シマノがツール・ド・フランスとの契約を2028年まで延長

大阪府堺市に本社を置く自転車パーツメーカーのシマノと、ツール・ド・フランスを主催するアもリ・スポルト・オルガニザシオン(A.S.O.)は、自転車競技への取り組みを強調する動きとして、パートナーシップ契約を4年間延長し、2028年末まで継続することを発表した。

ニュートラルサポートをこなすシマノ。スタッフ7人で役割分担する

2021年3月に創業100周年を迎えたシマノは同年からツール・ド・フランスのニュートラルメカニックを担当すそ。これまでフランスのマビック社が務めていたが、2021年からニュートラルカーは黄色から水色に変わった。

両社のコラボレーションはツール・ド・フランスだけでなく、ツール・ド・フランスファム、ブエルタ・ア・エスパーニャ、パリ〜ルーベなどのワンデーレースなどを含める。さらにエタップ・デュ・ツール ド フランスなどの一般参加イベントも加わり、2028年まで世界最大のレースをサポートする。

2021パリ〜ニースのニュートラルアシスタンスはシマノ ©A.S.O. Fabien Boukla

ツール・ド・フランスディレクターのクリスティアン・プリュドムは、「プロとアマチュア両方のサイクリング界のキープレーヤーであるシマノとのパートナーシップを継続できることをうれしく思う」とコメント。

「彼らの技術的専門知識と革新への取り組みは、私たちが主催するレースの成功に不可欠な資産。彼らのプロフェッショナリズムは、すべてのライダーに最適で公平な条件を保証する。この更新は、私たちがお互いに抱いている相互信頼を反映している」と述べた。

何度となく取材で通ったシマノ本社。取り壊して新社屋を建設する計画があるという
シマノ 世界を制した自転車パーツ

シマノ 世界を制した自転車パーツ〜堺の町工場が「世界標準」となるまで〜【電子書籍】[ 山口和幸 ]

価格:1408円
(2024/8/15 12:54時点)
感想(0件)

自転車誕生は欧州ではなく江戸時代の日本かもを力説するシマノ特別展

シマノ自転車博物館は2022年3月25日にリニューアルオープンされて3年目、『古文書から紐解く 江戸時代に考案された自転車』展を4月2日からおよそ1年間の日程で開催する。徳川吉宗の時代にペダルとクランクで走る自転車が日本で作られていたことを、復元車や古文書の解説を通して教える。

特別展は毎年開催されるもので、2023年は「ロードバイクの進化」展。

特別展『古文書から紐解く 江戸時代に考案された自転車』展

―徳川吉宗の時代にペダルとクランクで走る自転車が日本で作られた―

自転車の始祖は、ドイツのカール・フォン・ドライスが発明したドライジーネ(1817年)とされています。そして、フランスのミショー親子が前輪にペダルを付け(1861年)その後イギリスで進化していきます。方向を変えるための操舵機構と、足の力で車輪を回す駆動機構が自転車の概念を形作るものだとすると、そのような機構をもった舟型の乗り物が、江戸時代、それも八代将軍 徳川吉宗の時代に日本で考案されていたことを皆さんはご存じですか。

シマノ自転車博物館

彦根藩士、平石久平次(当時一流の歴算家)が自著「新製陸舟奔車之記」(1732年)に記すその乗り物は、時速14kmほどの速さで走ったとされます。

特別展では久平次の陸奔舟車と前後して、同時代に考案された庄田門弥と竹田近江の陸船車を当時の古文書を軸に紐解いていきます。そして、『自転車とは?』の問いにどんな答えを見つけることができるか、皆さまと共に考えていきたいと思います。

場所:シマノ自転車博物館 4F特別展示室
会期:2024年4月2日(火)~2025年3月23日(日)

シマノ自転車博物館

●シマノ自転車博物館のホームページ

トレック直営店でシマノクランク無償点検…他メーカーも可。買い物2000円値引きも

トレック・ジャパンが全国のトレック直営店でシマノクランクセットの無償点検を10月30日に開始した。トレック以外のバイクも対応してくれる。

対象バイクを持っている人への対応

①バイクのメーカー問わず、クランク無償点検を実施。予約制となる。
②バイクに装着されている摩耗品も無償で点検。
③直営店での点検にバイクを持ち込んだ御礼として、クランク交換の有無に関わらず買い物すると会計金額から2000円(税込)分を値引き。
※会計金額が合計3000円(税込)以上から利用可。
※バイクを除く店内全商品、全メンテナンスメニューが対象。

