コロナ禍で自転車通勤が注目…2020自転車10大ニュース

自転車活用推進研究会が選んだ「自転車10大ニュース」が発表された。2020年に起きた38本の主な自転車関連ニュースから、ウェブ投票で「自転車10大ニュース」を選んだ。

今回は半数がなんらかの形で新型コロナウイルスの感染拡大に関連するニュースだった。そんな中でもタンデム解禁地域の増加、ギネス記録の誕生、自転車ルートを検索できるアプリの登場など前向きのニュースもあった。

保険義務化やバーチャルサイクリングなど、意識の高まりや新しい楽しみ方も感じられ、利用環境も少しずつだが着実に前進しているという。

投票は同研究会会員は1票につき2ポイント、一般の1票は1ポイントとカウントした。

2020自転車10大ニュース投票結果
(各項目をクリックすると関連ニュースに飛びます)

COVID-19で自転車通勤が注目。スポーツ自転車や電アシ車のサブスク本格化…79
東京都でも自転車保険の加入が義務化。自転車通勤増加により加入者も急増…73
コロナ禍で自転車イベントのほとんどが中止/延期。運営事業者は冬眠状態…66
④時短のため高速道路利用などウーバーイーツ配達員のルール無視に批判殺到…55
タンデム自転車の公道走行解禁が36道府県に。東京でも一部解禁→検証へ…51
改正道交法が施行。あおり運転を摘発対象とし普通自転車に四輪自転車も…49
株式会社シマノが時価総額2兆円超えで日産自動車やJR西日本を上回る…46
42歳自転車店経営者が日本縦断約2600kmを6日半で走破してギネス更新…29
ZWIFTなどを使ってインドアサイクリングが楽しめるイベントが試みられる…27
各社の経路検索アプリで自転車のルートが検索できるよう仕様変更が進む…25

そのほかのノミネート28本

世界選手権・自転車トラック、女子オムニアムで梶原悠未選手が優勝
推進本部で第二期自転車活用推進計画の策定に向けた有識者会議始まる
東海道・山陽・九州新幹線の最後尾座席裏スペースの予約・有料化が始まる
自転車ヘルメット委員会が全国1万人にアンケート。着用率No.1は愛媛県
赤字解消に少しは貢献できるか? 各地でサイクルトレインの導入が進む
自活研研究会や自転車利用環境向上会議など講演会や勉強会がオンライン化
特別給付金等で自転車販売は伸びたが完成車・部品が入荷せず機会損失も
年長さんもOK。大分県を皮切りに自転車幼児座席の6歳未満規制を見直し
シェア電動キックボードに限って自転車専用レーン走行の実証実験が始まる
官民連携協議会が自転車通勤宣言企業を募集。初回は24団体が認定される
自転車議連の後押しで21年度にシェアサイクルポート固定資産税減税創設
星野リゾートJR土浦駅プレイアトレにサイクリングホテルBEB5オープン
国交省の若手職員が担当する「2040年、道路はこう変わる」ビジョン発表
太平洋岸自転車道のミッシングリンクだった大磯の区間がようやく全線開通
コカ・コーラボトラーズジャパンが新制度策定し全従業員に自転車通勤推奨
ドコモ・バイクシェアの年間利用が1200万回を超える。新アプリが好評
自活研が国連世界自転車デーに、自転車利用を応援するための宣言を発表
新技術等実証制度でglafitのGFRが自転車と原付を「切り替え」走行可能に
しまなみ海道にi.i.imabari! cycle stationや総合施設のWAKKAが誕生
中国から来たシェアサイクルMobikeが日本から完全撤退
東急電鉄が電車やバスと映画に自転車を組み合わせたサブスクの実験を延期
自活研とCEJ連名で都知事選の候補者に自転車レーン等公開質問状を送る
東京都庁に自転車部が創設されイベントを開催。顧問は宮坂副知事が務める
ドコモ・バイクシェア、ウーバーイーツ配達員向けの使い放題プランを終了
徳島県の消防が災害時の先行隊用に極太タイヤのファットバイクを導入
メダルが期待されるBMXフリースタイル中村輪夢選手専用の新パーク完成
自転車協会BAAのCMにラグビー日本代表の田中史朗選手が起用される

●自転車活用推進研究会のホームページ

自転車10大ニュースに38ノミネート…一般も投票可

自転車活用推進研究が2020年も恒例の「自転車10大ニュース」の選定を行う。会員のみならず一般も投票できる。2020年に起きた自転車にまつわるニュース38本から大きなニュースだったと思うものに投票できる。

