ツール・ド・フランスの精鋭が日本伝統の空手に挑戦

ツール・ド・フランスさいたまクリテリウムはレース前日の10月26日(土)、さいたま新都心にあるさいたまスーパーアリーナで「ツール・ド・フランス2020ルートプレゼンテーション」、「チームプレゼンテーション」、「さいたま市内交流会」を開催。イネオスのミハウ・クビアトコウスキーらが空手に、ツール・ド・フランス総合優勝のエガン・ベルナルらがサッカーに挑戦した。

伝統的な日本の空手に挑戦した(左から)新城幸也、リリアン・カルメジャーヌ、ミハウ・クビアトコウスキー、マッテオ・トレンティン、マルセル・キッテル氏 ©Yuzuru SUNADA

空手に挑戦したのはクビアトコウスキー、 トタル・ディレクトエネルジーのリリアン・カルメジャーヌ、ミッチェルトン・スコットのマッテオ・トレンティン、バーレーン・メリダの新城幸也、そして大会アンバサダーのマルセル・キッテル氏。

キッズレースに参加したマルセル・キッテル氏やエガン・ベルナル ©Yuzuru SUNADA

空手の始まりとして「礼」を指導してもらい、さらに「中段突き」。そして最後は「板割り」。自転車のトップ選手にケガをさせてはいけないという配慮からか、発泡スチロール割りとなったが、選手からは「板がよかったなあ」という言葉も。「帰国してから本格的に練習したい」という選手も。

チームプレゼンテーションに登壇したイネオスチーム ©Yuzuru SUNADA

また開催地さいたま市は浦和レッズと大宮アルディージャというJ1サッカー2チームが拠点とすることから、ツール・ド・フランス出場選手のベルナル、AG2Rラモンディアルのロマン・バルデ、ユンボ・ビスマのプリモシュ・ログリッチェ、アスタナのヤコブ・フグルサングが挑戦した。

この前日イベントはすべて観覧無料だった。

フランスの食材を味わうことができるさいたまるしぇを訪問したロマン・バルデ(中央)とマルセル・キッテル氏 ©Yuzuru SUNADA

この日選手らは夕方から前夜祭に参加。レースデーとなる27日は12時50分からスプリントレースの予選ラウンドが、13時30分からタイムトライアルが、そして14時55分からメインレースが開催される。

●ツール・ド・フランスさいたまクリテリウムのホームページ

新城幸也とクリストファー・フルームが病院訪問 ©SSC

悪魔おじさん4年連続の来日…地球環境を真剣に考える

悪魔おじさん(エル・ディアブロ)の呼び名で世界中の自転車ファンに知られるドイツのディディ・センフトさんが2019年もツール・ド・フランスさいたまクリテリウムを応援するために来日した。10月25日、フランクフルト発の全日空224便で、定刻より10分遅れとなる午後3時過ぎに羽田空港に到着。同26日と27日にさいたま新都心駅周辺の大会会場に出没する計画。

10月25日午後に羽田空港に到着した悪魔おじさん。4回目の来日を果たした

「さいたま大会がツール・ド・フランスのエッセンスを持ち込んで展開するイベントである限り、私も来日するのである。日本のみなさんにすこしでも本場の雰囲気を味わってほしいです」と悪魔おじさん。

大会両日は、クリテリウムコースに隣接する2019サイクルフェスタ会場をベースとして活動。ブースA-25「悪魔おじさん“DIDI”のパネル展示 byクリーン工房」を訪れると出会えるチャンスがある。同ブースでは「ツール・ド・フランス名物、悪魔おじさんのパネル展示およびポストカード無料配布」を実施。

フランクフルトからの直行便で羽田空港に到着
今回の荷物は多少多め

大会を盛り上げるとともに、低炭素社会の実現に向けた取り組みの大切さを啓蒙する役割もこなす。

さいたま市は

環境省補助事業である、地域と連携したCO2排出削減促進事業『COOL CHOICE』のバッジを胸に貼るのもその姿勢の表れだ。

「自然環境の大切さを世界中の人が再確認し、未来へと続く美しい地球を守るため、ヤリをふりかざすのです」と来日第一声。

羽田空港でいきなりハイテンションの悪魔おじさん

●2019サイクルフェスタのホームページ

2020東京、被災地への思い…ツール・ド・フランス最多優勝に挑むフルーム

2020年にツール・ド・フランス史上最多タイの5勝目に挑むクリストファー・フルーム(英国、イネオス)が2019年10月24日、さいたま市立大宮国際中等教育学校の中1生徒を前に胸のうちを語った。

