2023ラグビーW杯でリールを訪れたらこれは見逃せない

フランスは2023年のラグビーワールドカップ開催国。試合が行われる都市は9つで、現地に足を運んだら訪れてみたい場所を順次紹介。1903年の第1回ツール・ド・フランスのステージ順に紹介しているが、7都市目は第3回大会に初登場したリール。

グランプラス ©Mel-Vincent Lecigne

北に針路を取れ! 弧を描いて延びるベルギーとの国境線沿いに位置するメトロポール・ユーロペエンヌ・ド・リールは、ストラスブールのメトロポールと並んで唯一、その名に「ユーロペエンヌ(欧州の)」という形容詞を冠する都市広域連合体です。

95の市町村、120万の人口、高い人口密度、若い人口構成。それらを抱える当メトロポールを上空から眺めると、風景がモザイクをなし、絵の具のパレットのようなカラフルな色彩が広がっています。緑、青、グレー、白、そしてここに暮らす人々と同じくらい温かな、通りを彩る家々の赤レンガ色……。

グランプラス(空撮) © HelloLille_Nablezon

誠実で素朴で気取らない地元の人々こそ、この地の最大の魅力です! おもてなし、おもいやり、心遣い。旅人はすぐに、駅のホームで、カフェのテラスで、リールの人々の聞きしに勝る温かな人情に触れることでしょう。 パリ、ブリュッセル、ロンドンを結ぶ三角形の中心に位置し、アクセスに恵まれた当メトロポールは、週末の都市観光に理想的。文化遺産、歴史を色濃く宿す通り、センスが光るブティック、居心地のいいレストラン、見どころ満載のミュージアム、散策とリフレシュにぴったりのスポットなど、観光の切り札がそろっています。

必見の場所

リール旧市街
Le Vieux-Lille
この美しい地区には中世の面影を残す曲がりくねった道が走り、17世紀に建てられた家々がまだ残っています。それもそのはず。というのも、リールはかつてフランドル伯の領地として栄えた古都なのですから!砂岩、レンガ、白い石を組み合わせたファサードのうち、もっとも豪華なものはバロック様式の絵画や彫刻で飾られています。豊富にあるブティックやショップで買い物を楽しんだり、郷土の味に舌鼓を打ったりしながら、街歩きを満喫しましょう。
https://hellolille.eu/villes/lille/

ジル・ド・ラ・ボエの家 ©Mel-Vincent Lecigne

カヴロワ邸
La Villa Cavrois
繊維工場を経営するポール・カヴロワとその家族のために造られた20世紀の邸宅で、現在、秀逸な建築遺産となっています。1990年に歴史的記念物に指定され、2001年に国に買い取られました。モダニズムにあふれ、建築家ロベール・マレ=ステヴァンスの傑作となるこの邸宅は、前衛的なものをというリクエストに見事に応えるのと同時に、そのインテリアでも異彩を放っています。 http://www.villa-cavrois.fr/

カヴロワ邸 © Pascaline Chombart-MEL

ルーベのラ・ピッシーヌ美術館
Le musée La Piscine de Roubaix
フランス屈指の驚きの美術館。というのも、プール(仏語で「ラ・ピシーヌ」)にアール・デコの装飾を施し、美術館として利用しているのですから! 2001年の開館以来、ラ・ピシーヌ – アンドレ・ディリジャン工芸美術館La Piscine musée d’art et d’industrie André Diligentはその傑作、つまり水を張ったプールをその中央に据えてきました。プールは壮麗な水鏡となって、何十もある彫刻作品をその水面に映しています。新館が近代彫刻の展示にあてられていることからわかるように、このいっぷう変わった美術館の主要コレクションは彫刻。ロダン、ピカソ、マイヨール、ジャコメッティの作品が、カミーユ・クローデルの「ラ・プティット・シャトレーヌ(幼い女城主)」と響き合っています。 https://www.roubaix-lapiscine.com/

リール近郊ルーベの「ラ・ピシーヌ」美術館 © Alain LEPRINCE

ぜひ試したい食

リール城塞 ©JDHondt

老舗メールのゴーフル
Les gaufres de Meert
メールはフランスでいちばん長い歴史を持つ菓子店で設立は1761年。平べったい生地にマダガスカル産バニラを使用した甘いクリームを挟んだこのお菓子は、ド・ゴール将軍、ウィンストン・チャーチル、ジャクリーン・ケネディ、シンガーソングライターで俳優のアラン・スーション、作家のアメリー・ノートンなどを虜にしてきました。 www.meert.fr

ビール
La bière
当地とビールのあいだには長きにわたる歴史があります!ここに暮らす人々は千年以上も前からビール造りに励んできました。ビールは長年、この地の食事に添えられる貧しい飲み物とされてきましたが、ようやく今、その真価が認められるようになりました!二十年あまり前から数多くの醸造所、ミニ醸造所、ビールパブが急成長を遂げ、クラフトビールが次々に登場し、ビール造りの伝統が完全復活を果たしたのです。 https://hellolille.eu/je-visite/mes-envies/hellolabiere/

グランプラス(空撮) © HelloLille_Nablezon

新着情報  

シャルル・ド・ゴールの生家
La maison natale Charles-de-Gaulle
ド・ゴール将軍は1890年11月22日、リールのプランセス通り9番地にある母方の祖父母の家で生まれました。この生家は現在、博物館となっており、ド・ゴール将軍にゆかりの品々(洗礼のときに着ていたローブ、ゆりかご、サン・シール陸軍士官学校時代の剣など)を通じて将軍の私生活に触れることができます。2019年11月に始まった大規模な修復工事を経て、2021年初頭にリニューアルオープンする予定。 https://maisondegaulle.fr/

ル・トリポスタルで開催の展覧会「色Colors」
L’exposition Colors au Tripostal 」(2021年4月9日~9月12日)
2020年、リールは世界デザイン首都を担いました。この大型事業に続いて開催される当展覧会では、ベルギーのゲント・デザインミュージアムの協力のもと、アーティストやデザイナーが現場で制作するさまざまなインスタレーション作品を通じて色の持つ多様な側面に迫ります。会場となるのは、ユニークで個性的なル・トリポスタル。郵便局を改修して誕生した、コンテンポラリーな展覧会スペースです。
https://www.lille3000.eu/portail/evenements/colors

展覧会「色」 © NickVerstand

周辺の見どころ

メトロポールのストリートアートめぐり
リールとその周辺部ではあちこちでストリートアートを目にします。しかも、しばしば予想外の場所で!そこでメトロポール・ユーロペエンヌ・ド・リールと観光局では、メトロポールを構成する95の市町村のファサードを飾る約800のアート作品を鑑賞できるよう、無料でアクセスできる20のコースを設けました。 https://hellolille.eu/je-visite/mes-envies/hellostreetart/

グランプラス © HelloLille_Samuel Baba

カッセル村とフランドル山脈
Cassel et les monts de Flandres
北フランスが真っ平らだというのは真っ赤な嘘です!なにしろリールからほんの少し足を延ばせば、フランドル平原の多種多彩な風景とそれぞれ表情の異なるフランドルの山々に出会えるのですから!モン・デ・カMonts Des Cats、ケメルKemmel、モン・ノワールMont-Noir、そして最高峰(標高176m)となるモン・カッセルMont Cassel……。カッセル村では秀逸なフランドル美術館を訪れましょう。歴史を感じさせるエスタミネ(北フランスの居酒屋)で、平原を見晴らしながら楽しむランチも魅力です。 https://www.coeurdeflandre.fr/


地元の有名クラブ
クラブはふたつ、思いはひとつ:パリより北でラグビーに栄光を!