2019年の自転車10大ニュース

会員は1票につき2ポイント、一般の1票は1ポイントとカウントし、得票の多いものから順位をつけて公表する。投票締め切りは12月23日正午。

●投票フォームを掲載した自転車活用推進研究会ホームページ

自転車ニュースとしてノミネートされた38テーマ

推進本部で第二期自転車活用推進計画の策定に向けた有識者会議始まる

COVID-19で自転車通勤が注目。スポーツ自転車や電アシ車のサブスク本格化

特別給付金等で自転車販売は伸びたが完成車・部品が入荷せず機会損失も

新技術等実証制度でglafitのGFRが自転車と原付を「切り替え」走行可能に

星野リゾートJR土浦駅プレイアトレにサイクリングホテルBEB5オープン

東急電鉄が電車やバスと映画に自転車を組み合わせたサブスクの実験を延期

メダルが期待されるBMXフリースタイル中村輪夢選手専用の新パーク完成

東京都でも自転車保険の加入が義務化。自転車通勤増加により加入者も急増

タンデム自転車の公道走行解禁が36道府県に。東京でも一部解禁→検証へ

世界選手権・自転車トラック、女子オムニアムで梶原悠未選手が優勝

徳島県の消防が災害時の先行隊用に極太タイヤのファットバイクを導入

日本郵便がオリジナルフレーム切手NATIONAL CYCLE ROUTEの販売開始

年長さんもOK。大分県を皮切りに自転車幼児座席の6歳未満規制を見直し

官民連携協議会が自転車通勤宣言企業を募集。初回は24団体が認定される

ZWIFTなどを使ってインドアサイクリングが楽しめるイベントが試みられる

時短のため高速道路利用などウーバーイーツ配達員のルール無視に批判殺到

シェア電動キックボードに限って自転車専用レーン走行の実証実験が始まる

ドコモ・バイクシェアの年間利用が1200万回を超える。新アプリが好評

改正道交法が施行。あおり運転を摘発対象とし普通自転車に四輪自転車も

東海道・山陽・九州新幹線の最後尾座席裏スペースの予約・有料化が始まる

自活研とCEJ連名で都知事選の候補者に自転車レーン等公開質問状を送る

太平洋岸自転車道のミッシングリンクだった大磯の区間がようやく全線開通

しまなみ海道にi.i.imabari! cycle stationや総合施設のWAKKAが誕生

各社の経路検索アプリで自転車のルートが検索できるよう仕様変更が進む

自活研研究会や自転車利用環境向上会議など講演会や勉強会がオンライン化

株式会社シマノが時価総額2兆円超えで日産自動車やJR西日本を上回る

国交省の若手職員が担当する「2040年、道路はこう変わる」ビジョン発表

自転車ヘルメット委員会が全国1万人にアンケート。着用率No.1は愛媛県

42歳自転車店経営者が日本縦断約2600kmを6日半で走破してギネス更新

コカ・コーラボトラーズジャパンが新制度策定し全従業員に自転車通勤推奨

赤字解消に少しは貢献できるか? 各地でサイクルトレインの導入が進む

ドコモ・バイクシェア、ウーバーイーツ配達員向けの使い放題プランを終了

東京都庁に自転車部が創設されイベントを開催。顧問は宮坂副知事が務める

自転車協会BAAのCMにラグビー日本代表の田中史朗選手が起用される

中国から来たシェアサイクルMobikeが日本から完全撤退

自活研が国連世界自転車デーに、自転車利用を応援するための宣言を発表

自転車議連の後押しで21年度にシェアサイクルポート固定資産税減税創設

コロナ禍で自転車イベントのほとんどが中止/延期。運営事業者は冬眠状態

自転車10大ニュース1位は国の道路構造令に自転車通行帯

道交法6月30日改正…自転車あおり運転も施行令で取り締まり

日本政府は道路交通法の施行令改正を2020年6月9日に閣議決定。6月30日に施行される。同月2日に成立した自動車のいわゆる「あおり運転」を厳罰化した道交法改正に関連して、自転車についても従来の危険行為14項目に「妨害運転」を加えた。

自動車のあおり運転は違反点数25点、即免許取り消しで欠格期間は2年。高速道路上で相手を停車させるなど「著しい危険」を生じさせた場合は35点、欠格期間3年とされているが、これらの行政処分に加えて今回の改正で、道交法の刑事罰に3年以下の懲役または50万円以下の罰金、著しい危険は5年以下の懲役または100万円以下の罰金と定められた。

