中島康晴がキナンサイクリングのキャプテン就任

中島康晴が2021年シーズンよりKINAN Cycling Teamのキャプテンに就任した。

中島康晴 ©︎KINAN Cycling Team

中島は2017年シーズンにチームへ加入して以来、卓越したレーススキルにとどまらず、レース・イベント時のファンサービス、競技内外でのメディア対応など、あらゆる場面において「チームのスポークスパーソン」の役割を率先して務め、チームに貢献してきた。15年にわたるプロ生活で培ったものだけではなく、中島の人間性も存分に発揮してこそのものであると、チームは認識しているという。

2021年からは、スポンサー・サプライヤー企業関係者、熱い応援をしてくれるファンとの交流、さらにはチーム活動を取り上げるメディアへの対応など、プロスポーツ選手としてのあるべき姿・立ち居振る舞いのよき手本として、所属選手だけではなくスポーツ界全体の代表となるべくチームキャプテンとしてシーズンを通して活動する。

チーム内においては選手とスタッフとの橋渡し役としての期待も込められている。22歳から36歳まで幅広い年代の選手がそろい、それぞれに経験や実績が異なる中で、選手の意見集約やチームの意向をくんでの取り組みなど、KINAN Cycling Team全体がよりよい形で活動を行っていくための「御意見番」としての役目も担う。

サイクルスポーツ界にとどまらず、世界全体が先行き不透明な状況に陥っているが、KINAN Cycling Teamは新キャプテンを擁立し、これまで以上に前向きに活動に取り組んでいくという。チーム活動のみならず、中島のリーダーシップにも期待。

中島康晴のキャプテン就任コメント

中島康晴 ©︎KINAN Cycling Team

「KINAN Cycling Teamは国際的に活躍するチームであり、そのキャプテンという肩書きの重さを感じています。素晴らしいチームメイトに囲まれ、多くのサポートいただけるみなさまにに支えられて、いまの自分がおります。多くの困難が待ち受ける世界情勢ではありますが、その中で多くの希望の灯りをともし、スポーツ業界から盛り上げていけるようチーム一丸となって努力いたします。
また、その輪はみなさまとともにあります。一緒に大きくしたくなる熱い走りとチーム作りを目指してまいりますので、今後とも応援をよろしくお願いいたします」

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畑中勇介と花田聖誠がキナンサイクリングに移籍へ

畑中勇介がチームUKYOからKINAN Cycling Teamに移籍する。22歳の花田聖誠も加わり、2021シーズンは12選手で戦っていく。チームとしてシーズン当初からの新加入選手は2年ぶりとなる。

チームUKYOから加わる畑中。これまでのキャリアではヨーロッパ、アジア、そして日本と、あらゆるシーンで実績を積んできた。大人数でのスプリントもよし、起伏に富んだタフなレイアウトもよし、コースや展開に合わせたスマートな走りで数々の勝利を挙げてきた。なんといっても、2017年の全日本選手権ロードレースでの優勝はここまでのキャリアのハイライト。アジア最高峰のワンデーレース、ジャパンカップ サイクルロードレースでは2010年に3位、翌2011年にも5位と、世界のトップライダーとも対等に渡り合ってきた日本人ライダー有数の経験を、若手からベテランまでそろうチームへと落とし込んでいく。

「KINAN Cycling Teamの一員としてジャパンサイクルリーグやUCI国際レースで新たな挑戦ができることを今とても楽しみにしています」と畑中。
「今までの経験を生かしつつ、勢いのあるこのチームのメンバーとともに一丸となって勝利を目指したいと思います。応援よろしくお願いいたします」

畑中勇介 ©Satoru KATO

来季はネオプロ(プロ1年目)の選手も採用する。22歳の花田は、ジュニア時代から各年代の国内トップを走ってきた若き力。ジュニア時代には、2016年1月に東京・大島で開催されたアジア選手権ロードレースで銅メダルを獲得。アンダー23カテゴリー昇格後の2019年には、若手の登竜門となっているジャパンカップ オープンレースで優勝を飾るなど、着実な成長曲線を描いてきた。今季までは若手育成チーム「チームユーラシア・IRC Tire」の一員としてベルギーを拠点に活動。ジュニア時代から得意としてきた上りとスピードを生かした走りは、KINAN Cycling Team加入を機により磨きをかけていくことになる。

