中島康晴がKINAN AACA CUP最終戦で優勝…総合優勝も

KINAN Cycling Teamがホストを務める東海地区のサイクルロードレースシリーズ「KINAN AACA CUP」は、11月23日に2019年シリーズの最終戦を実施。最上位クラスの1-1カテゴリーでは、すでにシリーズ総合優勝を確定させていた中島康晴がタイトルに花を添える勝利。紅葉が見ごろとなっていたレース会場を熱く盛り上げる走りを見せた。

中島康晴がKINAN AACA CUP総合優勝 ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

愛知県や三重県をメインとしながら、おおむね月1回ペースで転戦してきたレースシリーズ。10月に予定されていた前節・第10戦は各地で猛威を振るった台風19号の影響を勘案し中止に。実質2カ月ぶりとなるレース開催となった。

今回の開催地は愛知県新城市。鬼久保ふれあい広場を主会場に、周辺の公道もコースに組み込まれる。1周1.4kmと短いサーキットながらアップダウンに富み、平坦区間はほとんどないセッティング。それでもハイスピードでレースが展開される傾向にあり、クリテリウムの装いに。新城市では、2026年のアジア競技大会における自転車競技ロードレース種目の実施に向けて調整に入っていて、同市から川合教正・産業振興部長が会場を訪れて参加選手を激励するなど、自転車熱の高まりを見せるものとなった。

ホストを務めるKINAN Cycling Teamは今節、椿大志、福田真平、中島康晴の3選手が参戦。レースシーンはオフを迎えているこの時期だが、参加選手同様に勝つことを目標にしっかりと調整してスタートラインについた。

 前夜までの降雨も影響もあり、部分的にウェットな路面コンディション。そんな中で始った1-1カテゴリーは、スタート直後から駆け引きに満ちた展開に。チャンスあらばと飛び出す選手をKINANメンバーがチェックに動くなど、アグレッシブさをうかがわせる流れとなった。

しばらくは出入りの多い状況が続いたが、その均衡が破られたのは7周目。ルイス・オロチス(TEAM VIVACE)と河村敦人(大福屋)とともに中島が抜け出すことに成功。3人はメイン集団に対して着々とリードを広げていき、やがて30秒ほどのタイム差となる。メイン集団でも追撃狙いの動きが見られたがいずれも決まらず、先頭の3選手が優勢となっていった。

快調に飛ばす3人だったが、残り3周回となったところで中島がアタック。上りで差を広げて、下りでさらに勢いに乗せてライバル2人を引き離しにかかる。しかし、続く周回でルイスが猛追。河村を置き去りにして、やがて中島に合流。2選手による優勝争いが濃厚な情勢となって最終周回の鐘を聞いた。

1対1の勝負になれば、やはり中島に一日の長があった。変化の多いコースにあって先頭をキープして最終局面へ。最後は上りスプリントにゆだねられたが、フィニッシュ前のスピードに勝る中島が先頭を譲ることなくトップでフィニッシュラインを通過した。

驚異的な追い上げを見せたルイスが2位、積極的な走りで2回の周回賞を獲得した河村が3位に入線。後方では、終盤にメイン集団からのアタックを成功させた椿が単独でフィニッシュへとやってきて4位を押さえた。

優勝した中島は、今節に臨む時点ですでにシリーズ総合優勝を決めていたが、さらにポイントを伸ばしてタイトルを確定。表彰式では、多くの優勝賞品を多くのファンと分け合うビッグなサービスで会場を盛り上げてみせた。

KINAN AACA CUP恒例となったキッズスクール ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

大好評キッズスクールや充実のイベントブースも

KINAN AACA CUP恒例となったキッズスクールは、中西健児アカデミーコーチの音頭のもと、椿、福田、中島の3選手が講師に加わっての豪華プログラムに。今回はコーナリングをテーマに、正しいライン取りと体重移動を意識する内容とした。その後に控えたキッズレースに生かせるよう、中西コーチや3選手が熱心にアドバイス。その甲斐あってか、キッズレースではプロ選手たちも顔負けの激戦が繰り広げられた。

また、会場ではチームのオフィシャルサプライヤーでもあるYONEX、ATHLETUNEのほか、バイクパーツやスマートフォンのガラスコーティング加工を行う光設備、BUCHO COFFEEによる飲食コーナーなどのブースが出展。参加者を中心に多くの人たちでにぎわった。