オランピック・マルコワ・リュグビー・リール・メトロポール
L’Olympique Marcquois Rugby Lille Métropole (OMR LM)

1971年に創設されたオランピック・マルコワ・リュグビー・リール・メトロポール(OMR LM)は今シーズン、男子のアマチュア1部リーグ「フェデラル1」に昇格を果たし、プロ2部リーグ「プロD2」入りを目ざしてプレーしています。

リール・メトロポール・リュグビー・クリュブ・ヴィルヌヴォワ
Lille Métropole Rugby Club Villeneuvois (LMRCV)

一方、1972年に設立したリール・メトロポール・リュグビー・クリュブ・ヴィルヌヴォワ(LMRCV)は女子のトップリーグ「エリート1」に所属。

設立以来、当地方のラグビー界を牽引してきた両クラブは、スタジアムで最高のパフォーマンスを観客に披露するという目標を掲げながらも、シーズンごとにより地元に密着し、選手を育成していくという使命を決して忘れてはいません。そして今後は、ラグビーワールドカップの開催が地域全体の成功となるよう、さらにはラグビー界に確かなレガシーを残せるよう、人々と手をたずさえて奮闘します!

ラグビー好きにおススメ

RWC2023開催スタジアム
Stade Pierre-Mauroy スタッド・ピエール・モロワ
5万席

スタッド・ピエール・モロワ

バーやパブ
リールは確かにフランスの街ですが、そこには少しばかり「ブリティッシュ」な色合いが感じられます。試合のある夜、マセナ地区Quartier Massénaの通りを歩けば、きっとそのことに気づくでしょう。通りには、「リルランデl’Irlandais」、「ル・ソルフェリノle Solférino」、「ザ・クイーン・ヴィクトリアThe Queen Victoria」、「ティル・ナ・ノーグTir Na Nog」といったバーやパブが並んでいます。

エスタミネ
マセナ地区のパブでビール片手に試合観戦で盛り上がったあとは、活気あふれる同地区のエスタミネ(居酒屋)でリールの郷土料理を食べましょう。特に有名なのは、ウェルシュWelsh(ビールに浸したパンにチェダーチーズをかけて焼き上げたもの)。「ルガイエットL’Gaïette」はリールの学生たちの夜の社交場で、パーティー好きで賑わっています。https://www.lgaiette.fr/


アクセス
鉄道:パリおよびロワシー・シャルル・ド・ゴール空港駅から高速鉄道TGVで1時間

●リール市観光局のホームページ

2023ラグビーワールドカップの開催都市
クリックすると各都市のおすすめポイント紹介ページに飛びます。
●Bordeaux ボルドー
●Lille リール
●Lyon リヨン
●Marseille マルセイユ
●Nantes ナント
●Nice ニース
●Paris パリ
●Saint-Etienne サンテティエンヌ
●Toulouse トゥールーズ

【特集ページ】ラグビーワールドカップ2023

2023ラグビーW杯でサンテティエンヌを訪れたらここを見る

フランスは2023年のラグビーワールドカップ開催国。試合が行われる都市は9つで、現地に足を運んだら訪れてみたい場所を順次紹介。1903年の第1回ツール・ド・フランスのステージ順に紹介しているが、最終日のパリは後回しにして、6都市目は第1回大会からコース途中に訪問しているサンテティエンヌ。

ル・コルビュジェ建築のひとつサン・ピエール教会 ©Saint-Etienne Tourisme & Congrès / Arnaud Frich © F.L.C / ADAGP Conception, Le Corbusier architecte, José Oubrerie assistant (1960-65). Réalisation, José Oubrerie architecte (1970-2006).

サンテティエンヌはこの2世紀以上にわたり、アートと工業の結びつきを通じてつねにダイナミックな変貌を遂げてきました。工業都市から未来を先取りする都市へ、サンテティエンヌでは「ともに生きる」を合言葉にさまざまな活動が取り組まれています。

そこで活用されているのがデザイン。この街ではデザインが人々の創造的な可能性をあらわにし、それらを刺激する触媒となっているのです。

さらにサンテティエンヌはフランスで唯一、2010年よりユネスコ・デザイン都市に認定されています。 揺さぶり、動かし、展開する。そんな心意気で行動するサンテティエンヌの人々が特に大切にしているのが、問いを発し、疑問符をすぐさま感嘆符に変えること。何事にも完璧が求められる世の中で、サンテティエンヌはその歴史、地理、文化、創造においてつねに常識からちょっとはずれる冒険心を発揮してきました。

ロワール峡谷、シャトー半島を望む ©Saint-Etienne Tourisme & Congrès / Max Coquard-Bestjobers

そんなサン・テティエンヌの街で、迷子になってみませんか。そう、迷子。でも、とびきり楽しい迷子です。

迷い込むのは、サンテティエンヌ近現代美術館、鉱山博物館、芸術産業博物館などのミュージアム、クリエーターやアーティストのデザイン作品があちこちで目を引くトラブール(建物と建物のあいだに設けられた抜け道)、通り、路地、階段、さらには伝説の競技場スタッド・ジェフロワ・ギシャール(別名スタッド・ショドロン・ヴェール/緑の鍋)、そして驚きが詰まったル・コルビュジエの建築群…。

芸術産業博物館 ©Saint-Etienne Tourisme Congres Pierre Grasset

好奇心に満ち満ちたサンテティエンヌは、人生を全力で応援する街。ここでは失敗なんてありません。挑戦し、やり直し、飛躍するのみです。 常識にとらわれずに心をオープンにするために、サンテティエンヌに遊びに来ませんか?

