コロナ禍で大ブームでも冬の自転車通勤は快適に安全に

コロナ禍において電車移動時の「密」を回避できる自転車通勤・通学をする人が増えている。政府も「新しい生活様式」の1つとして、自転車通勤・通学を全面的に推奨。健康にも、労働生産性にもいいとされる自転車だが、安全にそして快適に走るためにはしっかりと準備をする必要がある。

自転車の需要増。自転車ショップはニーズに対応

首都圏などに二度目の緊急事態宣言が発出されているが、日常の買い物、通勤や通学などで外出しなければならない場合もある。その際、密を避けるための有効な移動手段として、自転車を新規に購入する人が増えている。欧州の大都市でもそれが顕著で、日本のパーツメーカーの供給が追いつかないほどの自転車ブームだと報じられている。

「新規購入や整備依頼のニーズに対応すべく、自転車販売店は営業していますので、お困りの際は最寄りの自転車販売店に相談してください」と、自転車普及を推進する自転車協会のコメント。

その一方、コロナ禍による自転車利用者の急増で事故も増加していると指摘する。

「自転車は道路交通法上の軽車両であるということを認識し、ルールとマナーの遵守をお願いするとともに、怪我をすることでひっ迫する医療機関に負担をかけないよう、乗車時にはヘルメットの着用など安全への十分な配慮を」とつけ加えている。

冬でも快適に走るためのアイテム

パーツやアクセサリーなどを通販するワールドサイクルの岩田康裕さんが、2020年春の緊急事態宣言時に引き続き、自転車通勤・通学を劇的に快適化するアイテムを選んでくれた。前回のポイントは汗対策だったが、今回は冬の寒さや暗さをどう乗り切るか。

「グローブやシューズカバーなど、汚れの目立つものはどうしても黒っぽいものを選びがちですが、冬場は昼間でも天気が悪いと車から見えにくくなります。ヘルメットやウエアなどを含めて明るめの色を選ぶのがおすすめです」と岩田さん。紹介したものはすべてワールドサイクルで扱われている通販商品。価格はすべて税込み。

耳をガード

R250 ヘルメットイアーウォーマー
ヘルメットの内側にマジックテープで取り付けられるイアーウォーマー。1782円。

花粉症対策

POiデザイン ツアーマスク ブラック
花粉や排ガス対策で便利。交換が可能な高性能フィルターを装備したバルブ付き高性能マスク。欧米で需要が急増し、完売が予測されるので、在庫のあるうちに。2353円。

操作性も考慮

R250 ウィンターハンドルカバー ドロップハンドル用 ネオプレーン ブラック
ドロップハンドル用ハンドルカバー。手が小さい人にもおすすめ。ブレーキ部分のみならずハンドル下部も握れる。6050円。

足もとを守る

R250 ウィンターシューズカバー ネオプレーン ブラック
防風性、保温性の高いネオプレーン素材を使用したシューズカバー。大きめのリフレクターがあるで、夜間走行時の被視認性も高い。3850円。

熟年になったら

遠近両用調光アイウェアー(現在欠品中)
サイクルコンピュータの表示が見にくくなった人に便利な遠近両用サングラス。9801円

対向者に配慮

ガシロン V6C400 ヘッドライト USB充電 自動調光
十分な明るさを確保しつつ、上方向への配光をカットする設計で対向車や歩行者がまぶしくないように配慮したモデル。3828円。
【関連ニュース】高機能自転車用ライトオーライトが日本で販売開始

遅刻しないため

パナレーサー グラベルキング プラス 700C(622) フォルダブル
途中でパンクをしたら会社や学校に間に合わない。そのため耐パンク性能を強化したタイヤ。1本4829円。

ツール・ド・ノルマンディーは2年連続でコロナ禍中止

3月22日から28日までフランスで開催予定だったツール・ド・ノルマンディーは2020年に引き続いて2021年も新型コロナウイルス感染拡大により中止となった。大会主催者が出場選手やチームにリスクを取らせないという選択肢を選んだ。

新型コロナウイルス感染の第二波がピークを越えた感があるフランスでは、1月31日にグランプリ・マルセイエーズ、2月3〜7日にエトワール・ド・ベッセージュ、2月11〜14日にツール・ドラ・プロバンスとシーズン当初のレース開催に向けて準備が進められている。しかしフランス北西部のノルマンディーを舞台とした大会は2年連続で中止となった。