今節で2019年シリーズの締めくくりとなったKINAN AACA CUP。年間表彰については、12月15日に愛知県名古屋市で行われるKINAN Cycling Teamのシーズンエンドパーティー内で行われる運びとなっている。

●キナンAACAカップのホームページ

東京パラでみんなに喜んでもらえる選手になりたい…藤井美穂

障がい者の自転車競技「パラサイクリング」の藤井美穂。出生直後に壊死していた右脚を切断。それでも活発さと明るい笑顔でモデル経験も。SNSの自己紹介欄には「切断ビーナス(義足モデル)」と書き込む。3年前のリオパラ五輪は日本が出場枠を持ちながら派遣されなかった。しかし東京は「レベルアップした姿を見せたいのでぜひ出場したい」と意欲を見せる。

リオは参加枠がありながら実力不足で派遣されず

もともとはパラ陸上走り高跳びの選手で、今も日本記録とアジア記録を保持する。しかし片足で跳んだり義足をつけて跳ぶ女子選手が藤井しかいない。2カ国以上・3人以上選手がいないとパラ競技として公認されない。4年経っても参入する選手はいないと予測して、競技の転向を模索した。そんなとき義足を作る装具士が「自転車があるよ」と教えてくれた。さっそく自転車競技の設備が整った静岡に通った。初めて自転車に乗り、乗るたびにタイムが向上。楽しくて仕方なかった。

リオパラ五輪の時は日本に出場2枠があったが、派遣されたのは1枠で、2番手の位置にいた藤井の出場は見送られた。

「実力がないのにパラって出られちゃうんだと思われたくなかったし、実力がなかったから派遣されなかったことは自分でも納得しています」と当時を回想する藤井。

「4年後の今は出たいです。実力も上がってきたので選ばれるなら挑戦したいです」

現在はウエイトトレーニングに最近力を入れている。体幹を強化することで片脚ペダリングをフォローできるからだ。日体大で筋トレ指導を受け、勤務する楽天ソシオビジネスのフィットネスジムで汗を流す。練習は毎日。筋トレ以外に、室内トレーナー、ロード練習、そしてリカバリーのための走行と乗りまくる。

「人が歩くという動作は前に脚を振り出す動き。競技用自転車のペダルはシューズに固定されているので、それを引き上げて踏むという特有の動き。だからたくさん乗ることを心がけています。乗ったぶんだけよくなってきたかな」と笑顔を見せる。

地域も会社もバックアップ

合宿は静岡、福島、山口などパラ選手を応援してくれる地域に行って練習する。月に2〜3週間は合宿か遠征だ。同じ会社には女子の第一人者である杉浦佳子などパラ選手の多くが勤務していることもあり、「家族以上に一緒。会社で会って夜ご飯も一緒で、練習も遠征も一緒。だからみんな仲良しです」という。

会社も全面サポート。出力解析バイクがあって、ウエイトトレーニング場があって、すぐにリカバリー食が取れる社員用カフェテリアが朝昼晩と用意されていて、無料で利用できる。

「とてもおいしいですし、海外遠征に行っている間も欠勤ではなくて出張扱いにしてもらっています。社内コンビニで働いていて、お給料も出る。ありがたいです」

パラサイクリングを始めたときは世界の最下位だったというが、今季の世界選手権は出場した2種目でともに6位。やっと真ん中に浮上した。もう少し頑張ればメダルがねらえる。

すぐにワールドカップの連戦が始まり、2020年1月には世界選手権。日本女子はすでに東京パラ五輪の1枠を確保しているが、上位入賞して高ポイントが取れれば2枠目が取れる。メダル獲得の期待がかかるエース杉浦とともに藤井が選出される可能性は極めて高い。

「メダルが取れる日本選手が出ていないと東京パラ五輪を見ている日本のお客さんもつまんないと思うので、お客さんに喜んでくれるような成績が出せる選手になりたい。メダルを目指して頑張ります」

「トラックが一番好きな種目」と語る藤井美穂
2020東京パラリンピックを目指す藤井美穂 ©Yuzuru SUNADA

●日本パラサイクリング連盟のホームページ

パールイズミのPICC輪行ライドは江の島~伊東80km

自転車ウエアブランドのパールイズミが12月22日に(日)に参加者限定・無料のライドイベントを開催。今回は帰路に電車を使うことで、より旅気分でライドを楽しめる輪行イベントを企画した。

“Sports for Your Life” をテーマにサイクルウエアブランド Pearl Izumi が手がけるコミュニティ活動PICC(Pearl Izumi Cycling Community)。今回のコースは神奈川県の江ノ島から海沿いを伊豆方面に向かって走り、ゴール地点の食事処「開福丸」(静岡県伊東市)で美味しい海鮮ランチを食べる。

