パンダーニのエアロ生地デザインマスクはなんと81種類

ランニング&サイクルウエアのパンダーニからスポーツに最適なデザインマスクが追加発売された。イタリア製最高級スポーツ生地と夏用メッシュ生地で、 呼吸しやすく軽量ストレスフリーな仕上がり。各2178円(税込み)。

イタリア製のスポーツ生地を表面に、内側には夏仕様のメッシュ生地を使って通気性をさらに向上させた。呼吸のしやすさはスポーツ時はもちろん普段使いでも長時間装着したくなるもの。最新の物は紐調節も付いてストレスフリーな仕上がり。

マスクの軽さも特筆物でSサイズはなんと7.9gと装着していることを忘れさせるほどだ。最新のデザインは和柄モチーフやTATOO柄など多彩な展開。見て楽しく装着して軽くて通気性のいいマスク、スポーツメーカーならではの快適性がある。

Printed Mask / マスク

吸湿速乾性に優れたスポーツ生地を使用していて、「エアロ生地タイプ」と「ドットメッシュ生地」の2タイプがある。なかでも空気抵抗を軽減するすることで注目されたエアロ生地は風の張り付きが弱まり、圧を感じにくくなることを期待している。

マスクは2重構造になっているので、生地の間に市販のフィルターを差し込むことが可能。フィルターの選択により防ウィルス性能を調整することができる。ゴム紐のシリコン玉の位置を変えることにより、紐の長さを調整可能なタイプがある。

紐の長さを調整可能なタイプもある

エアロ生地 
ツール・ド・フランスなどのサイクルレースでは主に平地での速さを追求するタイムトライアルというレースがある。その現場で風洞実験を経てさかんに使用されてきたイタリア製の最高級機能性スポーツ生地。表面は光沢があり高級感もある。UV機能も備え、基本的な吸汗速乾性も優れていて空気の抜けもいい生地。

ドットメッシュ生地 
イタリア製の高機能性スポーツ生地。UV機能も備え基本的な吸汗速乾性も優れている。

Pandani Web Shop https://pandani.shop-pro.jp

サイズはスモールとレギュラー

Pandaniとは

パンダーニというネーミングは、イタリアの伝説的なヒルクライマー「マルコ・パンターニ」とブランドキャラクターの「空飛ぶパンダ」から。Pandaniは坂を愛する全ての自転車乗りに向けて、サイクルウエアのデザインを発信している。また、ランニングウエア、トライウエアも制作。デザインセクションはTOKYO UNDERGROUND DESIGNとして活動、自転車のグラフィックや一般アパレル商品を製作している。

北園丈琉「徳洲会で強くなりたい」…ユース五輪5冠の逸材

第3回ユースオリンピック競技大会で体操男子個人総合と種目別で計5個の金メダルを獲得した大阪・清風高の北園丈琉(きたぞのたける)が8月8日、大阪市天王寺区にある同校で練習を公開。2021年4月からは徳洲会体操クラブに所属することが決定し、目標を語った。

北園丈琉(左)と徳洲会体操クラブの米田功監督

「体操を続けていく上で、一番体操に専念できる環境であると思ったから」と、進路を決めた思いを語る北園。
「徳洲会体操クラブは全てが魅力的です。ここで強くなりたいと思いました」

高校を卒業して直接社会人クラブに所属することを選択した北園。
「人とは違うチャレンジをすることに不安もあったが、なにが一番いいのかをたくさん悩んで決めました」という。

大阪の清風高で練習する北園丈琉

清風高体操競技部の梅本英貴監督は、北園選手の決断について、「徳洲会体操クラブに所属するという決断は強い気持ちがないとできないと思う。北園選手の自身の夢への強さを感じました」と語った。
「体操だけではなく、社会に出ていろいろと経験を積み、人間として成長し、強さを身に着けてほしい。この力がつけば必ず世界で活躍できる選手になれると思います」と梅本監督。