「現在の感染状況、今後数週間の見通し、コロナ禍の人の移動や活動の制約を考慮して我々は大会をキャンセルする決定をした」と組織委員会。

「出場25チームの選手やスタッフにリスクを与えたくない。また大会には多くのボランティアが運営を助けてくれてきたが、危険な週に変わるべきではない」と述べた。

●ツール・ド・ノルマンディーのホームページ

コロナ禍でも全国の自転車販売店は閉めずに対応

一般社団法人自転車協会が、緊急事態宣言発出による自転車販売店の状況と自転車利用時のお願いを自転車協会ホームページに掲載。外出自粛でも消費者のニーズに対応するために営業を続けること、安全走行で事故を起こさないことでひっ迫する医療機関に負担をかけないように依頼した。

「緊急事態宣言」発出による自転車販売店の状況と自転車利用時のお願い

はじめに、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患された方々、関係者のみなさまに心よりお見舞い申し上げます。また、医療現場に従事されているみなさまのご尽力に心より感謝申し上げます。

さて令和3年に入り新型コロナウイルスの感染は全国的に急激に拡大し、1月8日には2回目となる「緊急事態宣言」が日本政府より発令されましたが、先行きが不透明な状況に直面しています。

不要不急の外出は自粛するよう、国や各自治体から要請が出ている状況においても、日常の買い物、通勤や通学、健康維持のための屋外での運動など、外出が必要 な場合もあろうかと思います。 その際、人との密を避けるための有効な移動手段として、自転車を新規にご購入される場合やお手持ちの自転車をメンテナンスして使用するなど、消費者のニーズに対応すべく、自転車販売店はお客様の感染リスクを最低限に抑えるような手段を講じたうえで営業しておりますので、自転車でお困りの際は最寄りの自転車販売店にお気軽にご相談ください。

一方、近年の自転車ブームに加えてコロナ禍による自転車利用者の急増で、残念ながら事故も増加している状況にあります。すべての自転車利用者におかれましては、自転車は道路交通法上の‘軽車両’であるということを認識いただき、ルールとマナーの遵守をお願いするとともに、怪我をすることでひっ迫する医療機関に負担をかけないよう、乗車時にはヘルメットの着用等、安全への十分な配慮を重ねてお願いいたします。

●自転車協会の詳細ホームページ

ポガチャルがワクチン摂取…コロナ禍の発端となったUAEエミレーツが対策

2020ツール・ド・フランス総合優勝のタデイ・ポガチャル(スロベニア)を含むUAEエミレーツの所属27選手が、1月7日にUAEで新型コロナウイルスのワクチン接種を受けた。

2020ツール・ド・フランスを制したUAEエミレーツのタデイ・ポガチャル ©A.S.O. Pauline-Ballet

新型コロナウイルスに自転車界で最初に罹患したのもUAEエミレーツだが、最初のワクチン接種も同チームとなった。2020年2月23日に開幕したUAEツアーで参戦中だったUAEチームエミレーツのイタリア人メカニックとマッサーが新型コロナウイルスに罹患したのが事の発端だった。

7日間のステージレースは新型コロナウイルスに罹患したスタッフがいたことで、大会5日を終わった段階で中止。その後、自転車ロード界もコロナ禍に飲み込まれ、すべてのレースが中止あるいは延期となっていった。

チームのスプリンター、フェルナンド・ガビリア(コロンビア)はこのときを含めてシーズン中に2度も罹患。病院で1カ月を過ごした。

今回、チームはアブダビで7日に始まったトレーニングキャンプの開始時にワクチン接種を実施。27選手と32人のスタッフが対象で、UAE保健省によって承認された中国のシノファームワクチンを摂取した。

●UAEエミレーツのホームページ

コロナ禍で自転車通勤が注目…2020自転車10大ニュース

自転車活用推進研究会が選んだ「自転車10大ニュース」が発表された。2020年に起きた38本の主な自転車関連ニュースから、ウェブ投票で「自転車10大ニュース」を選んだ。