必見の場所

ヨーロッパ最大のル・コルビュジエの建築群
Le plus grand site européen Le Corbusier
建築に造詣のある人や好奇心旺盛な人ならば、フィルミニFirminyにあるル・コルビュジエの建築群は見逃せません。ル・コルビュジエはここで、建築は都市問題にひとつの解決策をもたらし、社会の組織化に寄与しうるということを証明しました。というのもフィルミニは、この先見の明ある建築家が手がけたヨーロッパ最大の建築群が残されているからです。色とりどりの通りを備えた集合住宅「ユニテ・ダビタシオンUnité d’Habitation」、コニック(円錐形)にしてアイコニックな教会、古代ギリシャのアクロポリスに想を得た競技場、ユネスコの世界遺産に登録されている「文化の家Maison de la Culture」から構成されるなんとも贅沢な観光スポットです。

シテ・デュ・デザイン ©Saint-Etienne Tourisme & Congrès / TRENTA

シテ・デュ・デザイン
La cité du design
2010年よりサンテティエンヌはユネスコのクリエイティブ・デザイン都市に認定されています。それを象徴するのが文化施設「シテ・デュ・デザインCité du design」。かつての王立兵器製造所が、レストランを備え、展覧会、セミナー、才能育成などあらゆるジャンルのイベントを実施するスペースに生まれ変わったのです。寂れた工場跡地だった過去を払拭し、創造性あふれるスポットとして脚光を浴びています。

シテ・デュ・デザインの赤道気候温室 ©Saint-Etienne Tourisme & Congrès / Magali Stora

芸術産業博物館
Musée d’art et d’industrie
兵器、リボン、自転車。芸術産業博物館を見学すれば納得するでしょう。サンテティエンヌが「デザインの街」と称されるのは、デザインがこの街のDNAに組み込まれているからでもあることを。サンテティエンヌはいつの時代も発明品を作り出してきました。火器はもちろん、織機も、織物も、自転車も。そう、フランス初の自転車が発明されたのは、ここサンテティエンヌです。

ぜひ試したい食

ラペ
Les rapées
千切りにしたジャガイモをこんがり焼いたガレット。サラダ、サラソン(地元のチーズ)、ハムやソーセージなどと一緒にいただく、サンテティエンヌの人々のソウルフードです。

メゾン・デュキュルティの「ラぺ」 ©Faire figurer le nom de la structure

ヌガステル
Nougastelle
チョコレートは(ほぼ)誰でも好きなはず。とはいえ、サンテティエンヌのチョコレート愛は筋金入り。1882年にまで遡るこの愛の物語を象徴するのがヌガステルで、アーモンドとヘーゼルナッツのプラリネを詰めたヌガティーヌの殻にアーモンドパウダーをまぶした繊細な味わいが魅力です。

ヌガステル ©Nougastelles – Weiss

サンテティエンヌ新着情報

サンテティエンヌ国際デザインビエンナーレ2021
La 12ème biennale internationale du design
12回目となる2021年の国際デザインビエンナーレのテーマは「岐路」。2021年4月28日から8月21日までの3カ月間、「すでに何をなしているか?」、「さらにほかに何をなしうるか?」という問いのもとで、デザインをアドベンチャーへと押し進める展覧会がいくつも開催されます。2021年の「ゲスト大陸」はアフリカ。

国際デザインビエンナーレ ©Saint-Etienne Tourisme & Congrès / Pierre Grasset

レ・アール・ビルトキ
Les Halles Biltoki
1827年に造られた建物を、サンテティエンヌ流アール・ド・ヴィーヴル(暮らしの美学)を発信する施設に変えて蘇らせる――それが「レ・アール・ビルトキ」プロジェクトです。2021年4月にオープン予定の当施設(面積1,200m²)のテーマは「分かち合い」。食に携わる店や職人が多数参加するので、サンテティエンヌのグルメな雰囲気を存分に味わえるスポットになるはずです。

ビストロ・ガガの料理 ©Saint-Etienne Tourisme & Congrès / Marion Dubanchet

周辺の見どころ

ロワール峡谷
Les gorges de la Loire
ロワール川、広葉樹林、城館、川面に浮かぶ島々、切り立つ崖。そうしたものに出会える場所、それがロワール峡谷自然保護区Réserve Naturelle des Gorges de la Loireです。4,000ヘクタールの自然のうち、355ヘクタールが地方自然保護区に指定されています。新鮮な空気を胸いっぱいに吸い込めるこの場所まで、サンテティエンヌからわずか15分。

ロワール峡谷、グランジャン城を望む ©Saint-Etienne Tourisme & Congrès / Max Coquard-Bestjobers

ピラ地方自然公園
Le parc régional du Pilat
中山性山地と森が広がる700km2のピラ地方自然公園は日常を忘れてリフレッシュできる場所。サンテティエンヌの中心部からたった10分のところに広がっています。

ピラ地域公園 ©Saint-Etienne Tourisme & Congrès / Max Coquard-Bestjobers

地元の有名クラブ

カーズ・リュグビー
CASE RUGBY
サンテティエンヌと言えばサッカー。ですが、7つの丘に囲まれたこの街ではラグビーもつねに特別な地位を保ってきました。それは何より、地元のクラブ、カーズ・リュグビーのおかげです。クラブは2010年、たった2年でフェデラル2からプロD2への昇格を果たすという信じられない快挙を達成しました。

さらにラグビーは、大きな大会があるたびに街を興奮の渦に包んでいます。スタッド・ジェフロワ=ギシャールは2007年のラグビーワールドカップの会場に使われたほか、ヨーロピアンラグビーチャンピオンズカップの準決勝で隣街クレルモン・フェランのクラブがサラセンズと対戦したときには、なんと41,5000人の観客を集めました。これは新記録です!

ラグビー好きにおススメ

RWC2023開催スタジアム
Stade Geoffroy Guichard スタッド・ジョフロワ・ギシャール
4万2000席

サン・パトリック
Saint Patrick
サンテティエンヌの繁華街、サン・ジャック地区にあるラグビーファンが集まるアイリッシュパブ。ラグビーフランス代表チームや地元のサッカーチーム「ASサンテティエンヌ」のほか、ラグビーアイルランド代表チームなどの勝利が祝われます。

サン・ジャック地区のマルティール・ド・ヴァングレ通りにあるアイリッシュパブ ©Saint-Etienne Tourisme & Congrès / Pierre Grasset

ジャン・ジョレス広場
Place « Jean Jaurès
試合前、あるいは試合後におすすめの界隈。ワインバー、ビアバー、各種テラス、ビストロ風レストランなどがそろっていて飽きさせません。

サン・ジャック地区のマルティール・ド・ヴァングレ通り ©Saint-Etienne Tourisme & Congrès / Pierre Grasset

パリからのアクセス
鉄道:パリ・リヨン駅から高速鉄道TGVで2時間50分、ロワシー・シャルル・ド・ゴール空港駅から高速鉄道TGVで3時間
●サンテティエンヌ観光局のホームページ

