サイクリング途中のパンクなどに備えて修理キットやツール(工具)などを携える。それをどうやって持っていくかが課題となるが、自転車通販サイトの最大手ワールドサイクルがプロデュースするオリジナルブランドのR250(アールニーゴーマル)から使い勝手がよさそうなツールケースが新発売されたので実際に試してみた。
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サドルバッグでなく携行品はボトルケージ部分で運びたい
R250のツールケース、スリムロングタイプ モノトーンカモフラ ブラックファスナーというだけに商品名もかなり長い。新発売と紹介したが、カモフラという新柄がリリースされたという意味。すでにカーボン風のツールケースなどがあり、人気の定番アイテムとなっている。
ちょっと前の時代、プラスチック製の筒状ツール缶をボトルケージに差して走る熟練者たちがいたが、それがツールケースとしてアイデア商品化された。R250もファスナーで開閉するタイプのツールケースをリリースし、徐々に改良を加え、ロングサイズのツールケースが新登場したというわけだ。他社製よりも硬くて丈夫なことがR250ツールケースの特徴。
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パンク修理に必要な携行品は意外と重い。以前のサイクリストなら必要な工具のみを背中のポケットに、携帯ポンプはフレームにくくりつけて走っていた。そんなものを持ち運ぶ場合、たいていのサイクリストはサドル下に装着するサドルバッグで対処する。さまざまな大きさがあるのでそれぞれの携行品の量に応じてバッグを購入すればいい。
でも、それがイヤだというサイクリストは多い。サドルバッグをつけると、自転車の一番高いところにあるサドル周辺が重くなる。そうなると走行フィーリングが変わってくる。軽やかにダンシングすることもできなくなる。特に上り坂などでは、自分の走りに違和感を感じると同時に、くくりつけた重さを左右にゆらすのだから体力を消耗する。
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そこでボトルケージにツール缶をつける方法が考案されたのだ(と思う)。重心が下がるので走りのフィーリングにあまり干渉しないのがメリット。2つしかないボトルケージの1つを占領してしまうのがデメリットだが、真夏に自動販売機がないような山奥深い峠を上る場合を除いては、大きめのボトルを1本装備しておけば問題にはならない。
もう1つの理由。ツール・ド・フランスを走るプロ選手がサドルバッグをつけているレースシーンは見たことがない(もちろんプロ選手でもトレーニング中はサドルバッグを利用するようです)。シルエットとしてとりわけロードバイクはシンプルでありたいのだ。
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で、ロングサイズのツールケース。R250のニューカラーであるモノトーンカモは、室内や日陰で見るとほぼブラックなのに、太陽光のもとで見るとカモフラ柄が浮かび上がるというもの。この奇妙なカモフラ柄は、R250のイチ押し新仕様のようで、今回同時にリリースされた防水スマートライドポーチDX(2860円)にも採用されている。
ファスナーの引き手が走行中にフレームにパタパタ当たってわずらわしいと思ったが、小さなゴムバンドが縫いつけられていて、ここに引き手を収納すると暴れることがないという。R250はこんな感じで、実際に走っているサイクリストが使い勝手を考えて作り上げている所作がいくつか見受けられる。
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ファスナーは止水タイプではないので雨水の浸入は避けられないが、濡れて困るものは入れないのでこれでもいい。ただし雨の中を走ったあとは中身を取り出して乾燥させておかないと、工具などがさびてしまうというのはありがちだ。
ボトルケージはさまざまな素材やデザインがあるが、すべてに対応するはず。ボトルにあるへこみは、ケージの出っ張りがここを押さえてホールドさせる設計。ツールケースも同様の構造となっているが、ボトルケージの出っ張り部分が常に同じところに当たっていると摩耗によって傷つきやすい。いつも同じ場所ではなく、毎回少し場所を変えるといいとのこと。
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色違いとサイズ違いはたくさんあるので、自分の好みや携行したい物の多さによって選択できるのも魅力。
●ワールドサイクルの「アクセサリー、ツールケース」一覧ページ
R250 ツールケース スリムロングタイプ モノトーンカモフラ ブラックファスナー
サイズ:高さ225mm x 75~70mm
重量:95g
販売価格:2200円(税込)