フルーム先生(右)とASOのさいたま担当クレモン・ギャルジー氏

フルームは10月27日に開催されるツール・ド・フランスさいたまクリテリウムに出場するために来日。今回の学校訪問は、ツール・ド・フランスを語る夢授業「さいたまクリテリウムDREAM TEACHER」として教壇に立った。生徒たちのほとんどは自転車競技のみならずツール・ド・フランスにほとんど関心がなかったが、フルーム先生を講師に招くにあたって事前に周到に学習。

この日は世界最大の自転車レースと認識するツール・ド・フランスで4度の総合優勝を誇る選手を迎えるにあたり26人の生徒も先生も緊張気味。それでもおもてなし精神を発揮し、フルームをスーパースターとして迎えつつ、頭によぎった質問をぶつけるなど貴重な時間を過ごした。

優等生フルームも中学時代は勉強嫌い?

マイヨジョーヌの思いを語るフルーム先生

●ケニアのナイロビで生まれて、12、13歳で南アフリカへ。今日の生徒さんと同じ年の頃はどんな生徒だったのですか?

フルーム●ベストスチューデントじゃなかった。

勉強ができるほうじゃなかったかも知れないけど、学校はとても楽しかったです。スポーツが大好きで、とりわけ自転車には情熱を持っていましたね。

●これまで6回のさいたま参戦でさまざまな日本の伝統文化やスポーツに挑戦。最も印象に残ったことは?

中学生による和楽器演奏も楽しんだ

フルーム●最も印象に残ったのは(埼玉栄高を訪問した)相撲です。相撲というのがどんなものなのかまったく知らなかったんですが、彼らのトレーニングは大変なもので、伝統的なルーティーンに則ってしっかりと実力をつけていくという世界に感銘を受けました。

●もし日本に生まれて、今日のような授業を受けて育ったらどんな人生になったと思いますか?

フルーム●私が育ってきた環境とはあまりに異なるので、イメージするのはとても難しいけどですが、こんな素敵な教育環境にいたらボクも人生の中でまた異なる感銘を受けて、違う道を進んでいたかも知れませんよね。

●2020年はツール・ド・フランス終了後6日後に東京オリンピック男子ロード。参加を前提としてシーズンに臨みますか?

フルーム●その通りです。ベストコンディションでツール・ド・フランスを走って、そのままの勢いで東京五輪に挑みたい。幸いなことに今日本にいるので、明日の10月25日にロードレースのコースをチェックしに行こうと予定しています。

さいたま市立大宮国際中等教育学校の生徒たちがフルーム先生と記念写真

●日本は地震や台風など災害が多い国。一方フルーム選手は骨折などの困難を乗り越えてツール・ド・フランス5勝目を目指すなど頑張っている。日本の人に向けてのメッセージを。

フルーム●日本は幾多の自然災害があってとても大変だと心を痛めています。今回も台風によってボクが大好きな人たちが困難な状況にあることを知っています。大事なことがあるとすればそれはツール・ド・フランスとよく似ています。1人ひとり、お互いを助け合うという気持ちではないかと信じています。ひとつのチームとなれば不可能なことも可能になる。必ずいつか困難であると思っていたことも、それがいい思い出となって記憶されているはず。頑張って下さい。

生徒1人ひとりにサイン色紙を手渡す。先生ももらっていました!