2023ラグビーワールドカップの開催都市
クリックすると各都市のおすすめポイント紹介ページに飛びます。
●Bordeaux ボルドー
●Lille リール
●Lyon リヨン
●Marseille マルセイユ
●Nantes ナント
●Nice ニース
●Paris パリ
●Saint-Etienne サンテティエンヌ
●Toulouse トゥールーズ

【特集ページ】ラグビーワールドカップ2023

2023ラグビーW杯でナントを訪れたら巨大マシンパークへ

フランスは2023年のラグビーワールドカップ開催国。2020年12月14日には世界中が注目するプール組み分け抽選会がパリのブロンニャール宮で行われる。試合が行われる都市は9つで、現地に足を運んだら訪れてみたい場所を順次紹介。1903年の第1回ツール・ド・フランスのステージ順に紹介していて、第5回はナント。

レ・マシーヌ・ド・リル © Franck Tomps / LVAN

クリエイティブな街、ナント! ロワール川の河口に位置し、大西洋まで30分。クリエイティブでダイナミックで魅力あふれるナントは、アートを通じて大変貌を遂げています! 街を発見する最良の方法が、地面に引かれた緑色のラインをたどること。ラインはナントが誇る建築物、アートスポット、文化および歴史遺産の数々を結んで延びています。

ブルターニュ大公城を訪れる、ナント生まれの作家、ジュール・ヴェルヌの足跡をたどる、アミューズメントパーク「レ・マシーン・ド・リル」で巨大な機械仕掛けの象やクモに乗って周囲をひとめぐりする、ロワール川の河口に展示された30点の野外インスタレーション作品を鑑賞するなど、アクティビティは盛りだくさん。

ブルターニュ大公城 © Philippe Piron

感性豊かで詩情に満ちた都会の散策コースをさらに活気づかせているのが、毎夏開催されているアートイベント、ヴォワヤージュ・ア・ナントVoyage à Nantesです。このイベントでは、招待されたアーティスト、クリエーター、庭師、料理人、DJ、グラフィティアーティストらが公共スペースでその腕を披露。サプライズと感動と楽しさいっぱいの56のイベントスポットを通じて、ナントは普段以上に驚きに満ちた街に変わります。

次の開催は2021年7~8月。今から予定を空けておきましょう!

必見の場所

ブルターニュ大公城
Château des ducs de Bretagne
15~18世紀に造られた建築物を擁する、ナントの花形建築遺産。中庭、城壁、堀は無料で見学可能。博物館ではナントの歴史が紹介されています。

巨大な象に会えるレ・マシーン・ド・リル
Les Machines de l’île
ジュール・ヴェルヌの空想の世界とレオナルド・ダ・ヴィンチのメカニックな世界が交差するアミューズメントパーク。造船所跡地に設けられ、機械仕掛けの生き物や植物を展示するギャラリー、同じく機械仕掛けの巨大な象、海の世界を表現した大きなメリーゴーランドなどがあります。

ナント美術館
Musée d’arts de Nantes
植物園のすぐ近くにある美術館。古代から現代に至る芸術作品を集めたコレクションは、フランスでも指折りの充実度を誇ります。

ぜひ試したい食

ガトー・ナンテ
Gâteau Nantais
砂糖、アーモンド、バター、そしてカリブ海アンティル諸島のラム酒の絶妙なコラボ。ナント、アフリカ、アンティル諸島を結ぶ三角貿易の歴史が刻まれた、港町ナントを象徴するお菓子です。

ガトー・ナンテ ©Patrick Gérard/LVAN

ミュスカデ
Muscadet
ナントのレストランではミュスカデをご賞味あれ。ミュスカデはナント地区で生産されている辛口白ワインで、アペリティフとして、あるいは大西洋で採れた牡蠣と合わせて飲むのがおすすめ。

ミュスカデ © Voyage à Nantes

ナント新着情報

川俣正のエルミタージュ展望台
Belvédère de l’Hermitage
日本人アーティスト、川俣正が制作したエルミタージュ展望台からナントの街を見晴らす眺望が楽しめます。ジュール・ヴェルヌ博物館から展望台を経て、最近オープンしたエクストラオーディネール庭園へ向かうのが定番コース。

隠遁者の展望台、川俣正作品 © MARTIN ARGYROGLO

植物園Jardin des plantesにジャン・ジュリアンの新作がお目見え
ブルターニュ大公城からすぐのところにある植物園に、アーティスト、ジャン・ジュリアンが特別に制作した大型インスタレーション作品が飾られます。

ジャン・ジュリアンの作品が置かれた植物園 ©Jean-Félix Fayolles

周辺の見どころ

ナント周辺のワインの産地を訪れる
市中心部から20分で、ナント近郊に広がるワインの産地(ナント地区)と高名なミュスカデに出会う旅が楽しめます(ワイナリー見学とテイスティング、クリソンClisson村の観光など)。

ゲランドGuérandeの塩田を訪れる
ナントから1時間で行けるゲランドの塩田は保全地区となっており、千年以上の歴史を誇る伝統の手法で塩が作られています。中世の城塞が残るゲランド村に立ち寄ることもお忘れなく。

ゲランド塩田 @AlexandreLamoureux

地元の有名クラブ

Stade Nantais
スタッド・ナンテー
男子のアマチュア1部リーグ「フェデラル1」に所属するクラブ

Logo_rugby_nantes

ラグビー好きにおススメ

RWC2023開催スタジアム
STADE DE LA BEAUJOIRE スタッド・ド・ラ・ボージョワール
3万5322 席

中世の面影を宿す地区にあるバー「ジョン・マックバーンJohn Mc Byrn」
試合のある夜、ブッフェ地区Quartier Bouffayにあるこのバーは大盛りあがり。つねに大勢の客で賑わう、出会いと交流と息抜きの場です。

グラスラン地区Quartier Graslinにあるバー「ピックウィックスPickwick’s」
グラスラン劇場Théâtre Graslinからすぐのところにある半歩行者専用のこの地区には、心地よいテラスを備えた店やおしゃれなブティック、歴史建造物が集まっています。ナイトライフのスタート地点としておすすめ。

パリからのアクセス
車:パリから4時間   
鉄道:パリから高速鉄道TGVで2時間。1日に23本の列車が運行。パリ・ロワシー・シャルル・ド・ゴール空港駅からの直通列車あり   
飛行機:ナント・アトランティック国際空港から市中心部まで15分。フランスおよびヨーロッパの各都市と結ぶ便が運航。定期便が就航している都市は100以上
●ナント観光局のホームページ

2023ラグビーワールドカップの開催都市
クリックすると各都市のおすすめポイント紹介ページに飛びます。
●Bordeaux ボルドー
●Lille リール
●Lyon リヨン
●Marseille マルセイユ
●Nantes ナント
●Nice ニース
●Paris パリ
●Saint-Etienne サンテティエンヌ
●Toulouse トゥールーズ