バイクを持ち込む前にシマノサイトと刻印番号を照合

①シマノサイトと、手持ちのクランクセットに刻印されている番号を照合し、対象のクランクセットであるかを確認。
②手持ちのクランクセットが対象である場合は、近くのトレック直営店まで連絡。
③クランクセットに異常や違和感がある場合は使用を中止し、その旨を予約時の電話で伝える。

●トレック・ジャパンの詳細ページ

【ツール・ド・フランス現場雑感】フランスにUberEatsが登場するもポガチャルの強さ変わらず

第109回ツール・ド・フランスは2022年7月8日、トンブレーヌ〜ラ・シュペールプランシュ・デ・ベルフィーユ間の176.5kmで第7ステージが行われ、UAEエミレーツのタデイ・ポガチャル(スロベニア)が2日連続で優勝。大会通算8勝目を挙げた。

マイヨジョーヌのタデイ・ポガチャル。第7ステージのスタート地点 ©A.S.O. Charly Lopez

ポガチャルが厳しい上り坂のゴール手前で抜け出し、2日連続の勝利。個人総合成績でもポガチャルは前日に獲得したマイヨジョーヌを守った。

広告キャラバン隊がやってきた ©A.S.O. Aurélien Vialatte

ポガチャルが逆転初優勝した場所で弱いわけがない

この最後の山岳はポガチャルが初の総合優勝をした2年前の大会では、最終日前日の個人タイムトライアルのコース。ポガチャルはここで首位に浮上しているだけに思い入れが強かった。

「2年前にここで勝ってから、ボクの人生が大きく変わったので忘れたことはない。しかも最後の上りまでチームメートがボクのために頑張ってくれたから、ここで負けるわけにはいかなかった」とポガチャル。

ツール・ド・フランスはフランス北東部のボージュ山地へ ©A.S.O. Charly Lopez

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マイヨベール(ポイント賞)ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ビスマ)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)マグナス・コルト(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)
□マイヨブラン(新人賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)

2022ツール・ド・フランス第7ステージ ©A.S.O. Charly Lopez
表彰式用のマイヨジョーヌを着せてもらうポガチャル ©A.S.O. Charly Lopez
2年前にこの地で首位に立ったポガチャルが再びマイヨジョーヌ ©A.S.O. Hervé Tarrieu

ラ・プランシュのあとはいつものブザンソン。今回は中心部へ

メスのホテルで起きて、スマホのツイッターでフォロワーさんに「安倍晋三元首相が撃たれた」ということを教えてもらいました。こちらのテレビでも朝7時はトップニュースで報じられたようで、部屋でフランステレビジョンの午前9時のニュースを見て、事態の深刻さを痛感しました。

午前9時のニュースのトップは、熱波によりボルドー南にあるジロンド地方で山火事が大規模延焼中で、キャンプ場のバカンス客や地元民が避難を余儀なくされているというものでした。

スタート地点の停車位置は役割によってあらかじめマーキングされている

心がなかなか落ち着きませんが、ツール・ド・フランス取材完走のために心身ともにリレッシュな状態を維持するのが最優先。朝のランニング練習をしっかりとやって、シャワーでさっぱりとして朝食をしっかりと取って。

ニュートラルサポートをこなすシマノ。スタッフ7人で役割分担する

美観地区の外側に駐めたクルマまで荷物をガラガラいわせながら引きずっていき、クルマに乗り込んで「夏色のナンシー」へ。厳密に言うとその隣町のトンブレーンへ。スタート地点は地元の人たちがすでに詰めかけていて熱狂が伝わってきます。フランスも本格的な夏になりました。

敢闘賞のマスコット。1匹連れて帰ります

ゴール近くまでは赤色のN表示、いわゆる国道を通って南下。ここはいつもそうなんですが、激坂のラ・プランシュ・デ・ベルフィーユまではプレスセンターからのシャトルバスで行く必要があります。撮影をしないボクはシャトルには乗車せず、常に麓のプレスセンターに配置です。

