ブエルタ・ア・エスパーニャ史上初! アイルランド勢が区間勝利と総合1位

第74回ブエルタ・ア・エスパーニャは8月26日(月)、イビ・シウダドデルフゲテ〜アリカンテ間の175.5kmで第3ステージが行われ、アイルランドチャンピオンのサム・ベネット(ボーラ・ハンスグローエ)が大集団のゴール勝負を制して初優勝した。総合成績では前日に首位に立ったサンウェブのニコラス・ロッシュ(アイルランド)がその座を堅持した。

アイルランドチャンピオンジャージを着るサム・ベネットが優勝 ©Photogómez Sport

今大会最初のゴールスプリント勝負となったが、レース中盤はアップダウンが多く、山岳賞ジャージを着用するブルゴスBHのアンヘル・マドラゾ(スペイン)を含む3選手が先行。ボーラ・ハンスグローエとユンボ・ビスマ勢がメイン集団をペースアップして、先行選手を吸収。有力スプリンターらによる力比べに持ち込んだ。

数人のスプリンターは途中の上りで脱落していたため、チームメートに終始援護されてパワーを温存していたベネットが大差をつけてトップフィニッシュ。
「このアイルランドチャンピオンジャージを着用して勝利することがどんなに名誉なことか」と喜びを表した。

「三大ステージレースは最初に1勝するのが大変だが、それを果たせば簡単だ。山岳コースが多いので、この日を逃すと最終週まで待たなければならなかったから、今日勝てて今後の展開が楽になる」とベネットは語った。

マイヨロホを着用するニコラス・ロッシュ ©Photogómez Sport

総合成績でもアイルランドのロッシュがリーダージャージを守った。同国選手としては、大会が平たんステージが多かった1988年にスプリンターのショーン・ケリーが総合優勝を果たしている。最終日前日の個人タイムトライアルでステージ優勝したケリーが首位に立ち、逃げ切ったことはあるが、アイルランドの2選手がステージ優勝とリーダージャージを獲得したのは大会史上初。

ブエルタ・ア・エスパーニャ第3ステージ ©Photogómez Sport

「昨夜ベネットがメッセージを送ってきたので、明日はキミが優勝しなくちゃねと返信した。彼はステージ優勝するために相当のプレッシャーを受けていたから、それを達成できてボク自身もうれしい」とロッシュ。
「チームはウィルコ・ケルデルマンを総合上位に送り込む作戦で、ボクも彼をサポートしていきたい」

世界チャンピオンのアレハンドロ・バルベルデ(右)とポイント賞のグリーンジャージを着るナイロ・キンタナ ©Photogómez Sport
表彰式で飲んだビール瓶は資源回収箱へというのがお約束 ©Photogómez Sport

山岳賞ジャージを守ったブルゴスBHのアンヘル・マドラゾ(スペイン) ©Photogómez Sport

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)ステファン・ロッシュ(アイルランド、サンウェブ)
マイヨベルデ(ポイント賞)ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
マイヨルナレス(山岳賞)アンヘル・マドラゾ(スペイン、ブルゴスBH)
□マイヨブランコ(新人賞)ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)

🇪🇸ブエルタ・ア・エスパーニャ2019の特集サイト
第2ステージにもどる≪≪   ≫≫第4ステージにすすむ

⚫ブエルタ・ア・エスパーニャの公式サイト
⚫ブエルタ・ア・エスパーニャのfacebook
⚫ブエルタ・ア・エスパーニャのtwitter
⚫ブエルタ・ア・エスパーニャのinstagram

キンタナが平たん区間で逃げ切り…首位はロッシュ。ブエルタ・ア・エスパーニャ

第74回ブエルタ・ア・エスパーニャは8月25日(日)、ベニドルム〜カルペ間の199.6kmで第2ステージが行われ、2016年の総合優勝者、モビスターのナイロ・キンタナ(コロンビア)が6人の先行集団からゴール前に抜け出してステージ優勝。大会通算2勝目を挙げた。

キンタナがブエルタ・ア・エスパーニャ第2ステージを制した ©Photogómez Sport

総合成績では6選手の中で前日の成績が最上位で、5秒遅れの区間2位に入ったサンウェブのニコラス・ロッシュ(アイルランド)がボーナスタイム獲得もあって6年ぶりに首位に立った。