【特集ページ】ラグビーワールドカップ2023

2023ラグビーW杯でボルドーを訪れたらとりあえずワイン

フランスは2023年のラグビーワールドカップ開催国。2020年12月14日には世界中が注目するプール組み分け抽選会がパリのブロンニャール宮で行われる。試合が行われる都市は9つで、現地に足を運んだら訪れてみたい場所を順次紹介。1903年の第1回ツール・ド・フランスのステージ順に紹介していて、第4回はボルドー。

ブルス広場にある水鏡 ©Teddy Verneuil – @lezbroz

パリから飛行機で1時間、高速鉄道(TGV)で2時間のところにあるボルドーは、歴史遺産、ワイン、美食文化で名高いヨーロッパ屈指の観光地。訪れた人たちからしばしば「プチ・パリ(小さなパリ)」と称せられ、皆を夢中にさせるこの街は、2017年、〈ロンリー・プラネット〉の「訪れるべき世界の都市」の堂々第1位に選ばれました。多彩な魅力を備えた、カップル、家族、友人同士で楽しめる理想の旅先です!

エレガントな街並み

フランス南西部の中心都市ボルドーは、その比類のない建築遺産でユネスコの世界遺産に登録されています。18世紀に造られた建物や歴史建造物が数多く残るその街並みは、まるで絵葉書のような美しさ。その一方で、世界最大の水鏡Miroir d’eau、斬新さが際立つジャック・シャバン=デルマス橋pont Jacques Chaban-Delmas、スタジアム「スタッド・マトミュット・アトランティックStade Matmut Atlantique」など、現代性あふれる建築物もそろっています。

ボルドーの街並み

世界に名だたるワインの都

ボルドー近郊は、高級ワインの世界最古にして最大の産地。その面積は112,000ヘクタールに及び、アペラシオンは65を数えます。「シャトー」と呼ばれる当地のワイナリーのうち、一般の見学を受け付けている施設は数百にのぼり、ワイン造りのノウハウを紹介しています。またワインはボルドーの街中でも存在感を発揮しており、ワイン博物館「シテ・デュ・ヴァンCité du Vin」はその格好の例と言えるでしょう。

ブルス広場の夜景 ©Christophe Correy

フランス南西部が誇るアール・ド・ヴィーヴル

ボルドーはフランス南西部のアール・ド・ヴィーヴル(暮らしの美学)を体現する街。その質の高い暮らしを象徴するのが、豊かな緑、美しく改修された建築物、中心部に整備された歩行者専用地区です。美食文化も自慢で、カヌレ、牡蠣、アントルコート・ア・ラ・ボルドレーズ(ボルドー風牛肉のリブロース)など、数々の名産品や郷土料理を擁しています。また飲食施設も充実しており、気軽に楽しめる庶民的な店、星付きの高級レストラン、さっとその場で食べられる市場など、好みに合わせてよりどりみどりで楽しめます。

ブルス広場 ©Nicolas Duffaure

必見の場所

旧市街
Le Vieux-Bordeaux
ボルドーを訪れたら、ぜひ足を運びたい場所。小さな広場が点在し、歩行者専用の小道が走るこの地区には、美味しいレストランやテラス席を備えたカフェやビストロが集まっています。ブルス広場Place de la Bourseと背後にそびえる18世紀の壮大なファサードは、ボルドーの旅の思い出づくりに欠かせない格好のフォトスポット。広場の正面には世界最大の水鏡が広がり、霧のショーで人々を魅了しています。

シテ・デュ・ヴァン
Cité du Vin
2016年にオープンしたこの新世代の文化施設は世界でもユニークなワイン博物館で、文化、文明、遺産、普遍性という切り口からワインを紹介しています。常設鑑賞コース、特別展、テイスティングのワークショップを通じて世界中のワインの産地に光をあてており、あらゆる文化、あらゆる時代を網羅したすばらしい世界一周の旅が楽しめます! laciteduvin.com/

シテ・デュ・ヴァン(ワイン総合博物館) ©Nicolas Duffaure

ガロンヌ川の岸辺
ボルドーを流れるガロンヌ川の岸辺はそぞろ歩きに理想的。ナポレオンが建造させたピエール橋Pont de Pierreを渡ることもお忘れなく。1日または半日の各種クルージングツアーも開催されており、川からボルドーの美しい街並みを観光できます。

ぜひ試したい食

なんといってもワイン! 
ボルドーの産地は6つの地区に分かれており、 赤、白、ロゼ、クレマンを生産しています。

アルカッション名産の牡蛎盛り合わせ ©Vincent Bengold

カヌレ
数世紀にわたって食通をうならせてきたこの美味なるお菓子を食べずして、ボルドーの旅を終わらせるわけにはいきません。外側はカリッ、内側はふわりとした食感を持つこの小さなスイーツは、小麦粉、牛乳、卵、砂糖、バターから成る生地をラムとバニラで香りづけして作られます。

ボルドー銘菓カヌレ ©Sophie DUBOSCQ ©Sophie Duboscq

ボルドー新情報  

レ・バッサン・ド・リュミエール
Les Bassins de Lumières
2020年6月にオープンした世界最大のデジタルアートセンター。第2次世界大戦中に建造された潜水艦用の掩蔽壕(バンカー)を舞台に、音響効果とプロジェクションマッピングによる没入型の鑑賞体験を提案しています。2021年は「モネ、ルノワール・・・シャガール、地中海の旅Monet, Renoir…Chagall, voyage en Méditerranée」展とイブ・クラインの特別展が予定されています。. www.bassins-lumieres.com/

レ・バッサン・ド・リュミエール ©Charles DUPRAT

ボルドーワイン祭り
Bordeaux Fête le Vin
ヨーロッパ最大のワインフェスティバルで、2021年6月17~20日開催。ブドウ栽培者との交流、ワインのテイスティング、グルメスタンドのほか、数々のイベントが予定されています。www.bordeaux-fete-le-vin.com

ボルドー河祭り(2018年の様子) ©Vincent Bengold

周辺の見どころ

ボルドー近郊のワイナリーめぐり
ボルドー発のコースが数多く設定されているので、シャトーの見学とテイスティングが付いたワインツーリズムを満喫できます。ブドウ畑でランチを楽しむツアーもあり。 www.visiter-bordeaux.com/fr

サン・テミリオン ©Vincent Bengold

アルカション湾
Bassin d’Arcachon(ボルドーから1時間)
内海を形づくっているこの湾の見どころは、ベル・エポック期の海水浴場と歴史遺産に指定されている美しい別荘群、そしてヨーロッパ一の標高を誇るピラ砂丘Dune du Pilatです。さらにフェレ岬Cap-Ferretには牡蠣を養殖している小さな港が点在し、牡蠣小屋が独特の風情を醸し出しています。