フルーム先生が中学でツール・ド・フランスを熱く語る

●ツール・ド・フランスさいたまクリテリウムのホームページ

フルーム先生が中学でツール・ド・フランスを熱く語る

ツール・ド・フランスで4度の総合優勝を誇る英国のクリストファー・フルーム(イネオス)が、さいたま市立大宮国際中等教育学校で教壇に立った。2019年10月24日、日本の中学校生徒を前に、ツール・ド・フランスの歴史やロードレースについて熱心に語った。

さいたま市立大宮国際中等教育学校の生徒たちがフルーム先生と記念写真

フルームは10月27日に開催されるツール・ド・フランスさいたまクリテリウムに出場するために授業の数時間前に来日。今回の学校訪問は、さいたまクリテリウムに出場する海外選手との交流を通じて、生徒に海外の自転車文化に関心を持ってもらうことを目的として大会主催者が企画したもの。

ツール・ド・フランスを主催するA.S.O.(Amaury Sport Organisation)の代表者とともに、ツール・ド・フランスを語る夢授業「さいたまクリテリウムDREAM TEACHER」としてフルームは教壇に立った。

フルームが訪れた中学は2019年4月開校の新設校で、この日は1年生ばかり26人が授業に参加した。

生徒たちの人垣をぬって登場するフルーム先生

「ツール・ド・フランスはヨーロッパでも最も有名で注目されるスポーツ。テレビやラジオだけでなく沿道に立てば実際に目で見て、選手のエネルギーを感じることができる」

2016年のモンバントゥーのシーンが上映されたときは、「大観衆が押し寄せたことで転倒してしまい、自転車が壊れたので、走らなくちゃならなかった。あまりこういったシーンはないんだけど、とにかく走ってもレースを続けたかった」とちょっと照れ笑いを浮かべながらも状況を説明。

「ツール・ド・フランスは本当にタフなレースで、1日でも大変なのにそれが3週間も続く。朝起きたときに今日はもうダメかもしれないと思うときもあるけど、パリを目指して頑張るんだと自分を奮い立たせるんだ」と続けた。

マイヨジョーヌの思いを語るフルーム先生

好きなのはスペイン国境にあるピレネー山脈だという。とてもタフなステージの連続ではあるが、美しいので大好きだという。

「ツール・ド・フランスで勝負を決めるのは山岳ステージ。ひとつの峠をクリアするのに1時間はかかり、それが1日に3つも4つもある。そんな過酷な山岳を乗り切って過去4回勝っているけれど、マイヨジョーヌを着てその伝統としてパリにゴールするのは格別な思いがある。最終日はもう勝敗が決まっているのでもう戦わなくていい。スタートしてからチームメートやこれまで戦ってきた選手たちと少しだけシャンパンで乾杯するんです」

フルームは先生になっても優等生だった

切れ味鋭い生徒たちの質問

フルーム先生の授業後半は質疑応答。以下は生徒たちの質問とそれに応じたフルームのコメント。

●どんな言語を使っているのですか?

「ツール・ド・フランスは1チーム8人編成だからいろんな国の選手がいる。お互いの言語をできるだけ理解して、コミュニケーションを取るのが大事なんだ」

●ウエイトコントロールは?

「山岳を上るときは体重が軽いほうがいいので、目標としているレースに挑むときはダイエットすることもある。それでもレース中はかなりのエネルギーを使うので、しっかりと栄養を取ることも大事。レースを走った後はたった1日で4〜5kgも体重が落ちてしまう。そのためにもエネルギーは必要なんだ」

●困難にぶつかったときは

「ボクはプロのサイクリストなんだと自分を鼓舞する。たくさんのサイクリストがこの世界で走ることを夢を見て、プロになれなかった人もある。ボクはそんな世界にいるのだから、それは最高に幸せで、なにごともあきらめちゃいけないんだと言い聞かせる」

●あなたにとってのツール・ド・フランスとは?

「自分への感謝です。多くの人が関わっていて、言語や文化が異なる人たちがここでひとつになって結びつく。これほど素晴らしいことはないです。貴重なイベントだと心から思っています」

中学生による和楽器演奏も楽しんだ

自転車に関心のなかった生徒たちも

「背が高くてカッコよかったです。事前にツール・ド・フランスのことを調べていて、上りに強い人もいれば筋肉のガッシリとした人もいると知りました。実際にフルーム選手を見て、なんて細いんだろうとびっくりしました」

1年2組の稲村優来さん(13)。スポーツはこれまで新体操をしていたが、自転車レースはまったく関心がなく、市内で開催されていたツール・ド・フランスさいたまの存在も気づかなかったという。