ブエルタ・ア・エスパーニャ第2ステージ ©Photogómez Sport

レースは最後の上り坂で、キンタナのチームメートであるアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)が先頭に出てペースアップ。20人に絞り込まれると、残り20kmからキンタナ、リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファースト)、ミケル・ニエベ(スペイン、ミッチェルトン・スコット)、プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)、ファビオ・アルー(イタリア、UAEエミレーツ)、ロッシュの6選手が第1集団として抜け出した。

残り10kmではリーダージャージを着るアスタナのミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア)に20秒差をつける。ここから残り3kmでキンタナが単独アタックして、ゴールまで逃げ切った。

この日は前半部分に山岳があったものの、キンタナがアタックして単独ゴールした終盤は平たん。上りのスペシャリストと呼ばれるキンタナは、「こんな勝利があってもいい。ボクはコンドルと呼ばれているけど、まだまだ高く飛べる。ナイロはまだアクティブであることを証明したかった」とコメントした。

第1ステージのチームタイムトライアルではポイント賞と山岳賞の設定はなかったが、アスタナの上位選手が2勝のジャージを着て走った ©Photogómez Sport

ロッシュは5秒遅れの区間2位。ロペスは37秒遅れのメイン集団でゴール。この日のボーナスタイムはキンタナが区間1位の10秒、ロッシュが同2位の6秒を獲得し、2日間の総合成績でロッシュが首位に躍り出た。

首位になったロッシュは、「リーダージャージを獲得できるかも知れないけど、できないかも知れないと思っていた。チャンスがあるとすれば今回のようなボーナスタイムに読むものだね。首位になったことを聞いたときは、もうなんとも言えなかった。前回は1日で深紅のリーダージャージを失っているので、明日は僅差で2位につけるキンタナに注意して、このジャージを守り切りたい」と語った。

マイヨロホを着用して第1ステージを走るミゲルアンヘル・ロペス ©Photogómez Sport

一方、ロペスは首位を陥落したものの、「大会はまだ19日もあるから特に失望していない」と語っている。

「ボク自身はとてもいい感じで、なんの心配もない。この日は最後にホン・イザギレがパンクしてしまい、チームの戦略がちょっと乱れてしまった。彼は総合成績で上位に食い込める可能性があるので、チームメートは彼を復帰させるために後続に残る必要があった。チームメートは今日も素晴らしい走りをしてくれたので感謝したい」

ブエルタ・ア・エスパーニャ第2ステージ ©Photogómez Sport
ブエルタ・ア・エスパーニャ第2ステージ ©Photogómez Sport

ロッシュが6年ぶりにブエルタ・ア・エスパーニャで首位に ©Photogómez Sport

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)ステファン・ロッシュ(アイルランド、サンウェブ)
マイヨベルデ(ポイント賞)ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
マイヨルナレス(山岳賞)アンヘル・マドラゾ(スペイン、ブルゴスBH)
□マイヨブランコ(新人賞)ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)

🇪🇸ブエルタ・ア・エスパーニャ2019の特集サイト
第1ステージにもどる≪≪   ≫≫第3ステージにすすむ

⚫ブエルタ・ア・エスパーニャの公式サイト
⚫ブエルタ・ア・エスパーニャのfacebook
⚫ブエルタ・ア・エスパーニャのtwitter
⚫ブエルタ・ア・エスパーニャのinstagram

アスタナがTTTを制しロペスがマイヨロホ…ブエルタ・ア・エスパーニャ

第74回ブエルタ・ア・エスパーニャが8月24日(土)にコスタブランカ地方のトレビエハで開幕。第1ステージはサリナスデトレビエハ〜トレビエハ間の13.4kmでチームタイムトライアルが行われ、カザフスタンのアスタナチームがトップタイムをたたき出して優勝。先頭でゴールを切ったコロンビアのミゲルアンヘル・ロペスが首位のリーダージャージー「マイヨロホ」を着用した。

第1ステージを制したアスタナ ©Photogómez Sport

「チーム全員で全力を出して走りきった。最後のコーナーでは先頭から2番目の位置にいたが、ゴルカ・イサギレが先頭でゴールするように声をかけてくれた。リーダージャージーを着るつもりはなかったけど、とても名誉なことだ」とロペス。

トレビエハの塩湖からスタートしたチームタイムトライアル ©Photogómez Sport

ツール・ド・フランスの同種目で優勝したユンボ・ビスマは途中で落車があり、40秒遅れの18位と苦戦。エースのプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア)は総合99位からのスタートとなった。