「KINAN Cycling Teamへの加入が決まり、大変うれしく思います」と花田。
「ここからが新たなスタートになるので、現状に満足せず日々強くなることを意識し、チームの勝利に貢献できるよう最善を尽くします。応援よろしくお願いします」

花田聖誠 ©KINAN Cycling Team/Syunsuke FUKUMITSU

2020年シーズンからの継続は10選手

新加入選手を加えた全12選手の内訳は、日本人ライダー9人、スペイン人ライダー2人、フランス人ライダー1人で、平均年齢は29歳。前述の通り、若手有望株から実績十分のベテランまでがそろい、これまでの経験をビッグレースへの結果に結び付けていく。

山本元喜 ©KINAN Cycling Team/Syunsuke FUKUMITSU

また、より多彩なメンバーでのチーム編成が進んでいることもあり、引き続き選手の専門種目や特性に応じてロード、トラックの2部門によるパート分けも継続。チームとしてはロードレースに重きを置きつつ、トラック競技・中距離種目を専門とする荒井佑太、同・短距離種目を専門とする田中克尚と福田真平へのサポートも惜しまず取り組んでいく。

田中克尚 ©KINAN Cycling Team/Syunsuke FUKUMITSU

2020年シーズンは、新型コロナウイルス感染拡大による未曽有の状況により、レース活動が大幅に制限されたにもかかわらず、チームはロード・トラック合わせて4勝を挙げた。2021シーズンも感染拡大状況や、それにともなう国内外の情勢に則しながら、可能な範囲で日本、そして本来の主戦場であるアジアでのレースへ臨む。

具体的には、メインスポンサー「キナン」のお膝元である熊野地域を舞台に開催されるツール・ド・熊野(UCIアジアツアー2.2)での個人総合優勝者の輩出を最大目標としていく。ここまで幾度となく“熊野征服”に挑んできたが、いまだそれが実現に至らず。「2021年こそは!」との思いで、長年の悲願に挑戦する。

マルコス・ガルシア ©KINAN Cycling Team/Syunsuke FUKUMITSU

2021年シーズンに発足することが発表された新リーグ「ジャパンサイクルリーグ(JCL)」への参戦が決まり、チームとしても勝利を目指すとともに、リーグ、そして自転車界全体の発展につながるよう尽力していきたいという。並行して、国際レース出場を通じた選手の強化、国内ロードレースチームによるトラックレース対抗戦「バンクリーグ」への参戦、イベント開催・参加を通じた熊野地域や自転車界への貢献、自転車安全教室の実施、ホストレースである「KINAN AACA CUP」の開催など、多岐にわたって活動をしていく。

サルバドール・グアルディオラ ©KINAN Cycling Team/Syunsuke FUKUMITSU
福田真平 ©KINAN Cycling Team/Syunsuke FUKUMITSU
新城雄大 ©KINAN Cycling Team/Syunsuke FUKUMITSU
荒井佑太 ©KINAN Cycling Team/Syunsuke FUKUMITSU
トマ・ルバ ©KINAN Cycling Team/Syunsuke FUKUMITSU
中島康晴 ©KINAN Cycling Team/Syunsuke FUKUMITSU
山本大喜 ©KINAN Cycling Team/Syunsuke FUKUMITSU

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川崎嘉久がKINAN AACA CUP 2020最終戦で優勝

KINAN Cycling Teamがホストを務める東海地区のロードレースシリーズ「KINAN AACA CUP」の2020年シーズン最終戦が、11月28日に愛知県新城市・鬼久保ふれあい広場を主会場に開催。メインクラスの1-1カテゴリーは、終盤に逃げる選手を捕まえた集団によるスプリント勝負に。最後は川崎嘉久(Nerebani)が制し、レース中3度の周回賞と合わせてタイトルを複数獲得した。

KINAN AACA CUP 2020最終戦は川崎嘉久が優勝 ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

新型コロナウイルス感染拡大にともない、開催の中止・延期が続いた今季の同シリーズ。出場選手や関係者、観客の感染リスクを避けながら、おおよそ月1回のペースでレースを開催。今節は2020年シーズンの最終戦として、愛知県新城市での実施となった。

鬼久保ふれあい広場を基点とする1周1.4kmのコースは、アップダウンとコーナーが連続するテクニカルなレイアウト。選手たちのライドテクニックやダウンヒルスピードなど、観る者にとっては魅力満載。また、紅葉の時期とあって赤や黄色に色づいたコース周囲の景色もイベントに彩りを添える。