徳洲会体操クラブの米田功監督は北園を迎えるにあたって、「徳洲会体操クラブとして世界で活躍する北園選手を迎え入れることができ、うれしく思っています。北園選手の強みは、自分の夢に向かいブレず前に進む力、素直な吸収力が技術を産んでいると思います」と評価した。

北園丈琉(きたぞの たける)
生年月日 :2002年10月21日
出身地 :大阪府
出身校 :清風高(大阪)
身長/体重:148cm/45kg ※公益財団法人日本オリンピック委員会参照

主な戦績
●2018年第3回ユースオリンピック競技大会 ☆史上初の5冠達成
男子個人総合優勝、男子種目別ゆか優勝、男子種目別つり輪優勝、男子種目別平行棒優勝、男子種目別鉄棒優勝

●2019年全国高等学校総合体育大会 ☆当時高校2年生ながら4冠達成
男子団体総合準優勝、男子個人総合優勝、男子種目別床優勝、男子種目別平行棒優勝、男子種目別鉄棒優勝、男子種目別あん馬準優勝、男子種目別つり輪準優勝

清風高体操競技部の梅本英貴監督(左)と北園丈琉

●徳洲会体操クラブのホームページ

青山学院大の強さを支える寮母・原美穂さんの共食効果

箱根駅伝の常勝チームである青山学院大の陸上競技部長距離ブロックの原晋監督と寮母を務める原美穂さんらが、青学の強さの秘密となる食事について語った。

夫の監督就任により経験も知識もなかった寮母に

2004年、夫である原晋さんの監督就任が決まってから、美穂さんとしては未経験の寮母という新生活が始まった。もちろんゼロからのスタートで、なにもわからない。「寮での生活スタイルがアスリートにとってはなによりも重要」とその重大さを認識し、独力で知識を習得していく。

「(私自身がその)環境に慣れることが大変。がんばりました」と陰の苦労は決して明かさない。

2020年の第96回箱根駅伝では9区で区間賞の走りを見せ、2年ぶり5度目の総合優勝をけん引した神林勇太主将(4年)は、「部員たちの食事は町田寮でいつも食べています。ワイワイと、学年は関係なくご飯を楽しんで、練習に向けての活力を蓄えています」と証言している。

2014年から栄養学を含めて青学陸上競技部のトレーナーを務めている中野ジェームズ修一フィジカルトレーナーは、「一般の人もアスリートも筋トレをすれば強くなると思いますが、食生活をしっかりしないと本来の意味で強くなれない」と食べることの大切さを力説している。

8月5日に開催された大腸活コンソーシアム主催のオンラインランチ会では美穂さんが手がけた昼食が披露された。

「いろんな品目を入れたほうがいいし、野菜もあったほうがいい。色もきれいにしたいので、この日はできれば赤を入れたかったんですが、神林くんがトマト嫌いなので」と優しさも見せる。

「寮では食事を残してはいけないというルールがあるんです。朝は必ずトマトを添えますが、鼻をつまみながら泣きながら食べている神林くんに、お昼にも出したらかわいそうかなと(笑)」

原監督は、「長距離選手は甘いものを食べないと思われるけれど、わが男子チームはそこまで管理せず、デザートも楽しんでいます。量が多いものを争ってジャンケン大会で取り合うほどです」とあとを続けた。

「1日だけ50kmとか100キロ走っても強くならないですよ。日々コツコツ走るのが重要です。栄養もそうです。日々の積み重ねで身体を作り上げていく。時には嫌いな練習もするし、嫌いな食べ物もきちんと摂る。いいスポーツカーに乗ってもガソリンが入ってないと走りませんから」(原監督)

青山学院大の原晋監督

中野トレーナーによれば1日14品目を摂ることを目標に食事メニューを考えてほしいという。その内訳は穀類、豆・豆製品、魚介類、肉類、牛乳・乳製品、卵、果物、海藻類、きのこ類、芋類、緑黄色野菜、淡色野菜」、油脂、嗜好品だ。