優勝候補のユンボ・ビスマは落車で40秒遅れ ©Photogómez Sport

「思い描いていたイメージの中では再考のスタートができた」とアスタナのアレクサンドル・シェファー監督。
「実力のあるチームなのでベストな結果が出せると思っていたが、優勝できたなんて素晴らしい。もちろんレースはまだ始まったばかりで、これから毎日激しい闘いをしなければならないが、まずはハッピー。カザフスタン、チームのファン、パートナーやスポンサーに喜んでもらえたのが一番うれしい」

モビスター ©Photogómez Sport

●第1ステージ結果(13.4km)
1 アスタナ(カザフスタン) 14′ 51”
2 ドゥークニンク・クイックステップ(ベルギー) 02”
3 サンウェブ(ドイツ) 05”
4 EFエデュケーションファースト(米国) 07”
5 ボーラ・ハンスグローエ(ドイツ) 13”
6 CCC (ポーランド) 15”
7 モビスター(スペイン) 16”
8 グルパマFDJ(フランス) 16”
9 ミッチェルトン・スコット(オースラトリア) 18”
10 ロット・スーダル(ベルギー) 19”
11 イネオス(英国) 25”
12 バーレーン・メリダ(バーレーン) 26”
13 カチューシャ・アルペシン(スイス) 33”
14 ディメンションデータ(南アフリカ) 34”
15 トレック・セガフレード(米国) 35”
16 カハルラル・セグロスRGA(スペイン) 37”
17 AG2Rラモンディアル(フランス) 37”
18 ユンボ・ビスマ(オランダ) 40”
19 コフィディス(フランス) 43”
20 エウスカディバスクカントリー・ムリアス(スペイン) 46”
21 UAEエミレーツ(UAE) 1′ 07”
22 ブルゴスBH(スペイン) 1′ 22”

ボーラ・ハンスグローエ ©Photogómez Sport
サンウェブ ©Photogómez Sport
2019ブエルタ・ア・エスパーニャ第1ステージを制したアスタナ ©Jose Antonio MIGUELEZ

マイヨロホを着用したミゲルアンヘル・ロペス ©Photogómez Sport

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)
マイヨベルデ(ポイント賞)該当者なし
マイヨルナレス(山岳賞)該当者なし
□マイヨブランコ(新人賞)ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)

🇪🇸ブエルタ・ア・エスパーニャ2019の特集サイト
≫≫第2ステージにすすむ

⚫ブエルタ・ア・エスパーニャの公式サイト
⚫ブエルタ・ア・エスパーニャのfacebook
⚫ブエルタ・ア・エスパーニャのtwitter
⚫ブエルタ・ア・エスパーニャのinstagram

ブエルタ・ア・エスパーニャ チームタイムトライアル出走リスト

グランツールと呼ばれる三大ステージレースの最後を飾る第74回ブエルタ・ア・エスパーニャが8月24日に開幕する。全23間で、9月15日に首都マドリードにゴール。バーレーン・メリダの新城幸也がケガから復帰し、2015年、2016年に続く3度目の出場を果たした。過去のグランツール出場11回で全完走。どんな活躍が見られるか。

クリックすると拡大します

第1ステージはトレビエハで13.4kmのチームタイムトライアルで熱戦の火ぶたが切って落とされる。

🇪🇸ブエルタ・ア・エスパーニャ2019の特集サイト

⚫ブエルタ・ア・エスパーニャの公式サイト
⚫ブエルタ・ア・エスパーニャのfacebook
⚫ブエルタ・ア・エスパーニャのtwitter
⚫ブエルタ・ア・エスパーニャのinstagram

2019ブエルタ・ア・エスパーニャ出場176選手リスト

有力選手は左からチャベス、ロペス、キンタナ、バルベルデ、ログリッチェ、フルサング ©Photogómez Sport

●モビスター(スペイン)
1 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン)
2 ホルヘ・アルカス(スペイン)
3 ホセ・ロハス(スペイン)
4 オマノル・エルビチ(スペイン)
5 ネルソン・オリベイラ(ポルトガル)
6 アントニオ・ペドレロ(スペイン)
7 ナイロ・キンタナ(コロンビア)
8 マルク・ソレル(スペイン)

世界チャンピオンのアレハンドロ・バルベルデ ©Photogómez Sport

●AG2Rラモンディアル(フランス)
11 ピエール・ラトゥール(フランス)
12 フランソワ・ビダール(フランス)
13 ジョフリー・ブシャール(フランス)
14 クレメン・シェブリエ(フランス)
15 シルバン・ディリエ(スイス)
16 ドリアン・ゴドン(フランス)*
17 カンタン・ジョレギ(フランス)*
18 クレマン・バントリーニ(フランス)

