ここまでできる! ガーミンコーチの進化が止まらない

GPSと光学式心拍計で測定したトレーニングデータを無償提供アプリで解析し、個人目標を達成するために必要なトレーニングメニューを提示してくれる「Garmin(ガーミン)コーチ」の進化が止まらない。まるでパーソナルコーチをつけているように具体的なメニューが与えられ、それを着実に消化していくことでレベルアップが期待できる。

「なんのための練習なのか」などコーチの理論を動画で視聴して理解することで充実したワークアウトが可能になる

トップアスリートの多くが専属コーチと契約を結び、目標達成に向けてハイレベルな領域でトレーニングを積み上げている。プロとプロとのビジネスなので、指導にかかるマネーもハイレベルなのは当然だ。

jeffコーチの指導により、最初に設定した目標に対する「確実性」が変化していく

そんな幸せなトレーニング環境の一端を無償で一般アスリートに提供してくれるのが、Garmin(ガーミン)コーチだ。スマホなら無料でダウンロードできるアプリ、パソコンなら無料でログインできるホームページで、世界屈指のコーチたちからの専門的なアドバイスを受けることができ、検証済みのワークアウトを提示される。ガーミン製品のプロモーションのために提供される無料コンテンツなので、愛用者は賢く使いこなすのがオトクだ。

ランのコーチは現在のところ 5km、10km、ハーフマラソンのプランを提供してくれる

ラン、サイクリング、トライアスロンの大会に挑戦する人。健康維持や増進のために体重を落としたい人など、その人の目標やフィットネスレベルはさまざまだ。Garminの提供する無償トレーニングプランは、膨大なデータを集積し、それをGarminの特性を熟知したコーチ陣が汎用性のあるメニューを構築。目標達成を支援するというトレーニングプランなのである。

すでに何回がプランを実践してみたが、今回は自分にぴったりのプランが見つかった。ジェフ・ギャロウェイ氏の「5kmランニング」メソッドがじつにハマった。他のコーチよりもスキルを重視し、単純で無理のない技術練習を積み重ねていくことで、ペースアップを実現させるというものだ。ペースと距離をメインに構成されたメニュープランではなく、まさに専属コーチに指導をされているような実効力があった。

最初は簡単でもの足りないスキル練習から入っていったが、スキルを身につけるに従ってタイムも確実に向上していった。そして週を重ねるうちに同じスキル練習ながら回数が増えたりしてハードになっていく。後半はできるかできないかのギリギリの状態が続いた。

1週間のうちどれだけ練習できるかなどそれぞれの環境に応じた練習プランが提示される

ウォーキングをスキルメニューに取り入れているというのも新鮮な感触があった。ギャロウェイ氏は歩きという戦略的なブレイクを入れることで、ほとんどのランナーのタイムが実際に改善されることを発見。

このメリットを得るために、トレーニング中に試行錯誤することが重要で、Garminデバイスはこのプロセスを簡単にするのに役立つと、Garmin製品を有効活用できるのも魅力的だ。各ワークアウトにおいて、Garminデバイスがペースや次のステップに移行するタイミングを知らせてくれる。

GPSユーザーならkm単位のラップタイムは痛いほど把握している
初級者から中級者向けのプランなのでキロ単位のラップタイムは4分24秒が上限だ

個人のペースは最初に入力するが、そのレベルに基づいて、何十万人ものランナーに効果を発揮した方法が提案される。ワークアウトのスケジュールは持久力を伸ばし、より効率的に走り、スピードを向上するために調整されているという。

コーチを選択するとともに、個々の練習量や自己評価、そして目標とするタイムを入力する
ガーミンコーチはハーフマラソンや5kmなど個々のタージェットに応じたプランが用意されている

ケイデンスドリル

ケイデンスは1分間に各足が地面に触れた回数。ケイデンスドリルはケイデンスを増やすために設計されたもので、より速くより効率的に走ることにつながる。ケイデンスドリルは通常のペースで30秒走ることから始まる。ウォークブレイクを取った後にケイデンスドリルを繰り返すが、次のインターバルではケイデンスを増やすようにする。ウォッチがケイデンスを追跡し、目指す達成目標を提供してくれる。

アクセラレーショングライダー ドリル

ウォーキングからランニングにスムーズに移行し、また別のウォークブレイクへとスムーズに切り替える際に役立つよう設計されている。ウォーキングから始めて、シャッフル、スロージョギング、通常のジョギング、そしてランニングへとスムーズに切り替えていく。その後ウォーキングに戻り、グライドをなるべく長く持続しながらシャッフルへと切り替えて、その後ウォーキングをする。