「かつては30品目と言われていましたが、厚生労働省も近年は摂りすぎであると指摘しています。健康維持・増進するためには14品目で十分なのです」

青学寮の食事は学年に関係なくワイワイと楽しく食べる

新型コロナウイルス感染拡大の防止策として、密にならない食事方法もあちこちで取りざたされているが、家族や仲間と一緒に会話をしながら楽しく食事することの意義も原監督は力説している。

「幸せホルモンと呼ばれるセロトニンを分泌させるために、ワイワイ楽しく食事をとるように、会話をするよう心がけています」

また就寝の3時間前には食事を終えることも重要だという。睡眠の時に副交感神経を優位にするのがいいが、食べたものが消化中ではなかなかその状態にならないからだ。良質の睡眠を取れば身体の回復も十分にできるのだ。

そして夏は脱水症状対策も怠らない。朝起きたら水をコップ1杯飲む。朝ごはんでもお味噌汁1杯をつけて体内の水分量を高めておく配慮を怠っていない。

青山学院大陸上競技部の町田寮で寮母を務める原美穂さん

美穂さんも「この時期の脱水には気をつけています」という。

「今年は梅雨が明けるのが遅く寒かったり暑かったり。そして昼と夜の温度差があると体調を落としやすいので、部員たちが着ている服もチェックしています」

一方、選手たちは水分とともに炭水化物を摂ることの大切さにも気づいている。

「夏は合宿で走る距離が長くなるので、エネルギーとなるご飯の量を増やしながら距離を伸ばしていきます。炭水化物が重要です」と神林主将。

さらに、脱水症状の対策として水だけを口にしてもダメだと中野トレーナーは証言している。

「食事としてしっかり糖質を摂っていないと、水を吸収できないんです。身体の中に保水させるためには炭水化物の摂取が重要。さらには発汗により鉄分が失われることも要注意。夏場はしのげても、秋くらいから貧血になることも多いんです」

「2時間08分30秒の初マラソン歴代2位、学生マラソン歴代2位の記録を作った吉田祐也(青学大→GMOアスリーツ)は毎食300gのご飯を計量して食べるように心がけていました。中野トレーナーからの指導をいまも守っています」(原監督)

青学陸上競技部の中野ジェームズ修一トレーナー

青学の強さ。自主性を学生たちがどう考えるか

スポーツ選手に自主性が求められると言われるが、「指導者がどのような考え方で、部員の自主性を価値のあるものにしていくかこそ重要であると原監督は力説している。

「高校時代の選手たちは、その日の練習をその日に知る。それがあたりまえでした。でも本来の指導者なら、もっと前から長期メニューや目標設定を渡して、それをふまえてそれぞれが自分たちの距離や強さを決めていく。これが自主性です」

青学に入ったら、自ら生きる力を学んでいってほしいという。

「だから”学生”なんです。高校時代は与えられたものをこなすだけ。大学ではすべてのことに対して自分で考える。そのことが当たり前になっていくべきです」

それに呼応するように、美穂さんは寮での食事をみんなで一緒に食べるように改革した。

「それでいきなり強くなるようなものではないけれど、今ではいい結果になっていると感じています。最初は好きな時間に好きな量を食べさせていましたが、食後に片付けをしていると残していることに気づきました。だったらみんなで一緒におしゃべりしながら食べましょう」

友達や家族と一緒に食べるのと同じだ。しゃべりながらだと噛む回数も増える。そうすると分泌する唾液の量も増える。

「素人の浅知恵なんですけれど」と美穂さんは謙そんする。

「小学校の給食は、土日に家で食べる時よりおいしかったり楽しかったりする経験がありました。科学的にはわからないけれど、栄養吸収が高まるんじゃないかなあと感じています」

