。新しく自転車を使い始めた知人がいたら、ぜひさりげなく安全運転の心得をご伝授ください」