●アスタナ(カザフスタン)
21 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア)*
22 マヌエーレ・ボアーロ(イタリア)
23 ダリオ・カタルド(イタリア)
24 オマール・フライレ(スペイン)
25 ヤコブ・フルサング(デンマーク)
26 ゴルカ・イサギレ(スペイン)
27 ヨン・イサギレ(スペイン)
28 ルイスレオン・サンチェス(スペイン)

ミゲルアンヘル・ロペス ©Photogómez Sport

●バーレーン・メリダ(バーレーン)
31 マーク・パデュン(ウクライナ)*
32 新城幸也(日本)
33 フィル・バウハウス(ドイツ)*
34 ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア)
35 ドメン・ノバク(スロベニア)*
36 ハーマン・ペーンシュタイナー(オーストリア)
37 ルカ・ピベルニク(スロベニア)
38 ディラン・トゥーンス(ベルギー)

新城幸也(左から2人目)が3度目の出場を果たす ©Photogómez Sport

●ボーラ・ハンスグローエ(ドイツ)
41 ラファウ・マイカ(ポーランド)
42 シェーン・アーチボールド(ニュージーランド)
43 サム・ベネット(アイルランド)
44 ジャンピエール・ドリュケール(ルクセンブルク)
45 ダビデ・フォルモロ(イタリア)
46 フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア)
47 グレゴール・ミュールベルガー(オーストリア)*
48 パウェル・ポリャンスキー(ポーランド)

©Photogómez Sport

●CCC(ポーランド)
51 ビクトル・デラパルテ(スペイン)
52 ウィリアム・バルタ(米国)*
53 パウェル・ベルナス(ポーランド)
54 パトリック・ベビン(ニュージーランド)
55 ヨナス・コッホ(ドイツ)
56 シュモン・サイノク(ポーランド)*
57 ネイサン・ファンフーイドンク(ベルギー)*
58 フランシスコホセ・ベントソ(スペイン)

●ドゥークニンク・クイックステップ(ベルギー)
61 フィリップ・ジルベール(ベルギー)
62 エロス・カペッキ(イタリア)
63 レミ・カバニャ(フランス)*
64 ティム・デクレルク(ベルギー)
65 ファビオ・ヤコブセン(オランダ)*
66 ジェームス・ノックス(英国)*
67 マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン)
68 ゼネク・スティバル(チェコ)

ナイロ・キンタナ ©Photogómez Sport

●EFエデュケーションファースト(米国)
71 リゴベルト・ウラン(コロンビア)
72 ヒュー・カーシー(英国)*
73 ローソン・クラドック(米国)
74 ミッチェル・ドッカー(オーストラリア)
75 セルジオ・イギータ(コロンビア)*
76 ダニエル・マルティネス(コロンビア)*
77 ローガン・オーウェン(米国)*
78 ティージェイ・バンガーデレン(米国)

●グルパマFDJ(フランス)
81 マルク・サロー(フランス)
82 ブルーノ・アルミライル(フランス)*
83 ミカエル・ドラージュ(フランス)
84 キリアン・フランキーニー(スイス)*
85 トビアス・ルドビグソン(スウェーデン)
86 スティーブ・モラビト(スイス)
87 ロマン・シーグル(フランス)*
88 バンジャマン・トマ(フランス)*

アレハンドロ・バルベルデ ©Photogómez Sport

●ロット・スーダル(ベルギー)
91 トマス・デヘント(ベルギー)
92 サンデル・アルメ(ベルギー)
93 カールフレドリク・ハーゲン(ノルウェー)
94 トーマス・マルチンスキー(ポーランド)
95 トッシュ・バンデルサンド(ベルギー)
96 ブライアン・ファンフーテム(オランダ)
97 ハーム・ファンフック(ベルギー)*
98 イェーレ・ワライス(ベルギー)

●ミッチェルトン・スコット(オースラトリア)
101 エスデバン・チャベス(コロンビア)
102 サム・ビューリー(ニュージーランド)
103 スガブ・グルマイ(エチオピア)
104 ダミアン・ホーゾン(オースラトリア)
105 ルカ・メズゲッツ(スロベニア)
106 ミケル・ニエベ(スペイン)
107 ニック・シュルツ(オースラトリア)*
108 ディオン・スミス(ニュージーランド)