今回は半数がなんらかの形で新型コロナウイルスの感染拡大に関連するニュースだった。そんな中でもタンデム解禁地域の増加、ギネス記録の誕生、自転車ルートを検索できるアプリの登場など前向きのニュースもあった。

保険義務化やバーチャルサイクリングなど、意識の高まりや新しい楽しみ方も感じられ、利用環境も少しずつだが着実に前進しているという。

投票は同研究会会員は1票につき2ポイント、一般の1票は1ポイントとカウントした。

2020自転車10大ニュース投票結果
(各項目をクリックすると関連ニュースに飛びます)

COVID-19で自転車通勤が注目。スポーツ自転車や電アシ車のサブスク本格化…79
東京都でも自転車保険の加入が義務化。自転車通勤増加により加入者も急増…73
コロナ禍で自転車イベントのほとんどが中止/延期。運営事業者は冬眠状態…66
④時短のため高速道路利用などウーバーイーツ配達員のルール無視に批判殺到…55
タンデム自転車の公道走行解禁が36道府県に。東京でも一部解禁→検証へ…51
改正道交法が施行。あおり運転を摘発対象とし普通自転車に四輪自転車も…49
株式会社シマノが時価総額2兆円超えで日産自動車やJR西日本を上回る…46
42歳自転車店経営者が日本縦断約2600kmを6日半で走破してギネス更新…29
ZWIFTなどを使ってインドアサイクリングが楽しめるイベントが試みられる…27
各社の経路検索アプリで自転車のルートが検索できるよう仕様変更が進む…25

そのほかのノミネート28本

世界選手権・自転車トラック、女子オムニアムで梶原悠未選手が優勝
推進本部で第二期自転車活用推進計画の策定に向けた有識者会議始まる
東海道・山陽・九州新幹線の最後尾座席裏スペースの予約・有料化が始まる
自転車ヘルメット委員会が全国1万人にアンケート。着用率No.1は愛媛県
赤字解消に少しは貢献できるか? 各地でサイクルトレインの導入が進む
自活研研究会や自転車利用環境向上会議など講演会や勉強会がオンライン化
特別給付金等で自転車販売は伸びたが完成車・部品が入荷せず機会損失も
年長さんもOK。大分県を皮切りに自転車幼児座席の6歳未満規制を見直し
シェア電動キックボードに限って自転車専用レーン走行の実証実験が始まる
官民連携協議会が自転車通勤宣言企業を募集。初回は24団体が認定される
自転車議連の後押しで21年度にシェアサイクルポート固定資産税減税創設
星野リゾートJR土浦駅プレイアトレにサイクリングホテルBEB5オープン
国交省の若手職員が担当する「2040年、道路はこう変わる」ビジョン発表
太平洋岸自転車道のミッシングリンクだった大磯の区間がようやく全線開通
コカ・コーラボトラーズジャパンが新制度策定し全従業員に自転車通勤推奨
ドコモ・バイクシェアの年間利用が1200万回を超える。新アプリが好評
自活研が国連世界自転車デーに、自転車利用を応援するための宣言を発表
新技術等実証制度でglafitのGFRが自転車と原付を「切り替え」走行可能に
しまなみ海道にi.i.imabari! cycle stationや総合施設のWAKKAが誕生
中国から来たシェアサイクルMobikeが日本から完全撤退
東急電鉄が電車やバスと映画に自転車を組み合わせたサブスクの実験を延期
自活研とCEJ連名で都知事選の候補者に自転車レーン等公開質問状を送る
東京都庁に自転車部が創設されイベントを開催。顧問は宮坂副知事が務める
ドコモ・バイクシェア、ウーバーイーツ配達員向けの使い放題プランを終了
徳島県の消防が災害時の先行隊用に極太タイヤのファットバイクを導入
メダルが期待されるBMXフリースタイル中村輪夢選手専用の新パーク完成
自転車協会BAAのCMにラグビー日本代表の田中史朗選手が起用される

●自転車活用推進研究会のホームページ

皮肉にも若手の躍進を後押ししたコロナ禍…2020シーズン

異例続きとなった2020自転車ロードシーズン。欧州に新型コロナウイルス第一波が襲来した春から夏はすべての大会が延期あるいは中止に。シーズン後半に主要大会が集約開催され、なんとか伝統をつなげた感がある。一方で、自宅にいながらバーチャルレースする新機軸も。激動の1年が過ぎ去り、2021シーズンはどうなる?

