日本のアウトドアメーカー、モンベルが「山歩きにも使えるものを」と開発し、幾度となく改良を重ねてきたトレッキングアンブレラの幅広いラインアップが熱中症対策のツールとしても話題になっている。
開発当時は山に傘を持っていくという発想自体がなかった
雨の多い日本の気候では、コンパクトに収納できて持ち運びに便利な折り畳み傘は、必携アイテムのひとつといえる。モンベルがこの折り畳み傘に着目し、「山歩きにも使えるものを」と開発に取り組み、誕生したのが「トレッキングアンブレラ」だ。
初代モデルの登場は1987年。当時、軽量な折り畳み傘といえば、6本骨のものが主流だったが、モンベルでは山での使用において満足のいく強度を持たせるため、8本骨を採用。さらに高性能ナイロン樹脂を採用することで、一般の折り畳み傘よりも優れた強度を持ちながら、非常に軽量・コンパクトな製品に仕上げることに成功した。
今では登山用品店に、折り畳み傘が並ぶ光景は珍しくないが、開発当時は山に傘を持っていくという発想自体がなかった時代。まさにモンベルのものづくりの基本姿勢「自分たちがほしいモノを創る」から生まれたユニークな商品だった。
2001年には、より軽量で引き裂き強度のあるバリスティック・エアライト・ナイロンを採用した「U.L.トレッキングアンブレラ」が登場。社内外のリクエストから、アウトドアに特化した傘のバリエーションは増えていく。
そして2016年、さらなる進化を遂げた「トレッキングアンブレラシリーズ」。耐久性に優れた8本骨の構造は踏襲しながら、親骨の素材に軽量で優れた強度を持つカーボンを採用。生地やパーツに至るまで徹底的に見直すことで、従来の強度を保ちつつ、大幅な軽量化を達成した。
「トレッキングアンブレラ」は前モデルから約40%の軽量化、特に軽量性を追求した「U.L .トレッキングアンブレラ」でも前モデルから20%軽量化し、128gという驚異的な製品重量を実現。生地には強力な撥水加工「ポルカテックス」を施し、水をはじいて生地の保水を防ぐとともに、汚れも付きにくくなっている。
また、旅行や日常使いにおすすめのモデルもラインアップに追加。重量わずか86g、手に取ると誰もが驚く超軽量の「トラベルアンブレラ」。当初は海外専用モデルとして開発された、ロングトレイルハイカーに人気の「サンブロックアンブレラ」は、優れた遮熱効果で、炎天下のアクティビティに活躍。この傘の下にいると涼しく、熱中症対策としても有効だ。
2020年には、さらに直径を6cm大きくした「トレッキングアンブレラ L」も加わった。豊富なバリエーションの中から自分にピッタリの1本を選んで、バックパックやカバンに忍ばせておけば、突然の雨さえも楽しみになるかもしれない。
モンベル製のすべての傘は修理が可能
長く愛用するために、すべての傘は修理が可能。万が一、生地が破れたり、骨が折れた際は、モンベルストア、またはモンベルカスタマーサービスまで問い合わせてみよう。
コメントを投稿するにはログインしてください。