地元の有名クラブ

ユニオン・ボルドー・ベグル
UBB Union Bordeaux Begles

2006年6月、スタッド・ボルドレ(Pro D2)と CABBG(フェデラル1)の経営陣がジロンド県に本拠地を置くこの由緒ある2つのクラブの合併を決定、これによりユニオン・ボルドー・ベグル(UBB)が誕生しました。UBBは2014-15シーズン末に、1試合につき平均27,000人のサポーターを集めて観客数ヨーロッパ第1位に輝いています。また2011年のトップ14への昇格以来、シーズンを重ねるごとに進化を続け、いまやトップも狙えるほどの実力を備えるようになりました。また2015-16年シーズンにはヨーロピアンラグビーチャンピオンズカップ初出場を果たしました。 https://www.ubbrugby.com/

ラグビー好きにおススメ

RWC2023スタジアム
Stade Matmut Atlantique スタッド・マットミュット・アトランティック
4万2000 席

ガロンヌ川右岸にあるレストラン「ラ・ベル・セゾンLa Belle Saison」。オーナーはかつてフランス代表チームでプレーしたジェローム・フィヨルです。 https://www.la-bellesaison.fr/

試合のある夜、ラグビーファンが集まるバーやパブ(ル・コンヌマラle Connemara、ビストロ・デ・フレロBistrot des Frérots、ザ・ハウス・オブ・パーラメントThe House of Parliamentなど)に通じる通りはいつも大変な熱気に包まれます。

パリからのアクセス
電車 : モンパルナス駅から2時間:パリ=シャルル・ド・ゴールの電車駅から3時間45分
飛行機で :パリ=シャルル・ド・ゴール空港から1時間
●ボルドー市観光局のホームページ

2023ラグビーワールドカップの開催都市
クリックすると各都市のおすすめポイント紹介ページに飛びます。
●Bordeaux ボルドー
●Lille リール
●Lyon リヨン
●Marseille マルセイユ
●Nantes ナント
●Nice ニース
●Paris パリ
●Saint-Etienne サンテティエンヌ
●Toulouse トゥールーズ

【特集ページ】ラグビーワールドカップ2023

2023ラグビーW杯でトゥールーズを訪れたらここは外せない

フランスは2023年のラグビーワールドカップ開催国。2020年12月14日には世界中が注目するプール組み分け抽選会がパリのブロンニャール宮で行われる。試合が行われる都市は9つで、現地に足を運んだら訪れてみたい場所を順次紹介。第3回はトゥールーズ。

トゥールーズの中心部キャピトール広場 ©Arnaud Späni

フランス南西部の中心に位置するトゥールーズは、アドベンチャーの街。航空産業、宇宙、科学分野のアドベンチャーはもちろんのこと、旅のアドベンチャーも目白押しです!

悠久の歴史が宿る街

古代ローマのレンガ造りの建造物が残る「バラ色の街」ことトゥールーズ。つねにその美しさで人々を魅了するこの街は、2000年にわたる歴史を誇り、3つのユネスコ世界遺産のほか、ルネサンス期の壮麗な邸宅を100ほど抱えています。そうした名所の数々は徒歩で、自転車で、あるいはミディ運河Canal du Midiやガロンヌ川のクルージングなどで気軽に観光することができます。また活気あふれるガロンヌ川岸は、トゥールーズ市民の憩いの場となっています。

「バラ色の街」の異名をとるトゥールーズ ©Arnaud Späni

豊かなライフスタイル

街の雰囲気は、南仏の人々の飾らないフレンドリーな気質を反映しています。活気に満ちた通りをそぞろ歩いてショッピングを楽しむもよし、カフェのテラスでのんびり地元のラグビークラブ、スタッド・トゥールーザンの試合を観戦するもよし。暮らすのに心地よいこの街は、おもてなしの街でもあり、それはしばしばボリューム満点の食事に象徴されています。味自慢は、鴨、カスレ(白インゲン豆と肉類の煮込み料理)、ワイン、チーズ、スミレを使ったお菓子など。

ジャコバン修道院 ©Arnaud Späni

科学分野のアドベンチャー

蒸気エンジンを使ったエオール号、コンコルド、エアバス380…飛行機造りにおいてつねに進取の気性を発揮してきたトゥールーズは、まさに「航空機産業の世界的中心地」の称号にふさわしい街。テーマパーク「シテ・ド・レスパスCité de l’espace」が宇宙を紹介し、エアバス社の組み立てライン、アエロスコピア航空博物館Musée Aeroscopia、新施設「ラ・ピスト・デ・ジェアンLa Piste des géants」が伝説となった各種飛行機の偉業を今に伝えています。さらにトゥールーズ自然史博物館Muséum de Toulouseと科学文化普及センター「ケ・デ・サヴォワールQuai des Savoirs」も、科学と楽しく触れ合う機会を数多く提案しています。

必見の場所

ジャコバン修道院
Couvent des Jacobins
中世芸術の精華とされる壮大な建造物で、峻厳な外観と光に満ちた内部のコントラストが印象的。ヤシの木の形をした石造りの天井や、静けさとくつろぎに満ちた心地よい回廊などが見どころで、トゥールーズ観光の目玉のひとつになっています!

ジャコバン修道院 ©Arnaud Späni

サン・セルナン大聖堂
Basilique Saint-Sernin
キャピトール広場Place du Capitoleの近く、トール通りrue du Taurの端に建つフランス最大のロマネスク様式の教会。ユネスコの世界遺産に登録されており、サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路を旅する人たちを幾世紀にもわたって受け入れてきました。

サン・セルナン大聖堂 ©Arnaud Späni

ヴィクトル・ユーゴ市場
Marché Victor Hugo
トゥールーズに来たからには屋根付きのこの市場を訪れないわけにはいきません!ここは市内屈指の人気を誇る市場で、80を超える店が新鮮な地元の食品、食材を豊富に取りそろえています。市場で扱う品々をその場で味わいたい方はぜひ2階へ。5軒のレストランが美味しいランチでもてなします。

ヴィクトール・ユーゴ市場 ©HapTag


ぜひ試したい食

カスレ
トゥールーズ名物カスレを味わうことは、このバラ色の街のはずせない観光アクティビティ!料理人ごとにレシピは違えど、風味豊かな白インゲン豆、鴨のコンフィ、トゥールーズ産ソーセージを入れるのが定番です。

スミレ
バラ色の街を象徴する花、スミレを使った特産品もお忘れなく。花びらの糖衣がけ、酸味のあるキャンデー、スミレ風味のマスタード、チョコレート、紅茶のほか、ロウソク、化粧品などバラエティ豊かなアイテムがそろっています。