「1人だとどうしても早く食べ終わりたいという気持ちになりますが、これでは唾液がうまく分泌できません」と中野トレーナー。

楽しく食事をすれば栄養吸収も成績も高まる

青山学院大陸上競技部長距離ブロックの神林勇太主将

「ゆっくりとみんなで一緒に食事をすれば、消化吸収もよくなります。ランナーは消費カロリーがとても高いスポーツで、加えて練習量が多い。どうすれば体重を落とさないようにするか。食べるということが命令になってしまうとそれは義務になり、ツライ練習と同じようにイヤになってしまいがち。でも、楽しくおいしく食べれば、少ない量でも栄養になる」(中野トレーナー)

そして神林主将。

「寮での食事時間は食べることより話すことが多いですね。そしてボクは最後まで食べていて、1時間くらいかかることもあります。もしかしてそれが体作りにいいのかなと思います。大学に入ってから1度も体調を崩したことがないのは食事のおかげです」

「青学の町田寮はほんとにうるさいです。賑やかです。テレビもついているけど、それが聞こえないほど。面白いのは脚が速い子のほうが、ご飯が遅いことです」と最後に美穂さん。

新型コロナウイルス感染拡大の防止策で、家庭での食事もそれぞれの部屋に分かれて1人で食べることを提唱する専門家もいる。原監督は、青学町田寮でのしっかりとした感染防止対策を取った上での発言として、「物事は1方向だけで考えないことが大切です」と、実証している共食の効果を訴える。2021年の箱根駅伝における作戦名は、「12月10日に行われる記者会見までにネタを仕込み中ですので、もうちょっとお待ち下さい」と。

●オンラインランチ会を企画した大腸活コンソーシアムのホームページ

スポーツ団体ローレウスのアンバサダーに有森裕子、為末大

世界40カ国以上でスポーツを通じた社会貢献活動に取り組んでいるローレウスは、女子マラソンオリンピックメダリストの有森裕子さんと、日本人初の世界大会でのスプリント種目メダリストで、男子400mハードルの日本記録保持者でもある為末大さんを新アンバサダーとして迎えることを決定。

2018年からローレウス・アンバサダーとして、ローレウスの活動をサポートしている元プロテニスプレイヤー杉山愛さんも参加し、就任発表会を2020年8月3日(月)にオンラインで実施した。

現アンバサダーの杉山愛さんも大歓迎

最初に杉山さんが登場し、「昨年、ショーン・フィッツパトリックとローレウスが支援するスペシャルオリンピックス日本のプログラムに参加しました。すごく楽しくて、プログラムに参加している子どもたちの笑顔を見て、スポーツの可能性は本当に大きいなと感じました。これからも日本でさまざまなプログラムを行っていきたいです」とこれまでの活動を振り返った。

続いて、新アンバサダーに就任した有森さん、為末さんが登場。有森さんは「世界で広く活動を行っているこのような国際団体に参加させてもらえて本当に光栄です。今後はさまざまなアスリートとともにスポーツの力を広げていきたいです」、為末さんは「私が現役時代に憧れていた選手たちと同じところにいると考えるとドキドキします。私自身もアジアの子どもたちにスポーツの力を広める活動をしています。ローレウスのような世界規模で活動している団体のアンバサダーになることができて本当に光栄です。いろいろなことを学びながら、貢献できたらいいと思っています」と意気込みを発表した。

次にローレウ スのグローバル・パートナーを代表し三菱UFJフィナンシャルグループ取締役 代表執行役社長グループ CEO 亀澤宏規(かめざわひろのり)氏、ローレウスを代表しローレウス・スポーツ・アカデミー チェアマンのショーン・フィッツパトリック氏からの祝福コメントを紹介。

有森裕子

フィッツパトリック氏は「(ローレウ スの)目標に向けて為末さんと有森さんにご協力いただけることを期待しています。日本のご健康を祈りつつ、ビフォーコロナに戻りましたらまたお会いできたらと思っています」と歓迎した。このメッセージを受けた為末さんは「“為末さん”なんて呼んでいただいてとてもうれしかったです (笑)」とコメン トし、会場の笑いを誘った。