5kmランはフルマラソンが最終目標でもベーストレーニングとして体験しておく価値がある

マジックマイル

パフォーマンスを予測してロングランに安全なペースを設定し、進行状況をモニタリングするために、定期的にマジックマイル(1.6km)を走る。ワークアウトのマジックランの部分にきたら、調子のいい日の通常のランよりも少し速めのペースで1.6km走る。その後、次のマジックランワークアウトでは、引き続き向上できるようにさらに速いペースで走る。計画の中の最後の2つの1.6kmはほぼ全力で走るが、怪我をしないように注意。

ヒルワークアウト

ヒルリピートでは、身体が丘の上り下りをこなせるようになるようにトレーニングする。ワークアウトのヒル部分では、5〜7%の傾斜が付いた坂を40~200mで駆け上り、歩幅を縮めてケイデンスを増やす。丘の最後の3分の1では息切れがしているはず。その後ウォークブレイクを取り、下り坂ではいいフォームを実践しながら、ランニングで坂を下りていく。足は地面に低く保ち、軽く地面を踏むようにして、歩幅が長くならないようにする。丘のふもとで準備が整ったら、デバイスのラップボタンを押してドリルを繰り返す。

スピードワークアウト

スピードワークアウトは、5kmマラソンの目標達成に向けてスピードを向上させるのに役立つ。スピードドリルでは、目標のペースよりもやや速めのペースで400mをランニングするだけ。Garminデバイスが、維持するべきペースを提案する。ウォークブレイクの後にこのドリルを繰り返す。

10月17日開催、東京マラソンへの16週メニューも

ガーミンが提供する各種トレーニングプランは、今回紹介したランニング用が5km、10km、ハーフマラソンの3タイプあり、それ以外にもサイクリングとトライアスロンが用意されている。さらにそれぞれのスキルに応じた週単位のトレーニングメニューや、レース当日をにらんだコンディショニングのプランも充実した。

マラソンメニュー(中級者)

例えば10月17日開催予定の東京マラソンにエントリーした人は、16週間のマラソンメニューが役立つ。初級者・中級者・上級者の3レベルが選択でき、週にどれだけトレーニングに費やせるかで無理のないやり方を教えてくれる。この新しいメニューには「クロストレーニング」の日も設定されていて、例えば「山登りをした」とか「シゴトで重い荷物を担いだ」などの日をこのメニューに置き換えることで、トレーニングを積んだという実績になり、「走らなくちゃいけない」という心的プレッシャーも軽減する。

東京マラソンの16週メニューは6月28日にスタート。次回はこの新コーチプランを実践レポートしたい。

●GarminのGPSデバイスレビュー特設サイト
【関連コラム】
●Garminコーチがさらに進化…パーソナルに目標達成を後押し
●Garminコーチ完結編…使いこなせば確実にタイムは伸びる!
●connect garmin.comのホームページ

Garminコーチ完結編…使いこなせば確実にタイムは伸びる!

GPSと光学式心拍計で測定したトレーニングデータを無償提供アプリで解析し、個人目標を達成するために必要なトレーニングメニューを提示してくれる「Garmin(ガーミン)コーチ」が使える! アプリの新メニューとして搭載された「ペースプロ」もスゴ技。本番レースで序盤から突っ込むか抑えるか、上りで積極的に走るか休むかなどがプログラムでき、目標達成を強力にサポートしてくれるのだ。

Garminコーチは動画やコラムでも役立ち情報を随時提供してくれる

アプリのアップデートでかなり使えるものになった

健康維持のために目標設定する。マラソンに挑戦する。在宅ワークで増えてしまった体重を落とす。次のレースで自己ベストを出す。個人的な目標やフィットネスレベルにかかわらず、成功を支援するトレーニングプランが無料アプリで使える時代になった。

Garmin社が取得した膨大なワークアウトデータを検証し、世界でトップをいくコーチたちから専門的なアドバイスを自動的に提供する。そんなサービスを見過ごすことはない。自分にぴったりのプランを見つけ、スマホにダウンロードしたGarmin Connectアプリに追加すれば第一段階クリア。週ごとのワークアウトが手首に装備したGarminデバイスに送信されるので、それを地道に実行するだけだ。