スミレグッズを扱う専門店「メゾン・ド・ラ・ヴィオレット」 ©Emilie Eychenne


トゥールーズ新情報  

アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリと『星の王子さま』
2021年8月29日まで博物館「ロンヴォル・デ・ピオニエl’Envol des pionniers」にてアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリと『星の王子さま』をテーマにした特別展が開催されます。この場所で当展覧会が開催されるのは偶然ではありません。なにしろ作家であり飛行士でもあったサン=テグジュペリは、この博物館の真ん前にあるモントードランMontaudran飛行場からラテコエール社のパイロットとして大空に飛び立っていたのですから。展覧会では、勇気と人間愛にあふれ、自身の限界を越えて伝説となったサン=テグジュペリの軌跡を追います。https://www.lenvol-des-pionniers.com/

「ランヴォル・デ・ピオニエ」で開催の星の王子様とサン・テグジュペリ展 ©Chloé Sabatier – Agence d’attractivité Toulouse

ジャコバン国際ピアノ音楽祭
2021年9月、偉大なピアニストたちと若きピアニストが集う恒例のジャコバン国際ピアノ音楽祭が開催されます。フェスティバルでは1カ月にわたって、ジャコバン修道院の回廊や総会室という荘厳で幻想的な空間を舞台にクラシックやジャズのコンサートが繰り広げられます。http://www.pianojacobins.com/

ジャコバン・ピアノフェスティバル ©Piano aux Jacobins


周辺の見どころ

カルカソンヌ
Carcassonne
トゥールーズから1時間のところにある中世の城塞都市カルカソンヌは、オクシタニー地方の1日エクスカーションに理想的。ユネスコの世界遺産に登録されているコンタル城(歴代伯爵の居城)や城壁は必見です。

カルカッソンヌの城塞 ©CRT Occitanie

アルビ
Albi
鮮やかな色彩、美味しい食べ物、ショッピングが魅力のアルビは、イタリアの情緒が感じられる暮らしやすい街。鉄道またはバスでアクセスでき、司教都市としての歴史を誇るこの街の名声を高めているのは、元司教館のべルビー宮Palais de la Berbie、タルン川を見下ろすようにそそり立つサント・セシル大聖堂Cathédrale Sainte-Cécile(レンガ造りの建造物としては世界最大)、トゥールーズ・ロートレック美術館Musée Toulouse Lautrecです。ロートレックはベル・エポック期を代表する画家で、1864年、この街で生まれました。

アルビのサント・セシル大聖堂 ©Dominique Viet


地元の有名クラブ

スタッド・トゥールーザン
Stade Toulousain

トゥールーズはラグビーの街。スタッド・トゥールーザンは1907年に創設された15人制のラグビークラブで、現在、スタッド・アーネスト=ワロンをホームスタジアムにしてプレーしています。フランス最多のタイトルを獲得している名門クラブで、フランス選手権では20回、ハイネケンカップ(現ヨーロピアンラグビーチャンピオンズカップ)では4回の優勝を誇ります。選手たちはシンボルカラーの「赤と黒」のユニフォームに身を包み、TOP14でその実力をいかんなく発揮しています。 www.stadetoulousain.fr  

Le Club :トゥールーズ・オランピック・トレーズ
Toulouse Olympique XIII  

1937年創設のトゥールーズ・オランピック・トレーズToulouse Olympique XIIIはトゥールーズを本拠地とする13人制のラグビークラブで、フランスカップ1回、フランス選手権6回の優勝を誇ります。フランスのクラブとしては唯一、イギリスの「チャンピオンシップ」に参加しており、現在、上位リーグとなるヨーロッパの「スーパーリーグ」への昇格を目指して戦っています。www.to13.com

ラグビー好きにおススメ

RWC2023スタジアム
スタジアム・ド・トゥールーズ  Stadium de Toulouse
33 000席

ル・ルージュ・エ・ノワール
Le Rouge et Noir – 3 Rue du Pont Saint Pierre
サン・シプリアン地区quartier Saint-Cyprienにあるラグビーファン御用達のバー。店名の「ルージュ(赤)」と「ノワール(黒)」は地元のクラブ、スタッド・トゥールーザンのシンボルカラーにちなんで付けられました。店内の壁には世界中のクラブのユニフォーム、エンブレム、旗、マフラータオルが飾られています。www.le-meilleur-quartier.fr/le-rouge-et-noir

スタッド・トゥールーザン・リュグビー
Stade Toulousain Rugby – 73 rue d’Alsace Lorraine
1997年にオープンしたこの店は街の中心部にあり、スタッド・トゥールーザンの関連グッズを販売しています。https://boutique.stadetoulousain.fr/

ツール・ド・フランス取材者日記
トゥールーズ…これほどまで魅力的な町だとは

キャピトル広場に面したレストランのテラス席。向こうに見えるのは荘厳な市庁舎


パリからのアクセス
パリ・シャルル・ド・ゴール空港から飛行機で1時間15分
パリ・モンパルナス駅1、2より高速鉄道「TGV Inoui」で4時間25分(直通)

2023ラグビーワールドカップの開催都市
●Bordeaux ボルドー
●Lille リール
●Lyon リヨン
●Marseille マルセイユ
●Nantes ナント
●Nice ニース
●Paris パリ
●Saint-Etienne サンテティエンヌ
●Toulouse トゥールーズ

【特集ページ】ラグビーワールドカップ2023

2023ラグビーW杯でマルセイユを訪れたらここに行きたい

フランスは2023年のラグビーワールドカップ開催国。2020年12月14日には世界中が注目するプール組み分け抽選会がパリのブロンニャール宮で行われる。試合が行われる都市は9つで、現地に足を運んだら訪れてみたい場所を順次紹介。第2回はマルセイユ。

旧港とノートル・ダム・ド・ラ・ガルド寺院 ©OMTCM

地中海沿岸の大都会マルセイユ。コスモポリタンな色彩をまとったこの街では、鮮やかなコントラストが育まれています。ダイナミックに賑わう中心部と、ノスタルジックな風情あふれる旧市街。熱狂と大歓声に包まれるスタジアム「スダッド・オランジュ・ヴェロドロームStade Orange vélodrome」と、年に300日は顔を出す太陽に温められた美しい砂浜。国際的名声を誇る偉大な建築家が手がけた流行の新施設やスポットと、都市周辺にある国立公園としてはヨーロッパ最大で、隣町カシにまで広がるカランク国立公園。そんな数々のコントラストに彩られたマルセイユに、旅心を刺激されない人はいないはず!