そんなシーズンの締めとなる一戦には、KINAN Cycling Teamから椿大志、山本大喜、中島康晴の3人がホストライダーとして参戦。キッズレースでの伴走や会場に訪れたファンへの対応と並行しながら、レース本番へと臨んだ。

リアルスタートからアタックが散発した序盤だが、変化に富むコースでは簡単には決定打が生まれない。激しい出入りが続いたまま周回数を重ねていく。

そんな状勢が変化を見せたのは、15周を過ぎようかというタイミング。椿ら数人が集団から抜け出すと、山本も合流。そのまま5人が逃げる展開となる。前を行く選手たちはその後もペースを緩めず進むと、先頭はトム・ボシスと山本の2人に。20周目には山本がボシスを引き離して独走態勢へと持ち込んだ。

1人先行する山本をのぞき、一時的に逃げていた選手たちはいずれもメイン集団へと戻る。その集団はペースの上下が起きたこともあり、山本との差は30秒まで開く。集団では代わる代わる牽引役がスピードアップを図るが、先頭とのタイム差に大きな変化はないままレースは後半へと入っていく。

快調に飛ばし続ける山本だが、30周を過ぎてメイン集団もいよいよ追撃ムードが本格化。周回を重ねるごとにその差は縮まり、タイムギャップは9秒に。これを受けて山本が再度ペースを上げて差を拡大するなど、戦況は一進一退を繰り返した。

そんな流れに大きな局面が訪れたのは残り3周。早川朋宏(Aisan Supporters)、上野颯斗(京都産業大学)、そして椿を加えた3人が集団から飛び出し追走を開始。これでレース全体が活性化すると、次の周回でついに山本をキャッチ。メンバーの入れ替わりを経てパックとなった5人ほどが、集団に対してわずかにリードした状態で最終周回の鐘を聞いた。

この直後に集団が前をゆく選手たちに合流すると、そのまま最終局面に向けたポジション争いへ。フィニッシュ直前の短い上りを前に、位置取りをかけた攻防が激化。前方で上りに入れば有利になるとあり、選手たちがひしめき合う。

迎えた最後の上り。ここへ一番に飛び込んだのは川崎。他の追随を許さないパワーとスプリントを発揮し、トップでフィニッシュラインを通過。このレースでは再三のアタックで、途中に設けられた周回賞4回のうち3回を獲得。さらには優勝と、タイトルを総取りする活躍を見せた。

また、長時間の独走で魅せた山本のシリーズ年間総合1位も確定。今節の上位フィニッシュはならなかったものの、第7戦と第8戦で連勝するなど、随所で持ち味を発揮し総合タイトル獲得につなげている。

そのほか、この日はキャリア最終レースを迎えた椿の引退セレモニーが開かれるなど、シーズンの締めくくりらしい催しも。チーム活動も今年残りわずかとあって、椿をお目当てに会場へと赴いたファンも多かった様子。それに応えようと椿も長時間ファン対応に努めた。

例年と比較してもよりアクティブに、そして勝利を賭けた激しいレースが繰り返されたKINAN AACA CUP。2021年シーズンもレースシーンの活性化を目指してあらゆる趣向で開催していく見通しとなっている。

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山本哲央が今季2勝目…KINAN AACA CUP 2020

KINAN Cycling Teamがホストを務める東海地区のロードレースシリーズ「KINAN AACA CUP」は10月31日に2020年シーズンの第10戦を開催。岐阜県海津市・国営木曽三川公園 長良川サービスセンター内の平坦コースでレースが行われ、最上位クラスの1-1カテゴリーは14選手による逃げ切りに。最後はスプリントで山本哲央(チームさわこ)が勝利。今季のシリーズ2勝目を挙げている。

山本哲央(チームさわこ)が寺田吉騎(磐田北OB)を抑えて優勝 ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

新型コロナウイルスによるパンデミックで、イレギュラーなシーズンとなった2020年。このシリーズ戦も例外ではなく、これまでに日程や会場の変更、無観客開催などの措置を講じながら、おおよそ月1回のペースでレースを実施してきた。そうしたなかで、今節は有観客での開催へ。参加選手・関係者による健康状態の申告はもちろんのこと、観戦に関しても各自ソーシャルディスタンスを図りながらレースを楽しんでもらえるよう主催者側による配慮がなされた。