エステバン・チャベス ©Photogómez Sport

●ディメンションデータ(南アフリカ)
111 ルイ・メンティス(南アフリカ)
112 ニコラス・ドラミニ(南アフリカ)*
113 アマヌエル・ゲブレイグザブハイアー(エリトリア)*
114 エドバルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー)
115 ベンジャミン・キング(米国)
116 ベン・オコーナー(オーストラリア)*
117 ラスムス・ティレル(ノルウェー)*
118 ジェイコブス・ベンター(南アフリカ)

●イネオス(英国)
121 ワウト・プールス(オランダ)
122 ダビ・デラクルス(スペイン)
123 オウェイン・ドゥール(英国)
124 タオ・ゲオゲガンハート(英国)*
125 セルジオルイス・エナオ(コロンビア)
126 バシル・キリエンカ(ベラルーシ)
127 サルバトーレ・プッチョ(イタリア)
128 イアン・スタナード(英国)

©Photogómez Sport

●ユンボ・ビスマ(オランダ)
131 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア)
132 ジョージ・ベネット(オーストラリア)
133 ロベルト・ヘーシンク(オランダ)
134 レナード・ホフステッド(オランダ)*
135 ステフェン・クライスバイク(オランダ)
136 セップ・クス(米国)*
137 トニー・マルティン(ドイツ)
138 ニールソン・ポーレス(米国)*

プリモシュ・ログリッチェ ©Photogómez Sport

●カチューシャ・アルペシン(スイス)
141 ダニエル・ナバーロ(スペイン)
142 エンリーコ・バッタリン(イタリア)
143 ステフ・クラス(ベルギー)*
144 マッテオ・ファッブロ(イタリア)*
145 ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル)*
146 パベル・コチェトコフ(ロシア)
147 ビアチェスラフ・クズネツォフ(ロシア)
148 ウィリー・スミット(南アフリカ)

●サンウェブ(ドイツ)
151 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ)
152 ニキアス・アルント(ドイツ)
153 カスパー・ピーダスン(デンマーク)*
154 ロバート・パワー(オーストラリア)*
155 ニコラス・ロッシュ(アイルランド)
156 マイケル・ストーラー(オーストラリア)*
157 マーティン・トゥスフェルト(オランダ)
158 マックス・バルシャイド(ドイツ)

©Photogómez Sport

●トレック・セガフレード(米国)
161 ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア)
162 ジョン・デゲンコルプ(ドイツ)
163 ニクラス・イーグ(デンマーク)*
164 アレックス・キルシュ(ルクセンブルク)
165 ジャコポ・モーシャ(イタリア)
166 キール・レイネン(米国)
167 ピーター・ステティーナ(米国)
168 エドワード・トゥーンス(ベルギー)

●UAEエミレーツ(UAE)
171 ファビオ・アルー(イタリア)
172 バレリオ・コンティ(イタリア)
173 フェルナンド・ガビリア(コロンビア)*
174 セルジオ・エナオ(コロンビア)
175 マルコ・マルカート(イタリア)
176 フアン・モラノ(コロンビア)*
177 タデイ・ポガチャル(スロベニア)*
178 オリビエロ・トロイア(イタリア)*

スペイン自転車界のレジェンド、ペドロ・デルガド ©Photogómez Sport

●ブルゴスBH(スペイン)
181 アンヘル・マドラゾ(スペイン)
182 イェツ・ボル(オランダ)
183 オスカル・カルダ(スペイン)*
184 ホルゲ・ガルベス(スペイン)
185 ヘスス・ムエラ(スペイン)
186 ヌノ・マトス(ポルトガル)*
187 ディエゴ・エルナンデス(スペイン)
188 リカルド・ビレラ(ポルトガル)

●カハルラル・セグロスRGA(スペイン)
191 セルゲイ・チェルネツキー(ロシア)
192 ホン・アベラストリ(スペイン)
193 アレクス・デバ(スペイン)*
194 ドミンゴス・ゴンサルベス(ポルトガル)
195 ホナタン・マルチネス(スペイン)
196 セルヒオ・パルディリャ(スペイン)
197 クリスティアン・マルチン(スペイン)*
198 ゴンサロ・セラノ(スペイン)*

開幕に先がけて現地の赤十字病院を訪れたカハルラルの選手

●コフィディス(フランス)
201 ヘスス・エラダ(スペイン)
202 ダルウィン・アタプマ(コロンビア)
203 アレクサンデル・アランブル(スペイン)
204 イェスパー・ハンセン(デンマーク)
205 ホセ・エラダ(スペイン)
206 ルイスアンヘル・マテ(スペイン)
207 ステファヌ・ロセット(フランス)
208 ダミアン・トゥズ(フランス)*