トークセッションでは、選手として世界トップレベルで活躍の経験があり、現在はさまざまな立場からスポー ツに携わっている3名が、スポーツの力やスポーツ界の未来、現在新型コロナウイルスがスポーツ界に及ぼす影響などについて語った。

ローレウスが理念として掲げている“スポーツには世界を変える力がある”に関連し、『スポーツが世界中の子どもたちの助けになる力強い役割を担える理由』について、有森さんは 「応援する、応援される現場が存在するのがスポーツです。そのため自分が生きている存在意義を感じることができると思います。子どもたちにその現場を感じてもらい、生きているということを感じてほしい」。

為末大

為末さんは「私自身の経験を踏まえると、違う国でスポーツを通して仲間ができて本当によかったと感じています。スポーツを通じて、世界につながることを感じることができるし、子どもたちにはそれを感じてほしいです」。

杉山さんは「我々アスリートも目標を達成する喜びや勝った時のうれしさ、負けた時の悔しさなど、スポーツを通して多くを学んできました。協調する力やルールの下でスポーツを行うという、 本当に大切なことをたくさん学べるのがスポーツであると思います」と語った。

日本選手は自分のとこで精一杯で、あたりまえの社会還元ができない

また、日本ではローレウスのように世界規模で社会貢献活動を展開する団体が少ない・生まれにくい理由に関して、杉山さんは「有森さんも仰っていましたが、自分のことで精一杯という一面が日本のスポーツ界にはあるかもしれません。しかし、私自身ワールドツアーを回りながら、各国の選手が当たり前のように社会に還元している姿を目にしてきています。世界と日本を比べてみると、日本ではスポーツ文化の確立ができていないことが大きい理由だと思います」と見解を述べた。

さらに、新型コロナウイルスの影響がスポーツ界やトップアスリートらにも及んでいることについて、3名がそれぞれコメントした。

為末さんは「選手たちにとっては目標がなくなって本当に難しいと思う。どういう風にしたらいいのかという答えはなかなかない。一方で、少しずつ再開されている陸上競技大会で好記録も出ていて、専門的な練習から一歩下がって、室内でしかできないような基礎的な練習をしたことによって結果が出たのではないかとも言われています。現状を前向きにとらえることで、選手の次の飛躍も変えると思うので、そういう意味では工夫していくタイミングなんだろうなと思っています」。

有森さんは 「状況が大変なのは世界中同じ条件です。その中でなにを見出していくかが大事で、為末くんが言ったようにアスリートは今までないがしろにしていた部分や弱点を再発見するきっかけになると思う。『なんで?』と思うか、『せっかく』と思うか、とらえ方が大事。だから乗り越えて欲しいと思うし、これを負に変えるか負に変えないかは自分次第です。同じスタートラインから自分次第でその先がどうなるか決まること伝えたいです」。

杉山愛

杉山氏は「今までと同じようにスポーツやっていくにはさまざまな調整が必要になると思います。子どもたちに関して言うと、こういった時代なのでインターネットなど通してみんなとの会話など普段できないような時間を私も過ごさせてもらってる。いつもない時間が与えられたからこそ自分と向き合う時間にあてている子どもたちが多い。未来は明るいなと思わせてもらえたのは大きかった」と語った。

これからはスポーツが社会に対してなにができるか考えていく時代

最後に、2021年以降の日本スポーツ界はどうなっていくと考えるかについてトークを展開。有森さんは「これからは、スポーツが社会に対してなにができるのかが求められる時期になってくるだろう」、為末さんは「社会におけるスポーツの意義を考えるいい機会になったし、これからもその機会は増えていくと思う」、杉山さんは 「まずは、命ファースト。その中でやっぱりスポーツは大事だねという認識に繋がっていくと思う」とそれぞれコメントし、本発表会を締めくくった。