選手のレベルやスキルに応じて分けられるレースは計4クラス。最上位の1-1カテゴリーには、開催地域である東海地区の有力選手にとどまらず、今回は国内トップチームからも参戦。すでに公式戦シーズンは終わったものの、例年より少なかったレース機会を埋めていくべく、60人近い選手がスタートラインへ。ホストのKINAN Cycling Teamからは、山本元喜、椿大志、山本大喜、福田真平、トマ・ルバ、新城雄大の6選手が出走した。

迎えたレースは、2周目を後半までに山本と寺田吉騎(磐田北OB)が先行を開始。数周回リードしたのち集団へと戻されるが、レースを活性化させるには十分な動き。この2選手が集団へと戻ってからは散発的にアタックとキャッチを繰り返しながら、速いペースで序盤戦が進行。8周目には5人が先行したが、ここも大きなリードを奪うまでには至らず、少し置いて集団が追いついている。

この日の勝負にも関係することになる大きなアクションとなったのが12周目。11人が飛び出すと、そのまま逃げの態勢へ。KINAN勢では椿と新城がジョイン。集団が止まったこともあり、あっという間に1分近いタイム差に広がる。

ただ、集団内にこの状況を嫌う選手が多かったこともあり、追走ムードが高まる。約20秒差まで迫ったところで、4人ずつの追走パックが2つ形成され、先頭の11人に迫る。数周回追いかけた末に、18周目に第1追走グループが前を走っていた選手たちに合流。先頭グループでの選手の脱落が発生していたこともあり、入れ替わりによって14人が先行。結果的に、このメンバーが最後まで逃げ続ける形になった。

優勝争いへと移っていた14選手は、山本、寺田、川崎嘉久、古閑祥三(ともにNerebani)、岡本隼(愛三工業レーシング)、塚本一樹(Yamanakako Cycling Team)、小嶋渓円、大久保陣(ともに宇都宮ブリッツェン)、小山智也(Hincapie LEOMO p/b BMC)、水野貴行(稲城フィッツ)、吉田圭吾(京都産業大学)、森崎英登(Team ORCA)、そしてKINAN勢から椿と新城。

快調に飛ばしていた先頭グループだが、残り5周を切ったあたりからは牽制気味に。ときおりアタックがかかるが、いずれも決定打に欠く。結局、14人のグループのままで最終周回の鐘を聞くことに。そのままスプリント勝負にゆだねられた。

最終コーナーを目前に始まったスプリントは、真っ先にホームストレートへと突入した山本がトップを守ってそのままフィニッシュ。最後はスプリント力に加えて、先頭グループ内でのポジショニングも大きく反映される結果になった。これで山本は第4戦に続く2勝目を挙げている。

異例となったシーズンへの思いをレースにぶつけるべく、熱い走りを見せる選手たち。そんな姿を見られるのは、残りあと1戦となった。最終の第11戦は、11月28日に愛知県新城市・鬼久保ふれあい広場を舞台に開催される。エントリーは11月9日開始となっている。

KINAN AACA CUP 2020 第10戦 1-1カテゴリー結果
1 山本哲央(チームさわこ)
2 寺田吉騎(磐田北OB)
3 川崎嘉久(Nerebani)
4 森崎英登(Team ORCA)
5 椿大志(KINAN Cycling Team)

KINAN AACA CUP 2020 ポイントランキング(第10戦終了時)
1 山本大喜(KINAN Cycling Team) 1280pts
2 山本哲央(Yamanakako Cyclisme Formation/チームさわこ) 1024pts
3 椿大志(KINAN Cycling Team) 928pts
4 津田悠義(EQADS) 640pts
5 石原悠希(Hincapie LEOMO P/b BMC) 576pts
5 小山智也(Hincapie LEOMO P/b BMC) 576pts

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山本大喜がJプロツアー初優勝。西日本ロードクラシック1独走

国内レースの最高峰である「Jプロツアー」の広島2連戦が8月29日開幕。広島県中央森林公園サイクリングコースを舞台に行われる「西日本ロードクラシック」のDay-1は、KINAN Cycling Teamが終始優勢にレースを展開。最後は山本大喜(まさき)が独走に持ち込み、Jプロツアーでのシリーズ初勝利を挙げた。

山本大喜がJプロツアー初優勝。西日本ロードクラシックDay-1で独走 ©︎KINAN Cycling Team / Midori SHIMIZU

幾多の名勝負が生まれた広島のコースで行われる伝統の一戦。この日は、今節に照準を合わせた山本大のほか、山本元喜、トマ・ルバに加えて、前日のバンクリーグを走った新城雄大も出走。4人での出場と他の有力チームと比較し少数で挑むこととなるが、勝負どころとなる終盤に攻撃を仕掛けていく戦術で勝機を見出していくことに。