21週にわたるハーフマラソンのトレーニングを完結。よくできました

ボクの場合は東日本大震災以来連続出場してきた4月中旬のハーフマラソンをターゲットにして、21週に及ぶトレーニングメニューを開始していた。新型コロナウイルス感染拡大により大会は開催中止となったが、Garminアプリのバーチャルコーチトレーニングは継続していて、調整期間となる最終週まできっちりと練習できた。

目標タイムをクリアできる「確実性」を示した円グラフが振り切れるほどいい感じで仕上がった。走れば必ず自己ベストが出せる自信はある。Garminコーチは1年前、「ホントに使えないアプリ」だったが、どんどんアップデートされて、それと同時にこのプログラムのクセも把握したので有効活用できたのが自信の裏付けだ。

次のメニュー、1週間単位のメニューのほか、動画でも情報が送られてくる

ちょうど1年前、Garminコーチを使って2019東京マラソンのためのトレーニングを試みたのだが、当時は大失敗した。目標とする距離設定が「Garminコーチ5K」しか選択できなかったからだ。

「これは使えない」と、しばらく無視していたが、「10Kプラン」と「ハーフマラソンプラン」が追加になっていた。初級者から中級者までのトレーニング指針となることは確かだと感じられる。

これらの項目を設定すればパーソナルなメニューが作成される
パソコンではインターネットのGarminサイトにアクセスすればスマホと同じ情報が見られる

「Garminコーチ」ってどんなものなの?

「Garminコーチ」は、Garminデバイスで計測した各種データを無償提供アプリで自動解析し、スマホの中の仮想コーチがトレーニングメニューを提示してくれ、それをこなしていくうちにランの記録が向上していくという、夢のようなシステムなのだ。設定などは前回コラムを確認のほど。

●Garminコーチがさらに進化…パーソナルに目標達成を後押し

コンディションを色別に把握できる。ただし上り調子のプロダクティブやピークで言いタイムが出るとは限らないのがフシギ

レース当日が近づいてからの極めて繊細なコンディショニングも支援してくれる。長期的トレーニングは準備期、走り込み期、改善期、調整期などがあるはずだが、それがプログラムされているのでパーソナルトレーナーの指導を受けているかのように、ベストに近い状態でレースに臨めることをたやすくしたのである。

走り込み期には週に一度ほどのタイムトライアルなどがあって、その実走データが解析されて、翌週のメニューや強度が変更されるような仕組み。調整期には次第に負荷を落としていき、疲れを残さずレース当日を迎えられるはずだ。

アプリには「トレーニングステータス」が表示される項目があるので、「ピーク」の表示でレースを迎えられれば最高の記録が誕生する可能性が高い。こういった可視化を実現しているのが、このアプリの最大の功績だ。

パソコンのガーミンコネクトサイトで身体変化をチェックして励みにしたい

スゴいのは「ペースプロ」という最新プログラム

Garminコーチはこのように、レースの準備期間として有効だが、アプリには実戦で使える最新プログラムも追加された。それが「ペースプロ」だ。

レースコースの高度変化や疲労などの要因により、レース全体を通してペースは常に変化する。ペースプロは、これらの要素を考慮して推奨されるペースを示してくれるというもの。ペースプロでレース戦略を計画することができるのが特徴だ。コースと目標の詳細をいくつか指定すれば、ペースプロがカスタマイズしたペース戦略を作成するのだ。

1年前の目標レースに挑戦したときにGPSでデータ取得していればそのコースの起伏などが記録されているので、それを目標レースとして選択する。まだ走ったことのないレースなら「マラソン」や「10km」といった距離から選択する。ただし後者の場合はアップダウン情報が取得できていないので、上り坂をどんなペースでいくかはカスタマイズできなくなる。あくまでも距離をにらんでのペースだ。

そして重要なのはペース配分という戦略だ。じつはこれ、Garmin Connectアプリで編集することができる。

まずは目標タイムを入力しよう。次に入力するのがペース戦略で、ポジティブスプリットとネガティブスプリットがある。ポジティブスプリットは、レースの前半をより速く走ることを意味。ネガティブスプリットはその逆で、レースの後半をより速く走ることで後半に追い上げる走りをすることs。

アプリには左右に動くスライダが用意されているので、それを動かしてペース戦略を自分に最適なものに調整していく。多くのランニングの専門家は、わずかにネガティブスプリット寄りのペース戦略を推奨しているという。