●エウスカディバスクカントリー・ムリアス(スペイン)
211 オスカル・ロドリゲス(スペイン)*
212 アリツ・カルパルソロ(スペイン)
213 フェルナンド・バルセロ(スペイン)*
214 シリル・バルト(フランス)*
215 ミケル・エチェギベル(スペイン)
216 ミケル・セグロラ(スペイン)
217 エクトル・ベニト(スペイン)
218 セルジオ・サミティエル(スペイン)*
*は新人賞対象選手

ヤコブ・フルサング ©Photogómez Sport
8月22日に行われたチームプレゼンテーション ©Photogómez Sport

🇪🇸ブエルタ・ア・エスパーニャ2019の特集サイト

ブエルタ・ア・エスパーニャで見かける黒い牛の正体は?

ジロ・デ・イタリア、ツール・ド・フランスとともに三大ステージレース、いわゆるグランツールと呼ばれるブエルタ・ア・エスパーニャ。23日間をかけてスペインをおおまかに一周するこのレースは近年、他の2大会以上に注目を集めている。

選手たちに挑むかのように立つ巨大な牛の看板

ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスが100年以上の歴史を有するのに対し、ブエルタ・ア・エスパーニャは今から80年ほど前の1935年に始まった。2019年が第74回大会となり、途中10年間は開催されなかった。ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスは二度の世界大戦による中断時期があることで知られるが、ブエルタ・ア・エスパーニャの場合は世界大戦による中断は2年だけ。スペイン内戦とフランコ独裁政権が起因するという特殊な事情がある。

スペイン内戦は1937年に勃発した。ドイツ軍の援護を受けたフランコ独裁政権がスタートし、大会は中断。1941年にようやく第3回が開催されるが、たった2年で第二次世界大戦となり、再開したのは1945年だった。しかし国際的に孤立して開催できない時期が続く。毎年開催されるようになったのはスペインが国際連合に加盟した1955年からだ。

40年近く続いたフランコ政権時代はブエルタ・ア・エスパーニャが国際的に露出されることはなく、1970年代後半になってようやく国際性を持つようになった。第1回以来4月に開催されてきたが、三大ステージレースとしての位置づけをねらって9月開催にスライドしたのは1995年。以来、ジロやツール前に体力を消耗したくなかった有力選手が参加するようになり、大会規模もグンとジロやツールに近づいた。

ブエルタ・ア・エスパーニャ第6ステージ © Luis Ángel Gómez

大会の特徴はスペイン独特の風景の中を走ることだ。もともとスペインは、夏に自転車で走るのはあまりにも暑すぎることから、ピレネー山脈に近いスペイン北部だけが自転車の盛んな地域だった。ただしナショナルステージレースというものはその国を大まかに一周することが前提なので、南部にも足を運ぶようになる。そのため気温の高いアンダルシア地方など殺伐とした陸地を走ることもあるが、独特の白壁に太陽が照りつける村々を走り抜け、非常に美しいシーンを見せてくれる。

かつてはジロ・デ・イタリアよりも山岳の要素が少ないことからスプリンターが多く参戦し、1988年にはアイルランドのシーン・ケリーが総合優勝したこともあった。しかし近年はスペイン勢が得意とする上りを随所に取り込み、非常に厳しいステージが多くなった。

勝負どころはピレネー山脈だけではない。ビスケー湾岸にはカンタブリカ山脈があり、その一角にあるアストゥリアス地方の過疎地には、地元民の生活路として使われていない信じられないほどの厳しい上りがある。さらに南部のシエラネバダ山系は標高3000mを超える山もある。平たんステージと山岳ステージが交互に折り込まれ、選手としてもタフな精神力が要求される。それだけにファンとしては見応えのあるレースなのだ。

そんなスペインの荒涼たる大地を走っていると、たまに真っ黒な雄牛の板が出現する。オスボルネの雄牛というヤツだ。シェリー酒のメーカーなのだが道路脇の広告看板禁止という法律ができて、ロゴなどを消すために真っ黒に塗られたという。

いずれにしてもイタリアやフランスとは異なる景観が楽しめるブエルタ・ア・エスパーニャ。2019年はリーダージャージが深紅の「マイヨロホ」に代わって10年目の節目。だれが最終日のマドリードで着用するのだろうか?

🇪🇸ブエルタ・ア・エスパーニャ2019の特集サイト
●ブエルタ・ア・エスパーニャの公式サイト