その見立て通り、残り2周で発生したアタックからKINAN勢が確実に反応していく。ライバルのチェックに動いた山本大を含む3人が先行すると、その後ろでは山本元を含む追走グループも形成される。最終周回に入るタイミングで山本元らが先頭に合流し、山本兄弟を含む5人がレースをリード。さらには、後ろで余力を残していたトマも前方へと上がり、先頭グループにはKINAN勢3人が入る数的有利な状況を作り出す。そこからは、3人が断続的にアタックを仕掛け、先頭グループを崩していく。

ライバルの消耗を誘いながら抜け出すポイントを探っていた山本大がアタックを決めたのは残り3km。下りを利用しての加速で、10秒、20秒と後続との差を広げていく。そのまま単独で最後のストレートへと到達。最後は体全体で勝利の喜びを表してのウイニングライドとなった。

山本大をトップに送り出した山本元、トマは最終盤での追撃の芽をしっかりと摘み取るアシスト。最後は山本元がスプリントで3位を決め、KINAN Cycling Teamはワン・スリーフィニッシュを達成。トマも4位で続いている。

優勝した山本大は、チーム加入1年目だった2018年の全日本選手権U23個人タイムトライアル以来の公式戦勝利。もちろん、Jプロツアーでは初勝利。好調なチームは、これでシーズン3勝目となった。

広島での戦いは、翌30日のDay-2へ。この日は欠場となった椿大志と中島康晴が合流し、6選手で出走する。(Text: 清水翠、Edit: 福光俊介)

西日本ロードクラシック広島大会(61.5km)結果
1 山本大喜(KINAN Cycling Team) 1時間30分47秒
2 西村大輝(宇都宮ブリッツェン) +27秒
3 山本元喜(KINAN Cycling Team)) 
4 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 
5 阿曽圭佑(eNShare Racing Team) +28秒
6 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) 
13 新城雄大(KINAN Cycling Team) +1分44秒


山本大喜のコメント

山本大喜

「めちゃくちゃうれしい。いまはそれに尽きる。今季KINAN Cycling Teamとしては3勝目。例年はUCIレースに挑戦しているが、今季は新型コロナウイルスの影響もあり、国内をメインに走っている。レース数が少ない中で、Jプロツアー3勝目はうれしい。
レースが後半に動くだろうと想定し、脚を抑えて、勝負どころで戦おうとチームとしてまとまっていた。前方に3人入ることができて、最終局面でそれぞれの選手が仕掛けるという共通認識を持って戦えたことが勝利につながったと思う」

山本元喜のコメント

山本元喜

「(山本)大喜が飛び出した場面は、もし(大喜が)捕まったとしても自分がスプリント勝負できるように脚を残して走っていた。その場合は自分ががんばらなくてはと。トマが合流してくれたことで、チームとして有利な展開になり、これは勝たなければならないと思っていた。予想される展開を絞り、個人ではなくチームで勝てることを一番に考えた作戦がきれいにはまったと思う」

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キナンのトマ・ルバが宇都宮ロードで独走勝利

日本国内最高峰のロードレースシリーズ戦「Jプロツアー」の宇都宮2連戦として、8月9日に宇都宮ロードレースが行われ、キナントマ・ルバが残り2kmからのアタックを成功させ独走勝利した。

宇都宮ロードを制したトマ・ルバ ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

前日の8日から宇都宮市内で行われてきたレース開催。先に行われた「宇都宮クリテリウム」では、山本大喜が逃げで魅せ、あわや逃げ切りかという快走。優勝は逃したが、スプリント賞を獲得し、大きな成果を残した。

続いて迎えた宇都宮ロードレースは、世界的にも有名なジャパンカップサイクルロードレースの主会場である宇都宮市森林公園を基点に、6.7kmのコースを11周回。計73.7kmで争われる。コースは周回前半と後半に長い上りがあり、その後は下りと平坦基調となるが、変化の多いコースとあって総合力が試される。登坂力はもとより、要所でのアタックや終盤にかけてのスピードなど、勝つために必要な要素は数多い。また、このところの暑さも選手たちにとっては大敵に。サバイバル化が予想され、生き残った中から勝負強さを発揮した選手に勝機がめぐってくる。