海沿いの景色を楽しみながら走れる80kmのコースだ。途中の熱海付近では起伏もあり走りごたえもある。ぜひこの機会に楽しい輪行ライドにチャレンジしてみよう。

伊東にある磯料理の開福丸

<イベント概要>
開催日時 2019年12月22日(日)08:15~14:30
集合場所 新江ノ島水族館 ※湘南お祭り広場・新江ノ島水族館エントランスに集合
コース 新江ノ島水族館 ~ 国道134号 ~ 国道1号 ~国道135号 ~ 開福丸 ~ 伊東駅
目的地 開福丸
現地解散 (走行距離80km)
参加費 無料
80km、平地を時速25~28km前後で巡航できる方
1回のライドで60km以上の走行経験がある方
輪行袋を持参し、ご自身で輪行できる方
※自転車保険に加入していることを前提としたイベント運営となっております
担当 大西勇輝(パールイズミ コミュニティーマネージャー)

●イベント利用規約

魚のフライが絶品

<申込み方法>
STEP1-メールにてお申込み
以下のメールアドレス宛てに必要な情報を記載し、メールにてお申込みください。pi_ride@pearlizumi.co.jp
1)お申込みイベント名(例:PICC ライドイベント vol●●) 2)お名前 3)ご住所 5)メールアドレス 6)生年月日 7)性別 8)ご職業 9)ロードバイク歴

STEP2-パールイズミより参加確定のご連絡
4)電話番号
定員を超えた場合は抽選とし、当選した方には弊社より 12/13 以降に順次メールにてご連絡いたします。

STEP3-参加者より”参加または不参加”のご連絡
弊パールイズミから当選した方へ送信したメールに、”参加または不参加”をご返信ください。
参加のご連絡(ご返信)をもって参加確定とさせていただきます。
※イベントのご参加はイベント参加規約を承諾されたということが前提となります。

<お申込み締切日>
2019 年 12 月 13 日(金)17:00 まで

ジェイミス・RENEGADEのニューモデル、S3/ S4発売

北米を発端としたバイクパッキングブーム、ツーリング、街乗りでの快適性などでますますグラベル/アドベンチャーカテゴリーが人気となっている昨今、カテゴリーの先駆者であるRENEGADE(レネゲード)シリーズに新モデルとしてS3、S4をJAMIS(ジェイミス)が発売。

RENEGADE S3 17万8000円(税別) カラー Ano Deep Sea

SシリーズはJAMISの十八番であるスチールフレーム、両面にボトル台座を装備した12mmスルーアクスル・カーボンフォークにリアも12mmスルーアクスルを採用。より拡張性を意識したモデルとなった。タイヤクリアランスも51サイズ以上は700×45cもしくは650B×2.0まで対応(44/48サイズは650B×2.0もしくは700×32c)。

S3にはSHIMANO新型コンポーネントGRX400を採用。クランクも今話題のスーパーコンパクト(46T×30T)を採用することで、 オールラウンドバイクとしても非常にポテンシャルの高い一台に。日本限定カラーには人気色Desert Stormをラインナップ。

RENEGADE S3 17万8000円(税別) カラー Desert Storm(日本限定カラー)

S4は、フレームはS3と同一にSORAコンポーネントを採用。コストパフォーマンスにも優れた一台。また、S4のRootBeerカラーは近年流行りのアースカラーではなく、街中にも映えるカラーを日本限定でチョイス。

RENEGADE S4 13万円(税別) カラー Smoke

サイズラインナップは、44,48,51,54,56,58cmの6サイズ展開だが、S4のSMOKEカラーには61cmまでの7サイズを展開。

RENEGADE S4 13万円(税別) カラー Root Beer(日本限定カラー)

●ジェイミスのホームページ

ジェイミスのアーバンアドベンチャーSEQUELに新モデル

2018年より爆発的人気を誇るジェイミスのアーバンアドベンチャーSEQUEL(セクエル)。そのSEQUELシリーズに新たなモデルが追加された。2018年は1グレードのみの展開だったが、ハイエンドモデルS1、コストパフォーマンスに優れたS3を追加した。

SEQUEL S1 Ano Primer Grey

SEQUELの共通の特徴は、両面にボトル台座を装備したスチールフォークに前後12mmスルーアクスル。RENEGADEに装着することができるキャリアやパッキング類がSEQUELでも可能。タイヤは650B×47cを標準装備しているマルチな一台。