ペースプロ。左中断のスライダを動かすとペース設定が変化していくのが楽しい

上り坂をどう走るかも設定できる

レースコースのアップダウンは、レースのペースを計画するうえで大きな要因となる。上り坂に時間をかけて楽に走りたいという人もいれば、積極的に攻めることを好む人もいる。前者ならイージー、後者ならハードにスライダを動かして、上り坂の運動量を調整し、最適なものに合わせることができる。

多くのランニングの専門家は、レースの後半に備えて持久力を温存するために、上り坂で少しペースを落とすことを推奨しているという。

作成した戦略をGarminデバイスと同期すれば手元で確認しながら走ることができる。レースのさまざまな区間のペースを色分けし、その情報を確認しながら走るといい。

●GarminのGPSデバイスレビュー特設サイト
●connect garmin.comのホームページ

ジロ・デ・イタリアのレジェンドがバーチャルレース参戦

ジロ・デ・イタリアとイタリア自転車界のレジェンドが4月12日(日)、ガーミン社のサイクルコンピュータ「エッジ」と室内スマートトレーナーを使ったバーチャルレースを行う。さらに4月18日(土)からは全7ステージのレースを行い、これらの活動を通じて集まった寄付金をイタリア赤十字社に募金する。

2017ジロ・デ・イタリア © LaPresse – Fabio Ferrari

世界中のファンがチポッリーニらと一緒に走れる!

新型コロナウイルス感染拡大により延期を強いられたジロ・デ・イタリア主催者のプライドだ。4月12日には、本来なら5月17日(日)に開催されるはずだったジロ・デ・イタリア第9ステージ、ジョビナッツォ〜ビエステ間198kmの終盤部分、残り37.4kmでバーチャルレースを行なうというのだ。

さらに4月18日から、ジロ・デ・イタリア・バーチャルと銘打って全7ステージのレースが開催される。レースはジロ・デ・イタリア公式SNSで報じられ、ステージ終了後には「ライブポストステージ」を開催し、レジェンドたちと交流できる機会を設定した。

マリオ・チポッリーニ

●出場選手
マリオ・チポッリーニ、ジャンニ・ブーニョ、フランチェスコ・モゼール、ジュゼッペ・サロンニ、ステファノ・ガルゼッリ、イバン・バッソ、クラウディオ・キャプーチ

必要機材と環境をそろえれば、世界中のサイクリングファンがイベントに参加することができる。欧州中央時間17:00からはライブポストステージが企画され、SNSを介してレジェンドと対話できる機会まである。

4月18日に始まるジロ・デ・イタリア・バーチャルは、ファンがプロ選手と一緒に走れる7ステージをフィーチャー。

バーチャルレースの高低マップ

今回のイベントは2020年4月8日にミラノでRCSスポルトが発表した。このチャリティーイベントにより、新型コロナウイルスとの戦いのための資金を集める。ラ・ガゼッタ・デッロ・スポルト、ジロ・デ・イタリア最多区間勝利記録保持者マリオ・チポッリーニ、ジャンニ・ブーニョ(プロサイクリスト協会会長)が新型コロナウイルスと戦うためのチャリティー募金活動の組織を呼びかけた。わずか数日で、RCSスポルトとラ・ガゼッタ・デッロ・スポルトが協力に乗り出し、4月12日に行われるジロ・デ・イタリア・レジェンドと、4月18日に開幕するジロ・デ・イタリア・バーチャルを組織した。2つのイベントは、世界じゅうが新型コロナウイルス感染に集団的に立ち向かい続ける中で、ジロ・デ・イタリアの興奮を事実上体験する機会をファンに提供する。

4月12日はプロローグと位置づけられ、欧州中央時間11:00から18:00まで開催。日本時間はプラス7時間。バーチャルライドに参加するためにはガーミン社製のサイクルコンピュータ(Edge 520, Edge 530, Edge 820, Edge 830, Edge 1000, Edge 1030)、スマートトレーナーが必要。ガーミン社が提供する無料アプリをダウンロードする。

ガーミンエッジやスマートトレーナーがなくてもジロ・デ・イタリア公式SNSでバーチャルレース展開が分かり、その興奮が味わえたり、レジェンドに質問したりできる。

●ジロ・デ・イタリアの公式サイト
●ジロ・デ・イタリアのツイッター
ハッシュタグは #GIROLEGENDS

Garminコーチがさらに進化…パーソナルに目標達成を後押し

GPSで計測した走行データを分析し、設定した目標をクリアするために必要なトレーニングメニューを提示してくれる「Garmin(ガーミン)コーチ」が飛躍的に進化した。陸上部などに所属せず、指導者を持たない一般ランナーにとっては、とても便利なプログラムだ。