スタート地点にかけつけた観客にお菓子がばらまかれる

ゴール後は1989年の初取材のときに訪れたと記憶しているブザンソンへ。ブザンソンには顔見知りのネコがいたんですが、3年前に3年ぶりに訪れたときには姿がありませんでした。そのためネコがいた郊外型ホテルに予約することはなく、初めて中心街に。ここなら街に繰り出して、自分に合ったレストランをいくつでも見つけることが可能です。

ブザンソンの夕暮れどき、レストランがにぎやかになってきた

人気のないイタリア料理店もUberEatsがひっきりなしに出入り

お外ごはんは結局、イタリア移民の経営するレストランでカルボナーラ。フランスに流れ着いたイタリア人が経験もなく始められるのが飲食店で、スナックみたいな味であまり期待できません。でもたまに食べたくなるんです。 そしてボクの選択したイタリアン、テラス席がこの界隈で一番空いてるんだけど、UberEatsがさっきから何度も。フランスを2年もご無沙汰しているといろいろ変わってる!

ブランソンのど真ん中にある広場の一角、右のイタリアンでお外ごはん

第6ステージにもどる⏪ ⏩第8ステージにすすむ

🇫🇷ツール・ド・フランス2022特集サイト
🇫🇷ツール・ド・フランス公式サイト

ここに来れば、だれでも自転車に乗りたくなる…シマノ自転車博物館

ここに来れば、だれでも自転車に乗りたくなる。シマノ自転車博物館が2022年3月、大阪府堺市にオープンした。同市の大仙公園内に1992年に開館した自転車博物館サイクルセンターを新築移転し、改称したもの。展示面積は3.5倍になり、その歴史を知るばかりでなく、自転車の知識を学び、魅力を再確認する場として欠かせない存在となった。

映像で語られている自転車に照明が当たり、映像と展示が連動する演出がされている

手元変速システムを開発した神保正彦さんが案内してくれた

世界有数の自転車パーツメーカー、シマノが創業時から拠点とする堺市。だから国内外の自転車を集めた施設があっても不思議ではない。公益財団法人シマノ・サイクル開発センターが運営する新博物館を案内してくれたのは同館の神保正彦参与。記者が書いた「シマノ〜世界を制した自転車パーツ〜堺の町工場が世界標準となるまで」(光文社刊)では、変速とブレーキレバーが一体となった世界初のシステムを開発した担当者として登場。現在は世界中のメーカーが追従し、初級者向けのロードバイクさえ採用しているのだから、このシステムは事実上の世界標準といえる。

自転車のこれからの可能性を紹介したゾーンに立つ神保正彦さん

「ここに来れば、だれでも自転車に乗りたくなる。そんな存在でありたいです」と神保さん。従来型の博物館にありがちな、多くの展示物が並ぶばかりのフロアにはせず、デジタル解説システムを活用した最適な情報提供を心がけたという。

1階には無料ゾーンもあり、古墳を作るための鉄器に始まり、鉄砲や刃物といった金属加工の町であった堺が、自転車の町となっていく変遷を伝えている。自転車好きなら堺にはシマノがあることを知っているが、一般の人にも自転車の町であることを知ってもらいたいという狙いがある。

堺の伝統文化を知ることができるエリアは無料で入場できる

チケットを購入してその先に進むと、まず自転車の歴史をまとめた映像を視聴する。その変遷を大まかにつかんでおけば、その先に用意されたもっと深い部分の話が理解できるという仕掛けだ。自転車を発明した人たちの夢、暮らしを豊かにする多様な自転車を紹介したコーナーがあり、「どうして自転車は倒れないの?」といった子どもたちの素朴な疑問に答えた映像もある。

2階のCゾーン

これからの体験型博物館は「シテ」と呼ばれる

世界遺産の宝庫フランスでは、従来型のミュージアムから「シテ=都市」と呼ばれる体験型博物館に移行しつつある。所蔵品を鑑賞するだけでなく、体験することで自らの想像域を広げ、さらなる魅力に気づく。ボルドーにはワインのシテがあり、ローヌ地方にはチョコレートのシテがある。自転車博物館も日本ではまだ希少な「シテ」であり、自転車の魅力を体験する場となるはずだ。