質疑応答

Q.東京五輪の1年延期を受けて、来夏の東京五輪開催に対する現在の思いをお聞かせ下さい。

A.有森氏:現状あってのオリンピック、スポーツかなと思っているので、現状がまず一番大切。 為末氏:やっちゃおう!という思い。日本には「頑張ってみよう」と宣言してほしい。 杉山氏:どのような形で開催されるか想像できない。イメージがついてからだと思う。

Q.このコロナ禍において、気持ちのコントロールが難しかったり、大会の中止や延期に動揺する知的障害の選手が多いと聞きますが、有森さんからみて選手たちにどんな影響が出ているか、また周囲のどんなケアが必要だと感じますか。

A.有森氏:距離が近くないとサポートできないので、選手は距離感の問題について一番困惑している。サポ ートなしでは難しいのが現状。周囲のケアがまず大事。ケアとして、現状や情報を常に発信していくことが大切だと思う。

Q. ちょうど1年後の2021年8月3日、東京オリンピックの男子400mハードル決勝が予定されています。 為末さんご自身、過去3度オリンピックに出場されて、その当時の決勝の舞台や表彰台に対しての特別な 思いなど、改めて今振り返って伺えますでしょうか。

A.為末氏:自分自身は決勝に残ったことがないので、ぜひ日本人には決勝の舞台、あわよくば表彰台を狙ってほしい。ただ、日本記録をまだ僕が持っているので、記録更新しない程度で頑張ってもらいたい。(笑)

■新アンバサダー プロフィール

有森裕子
1966 年岡山県生まれ。就実高校、日本体育大学を卒業して、(株)リクルート入社。 バルセロナオリンピック、アトランタオリンピックの女子マラソンでは銀メダル、銅メダルを獲得。 2007 年 2 月 18 日、日本初の大規模市民マラソン『東京マラソン 2007』でプロマラソンランナーを引退。 1998 年 NPO 法人「ハート・オブ・ゴールド」設立、代表理事就任。 2002 年 4 月アスリートのマネジメント会社を設立。 国際オリンピック委員会(IOC)スポーツと活動的社会委員会委員、日本陸上競技連盟理事、 スペシャルオリンピックス日本理事長、大学スポーツ協会(UNIVAS)副会長。他これまで、 国際陸連(IAAF)女性委員会委員、国連人口基金親善大使、笹川スポーツ財団評議員、 社会貢献支援財団評議員等の要職歴任。 2010 年 6 月、国際オリンピック委員会(IOC)女性スポーツ賞を日本人として初めて受賞。 同 12 月、カンボジア王国ノロドム・シハモニ国王陛下より、ロイヤル・モニサラポン勲章大十字を受章。

為末大
1978 年広島県生まれ。スプリント種目の世界大会で日本人として初のメダル獲得者。 男子 400 メートルハードルの日本記録保持者(2020 年 8 月現在)。 現在は人間理解のためのプラットフォーム為末大学(Tamesue Academy)の学長、 アジアのアスリートを育成・支援する一般社団法人アスリートソサエティの代表理事を務める。 新豊洲 Brillia ランニングスタジアム館長。主な著作に『Winning Alone』『走る哲学』『諦める力』など。

●ローレウスのホームページ

夏季ユース五輪体操5冠の北園丈琉が徳洲会体操クラブへ

第3回ユースオリンピック競技大会の体操男子個人総合と種目別で計5個の金メダルを獲得した大阪・清風高の北園丈琉(きたぞのたける)が徳洲会体操クラブに2021年4月から所属することになった。同クラブの監督は米田功。

北園は3歳から体操を始め、多くの五輪選手を輩出している中高一貫校の名門清風学園に入学。その後、ユースオリンピック競技大会や全国高等学校総合体育大会で優秀な成績を修めるなど、高校生ながら日本のみならず国際大会でも活躍してきた。今後さらなる活躍が期待される選手の一人。

