自転車チームが自転車を使わない散歩イベント初開催

自転車チームのキナンサイクリングが梅雨の合間の天気となった7月5日の午前、三重県いなべ市の「いなべサイクルターミナル」を発着としたウォーキングイベントを開催。石田哲也監督がコース監修を務め、日頃応援してくれるファンとチームがゆっくりと交流できる機会をプロデュース。レースシーズン再開が近づく中で、“歩き”から“自転車”への熱を高める好機となった。

©︎KINAN Cycling Team / Tomohiro TANAKA

新型コロナウイルス感染拡大によるシーズン中断は、レースのみならず、ファンとの交流機会も長く奪う事態だった。その間のロスを取り戻すべく、KINAN Cycling Teamでは情勢に合わせながら少しずつイベント活動のペースをアップ。7月に入って最初のイベントとして、このウォーキングを実施。「いなべさんぽ」と題して、約11kmの道のりをセッティングした。

チームからは石田監督に加えて、加藤康則ゼネラルマネージャーも参加。「美しい日本の歩きたくなるみち 500選」にも選ばれた9kmほどのウォーキングコースをベースに、石田監督がこの日のルートを設定。監督自ら「旅のしおり」を作成し、参加者に配られた。

同ターミナルが駅前に設けられているメリットを生かし、日本に3路線しか現存していない「ナローゲージ(線路幅が762㎜と通常より狭い)」での電車移動や、大泉駅併設の農産物直売所「うりぼう」の目玉であるジェラートに舌鼓を打ったりと、自転車だけではない“いなべの魅力”を歩きの中に凝縮。また、美しい直線の参拝道と狛鹿のある「大谷神社」、紫陽花が手水舎に浮かべられる様が撮影スポットとして人気の「金井神社」、日本の近代土木遺産Aランク評価の「ねじり橋」など、史跡や観光資源をめぐる旅でもあった。

自転車を一切必要としない催しは、チームにとっても新たな試みだったが、参加者からはイベントを楽しみながらチーム関係者と落ち着いてトークできる機会と大好評。実際に、日頃はなかなかオープンにならない遠征時の裏話が出たり、今後のチーム動向についてちょっとした予告があるなど、この機会だからこその話題で盛り上がり。同時に、石田監督、加藤GMから改めてシーズン再開後の応援を参加者に求め、ともに戦っていくことを約束する場ともなった。

この日は、チームのタイヤサプライヤーであるIRC TIREよりTシャツが提供され、参加賞として贈られたほか、星野貴大メカニックによる洗車会を併催。徐々にではあるものの、チームのイベント活動が活発さを取り戻している。Text: 田中国大、Edit: 福光俊介

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