自転車については道交法本則ではなく施行令に、自動車やバイク、他の自転車の通行を妨げる目的で、逆走して進路をふさぐ、幅寄せ、進路変更、不必要な急ブレーキ、ベルをしつこく鳴らす、車間距離の不保持、追い越し違反などの行為を想定した「妨害運転」を危険行為として取り締まることにしている。

これらを含む15項目の違反を3年以内に2回犯すと14歳以上に安全講習を義務化した。

この背景には、コロナ禍で急増した出前自転車の迷惑運転が目立つことや、昨年、埼玉県で摘発された「桶川のひょっこりはん事件(自転車に乗った状態で走行中の自動車に突っ込むふりをし、走行を故意に邪魔する)」などがあると思われる。

「ちょっと残念なのは、クルマのあおり運転厳罰化より面白いと思ったのか、自転車あおり運転報道がより大きなニュースになっていることです」とNPO自転車活用推進研究会

「本筋はクルマ、それに幅寄せや割り込みなど自転車に対するあおり行為こそ問題だと思います。とはいえ、自転車も顰蹙を買う運転が散見されます。新しく自転車を使い始めた知人がいたら、ぜひさりげなく安全運転の心得をご伝授ください」

●NPO自転車活用推進研究会のホームページ

コロナ後は自転車通勤激増でこれまで以上に注意が必要

NPO自転車活用推進研究会が自転車専門誌のバイシクルクラブと共同で、新型コロナウイルスの感染拡大対策の一つとして増えつつある自転車利用の現在と、コロナ収束後の自転車利用を予測し、どのような対策が必要かを模索するためのアンケートを行った。

2020年5月15日12時から5月19日24時までの間に1652件の回答があった。

今回のアンケートは自転車愛好家を中心としたデータで、さらに詳しい分析をするにはまだ時間が必要で、全貌を把握するにはもう少し時間がかかるという。ただ、単純に以下2つの質問から、コロナ蔓延前と経済活動再開後での交通手段の比較を集計すると、明らかな自転車へ通勤・通学へのシフトがみられた。

・コロナウイルス蔓延前の通勤、通学の主な交通手段はなんですか?
自転車利用率 全国37.6%  東京37.6%

・今後、経済活動が再開した場合、通勤や通学の主な交通手段はどうされますか?
自転車利用率 全国50.9%  東京54.3%

この結果から、公共交通機関から3密を避けられる自転車利用へシフトする人口が存在するといえる。ただ、今回のアンケート結果は30~40歳代を中心としていて、学生など10~20歳代の動向も追加で調べる必要があるという。

ここで東京を取り上げたのは、各都市を比較して自転車利用率の上昇が高いからだとも。普段から自転車利用が比較的多い大阪や愛知などに比べ、いままで東京は道路事情、駐輪場や会社の制度など通勤に自転車を利用する条件がそろっていないために、自転車通勤しにくいかった傾向がある。ただ、この時代の変化で自転車の利用が注目され、急激な変化が起きようとしている。

あくまでも愛好家のデータだが、増加する可能性は高い。
安全で快適な通行空間の整備は喫緊の課題だ
(自転車活用推進研究会小林成基)

特に東京のデータに顕著ですが、自粛解禁のタイミングでコロナ前に比べ電車通勤が約17%減り、自転車が同じくらい増えるという結果は恐怖を感じる。自転車の健全な活用を推進する立場としてはたいへんにうれしいことだが、この急激な変化で「健全」を維持することは至難とも思えるからだ。

東京の1日あたりの電車利用者はJR、地下鉄だけみても、京浜東北線約1500万人、山手線約1580万人、中央総武線約1950万人、東京メトロ9路線で約742万人、都営4路線で約282万人、私鉄を含めこれらと重複が多いのだが、人口の4倍にも当たる延べ約6000万人もの人が電車を利用していることになる。

今回のアンケートで、男性の40、50代の回答者が多いので、これらの路線の乗客で該当する割合を計算すると、約14%に当たる。実に約840万人。1日に20時間稼働しているから、単純計算では1時間に約42万人、その17%は約7万人である。そんなにも多くの人が新たに自転車通勤を始めたとしたら……。このデータは自転車愛好家のアンケートをベースにしているという前提なので、おおげさかもしれないが、想像を絶する明日がやってくるかも知れない。