最新技術を体験。後ろのギアを変えると、それに連動してその他パーツが適正化。簡単に言うと乗り手はレバーを動かすだけで、パーツ群がそれぞれ挙動してストレスのない走りを実現させる

ツール・ド・フランスの現場で信頼される最高級パーツの商品企画などを担当してきた神保さんだが、体調を害した時期もあった。それがスピードを競った走り方から方向転換するきっかけともなった。自転車を動かすのは結局人間であり、その楽しみ方は人の数だけある。旅行や食などと自転車を結びつけることで、自転車の魅力がさらに増す。世界各国の自転車文化を目撃してきた神保さんが手がけた博物館だけに、自転車がある快適ライフスタイルをだれもが頭の中に描けるようになる。

山口和幸著「シマノ」もマルチメディアライブラリーに所蔵されていた。電書版は発売中

自転車ファンも、そうでない人も、大人も子どもたちも訪れると楽しい博物館である。

シマノ自転車博物館に行ってみよう

アクセスは南海電鉄高野線「堺東駅」から徒歩約5分。敷地内にはスタンドを持たないスポーツバイク用ラックが多数あり、サイクリング途中でも気軽に立ち入ることができる。自転車パーツの変遷やメディア・ライブラリーも充実。期間限定の特別展として2023年3月20日まで「自転車の旅・様々なかたち」と題した展覧を開催中。国内外で長期の自転車旅を行った3組の足跡を紹介している。

地上5階建ての施設は日没後にライトアップされる

一般500円、高校生・大学生200円、中学生以下・65歳以上無料。団体割引あり。
●シマノ自転車博物館のホームページ

シマノ 世界を制した自転車パーツ〜堺の町工場が「世界標準」となるまで〜【電子書籍】[ 山口和幸 ]

価格:1,408円
(2022/6/28 06:37時点)
感想(0件)

シマノ自転車博物館で「自転車の旅・様々なかたち」特別展

公益財団法人シマノサイクル開発センターが運営する「自転車博物館」は「シマノ自転車博物館」としてリニューアルオープンした。4月29日から2023年3月20日までの期間、「自転車の旅・様々なかたち」と題した特別展を開催している。

シマノ自転車博物館

世界一周などさまざまなスタイルの自転車旅を紹介

世界で一番長いハネムーンとして、五大陸88カ国を巡り、地球2周半に相当する10 万5805kmを走破した宇都宮一成・トモ子夫妻、8年計画で家族6大陸大冒険をした坂本達ファミリー、長期自転車旅『MOUNTAIN BIKE JOURNEYを国内外で行う西川昌徳さんらが協力。実際の自転車や日記・地図などが展示される。

「限りなく自由な乗り物、自転車。気軽に自転車にまたがり、近くの公園で小さな自然を 満喫する。そこから徐々に距離を延ばし、冒険心を満たしていく。 また、車や電車に自転車を載せて目的地を巡り、自然を満喫し・食を楽しみ・地元の人 に声をかける。

自転車旅の形は自由で様々、そして出会いがあり、旅の最中の思い出も 多く鮮明に残るのではないでしょうか。 今特別展では、一緒に経験を共にする仲間・パートナー・家族というテーマで絆を強め、 旅先で出会う人々と忘れることのない心と心の触れあいをお伝えすることができ、皆様 が自転車旅に思いを馳せてい頂ければ幸いです」と、主催する公益財団法人シマノ・サイクル開発センター。

会場はシマノ自転車博物館4階の特別展示場。施設入館料で閲覧できる。

シマノ自転車博物館

シマノ自転車博物館
[英文名]SHIMANO BICYCLE MUSEUM

〒590-0073 大阪府堺市堺区南向陽町2丁2-1
運営主体=公益財団法人シマノ・サイクル開発センター
●ホームページ
アクセス=南海電鉄高野線「堺東駅」下車 徒歩約5分
入場料=一般500円、65歳以上無料、高校生・大学生200円、小学生・中学生・未就学児無料
◎20名以上、団体割引あり ◎障がい者手帳をお持ちの方と付き添い1名入館料無料
休館日=月曜日、祭日の翌日(土、日の場合は開館)
関連施設=大仙公園 自転車ひろば 所在地:堺市堺区東上野芝町1丁(大仙公園内)
「クラシック自転車のレプリカ体験試乗」 「自転車乗り方教室」