「自転車レースは大変そうなのでやりたいとは思いませんが、沿道で観戦したい。ツール・ド・フランスさいたま大会当日は絶対に見にいこうと思います。フランスも美しい景色に憧れていて、本当のツール・ド・フランスを見にいけたら最高です」

ラプランシュ・デ・ベルフィーユにゴールした2017年の第5ステージでフルームがマイヨジョーヌ。その後一度はアルーに譲るが最終的に総合優勝する

2020年はツール・ド・フランス最多優勝記録となる5回目の総合優勝に挑みたいというフルーム。 プロ1年目の2007年にツアー・オブ・ジャパンに参戦し、伊豆ステージでプロ初勝利を挙げた。ツール・ド・フランスさいたまは7回目の開催となるが、フルームは2年ぶり6回目の参戦。 親日家として知られるフルームだけに、中学生による和楽器演奏も楽しみ、より一層日本の文化に接する機会を喜んでいた。

2007ツアー・オブ・ジャパンでプロ初勝利を挙げたクリストファー・フルーム

2020東京、被災地への思い…ツール・ド・フランス最多優勝に挑むフルーム

●ツール・ド・フランスさいたまクリテリウムのホームページ

ツール・ド・フランスさいたまの観戦ヴィレッジは当日申し込みも可能

一般社団法人さいたまスポーツコミッションは、「J:COM presents 2019 ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」(10月27日(日)/さいたま新都心駅周辺で開催)をさらに盛り上げるためオフィシャルサポーターズ「アリーナスタンド観戦プラン」と「コース沿道観戦プラン」の当日申し込み受け付けの実施を決定した。

ツール・ド・フランスさいたまの特設会場で日本のファンと一緒にツール・ド・フランスのコースを確認する

オフィシャルサポーターズ「アリーナスタンド観戦プラン」は、さいたまスーパーアリーナ内の指定席やCHARI&COコラボサコッシュなどを、「コース沿道観戦プラン」は、屋外での立ち見観戦エリアのチケットなどを特典としている。また、どちらのプランにもさいたまスーパーアリーナ内に設置するホスピタリティエリア「オフィシャルサポーターズヴィレッジ」への入場券を特典として用意している。

サポーターズヴィレッジは、「ツール・ド・フランスエリア」、「展示・体験エリア」、「スポンサーエリア」、「さいたまエリア」、「セレモニーエリア」の5つのエリアから構成され、各エリアのコンセプトに応じたサービスを楽しむことができる。ツール・ド・フランスエリアには、総合優勝者が着用する「マイヨジョーヌ」の誕生100周年を記念して制作されたツール・ド・フランス2019全20種類のマイヨジョーヌを展示。

大会前日および当日に会場内で申し込める。

販売内容
①オフィシャルサポーターズ アリーナスタンド観戦プラン
②オフィシャルサポーターズ コース沿道観戦プラン

販売日時・場所
10 月 26 日(土)
時間:13:00~17:00
場所:さいたまスーパーアリーナ コミュニティアリーナ内(オフィシャルサポーターズヴィレッジブース)

10 月 27 日(日)
時間:9:00~14:30(最終受付)
場所:けやきひろば南側 オフィシャルサポーターズ臨時受付テント

●オフィシャルサポーターズヴィレッジの詳細

ブエルタ・ア・エスパーニャ覇者、世界1位のログリッチェ来日

2019ブエルタ・ア・エスパーニャ総合優勝者、UCI(国際自転車競技連合)世界ランキング1位のプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)が、10月26・27日に開催されるツール・ド・フランスさいたまクリテリウムに急きょ参戦することが発表された。

テレマークポーズを取る元ジャンプ選手のログリッチェ ©Massimo Paolone/LaPresse

モビスターに代わってユンボ・ビスマが来日することになった。ログリッチェ以外の3選手は現在調整中とのこと。

●世界ランキング(2019年10月22日現在)
1 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)4705.28
2 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥークニンク・クイックステップ)3569.95
3 ヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ)3572.5
4 エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス)3346.75
5 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)3297
太字はツール・ド・フランスさいたま出場選手

ツール・ド・フランスさいたまで盛り上がる5つの裏技

●ツール・ド・フランスさいたまクリテリウムのホームページ