そんなタフなレースへKINAN Cycling Teamは、クリテリウム同様6選手を送り込む。トマに加え、Jプロツアー個人ランキング6位と好調の山本元喜を軸としながら、山本大、椿大志、中島康晴、新城雄大とあらゆる展開に対応できるメンバーをそろえた。

レース距離が短いこともあり、スタート直後からハイスピードで進むプロトン。周回を経るたびに力のある選手たちだけが集団に残るような状況が作り出されていく。この間、2周目完了時に設けられた1回目のスプリントポイントを山本大が1位通過。連日のスプリント賞に手をかけた。

速い展開によって変化が起きたのは4周目。約15人が先行する形になり、ここにKINAN勢は山本元、椿、トマが入る。しかし、ここは集団からもすかさずチェックがあり、完全に抜け出すまでには至らない。その後もプロトン全体が活発で、KINAN勢もたびたび前方をうかがう姿勢を見せる。

レース半ばになりメイン集団は35人程度にまで絞られる。そこから、この日2回目となる大きな動きがあったのは7周目。山本元、山本大、トマを含んだ16人の先頭グループが形成されると、有力チームの多くが選手を送り込んだこともあり勢いを増していく。後続との差はみるみる間に開いていった。

この先頭グループの中でも駆け引きがあり、たびたび数人単位のパックに割れる場面が見られたが、8周目の終盤に仕掛けたトマのアタックによって状況は一変。ここに石原悠希(Hincapie LEOMO Bellmare Racing Team)、小石祐馬(チームUKYO)が加わり、3人がそのまま逃げの態勢を固める。KINAN勢は山本元と山本大が第2グループに待機し、追撃態勢に備える。

ただ、終盤になるにつれてトマら3人の勢いが明白に。しばらくは30秒前後のタイム差だったのが、最終周回を迎える段階で約1分20秒に拡大。この日の勝者は3人の中から出ることが濃厚になった。

快調に先頭交代のローテーションを繰り返したトマら3人だったが、決定打は残り2kmでやってきた。上りを利用してトマがアタック。一緒に逃げ続けた2人を完全に置き去りにし、独走に持ち込む。こうなると、あとはフィニッシュへと急ぐだけ。最後は後ろに25秒差をつけて優勝を決めた。

トマの勝利から1分29秒。第2グループで待機となった山本大と山本元も上位争いのスプリントに加わってそれぞれ7位と8位。この結果、トマの優勝、山本大のポイント賞に加えて、今節限定で設けられたチームポイント賞も獲得。トップ10に3人を送り込み、個人・チームそれぞれでタイトルを獲得した。

宇都宮で連日チーム力を発揮し、最高の結果につなげたKINAN Cycling Team。7月からのレースシーズン再開以降、好調な戦いぶりを続けており、今後も勢いのまま進んでいく。次の公式戦は、8月22・23日の群馬ロードレース8月大会。下部カテゴリーのE1クラス(Jプロツアー直下のエリート最上位クラス)との交流戦も兼ねており、アマチュア実力者たちの挑戦を受けつつ、プロチームとしての意地を見せる絶好の機会となる。

宇都宮ロードレース(73.7km)結果
1 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 1時間49分9秒
2 石原悠希(Hincapie LEOMO Bellmare Racing Team) +25秒
3 小石祐馬(チームUKYO) +26秒
4 西村大輝(宇都宮ブリッツェン) +1分26秒
5 横塚浩平(チームUKYO) +1分29秒
6 伊藤雅和(愛三工業レーシングチーム) 
7 山本大喜(KINAN Cycling Team) 
8 山本元喜(KINAN Cycling Team) 
20 中島康晴(KINAN Cycling Team) +3分13秒
30 新城雄大(KINAN Cycling Team) +3分17秒
32 椿大志(KINAN Cycling Team) +3分20秒

中間スプリント賞(第2周回)
山本大喜(KINAN Cycling Team)

チームポイント賞
KINAN Cycling Team

トマ・ルバ

トマ・ルバのコメント
「残り2kmでのアタックは正直“イチかバチか”だった。残っていた力をすべて注ぎ込むつもりで、独走になってからも全力で踏み続けた。このレースで勝つための実質唯一のチャンスだったと思う。
レースがない日々が続いて、もちろん勝つことに飢えていたよ(笑)。国際UCIレースが開催できない状況で、いまはJプロツアーに集中しないといけない。開幕以降たびたび上位争いに加わることができたが、今日は優勝する絶好のチャンスだった。それを生かすことができて本当にうれしい」

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