海外の都市で、急増する自転車通行に備えて車線を変更したり、専用通行帯を整備し始めているのは、需要爆発が見えてきているからだ。パンデミック(世界的な感染拡大)は街の自転車にも伝播しつつある。シンプルでわかりやすいルールの徹底、そして安全で快適な通行空間の整備は喫緊の課題だと言えよう。

●NPO法人自転車活用推進研究会のホームページ
●バイシクルクラブの詳細ホームページ

自転車活用推進研究会がコロナ後の自転車活用緊急アンケート

自転車活用推進研究会が5月19日まで「コロナ後の自転車活用についての緊急アンケート」をバイシクルクラブ編集部と共同で行う。新型コロナウイルスの感染拡大対策の一つとして増えつつある自転車利用の現在と、コロナ終息後の自転車利用を予測し、どのような対策が必要かを模索するため。

海外ではコロナ禍の出口論として、自転車活用が提案されている。3密を避け、さらに公共交通機関の乗車率を抑制できる自転車利用は、自粛解除後の日本でも増加するものと期待している。

ただ、通勤・通学の手段がどれほどの規模で変化するか、場合によっては道路の容量を超える可能性もあり、過度の交通集中で新たな危険が生じるかもしれない。そこで増加傾向を把握し、自転車活用をより安全に快適に保つための政策提言を準備したいと考えたという。

「みなさまのご協力をお願いするとともに、どうか、ご家族、友人知人にもアンケートへの参加をお呼びかけいただきますようお願い申し上げます」と同研究会。

アンケートへの回答は、自活研サイトのトップページから、または専用ページから。設問は16項目。5分以内に回答選択が終了する。締め切りは5月19日(火)の深夜24時。

■集計結果と分析はでき次第、自活研サイトとバイシクルクラブ公式サイトなどで公開するが、途中集計状況も専用ページでチェックできる。

また、自転車活用推進研究会のヘルメット委員会が着用実態の把握調査の資金を集めている。【自転車ヘルメット着用率の全国47都道府県市場調査】費用のためのクラウドファンディング。3000円から。

しまなみ海道はどうやって世界一になったかの研究講座

しまなみはどうやって住民と行政を巻き込んで世界一になったか!」をテーマにした2019年度第13回自転車活用研究会のセミナーが2020年3月13日(金)に東京・南青山のライフ・クリエーション・スペース OVE南青山で開催される。

しまなみ海道をいく。サイクリング専用道ではなく、歩行者も利用するので、出会ったときは減速するなどゆとりを持って

今や世界的に有名になったしまなみ海道は、NPO法人シクロツーリズムしまなみの存在なくして語れない。かつてはサイクリングと無縁だった島々を結ぶ生活のための橋。島民、行政、さまざまな民間団体を巻き込み、サイクリストと住民との交流を積み上げて10年。ナショナルサイクルルートに認定されるまでに育て上げた「しまなみ海道」の今とこれからを、新刊『しまなみ島走(とうそう)PLAN』(OVEでも販売中・1400円)を上梓(じょうし)したシクロツーリズムしまなみスタッフの宇都宮一成さんが、しまなみ成立の謎を解き明かす。

宇都宮一成(うつのみやかずなり)
1968年愛媛県西予市出身。10年半をかけて夫婦で日本人初のタンデム自転車世界一周を遂行し、五大陸88カ国、10万5805kmを巡る。2009年にNPO法人シクロツーリズムしまなみの立ち上げに関わり、サイクリストと住民の交流をテーマとしたまちづくりに取り組む。しまなみポタリングガイドとして、自転車旅メニューを開発中。著書『世界でいちばん長いハネムーン』(風濤社)、『88ヶ国ふたり乗り自転車旅』(幻冬舎)、『しまなみ島走BOOK』(NPO法人シクロツーリズムしまなみ)

ライフクリエーションスペースOVE。港区南青山にある

しまなみはどうやって住民と行政を巻き込んで世界一になったか!
日時=2020年3月13日(金)18:30〜20:30
場所=ライフ・クリエーション・スペース OVE南青山
東京都港区南青山3-4-8 KDXレジデンス南青山 1F
地下鉄「外苑前」駅1a出口から、青山通りを渋谷方面へ。南青山三丁目交差点を左折し、直進。最初の信号のある交差点を右へ(角のSKI SHOP JIROが目印)。坂の途中、青山迎賓館の向かい。約600m・徒歩約8分。
会費=自転車活用推進研究会員500円(非会員3000円)
閉会後の懇親会=OVEで開催。申し込みの際「懇親会に参加する」を選び、参加費1000円を会場入り口で開会前に支払う。

●詳細と申し込みサイト