2021年から北園は同クラブに所属し、東京2020オリンピック出場と世界で活躍できる選手を目指していく。


北園丈琉のコメント
私が徳洲会体操クラブに入団を決めた理由は、体操を続けていく上で最高の環境だと思ったからです。今まで清風でもチャレンジし続けてきたので、そこはブレずに自分の目標達成へ精一杯努力していき、皆に憧れられるアスリートになれるよう頑張ります。

大阪・清風高体操競技部の梅本英貴監督コメント
この度、本校の北園丈琉が徳洲会体操クラブに進むということを決めました。これは彼にとって大きな決断だったと思います。今まで皆が進んできた進路とは違う決断になります。しかし自分の大きな夢のため妥協せず、チャレンジしました。この大きな決断に私も感銘を受けましたし、大きな夢を徳洲会に託したいと思います。今後、大きな夢を持ち続け、また人にも夢を与えられるような人間に成長していってもらいたいです。私自身も彼の成長を楽しみに応援していきたいと思います。

徳洲会体操クラブの米田功監督コメント
北園選手が徳洲会体操クラブの一員になってもらえることをうれしく思っています。体操界だけではなくスポーツ界をリードする選手を目指していきましょう。


北園丈琉(きたぞの たける)
生年月日 :2002年10月21日
出身地 :大阪府
出身校 :清風高(大阪)
身長/体重:148cm/45kg ※公益財団法人日本オリンピック委員会参照

主な戦績
●2018年第3回ユースオリンピック競技大会 ☆史上初の5冠達成
男子個人総合優勝、男子種目別ゆか優勝、男子種目別つり輪優勝、男子種目別平行棒優勝、男子種目別鉄棒優勝

●2019年全国高等学校総合体育大会 ☆当時高校2年生ながら4冠達成
男子団体総合準優勝、男子個人総合優勝、男子種目別床優勝、男子種目別平行棒優勝、男子種目別鉄棒優勝、男子種目別あん馬準優勝、男子種目別つり輪準優勝

●徳洲会体操クラブのホームページ

コロナ禍でドーピング検査も手薄…2020後半は違反数増か?

WADA(世界アンチドーピング機関)は5月23日、新型コロナウイルス感染拡大を抑えようとする衛生対策が喫緊の課題となったことで、スポーツ界のアンチドーピング検査数が減少しているという問題に直面していると認めた。

2020年前半における各スポーツのドーピング件数

スポーツ界のドーピング件数は2019年に比べ、2020年上半期のほうが増加した。2019年上半期のドーピング陽性数は190件で、2020年は同期間で227件に上る。さらに一部に審議中のため機密にされているものもあり、総数はさらに増えると予測されている。

もちろん、サンプルが取得された日付とドーピングが公表された日付には時間差があり、2020年前半にリリースされたいくつかのケースは、2019年に行われたテストの結果となるので、ドーピングが増えていると性急に結論を出すことはできないという。

スポーツ連盟の中には、ドーピングが発覚しても選手に活動停止を通告するまでドーピング陽性を明らかにしない団体もあるという。UCI(国際自転車競技連合)やIAAF(国際陸上競技連盟)は疑惑のケースが起こった際はまず発表し、関係する選手を暫定的な活動停止にするという手段を講じる。

自転車競技で報告されたドーピング陽性数は、2019年に比べて減少傾向が続く。2020年上半期のドーピング陽性数は7で、2019年の1/2だ。

新型コロナウイルス感染が抑え込まれれば、欧州をメインとする自転車競技スケジュールは8月上旬から再開する。WADAはそれをふまえ、各チームにアンチドーピング検査の再開と徹底を通告。ドーピングに対するあくなき姿勢を明らかにしている。

クリーンな自転車競技を目指す団体「MPCC=信頼ある自転車競技のための運動」公式リリースより。

●MPCCのホームページ