エガン・ベルナルがリタイア…チームが最善策と判断

2019ツール・ド・フランスの総合優勝者、イネオス・グレナディアスのエガン・ベルナル(コロンビア)が9月16日に行われる第17ステージをスタートしないことをチームが発表した。ベルナルとチームが「リタイアすることが将来的にベストの選択肢」と同意したという。

エガン・ベルナルが第15ステージで苦戦 ©A.S.O. Pauline Ballet

ベルナルは大会中盤戦まで首位をうかがう位置にいたが、第13ステージでプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)とタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツの)から38秒遅れた。ベルナルは第15ステージでも7分20秒遅れで、総合優勝争いから一気に脱落。第16ステージでも遅れて総合成績で19分04秒遅れの総合19位となっていた。

「私たちは彼の最善の利益のためにこの決定をした」と、マネージャーのデイブ・ブレイルズフォー。

「ベルナルは走るのが好きな偉大なチャンピオンだが、このあとも大きなレースに挑む若いライダーでもあり、現段階ではツール・ド・フランスを走るのをやめる方が賢明だと感じた」

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ケムナがカラパスを制して第16S優勝…ツール・ド・フランス

第107回ツール・ド・フランスは9月15日、ラツールデュパン〜ビラールドランス間の164kmで第16ステージが行われ、ボーラ・ハンスグローエのレナード・ケムナ(ドイツ)とイネオス・グレナディアスのリチャル・カラパス(エクアドル)の争いとなり、残り20kmでケムナが抜け出して初勝利した。

レナード・ケムナが独走 ©A.S.O. Alex Broadway

総合成績では首位のプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)が総合2位タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)を封じ込めてマイヨジョーヌを守った。

マイヨジョーヌのログリッチをその前後でアシストするチームメート ©A.S.O. Pauline Ballet

2回目の休息日となる14日に行われた、今大会4回目のPCR検査は選手・スタッフ合わせて785人全員が陰性だった。フランスの人口は6700万人で累積感染者数は40万人。ツール・ド・フランスの選手・チームスタッフ785人をテストすれば、単純計算で4.71人は陽性となる。その結果はすべて陰性。主催者が大会前に打ち出した「バブル」という考え方が感染を阻止したか。注目すべき事象だ。

ツール・ド・フランス第16ステージ ©A.S.O. Charly Lopez
第16ステージで抜け出して区間勝利を目指す先頭集団 ©A.S.O. Alex Broadway
総合2位のタデイ・ポガチャルは新人賞ジャージを着る ©A.S.O. Alex Broadway
ツール・ド・フランス第16ステージ ©A.S.O. Thomas Maheux
リチャル・カラパスのアタックをレナード・ケムナが許さず ©A.S.O. Alex Broadway
この日自由に動けるようになったリチャル・カラパス ©A.S.O. Pauline Ballet
ツール・ド・フランス第16ステージ ©A.S.O. Thomas Maheux

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)
マイヨベール(ポイント賞)サム・ベネット(アイルランド、ドゥークニンク・クイックステップ)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ブノワ・コズネフロワ(フランス、AG2Rラモンディアール)
□マイヨブラン(新人賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)

ツール・ド・フランス第16ステージ ©A.S.O. Thomas Maheux

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優勝者はワイドオープン…世界選手権ロードをニバリ試走

自転車ロード界の世界チャンピオンを決める2020世界選手権ロードが9月24日から27日までイタリアのエミリアロマーニャ州にあるイモラで開催される。ツール・ド・フランスを欠場しているイタリアのビンチェンツォ・ニバリ(トレック・セガフレード)が9月15日、イタリア代表チームを率いるダビデ・カッサーニ監督とともにコースを視察した。

ビンチェンツォ・ニーバリ(左)。イタリアのダビデ・カッサーニ監督はeバイクを使用 ©Isolapress / Imola2020

当初の開催予定だったスイスが新型コロナウイルス感染拡大により政府通達で中止に。急きょイモラが代替開催地に名乗り出た。

2020年の世界選手権は9月20日に終了するツール・ド・フランスから1週間も経たずに開催するという異例のもの。しかも大会をコンパクト化し、エリート男女クラスしか開催しない。

●2020世界選手権ロード イモラ・エミリアロマーニャ大会日程

2020世界選手権ロードのコースとなったイモラサーキット ©Imola2020

9月24日 エリート女子タイムトライアル(31.7km)
9月25日 エリート男子タイムトライアル(31.7km)
9月26日 エリート女子個人ロードレース(143km/獲得標高2800m)
9月27日 エリート男子個人ロードレース(258.2km/獲得標高5000m)

モータースポーツのサーキット場として知られるイモラ ©Imola2020

ニバリと監督はエンツォ・エ・ディノ・フェラーリ競技場を入念にチェック。スタート/フィニッシュ地点となるのはもちろん、女子5周、男子9周の周回コースに常にサーキット場を通過するという設定となる。

さらにサーキットを出てからのコース上にある過酷なマッツォラーノとガッリステルナの登り、そしてニバリが得意とするサーキット場までの長い下りを実走した。

イモラの美しい町並みとサーキット場 ©Imola2020

「コースは難しいが選択肢もある。2つの上り坂は短いが非常に厳しい。とりわけ2つ目のガッリステルナは本当に難しいが、その後にサーキットに戻る長い下りが続く。この上りで得たタイム差を生かすためにはチーム戦略が求められるとともに、最高のコンディションでレースに臨む必要がある」とニバリ。