世界でトップを行くコーチからの専門的なアドバイスがもらえる

ラントレーニングの理想は、専門知識を有するコーチに直接指導してもらい、ターゲットとする目標や実力レベルに合ったメニューを組んでもらうこと。でも普通のランナーにはそんな環境は望めない。有料のランニングクリニックに参加するなどが精一杯だ。

右上の丸が記録達成の確実を示す。緑はほぼ確実、黄色はもっと努力する必要がある
GPSで取得したこれまでのデータをもとに検証済みのワークアウトが提示される

そこで、光学式心拍計を搭載したGPSデバイスを使ってトレーニングする方法をご紹介。GPSデバイスは購入する必要があるが、アプリは無償ダウンロードできるので、手持ちのスマホがあれば十分。アプリ名はGarmin Connect。パソコンではインターネットサイトのconnect garmin.comで同様のことができる。

アプリを起動させるだけでデバイスと自動的に同期が始まる

これまでは5km練習しか設定できなかった

ちょうど1年前にも「Garminコーチ」を使って2019東京マラソンのためのトレーニングを試みたのだが、その当時は大失敗した。目標とする距離設定が「Garminコーチ5K」しか選択できなかったからだ。

●以前のコラム
心拍計搭載のGPSウォッチとアプリでGARMINコーチにランニング指導を受けてみた

素人考えで、「レース距離は違っても走る練習だから」と5kmのタイム向上を目指す練習メニューをやってしまったのだから、当然のように無理があった。

算出される実績がよかったことも拍車をかけて、精神的にちょっと弱いボクのハートには負荷が高かったようだ。筋肉群は順調に強化されたが、精神的に不安定になってしまって、一時期練習を中断するハメに。

やっぱりフルマラソンはフルマラソンのメニューでなければダメです。

この日のメニューを消化するとオレンジのデータが表示され、よくできましたとホメてくれる
パソコン版のGarminコーチ。細かなパーソナル設定ができる

「Garminコーチ、使えないな」と思って、しばらく無視していたら、「10Kプラン」と「ハーフマラソンプラン」が追加になっていた。折しも2020東京マラソンの抽選に落ちたので、ターゲットを21週後のハーフマラソンに設定。そうして再び「Garminコーチ」を使い始めた。

結論から言うと、今回のアップデートでかなりのところまでできるようになっていた。初級者から中級者までのトレーニング指針となることは確実で、使いようによってかなり効果的にレベルアップに貢献してくれる。

日本語テロップがついたビデオメッセージも定期的に送られてくる

「Garminコーチ」ってどんなものなの?

「Garminコーチ」は、Garminデバイスで計測した各種データを無償提供アプリで自動分析し、スマホの中の仮想コーチがトレーニングメニューを提示してくれ、それをこなしていくうちにランの記録が向上していくという、夢のようなシステムだ。

今回のアップデートはGPSデバイスのほうではなく、アプリ側で改良された。数あるGarmin社製デバイスのなかで、VO2 Maxが測定できる機種なら「Garminコーチ」が使える。ボクが使っているデバイスはすでに購入から2年が経過しているGarmin Fenix 5 Sapphireだが、アプリ側のアップデートは定期的に行われているので、できることは今後もどんどん増えていきそうだ。

メニューは日程変更できるが、過ぎてしまったメニューは変更できない
ビデオや日本語訳されたテキストで効率的な練習方法を習得する

それでは実際に「Garminコーチ」を使ってみよう。

まずアプリをダウンロードしたスマホで、目標とする大会の距離を「5km」「10km」「ハーフマラソン」から選ぶ。続いて「週に何日走れるか」といった個人的な生活環境を入力すると、アプリの中でそれを考慮した週間メニューがプログラムされる。基本的には週末に所要時間のかかるメニューが組み込まれるが、そのあたりは編集することも可能。