旧港、MuCEM、ノートル・ダム・ド・ラ・ガルド寺院 ©Yoan Navarro

市内を歩けば、建築物を通じてその歴史に触れることになるでしょう。古代ギリシャ・ローマ時代に開かれた港、中世に遡るサン・ヴィクトール修道院Abbaye de Saint-Victor、市庁舎Hôtel de Ville、オスマン様式のエレガンスが光るレピュブリック通りRue de la République、建設当時は「頭のおかしな人の家」と酷評されていたル・コルビュジエの建築群、建築家リュディ・リチオッティが手がけた欧州・地中海文明博物館Mucem、隈研吾が設計したマルセイユ現代美術センターFond régional d’art contemporain/FRACなど、見どころがいっぱい。

加えてマルセイユでは年々、スポーツや文化の国際大会や国際イベントを開催したり、EUの事業を担ったりする機会が増えています。例えば2013年には欧州文化首都を、2016年に開催されたサッカーのユーロ2016ではホストタウンを、2017年には欧州スポーツ首都を務めたほか、2020年にはヨーロッパ現代芸術ビエンナーレ「マニフェスタ13」が開催されました。2023年にはラグビー・ワールドカップの、2024年にはパリ五輪のセーリングとサッカーの会場となる予定です。となれば、これはもう、マルセイユに足を運ぶしかありません!

必見の場所

ノートルダム・ド・ラ・ガルド寺院
Notre Dame de la Garde
19世紀に建立されたこの宗教建造物は「優しき聖母さま」とも呼ばれ、船乗りや漁師にとってはまさに、丘の上にたたずむ守り人。マルセイユのシンボルとなるこの寺院には、毎年200万人以上が訪れています。

旧港からノートルダム・ド・ラ・ガルド寺院を望む

イフ島
Château d’If
アレクサンドル・デュマの小説『モンテ・クリスト伯』で知られる、かつて監獄のあった島。歴史的記念物に指定されている城は必見です。旧港から船で20分。

イフ城 ©OMTCM

ル・コルビュジエのシテ・ラディユーズ(輝ける都市)
Cité radieuse
1947~51年に建設されたこの建築物は、337戸のアパルトマン、ホテル、レストラン、学校、複数の店舗、眺望のよいルーフテラスに設けられたアート・デザインセンターから構成され、ユネスコの世界遺産に登録されています。ガイド付き見学あり。www.marseille-tourisme.com

ユニテ・ダビタシオンの屋上 ©OTCM/FLC

ぜひ試したい食

ブイヤベーズ
La Bouillabaisse
魚のスープ、ルイユ(ニンニクとサフランで味付けしたマヨネーズの一種)を塗ったクルトン、ジャガイモ、魚の切り身を楽しむ伝統の郷土料理。かつては漁師めしとして食べられていましたが、今や美食の一品となっています!

老舗「ミラマール」のブイヤベーズ ©OMTCM

パスティス
le pastis
太陽、歓び、親睦、のんびりとした別荘暮らしを連想させる、マルセイユのご当地アペリティフ! アニス酒の一種で、19世紀より食前に供されてきました。食欲を高め、消化を助け、胃の不調をケアする働きあり! 世界一有名なのが、リカールRicard社のパスティスです。

アペリティフに欠かせないパスティス

マルセイユ新情報  

海底美術館
Musée Subaquatique
カタラン・ビーチの沖、水深5メートルの場所に、10点の大作を集めたインスタレーション「マルチ・アーティスト」がお目見えします。シュノーケリングができれば誰でも鑑賞できるこのユニークな美術館は、芸術、科学、教育、環境のどの観点から見ても華々しい壮挙と言えるでしょう。

海底美術館 @Wallis

チューバ
TUBA
新しいホテル&レストランがマルセイユで評判を呼んでいます。バーとプライベートビーチがついたこのホテルは、岩に囲まれた入り江地帯「カランク」にあり、目の前には海が広がっています。部屋数はわずか5室。隠れ家的な雰囲気のもと、映画「グラン・ブルー」の世界を味わえます。

ホテルレストラン「チューバ」 ©Tuba

周辺の見どころ

カランク
Les Calanques
海岸松や香り高い草木が生い茂る山とターコイズブルーの海が織りなすカランク国立公園Parc National des Calanquesは、ハイキング、ダイビング、クライミング、自然を愛する人にぴったりの遊び場です。

マルセイユ近くのカランク ©Lamy

ラ・トレイユ
La Treille
市内東部に位置するのどかで美しい地区。中心部からすぐのところに静かな港があります。ガルラバン丘陵Collines du Garlabanにはいくつかハイキングコースが設けられており、当地区をこよなく愛したプロヴァンス生まれの作家にして映画人、マルセル・パニョルの足跡をたどるコースもあります。

ラ・トレイユ地区 ©Lamy

地元の有名クラブ

プロヴァンス・リュグビー
Provence Rugby

©Provence rugby

都市広域連合体「メトロポール・エックス・マルセイユ・プロヴァンス」内に活動拠点を置くこのクラブが設立されたのは1970年。現在、プロ2部リーグ「プロD2」所属で、フランスのベスト30のクラブに仲間入りしています。シンボルカラーは黒。2007年にフランスでワールドカップが開催された際には、ニュージーランド代表「オールブラックス」を相手に戦いました。www.provencerugby.com

ラグビー好きにおススメ

RWC2023開催スタジアム
Stade Vélodrome スタッド・ヴェロドローム
6万7000席

アイリッシュパブ「オ・ブラディズ
O’Bradys
スタッド・オランジュ・ヴェロドロームの近くでビールを楽しめる店。もちろん試合中継あり。最高の雰囲気が味わえます! www.obradys.com

ル・コック・スポルティフ
le Coq Sportifのブティック
ル・コック・スポルティフはラグビーフランス代表チームのユニフォームを手がけるブランド。その店がパラディ通り17番地にあります。同じ通りには、同じくラガーマン愛用のエデンパークEden ParkとセルジュブランコSerge Blancoも店を構えています。


パリからのアクセス
鉄道 : パリから高速鉄道TGVで3時間、リヨンのパールデュー駅から1時間40分
飛行機 : 国際空港である「マルセイユ・プロヴァンス空港」も擁し、特にパリ・オルリー空港とマルセイユを結ぶエールフランスのシャトル便「ラ・ナベット」は30分間隔で運航。シャルル・ド・ゴール空港からも1日3~4便が飛んでいます。
車 : フランスの南東部と南西部をつなぐ幹線高速道路上にも位置し、ニースからは車またはバスで2時間。
●マルセイユ市のホームページ

2023ラグビーワールドカップの開催都市
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●Bordeaux ボルドー
●Lille リール
●Lyon リヨン
●Marseille マルセイユ
●Nantes ナント
●Nice ニース
●Paris パリ
●Saint-Etienne サンテティエンヌ
●Toulouse トゥールーズ

【特集ページ】ラグビーワールドカップ2023