「規模の大きい大会をほんのわずかな準備期間で開催にこぎつけた組織委員会の素晴らしい仕事ぶりにまずは敬意を表したい。彼らがすでにレースコースの90%を再舗装していることを見たので、ボクたち選手は最高の状態で挑むつもりだ。イタリア選手を応援するためにイモラに集まってくれるファンのために素晴らしいショーを見せたい」

©Imola2020

1968年のアドルニに続くイタリア勢優勝なるか

1968年の世界選手権イモラ大会ではイタリアのアドルニが優勝した ©Imola2020
イモラサーキットに独走でゴールしたアドルニ。広報のチームカーに乗るのがメカニックのエルネスト・コルナゴ ©Imola2020

アラフィリップ、ファンアールト、フルサン、サガン

「私はこの周辺をとてもよく知っている。私の練習コースだからね」とカッサーニ監督。

「山岳スペシャリスト向きではなく、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュのようなクラシックレースを得意とする選手のためでもないと思っている。ジュリアン・アラフィリップ、ワウト・ファンアールト、ヤコブ・フルサンが有力だが、ペテル・サガンも要注意だ。ツール・ド・フランスからうまく照準を合わせてくれば上りがそれほど長いないから、彼の脚質には向いている。いずれにしても多くの選手に優勝の可能性がある」

2020世界選手権ロードのコース ©Imola2020

●世界選手権ロード イモラ・エミリアロマーニャ大会のホームページ

サイモン・イェーツがティレーノ〜アドリアティコ総合優勝

8ステージで開催された第55回ティレーノ〜アドリアティコが9月14日に最終日を迎え、ミッチェルトン・スコットのサイモン・イェーツが総合優勝した。

ティレーノ〜アドリアティコ総合優勝のサイモン・イェーツ。左が2位ゲラント・トーマス、右が3位ラファウ・マイカ ©LaPresse – Fabio Ferrari

17秒遅れの総合2位はイネオス・グレナディアスのゲラント・トーマス(英国)、29秒遅れの総合3位はボーラ・ハンスグローエのラファウ・マイカ(ポーランド)。

最終日のタイムトライアルを走るサイモン・イェーツ ©LaPresse – Marco Alpozzi
ティレーノ〜アドリアティコ総合優勝のサイモン・イェーツ ©LaPresse – Marco Alpozzi
ティレーノ〜アドリアティコ ©LaPresse – Fabio Ferrari

●ティレーノ〜アドリアティコのホームページ

CCCの2選手が新型コロナウイルス感染でティレーノ除外

CCCチームはイタリアで開催中のステージレース、ティレーノ〜アドリアティコからルーカス・ビシニオウスキーとシュモン・サイノク(ともにポーランド)を撤退させた。9月14日にチームが発表した。

ティレーノ〜アドリアティコ第7ステージ ©LaPresse – Fabio Ferrari

ビシニオウスキーは、大会期間中に軽度の症状を発症。13日の第7ステージをリタイアし、その日の夕方に受けたPCR検査で陽性となった。ビシニオウスキーは再確認のためにもう一度PCR検査を受ける。

CCCチームのCovid-19ポリシーに従って、ビシニオウスキーのルームメイト、サイノクは自動的にレースから撤退し、PCR検査を受ける予定。

チームはティレーノ〜アドリアティコの医療チームと協議して、レースに同行しているすべての選手とスタッフを、13日夕方と14日朝の2回にわたってPCR検査を実施。全員が非感染だったため、大会主催者のRCSが規定する特別ルールに則してレースを続行することになった。

●CCCのホームページ

ポガチャル2勝目、ベルナル脱落…ツール・ド・フランス第15S

第107回ツール・ド・フランスは9月13日、リヨン〜グランコロンビエール間の174.5kmで第15ステージが行われ、44秒遅れの総合2位タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)が首位のプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)を振り切って今大会2勝目を挙げた。

マイヨジョーヌのログリッチとアシスト陣。2020ツール・ド・フランス第15ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet

ポガチャルがボーナスタイム10秒、ログリッチが6秒を獲得し、タイム差は40秒となった。

エガン・ベルナルが第15ステージで苦戦 ©A.S.O. Pauline Ballet

前年の総合優勝者エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアス)は7分20秒遅れで、総合優勝争いから一気に脱落した。

2020ツール・ド・フランス第15ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet
NTTのミヒャエル・ゴグル(オーストリア)とB&Bホテルズ・ビタルコンセプトのピエール・ロラン(フランス)が抜け出す ©A.S.O. Pauline Ballet
2020ツール・ド・フランス第15ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet
2020ツール・ド・フランス第15ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet
2020ツール・ド・フランス第15ステージ ©A.S.O. Thomas Maheux
2020ツール・ド・フランス第15ステージ ©A.S.O. Alex-Broadway
メイン集団を引っ張るユンボ・ビスマのトニー・マルティン。2020ツール・ド・フランス第15ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet
2020ツール・ド・フランス第15ステージ ©A.S.O. Alex-Broadway

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)
マイヨベール(ポイント賞)サム・ベネット(アイルランド、ドゥークニンク・クイックステップ)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ブノワ・コズネフロワ(フランス、AG2Rラモンディアール)
□マイヨブラン(新人賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)

2020ツール・ド・フランス第15ステージ ©A.S.O. Thomas Maheux

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