いくつかも項目を入力すれば、デバイス上のランニングコーチが無料トレーニングプランを提供してくれるという仕組みだ。

アプリにはコンディションの波も表示される
コンディションを把握すればレース日に絶好調を持ってくることができるかも

コーチから与えられるワークアウトは、同期を済ませているGarminデバイスとデータのやり取りをするごとに、自動的にデバイスに転送されるからとても便利。メニューは1週間単位で提供され、どうしてもこの日は走れないなと思ったらアプリでスケジュール変更すれば、次の同期時にデバイスに送り込まれる。 陸上部でもなく、ランニングクリニック参加者でもないボクにとって、ランのパーソナルトレーナーがいつでも身近にいてくれるという安心感がうれしい。

はじめのころに提供されるメニューは意外とクリアしやすい。経験上はここで頑張りすぎず、デバイスとの関係を良好にできるように気軽にこなしていくのがいい。そのうちにインターバルが登場したり、タイムトライアルをするように提案される。

トレーニング負荷を見れば練習が足らないか、オーバートレーニングかが見極められる

こういったメニューの消化率や実績、タイムトライアルのデータなどを取り込んで、次週のメニューが作られる。そのため翌週以降のメニューをクリックしても、「詳細情報は随時お伝えします」と明らかにしてくれない。

メニューは徐々にレベルが上がっていくが、うまく消化していくと設定タイムをクリアする確率も高まっていく。仕事や所用でメニューがクリアできなくても焦る必要はない。それはそれで次週のメニューが再構成されるからだ。

さらにレース日が近づくとコンディショニングのためにメニューが抑えられるので、なにも考えずに提案されたものをしっかりやっておけばそのままレース当日を迎えられるというのがいい。

そんなこんなで、意外ときめ細かい。次回のハーフマラソンでどんなタイムが出るか、とても楽しみ!

●GarminのGPSデバイスレビュー特設サイト
●connect garmin.comのホームページ

【GARMIN fenix 5X Sapphireインプレ後編】登山に使ったら頂上までの残り距離や所要時間を教えてくれた

高度計(Altimeter)、気圧計(Barometer)、コンパス(Compass)機能があるABCウォッチに光学式心拍計とGPSを搭載したfenix 5X Sapphire(フェニックス・ファイブエックス・サファイア)を駆使して、本格的な登山に出かけた。

アクティビティによってその運動に必要な表示項目が出現。登山なら獲得標高などがわかる

パソコンでルート作成して転送すれば登山ナビに

日本人なら一度は国内最高峰の富士山に登りたい。夏山シーズンにそんな計画を立て、その練習のために丹沢の塔ノ岳(標高1491m)登頂を目指した。筆者の登山歴は初級レベルだが、同行する仲間は始めたばかり。低山ハイキングの途中にいつも質問されるのが、「もう半分くらい歩きましたか?」「あとどのくらいで頂上ですかね?」。こちらも明確な回答が出せないので、用意した地図を示しながら適当なことを答えるしかない。

大自然のまっただ中にいて、現在はコースのどの位置にいるのか。距離にしてあと何km、標高差にしてあと何m上ればいいのか。そんな魔法のアイテムがあったらいいな、と思ったらあったのだ。fenix 5X Sapphireだ。

アクティビティで登山を選ぶと獲得標高、所要時間、昇降速度が自動的に表示されるようになる
GPS稼働中の軌跡は水色ラインで表示される。赤い矢印は北を指し示す
コースナビ中の地図。アップとダウンボタンで拡大と縮小ができる

登山コースをパソコンサイトで作って、あらかじめデバイスに送り込んでおけば、残り距離や高度、到着予想時間などが表示される。すでにランやサイクリングで使いこなしてきた機能だが、フルカラー登山地形図を収納しているfenix 5X Sapphireなら本格的登山に使えるのである。

最も簡単なのはデバイス内の地図データに収録されたPOI(ポイント・オブ・インタレスト)を選択してナビしてもらうこと。ただし「富士山」や「丹沢山」などの著名な山岳しかプリインストールされていない。今回の目標である「塔ノ岳」は見つからなかったので、座標を調べて設定するしかない。

チャージングクリップを使ってデバイスと同期すれば自作コースも同時に送り込まれる
ここまで11.17km歩いて、所要時間は2時間22分03秒、現在のペースは1kmあたり24分30秒
GPSによる捕捉は森の中でもかなり正確にその位置を特定してくれる
気圧は日々変化するので出発地点で高度を校正しておく必要がある。写真は校正していなかったケース

座標には60進数(度分秒)と10進数の単位があって、fenix 5Xに入力する単位は60進数となる。登山の目的地に割り当てられた座標は登山サイトなどで簡単に見つけることができるが、10進数の場合は変換する必要がある。