S1はSHIMANO SLXによる1×11s、専用同色フェンダー、WTBの完組ホイールを装備。SEQUELの最上級にふさわしい一台。 S2は2018年同様SHIMANO DEOREの1×10s使用、S1と同じレイノルズ520パイプを用いている。新カラーであるFlat Oliveはとてもカラーコーディネートしやすい(継続カラーのChacoalとDesert Stormは大人気につきメーカー完売)。

SEQUEL S2 Flat Olive

S3はフレームをCrmo4130としながらも、1×9sにし、10万円アンダーを実現。また、S2/S3には21インチサイズを追加に 加え、S3のChacoalカラーには23インチも追加。最大5サイズ展開となった。

SEQUEL S3 Chacoal
SEQUEL S3 Root Beer(日本限定カラー)

S3のRoot Beerは日本限定カラー、日本展開は全車種サイドスキンタイヤ。

SEQUEL S1 ※限定商品 16万5000円(税別)
SEQUEL S2 11万5000円(税別)
SEQUEL S3 9万5000円(税別)

●ジェイミスのホームページ

キャノンデールのスーパーシックスエボがバイシクル・オブ・ザ・イヤー

キャノンデールの2020モデル、SuperSix EVO Hi-MOD Disc(スーパーシックスエボハイモッドディスク)が日本バイシクル・オブ・ザ・イヤー2020を受賞した。ノミネートされた10台の候補車輌のうち、すべての選考委員から得点を集めたのはこの一台のみで、 2020年モデルを代表するバイクとして高く評価された。

キャノンデールのスーパーシックスエボハイモッドディスク

主催は日本バイシクル・オブ・ザ・イヤー2020実行委員会。選考委員長は岩田淳雄。今回の受賞内容について実行委員会は次のようにコメント。

「スーパーシックスエボハイモッドディスクは、軽量高剛性というこれまでのアイデンティティーに加え、エアロ性能、さらには快適性にも目を向けたモデル。真のオールラウンダー、真のロードバイクとはなにかということを世に問う意欲作だといえる。主要パーツを自社ブランドでかため、その目指す目標に向けてトータルインテグレーションを進めた。ケーブル内装化、フレームチューブ形状の最適化によるエアロ化、さらに快適性アップのための『セーブ』コンセプト採用など、現在考えられる技術すべてを投入している。その結果のトータルバランスのよさが得点を集めた」

乗り手に負担をかけずに速さにつなげる

「軽さと速さ、振動吸収性を高いレベルで両立していた。推進力にキレがあり、上り、平地問わずにペダルを踏みたくなる衝動に駆られる。乗り心地が抜群で、コンフォート系のバイクかと思わせるほどだ。激しいライディングに対しても、拍子抜けするほどバイクがニュートラルに対応する。ハンドルまわりやシートポスト、ホイールを含めてトータルパッケージで仕上げられた結果だ。乗り手に負担をかけずに速さにつなげる性能はこれからのスタンダードになる」選考委員 松尾修作

各選考委員の持ち点は10。それをいくつのモデルに分配しても構わないが、1モデルへの配点は最高3点。各モデルの得点を集計し、最高得点を得たモデルを日本バイシクル・オブ・ザ・イヤー2020とした。

ハンドルのメンテナンス性の高さもポイントとなる

「すべての点で完成度が高い。この一言につきる。山岳から平坦まですべてのシーンで信頼できる一台として、プロ選手たちを勝利に導いてきた実績をもつバイクであることに納得だ。今回のモデルチェンジでは、エアロ性能と快適性の向上が大きい。ホイールセンサーや、パワーメーターが標準装備されているのもうれしい点。細かいかもしれないが、ハンドル角度の微調整が可能であったり、高さも自由に変えられたりとメンテナンス性が高いのもポイントが高い」選考委員 田村明寛

「日本バイシクル・オブ・ザ・イヤー2020」を受賞したスーパーシックスエボハイモッドディスクは、シリー ズ3世代目となる最新作。歴代のロードレースバイクをドラマチックに進化させたモデルとなる。前作モデルで支持された『軽くスムーズかつ俊敏なライドフィール』はそのままに、空気抵抗を大幅に削減するためにアップデートされたチューブデザインを採用することで、現代のライダーが真価を発揮できる本格的なロードバイクに仕上げられている。

●SuperSix EVO Hi-MOD Disc(スーパーシックスエボハイモッドディスク)