レース中でない時はマスク必着。マイヨジョーヌのログリッチとマイヨベールのサガン ©A.S.O. Pauline Ballet

シーズン後半に主要大会を無理やり押し込めて開催

新型コロナウイルスの感染拡大が自転車競技界に影響を与え始めたのは2020年2月末のUAEツアーからだった。出場チームのスタッフが感染したことが発覚し、レース中止。地元チームのUAEエミレーツに所属しているフェルナンド・ガビリア(コロンビア)も感染した。3月8日には8日間の日程でフランスのパリ〜ニースが開幕したが、感染拡大を受けて2日目からスタートとゴールに観客を入れない運営で強硬。ところが事態は悪化し、最終日のレースを急きょ打ち切った。

沿道に観客がいないコースを走るパリ〜ニース第5ステージ ©A.S.O. Fabien Boukla

それ以降はすべてのレースが延期、あるいは中止となった。第一波が収束した8月から主要大会が続々と延期開催されたが、極めてタイトな日程で、三大大会のジロ・デ・イタリアとブエルタ・ア・エスパーニャにいたっては日程が重複した。こういった不測の事態が20代前半の若手選手には追い風となった。大会日程がすし詰め状態なので各チームは実績のある選手ばかりを主要大会に送り込む作戦が取れず、経験のない若手選手を起用せざるを得ない状況となったからだ。

チャンスを与えられた若手が次々と大金星を手中にしていく。ツール・ド・フランスでは21歳のタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)が初優勝。ジロ・デ・イタリアでは若手選手がし烈な優勝争いを展開し、25歳のタオ・ゲオゲガンハート(英国、イネオス・グレナディアス)が初優勝した。

若手選手が総合優勝争いを展開した2020ジロ・デ・イタリア。ゲオゲガンハートに続いて新人賞のヒンドレー、マリアローザのケルデルマンが走る ©Fabio Ferrari/LaPresse

各大会の主催者は感染拡大の防止対策を徹底した。選手やチームスタッフ、限られた運営スタッフをバブルと呼ばれる空間に隔離し、可能な限り外部との接触を断った。選手はレースを走っている時以外はマスクを着用。表彰式でリーダージャージーにソデを通すという儀式をやめ、登壇者はあらかじめジャージーを着用し、花束を手に持って現れた。スタート前の出走サインはカメラの前に立って顔認証で済ませるようにもした。

ただし体育館やスタジアムで行われるスポーツと異なり、いくらスタート地とゴールを無観客にしても沿道には人が集まる。とりわけ上り坂には興奮したファンが殺到し、3密状態は避けられなかった。現在の欧州各国は猛烈な第二波が押し寄せる。2021年の自転車競技日程は従来通りの予定でプログラムする方向にあるというが、前途は多難。

突如のバーチャル化でオンライン世界大会も開催

リアル大会ができないなら選手の自宅をオンラインでつないでレースしようというアイデアも実現した。自転車は室内トレーナーというマシンがあれば、ロックダウン下でもハイレベルな練習が可能だ。さらに最近はモニターに表示されるコースの起伏にリンクしてペダルに負荷をかける装置が普及した。参加選手自宅の温度や風通しなどによってレース環境が公平でないという問題点はあるが、イベントとしては興味深く、実際に白熱したレースが行われた。

2020ブエルタ・ア・エスパーニャで顔認証による出走サインをするログリッチ ©PHOTOGOMEZSPORT2020

春に開催される予定だったミラノ〜サンレモは延期になったが、主催者が意地を見せた。開催されるはずだった同時刻に、実際のコースと同じ負荷がバーチャルで再現されるアプリを提供。世界中のサイクリストがオンラインで一緒に汗を流した。

5月に開催されるはずだったジロ・デ・イタリアはバーチャルレース開催を宣言。出場予定だったプロ選手が参戦して、ガチバトルで優勝を争った。12月にはついに国際自転車競技連合がバーチャルレースを公認。優勝者のアバター(画面に表示される選手)には世界チャンピオンジャージが提供された。

●国際自転車競技連合のホームページ