例えば丹沢山系の塔ノ岳なら「北緯35°27′2565″、東経139°09′7892″」とあれば60進数。「北緯35.454064、東経139.163278」とあれば10進数で、ガーミンデバイスには前者を入力する。インターネットに変換サイトがあってこれを利用するといいし、googleマップを利用して目的地にポイントを合わせると2種類の座標が表示されるサイトもある。

さらに確実なのは登山計画ルートを入れておくこと。丹沢くらいに人気があるルートなら途中の山小屋の位置がPOIとしてプリインストールされているので、それを次々と選んでいき、頂上までのコースを作成する。もしPOIが見つからなければパソコンのgaminconnect.comサイトで作成する。作業はそれほど難しいものではなく、今回はコースを自作してデバイスに送り込んでおいた。

塔ノ岳にいたる大倉尾根。ひたすらバカのように上るのでバカ尾根とも呼ばれている
直近4時間の心拍数の推移。運動の強さを5段階で色分け表示する
休憩時にストップボタンを押したときは、再スタートの時に「再開」ボタンを押すのを忘れないように
コースナビ中の高低図。歩いたところが緑色になり、その先は青色に表示される
コースナビ中。残り距離、到着予想時刻が表示されるのが頼もしい。赤い三角はゴール地点の方角
コースナビ中。これまで歩いた距離、タイム、現在のペースが表示される

富士山のトレーニングルート、丹沢塔ノ岳に投入

当日は早朝に小田急線の渋沢駅に仲間と集合し、路線バスで15分ほどの大倉バス停へ。現地に到着したらまずはGPSを起動して、デバイスの高度計を校正しておく。高度は天気の気圧配置によって変動するので、その日の気象状況に合わせて修正しておく必要があるのだ。例えば富士山須走口五合目の高度は2500mだが、高気圧に覆われていると2400mなどと表示されてしまう。そのまま富士山に登ると山頂の高度が3676mと残念な数字になる。できればここは3776mの数字を見て登頂を祝したい。

大倉バス停で気圧校正を済ませたら、「塔ノ岳」と名前を付けておいたコースを選択してスタートボタンを押す。

ところでよくある失敗。休憩時に停止ボタンを押して計測をいったん止めることがよくあるが、再スタート時に50パーセントの確率で「再開」ボタンを押し忘れる。記録が途中で途切れてしまった経験はGPSデザイスユーザーならだれでもあるだろう。だったら休憩時もGPSを稼働したままにしておき、ゴールするまで右サイドのボタンはさわらないほうがいい。だからデバイスの電池寿命は重要なのだ。あるいは設定で「自動停止」をオンにしておき、止まっているとデバイスが判断したときは「自動停止」するようにしておくといい。

コースナビ中の高低図。歩いたところが緑色。山頂まで、まだ半分程度だ
アクティビティを終了したあとは詳細を手元でも確認できるが、Gamin Connectに転送したほうがさらに詳しく分かる
塔ノ岳の自作ルートをデバイスの地図で表示。拡大/縮小も自在にできる

頂上までの距離が分かれば残りの体力配分ができる

こうして塔ノ岳を目指す登山に挑んだのだが、大自然の中で現在地の把握、気圧変動による天候予測、心拍数による身体的な状況などを数値で確認できることの安心感たるやこの上ない。あとどのくらい頑張ればいいかがつかめれば、残りの体力と相談してペース配分を的確にコントロールすることができる。これほどまでに便利なものがあるとは。

こうして塔ノ岳から無事に下山したあとは、Bluetooth接続でスマホにデータを送り込み、歩いたコースを確認したり、勾配に応じて変化する心拍数を照らし合わせたりしながら、登山仲間と楽しいひとときを過ごす。みんな、富士山の初登頂に向けて自信を深めることができたトレーニングに大満足だった。 もちろん登山地図や装備品は従来どおりに用意するのは当然として、ABC機能・心拍計・GPSという三種の神器がそろった最先端ツールが本格的登山においても頼もしい存在となるのは間違いない。

アクティビティ終了後に歩いたルートの高低図を表示する
塔ノ岳登山の実績をパソコンのgaminconnect.comサイトで確認してみよう
標高、スピード、心拍、気温の推移、消費カロリーや最大心拍数などさまざまなデータが収集されている
ペリカン社製「Pelican 1150」プロテクターケースに収納されている

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